うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
医療法人回生會 新宿溝口クリニック 医師・歯科医師向けセミナーのご案内
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

院長よりご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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【6/18(日)副腎疲労セミナー開催レポート】
溝口です。
今月18日、副腎疲労の分野では日本で最も知識と経験が豊富なスクエアクリニックの本間良子先生と龍介先生のご夫妻を講師にお招きし、副腎疲労をテーマにしたセミナーが開催されました。

本間先生ご夫妻からは、龍介先生ご自身の副腎疲労から回復された経過なども含め、様々な慢性疾患の根底に存在する副腎疲労について、とてもわかりやすく話をしていただきました。

約4時間の講演時間をご夫婦で分担され、ところどころで夫婦仲の良さを感じるやりとりがあり、講義の内容だけでなくとても良い雰囲気のセミナーになりました。

お二人の講演でとくに印象に残っているのは、夜にしっかりと休む(眠る)ことの重要性です。

それは副腎の活動の日内変動に合った生活習慣であり、副腎由来のホルモンだけでなく生体のホメオスタシスにとって重要な臓器、組織、ホルモンなどの修復と翌日のストレスがいっぱいの活動を乗り切るための準備になります。

実際に本間先生ご夫妻は早朝から活動するとのことでした。
そのために本間先生のご自宅にはお化粧のため明るさが必要な洗面所を除いて、家には蛍光灯が無いそうです。

副腎疲労をさけるためには、自然のリズムに逆らわないこと、そして食事が何よりも大切であることを強調されていました。

自分の分担分としては、ストレスを受けたときの身体の変化についての基礎的なことを話しました。

ストレスを受けるときには様々な反応が起こりますが、その中でも中心的な反応が副腎皮質からのコルチゾールの分泌亢進です。

コルチゾールは、他の多くのホルモンの感受性を低下させるため、ホルモンの作用が弱くなります。

つまりストレスがかかると、人の身体は多くのホルモンによる作用が弱くなり、余計なことには労力を使わず、ストレスに対抗することに集中するように仕組まれているのです。

この場合、当然インスリンの作用も減弱するので、ストレスがかかった時に糖質を摂ると、驚くほどに血糖値が上昇してしまいます。

また糖新生の抑制も減弱するので、空腹時血糖も上昇し、糖新生のために筋肉が減ってしまうという結果にも繋がります。

これが普段糖質制限をしていても、急に空腹時血糖が上昇したり、食後の血糖値が高値になったりする理由のひとつでもあるのです。

今回のセミナーは、100人以上の医療関係者の方々にお越しいただきましたが、副腎疲労に対して皆さんの知識が深まってくれたのなら、自分もとても嬉しく思います。



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| 副腎疲労症候群 | 18:22 | - | - |


鉄の代謝とフェリチン

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自分がこの治療に出会った1998年当時、フェリチンは70台でした。男性とすると低く、アトピーや花粉症などの原因の1つになっていたかもしれません。それから約15年間ヘム鉄を飲み続けていました。フェリチンが240を超えた頃からフェリチンの上昇が遅くなり、270を超えたことからはヘム鉄のサプリメントを1カプセル飲むと便が黒色になるようになり、フェリチンはそれ以上上昇しなくなったので鉄の服用をやめました。つまり自分の貯蔵鉄が満たされ腸管から鉄を吸収しなくなったことを示します。
鉄代謝の教科書にも、人は貯蔵鉄が満たされると食材に含まれる鉄を吸収しなくなると書かれています。貯蔵鉄が満たされたときのフェリチン値は個人差がとても大きいことも書かれていました。教科書には鉄を服用しているときにフェリチンが上昇しなくなったら、それは貯蔵鉄が満たされたことであると書かれていますが、それを真に受けてフェリチンチャレンジなどしないようにしてくださいね。フェリチンは個人差もとても大きいと言うことを認識して下さい。
フェリチンは20以上あればよいと書かれているものもありますが、フェリチン20未満は鉄欠乏以外ではあり得ない数値であるということが根拠かもしれません。本来必要である貯蔵鉄1000mgに相当するフェリチンは80〜240という報告もあります。個人差がとても大きいことが分かりますね。

それでは便が黒くならなければ、鉄を増やし続けても良いのでしょうか?その答えは、NOです。そもそも吸収しにくい鉄をサプリメントや薬剤を用いて吸収を超える量を摂取すると必ず吸収されなかった鉄が腸管に残存します。鉄は腸内細菌の悪玉菌、日和見菌、カンジダなどにとって必須の分子であり、腸内で僅かな鉄を奪い合っています。つまりサプリメントや薬剤などで吸収しきれない鉄が腸内に増えると、これらの腸内細菌は大喜びし活発に活動し子孫を増やすことになるでしょう。つまり腸内フローラの悪化が起こり便秘などの症状が起こるだけでなく、免疫の破綻や粘膜の炎症を作ることになります。またキレートが外れた2価の鉄イオンは、フェントン反応を引き起こし腸内や粘膜上皮近くでの活性酸素の発生を引き起こすことにもなります。

初乳にはラクトフェリンというタンパク質が大量に含まれています。私たちの目や鼻口腔、膣や生殖器などの粘膜面にもラクトフェリンは分泌されています。ラクトフェリンは鉄との親和性がとても高いタンパク質なので、悪玉菌に奪われそうになった鉄と結合することによって悪玉菌の活動を抑制しています。粘膜面はつねに細菌に暴露する危険性があるため、ラクトフェリンが分泌され初期の防衛をしているのですね。そして無菌状態で生まれた赤ちゃんは、あらゆる細菌に無防備です。さらに胃酸もほとんど分泌しないため、赤ちゃんの腸は無防備なのです。初乳にラクトフェリンが大量に存在することによって、嚥下した細菌の悪玉菌の活動を抑制し乳酸菌やビフィズス菌が相対的に元気になります。そのために母乳の赤ちゃんの便は少し酸っぱい臭いがしたりします。あるメーカーはラクトフェリンを作って社員に飲ませたところお腹がへっこみ体重が減る社員が続出したためにダイエットサプリとして売り出し大ヒットしました。これはラクトフェリンによる腸内フローラの改善から得られた結果です。糖質制限をしながらラクトフェリンを摂取するのは、かなり理論的によいダイエット方法かもしれませんね。

さてそろそろエンディングにしなくてはなりません。心も身体も健康であるために、鉄不足の補正はとても大切なアプローチです。脳内神経伝達物質のバランスを整え、心穏やかにすごすことが出来ます。またコラーゲンがちゃんと作られお肌にはりができ、色素沈着を防ぐ酵素の活性も上がります。女性にとって何とうれしいことでしょう。また月経のときにフェリチンが下がることによって起こる様々な不定愁訴も防ぎます。ところが鉄は両刃の剣であり、使い方を間違えると弊害にもなります。特に腸の炎症の原因になることは避けなくてはなりません。
小腸の粘膜は入れ替わりがとても早い組織です。1〜3日で入れ替わると言われています。小腸の粘膜にはフェリチンがあり、鉄が足りないときにはそこから引き出され身体へ吸収されることを既にお伝えしています。つまり鉄が供給されないと小腸粘膜上皮のフェリチンはすぐに底をつきます。よくヘム鉄がなくなり3〜4日経つと鉄が足りない症状が起こるという女性が居るのはそれが原因かもしれません。つまり鉄不足があるときには、ある程度の鉄の補充は炎症が存在しているときにも慎重に継続することが大切なのです。

そのためにどうしたらよいか、自分が考えるアプローチは以下です。
・ヘム鉄を中心に非ヘム鉄を適当量補足する
・腸内環境が悪くないときには、便がやや黒っぽくなる量が適当
・腸内環境が悪い場合や、出来るだけ早く鉄欠乏を補正したいときにはラクトフェリンを併用する
・鉄を増やしても便が黒くならない場合にも、ラクトフェリンを併用する
・鉄の利用を十分に考慮しタンパク代謝を改善させビタミンB群を十分に併用する
まだまだ細かい注意点はあるのですが書き出すときりがなくなってしまうので、ひとまず「鉄の代謝とフェリチン」シリーズは今回で終了となります。
皆さまの参考になれば幸いです。長文を読んでいただき、ありがとうございました。 
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 19:00 | - | - |


鉄の代謝とフェリチン 

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鉄とフェリチンについて5回シリーズでお伝えしようと予定したのですが、すでに4回目・・少し心配になってきました。
さて前回は、炎症があるときには組織や臓器からフェリチンが漏れ出し血清フェリチンが上昇することをお伝えしました。そこで炎症をどのように評価するかによって、フェリチン値「[貯蔵鉄の増加」か「炎症による影響か」が変わってくることになります。
これまでCRP<0.3mg/dl であれば炎症はなしと判断されていました。ところが高感度CRPという測定方法が知られるようになると、従来の評価では炎症がないという結果でも全身に炎症があることが知られるようになりました。高感度CRPは従来のCRPの1000倍の感度で計測しています。その感度でCRPを測定すると、動脈硬化や心筋梗塞、さらに大腸がんなどのがんとの関係、そしてうつなどの精神症状も従来のCRPでは炎症無しという状態でも高感度CRPでは上昇していることが知られるようになったのです。
そのためオーソモレキュラー(栄養療法)では、CRPは出来るだけ高感度CRPで測定し、さらに炎症と関係する項目をいくつも追加して、かすかな炎症も見逃さないように血液検査項目を選択するようにしました。そうすることによって、フェリチンが上昇しているときに、それが「貯蔵鉄の増加」によるものなのか「炎症」によるものなのか、それとも以前にお伝えした「鉄の利用ができないためにフェリチンだけが上昇」しているのかを正しく評価することができるようになりました。
とくに小腸の粘膜にはフェリチンが存在していることから、腸粘膜の炎症でもCRPは反応することが考えられます。グルテンやカゼインなどによっても腸管粘膜は慢性炎症が引き起こされます。そして実は非ヘム鉄の大量投与も容易に腸粘膜に慢性炎症を引き起こす要因の一つになります。
ついでにSIBO(Small Intestine Bacterial Overgrowth)という病態も紹介しなければなりません。通常小腸は胃酸の影響と食物と一緒に嚥下した空気の影響で、腸内細菌の絶対数がとても少なく乳酸菌の割合が高い環境になっています。ところがSIBOでは、本来大腸などの下部消化管で多く見られる悪玉菌を中心とした腸内細菌が栄養の吸収で重要な小腸に多く住み着いているのです。このSIBOでも腸粘膜は持続的な炎症を示し、栄養の吸収を阻害し腹部膨満感や慢性の下痢などを引き起こします。これらの病態では、いずれもフェリチンは本来の貯蔵鉄の量を反映することなく炎症によって高値になってしまいます。オーソモレキュラーを学んだ方々は、このような状態を「炎症によってマスクされたフェリチンの上昇」と表現することが多いので覚えておくと良いかもしれません。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 15:00 | - | - |


鉄の代謝とフェリチン

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鉄を奪い合う地球上の生き物のひとつである人間にも微生物同様に鉄を食材から吸収し有効に利用するために様々なメカニズムが備わりました。
栄養に関する書物にはいろいろとありますが、自分が参考にしている書籍の一つにヒューマンニュートリションという英国の本があります。これは人に関する栄養の基礎と臨床についてバランスよく記載されていてとても参考になります。ここで強調されているのが、人の体にとって理想的な栄養補給は、新石器時以降の穀物中心の栄養を前提とする中で一般的にバランスの良い(と言われる)食事では、無理であるという点です。つまり糖質制限と十分なタンパク質が必要であるということですね。
ここで脱線ですが、類人猿からヒトへの進化の過程では諸説ありますが、自分がとても納得するのは、動物の脳や脊髄、肉を食べるようになった類人猿がヒトに進化したという説です。この文章を読んでいる皆さんは、もしかするとその当時の食バランスに回帰しているのかもしれません。
穀物中心の食になってしまった現代では、鉄欠乏が人類にとって最も頻度の高い栄養欠乏であり30億人以上とも言われています。そんな我々がどのように鉄不足にならないように工夫しているか、まず吸収の面から見てみましょう。
小腸の粘膜にはヘム鉄を取り込む輸送体とその他のミネラルを取り込む輸送体があります。キレート鉄なども含む非ヘム鉄は、この他のミネラルと同じ輸送体によって小腸の粘膜に取り込まれます。
ヘム鉄の輸送体は巧妙に調節されており、もし鉄が過剰になりそうになると食材中のヘム鉄の吸収をゼロにして鉄の過剰を防ぎます。非ヘム鉄は、その他の多くの2価の金属と同じ輸送体を通るため、たとえば亜鉛と一緒に摂取すると吸収が妨げられたりしてしまいます。
また想定されていない量の非ヘム鉄が、それがたとえ有機鉄であってもキレート鉄であっても供給されてしまうと輸送体が鉄によって占拠されてしまい結果として他のミネラルの吸収を阻害することになり、他ミネラルの不足の原因にもなり得ます。
このさきは私見になりますが、ミネラルの補給については適量のヘム鉄を中心に鉄は補充し体の調節に任せ、非ヘム鉄とその他のミネラルについては互いの吸収阻害を作らないようにバランスを考慮して補給するというのが良いのではと考えます。
ヘム鉄でも非ヘム鉄でも小腸の粘膜に吸収されると通常では一度フェリチンとして粘膜に蓄えられます。そして必要な量の鉄だけが小腸の粘膜から血液中に吸収されます。ここでも調節機能が働くために、鉄の過剰は起こらないようになっています。つまり腸が鉄の過不足の調節の主役になるので、鉄欠乏が激しい時でも鉄剤の注射をしたりするのは、実はとても体にとっては問題になる治療法なのです。ついでにお伝えすると、鉄の補充は注射でも経口摂取でも結果には差がないことが分かっています。鉄欠乏が激しい時でも鉄剤の注射によって鉄のもつ毒性を体に与えることは避けなくてはなりません。
さて、ここでようやくフェリチンが登場しました。フェリチンは鉄を貯蔵するタンパク質です。小腸の粘膜にまず存在していったんリザーブして体の中への供給を調節します。そして体内では肝臓、脾臓、骨髄、心臓、肺など様々な組織に分布しています。つまり、体内に吸収された鉄は様々な組織や臓器で再度貯蔵されているということです。そして血液検査で測定する血清フェリチンとは、これらの組織や臓器から血液中に逸脱した非常に微量のフェリチンを測定しているということです。
検査結果でフェリチンが上がったということは、鉄欠乏が改善して貯蔵鉄が増えたということ意味することもありますが、フェリチンが存在するどこかの組織や臓器に炎症などのトラブルがあり、そこから血液中に漏れ出していることも考えなくてはなりません。ときにガンが存在しても血清フェリチンが上昇することもあります。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 18:00 | - | - |


鉄の代謝とフェリチン

JUGEMテーマ:健康



いまの地球上の大気中には酸素は約20%存在します。ところが地球が誕生したときには、酸素はごく僅かしかありませんでした。そのような環境で生まれた生き物(主に微生物)は、地球上の酸素分圧が上昇するに従い滅びました。酸素の少ない環境を探して、いまでも生き残っているのが嫌気性細菌という種類の微生物で、私たちの腸内細菌にもいっぱいいます。
酸素が増えることによって影響を受けたのは生き物だけではありません。鉄もそうでした。
酸素が乏しい環境では、水にとけやすいFe2+として存在できたのですが、酸素が増えてきたために鉄も酸化されFe3+という水に溶けにくく生き物が利用しにくい形の鉄が増えたのです。
鉄の吸収効率をあげるのにビタミンCを一緒に摂るとよいというのは、食材に含まれたFe3+が胃酸などの作用で吸収しやすいFe2+の形の鉄になったものをビタミンCのもつ還元作用によってFe3+に戻るのを防いでくれるからなのです。
鉄のサプリメントではキレート鉄という種類のものが外国では売られています。グリシンなどのアミノ酸で鉄をキレートして吸収率を上げているものです。日本ではキレート鉄が認められていないため、酵母などを培養するときの餌となる培地に鉄を付加することによって酵母に鉄を含ませたものを原材料にして吸収効率を高めた有機鉄というものが使われます。これらのキレート鉄も有機鉄も鉄が吸収されやすいFe2+の形のままで小腸まで届くために吸収されやすくなります。

ここで私たち人間が摂取する鉄について分類して説明したいと思います。

経口摂取する食べ物に含まれている鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けることが出来ます。非ヘム鉄は、無機鉄と有機鉄に分けることが出来ます。この非ヘム鉄のなかの有機鉄に、アミノ酸を工業的にキレートさせたキレート鉄と酵母などから抽出した有機鉄などが含まれます。
ヘム鉄とは鉄がポルフィリン環で囲まれた形をしています。ポルフィリン環でマグネシウムを囲ったものがクロロフィルで、植物で行われる光合成に必要な分子です。
ミネラルを生き物が利用しやすくさせるものがポルフィリン環と考えても良いかもしれません。私たちの身体で鉄はヘモグロビン、ミオグロビンなどの含鉄タンパク質や、チトクローム、カタラーゼなど含鉄酵素などのじつに様々な形態をとって機能しているのですが、これらは全てヘム鉄として含まれています。そのためにヘム鉄に必要なポルフィリン環は、自分でも合成することが可能であり活発に合成しています。
この合成過程の律速段階の補酵素がビタミンB6なのです。貧血のひとに鉄のサプリメント摂ってもらったり、鉄剤の注射をしてもなかなかヘモグロビンが上がらないことがあります。この原因のひとつに吸収された鉄がビタミンB6の不足によってヘム鉄に変換できず身体が利用できないことが考えられます。このような状況では、鉄の摂取によってフェリチンだけが上昇するという結果になります。
ここでやっとテーマであるフェリチンが出てきましたが、フェリチンについて詳しく説明するのはもう少し後にしましょう。

人のすばらしい機能を十分に働かせることによって病気を治したり健康レベルを向上させるオーソモレキュラー(栄養療法)の基礎に、必要な栄養素(分子)が十分な量、必要な組織や部位に存在することであることは前回お伝えしました。
鉄で言えば、吸収された鉄が含鉄タンパク質や含鉄酵素として必要な組織や部位で十分に存在することが最も大切なことなのです。その中でも酸素を運搬するヘモグロビンは鉄の補充によって比較的早期に補正されるタンパク質です。通常の医者はヘモグロビンの濃度だけで鉄の不足を判断するのですが、それは大きな誤りです。ヘモグロビンなどの赤血球関連項目とフェリチン、さらに鉄代謝に関わる他の項目を十分に評価しないと鉄の過不足を正確にしることはできません。
つまり炎症がないときに鉄の補充によってフェリチンが急上昇したら、それはきっと鉄の利用障害を意味するものでしょう。そうしたら鉄を利用できるように調整することが必要になるのです。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 15:00 | - | - |


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