うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
医療法人回生會 新宿溝口クリニック 医師・歯科医師向けセミナーのご案内
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

院長よりご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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鉄の代謝とフェリチン 

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鉄とフェリチンについて5回シリーズでお伝えしようと予定したのですが、すでに4回目・・少し心配になってきました。
さて前回は、炎症があるときには組織や臓器からフェリチンが漏れ出し血清フェリチンが上昇することをお伝えしました。そこで炎症をどのように評価するかによって、フェリチン値「[貯蔵鉄の増加」か「炎症による影響か」が変わってくることになります。
これまでCRP<0.3mg/dl であれば炎症はなしと判断されていました。ところが高感度CRPという測定方法が知られるようになると、従来の評価では炎症がないという結果でも全身に炎症があることが知られるようになりました。高感度CRPは従来のCRPの1000倍の感度で計測しています。その感度でCRPを測定すると、動脈硬化や心筋梗塞、さらに大腸がんなどのがんとの関係、そしてうつなどの精神症状も従来のCRPでは炎症無しという状態でも高感度CRPでは上昇していることが知られるようになったのです。
そのためオーソモレキュラー(栄養療法)では、CRPは出来るだけ高感度CRPで測定し、さらに炎症と関係する項目をいくつも追加して、かすかな炎症も見逃さないように血液検査項目を選択するようにしました。そうすることによって、フェリチンが上昇しているときに、それが「貯蔵鉄の増加」によるものなのか「炎症」によるものなのか、それとも以前にお伝えした「鉄の利用ができないためにフェリチンだけが上昇」しているのかを正しく評価することができるようになりました。
とくに小腸の粘膜にはフェリチンが存在していることから、腸粘膜の炎症でもCRPは反応することが考えられます。グルテンやカゼインなどによっても腸管粘膜は慢性炎症が引き起こされます。そして実は非ヘム鉄の大量投与も容易に腸粘膜に慢性炎症を引き起こす要因の一つになります。
ついでにSIBO(Small Intestine Bacterial Overgrowth)という病態も紹介しなければなりません。通常小腸は胃酸の影響と食物と一緒に嚥下した空気の影響で、腸内細菌の絶対数がとても少なく乳酸菌の割合が高い環境になっています。ところがSIBOでは、本来大腸などの下部消化管で多く見られる悪玉菌を中心とした腸内細菌が栄養の吸収で重要な小腸に多く住み着いているのです。このSIBOでも腸粘膜は持続的な炎症を示し、栄養の吸収を阻害し腹部膨満感や慢性の下痢などを引き起こします。これらの病態では、いずれもフェリチンは本来の貯蔵鉄の量を反映することなく炎症によって高値になってしまいます。オーソモレキュラーを学んだ方々は、このような状態を「炎症によってマスクされたフェリチンの上昇」と表現することが多いので覚えておくと良いかもしれません。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 15:00 | - | - |


鉄の代謝とフェリチン

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鉄を奪い合う地球上の生き物のひとつである人間にも微生物同様に鉄を食材から吸収し有効に利用するために様々なメカニズムが備わりました。
栄養に関する書物にはいろいろとありますが、自分が参考にしている書籍の一つにヒューマンニュートリションという英国の本があります。これは人に関する栄養の基礎と臨床についてバランスよく記載されていてとても参考になります。ここで強調されているのが、人の体にとって理想的な栄養補給は、新石器時以降の穀物中心の栄養を前提とする中で一般的にバランスの良い(と言われる)食事では、無理であるという点です。つまり糖質制限と十分なタンパク質が必要であるということですね。
ここで脱線ですが、類人猿からヒトへの進化の過程では諸説ありますが、自分がとても納得するのは、動物の脳や脊髄、肉を食べるようになった類人猿がヒトに進化したという説です。この文章を読んでいる皆さんは、もしかするとその当時の食バランスに回帰しているのかもしれません。
穀物中心の食になってしまった現代では、鉄欠乏が人類にとって最も頻度の高い栄養欠乏であり30億人以上とも言われています。そんな我々がどのように鉄不足にならないように工夫しているか、まず吸収の面から見てみましょう。
小腸の粘膜にはヘム鉄を取り込む輸送体とその他のミネラルを取り込む輸送体があります。キレート鉄なども含む非ヘム鉄は、この他のミネラルと同じ輸送体によって小腸の粘膜に取り込まれます。
ヘム鉄の輸送体は巧妙に調節されており、もし鉄が過剰になりそうになると食材中のヘム鉄の吸収をゼロにして鉄の過剰を防ぎます。非ヘム鉄は、その他の多くの2価の金属と同じ輸送体を通るため、たとえば亜鉛と一緒に摂取すると吸収が妨げられたりしてしまいます。
また想定されていない量の非ヘム鉄が、それがたとえ有機鉄であってもキレート鉄であっても供給されてしまうと輸送体が鉄によって占拠されてしまい結果として他のミネラルの吸収を阻害することになり、他ミネラルの不足の原因にもなり得ます。
このさきは私見になりますが、ミネラルの補給については適量のヘム鉄を中心に鉄は補充し体の調節に任せ、非ヘム鉄とその他のミネラルについては互いの吸収阻害を作らないようにバランスを考慮して補給するというのが良いのではと考えます。
ヘム鉄でも非ヘム鉄でも小腸の粘膜に吸収されると通常では一度フェリチンとして粘膜に蓄えられます。そして必要な量の鉄だけが小腸の粘膜から血液中に吸収されます。ここでも調節機能が働くために、鉄の過剰は起こらないようになっています。つまり腸が鉄の過不足の調節の主役になるので、鉄欠乏が激しい時でも鉄剤の注射をしたりするのは、実はとても体にとっては問題になる治療法なのです。ついでにお伝えすると、鉄の補充は注射でも経口摂取でも結果には差がないことが分かっています。鉄欠乏が激しい時でも鉄剤の注射によって鉄のもつ毒性を体に与えることは避けなくてはなりません。
さて、ここでようやくフェリチンが登場しました。フェリチンは鉄を貯蔵するタンパク質です。小腸の粘膜にまず存在していったんリザーブして体の中への供給を調節します。そして体内では肝臓、脾臓、骨髄、心臓、肺など様々な組織に分布しています。つまり、体内に吸収された鉄は様々な組織や臓器で再度貯蔵されているということです。そして血液検査で測定する血清フェリチンとは、これらの組織や臓器から血液中に逸脱した非常に微量のフェリチンを測定しているということです。
検査結果でフェリチンが上がったということは、鉄欠乏が改善して貯蔵鉄が増えたということ意味することもありますが、フェリチンが存在するどこかの組織や臓器に炎症などのトラブルがあり、そこから血液中に漏れ出していることも考えなくてはなりません。ときにガンが存在しても血清フェリチンが上昇することもあります。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 18:00 | - | - |


鉄の代謝とフェリチン

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いまの地球上の大気中には酸素は約20%存在します。ところが地球が誕生したときには、酸素はごく僅かしかありませんでした。そのような環境で生まれた生き物(主に微生物)は、地球上の酸素分圧が上昇するに従い滅びました。酸素の少ない環境を探して、いまでも生き残っているのが嫌気性細菌という種類の微生物で、私たちの腸内細菌にもいっぱいいます。
酸素が増えることによって影響を受けたのは生き物だけではありません。鉄もそうでした。
酸素が乏しい環境では、水にとけやすいFe2+として存在できたのですが、酸素が増えてきたために鉄も酸化されFe3+という水に溶けにくく生き物が利用しにくい形の鉄が増えたのです。
鉄の吸収効率をあげるのにビタミンCを一緒に摂るとよいというのは、食材に含まれたFe3+が胃酸などの作用で吸収しやすいFe2+の形の鉄になったものをビタミンCのもつ還元作用によってFe3+に戻るのを防いでくれるからなのです。
鉄のサプリメントではキレート鉄という種類のものが外国では売られています。グリシンなどのアミノ酸で鉄をキレートして吸収率を上げているものです。日本ではキレート鉄が認められていないため、酵母などを培養するときの餌となる培地に鉄を付加することによって酵母に鉄を含ませたものを原材料にして吸収効率を高めた有機鉄というものが使われます。これらのキレート鉄も有機鉄も鉄が吸収されやすいFe2+の形のままで小腸まで届くために吸収されやすくなります。

ここで私たち人間が摂取する鉄について分類して説明したいと思います。

経口摂取する食べ物に含まれている鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けることが出来ます。非ヘム鉄は、無機鉄と有機鉄に分けることが出来ます。この非ヘム鉄のなかの有機鉄に、アミノ酸を工業的にキレートさせたキレート鉄と酵母などから抽出した有機鉄などが含まれます。
ヘム鉄とは鉄がポルフィリン環で囲まれた形をしています。ポルフィリン環でマグネシウムを囲ったものがクロロフィルで、植物で行われる光合成に必要な分子です。
ミネラルを生き物が利用しやすくさせるものがポルフィリン環と考えても良いかもしれません。私たちの身体で鉄はヘモグロビン、ミオグロビンなどの含鉄タンパク質や、チトクローム、カタラーゼなど含鉄酵素などのじつに様々な形態をとって機能しているのですが、これらは全てヘム鉄として含まれています。そのためにヘム鉄に必要なポルフィリン環は、自分でも合成することが可能であり活発に合成しています。
この合成過程の律速段階の補酵素がビタミンB6なのです。貧血のひとに鉄のサプリメント摂ってもらったり、鉄剤の注射をしてもなかなかヘモグロビンが上がらないことがあります。この原因のひとつに吸収された鉄がビタミンB6の不足によってヘム鉄に変換できず身体が利用できないことが考えられます。このような状況では、鉄の摂取によってフェリチンだけが上昇するという結果になります。
ここでやっとテーマであるフェリチンが出てきましたが、フェリチンについて詳しく説明するのはもう少し後にしましょう。

人のすばらしい機能を十分に働かせることによって病気を治したり健康レベルを向上させるオーソモレキュラー(栄養療法)の基礎に、必要な栄養素(分子)が十分な量、必要な組織や部位に存在することであることは前回お伝えしました。
鉄で言えば、吸収された鉄が含鉄タンパク質や含鉄酵素として必要な組織や部位で十分に存在することが最も大切なことなのです。その中でも酸素を運搬するヘモグロビンは鉄の補充によって比較的早期に補正されるタンパク質です。通常の医者はヘモグロビンの濃度だけで鉄の不足を判断するのですが、それは大きな誤りです。ヘモグロビンなどの赤血球関連項目とフェリチン、さらに鉄代謝に関わる他の項目を十分に評価しないと鉄の過不足を正確にしることはできません。
つまり炎症がないときに鉄の補充によってフェリチンが急上昇したら、それはきっと鉄の利用障害を意味するものでしょう。そうしたら鉄を利用できるように調整することが必要になるのです。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 15:00 | - | - |


鉄の代謝とフェリチンについて

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少し前にフェイスブックに寄稿した鉄の代謝とフェリチンの記事が好評だったと聞いています。このブログでも同じでよいのでアップして欲しいと言われたので、フェイスブックで既にお読みの方も多いと思いますがアップさせてもらいます。長文になるので何回かに分けてアップしますね。

ことの始まりは先日発売されたムック本『糖質制限がすごい!ケトン体生活のススメ』の出版を企画された方からフェリチンについて教えて欲しいといわれたことでした。
フェリチンについて説明する前に、鉄について説明しないとならないので退屈かもしれませんがお付き合いいただくことになります。

自分が実践しているオーソモレキュラー療法では、それぞれの栄養素を必要な組織や部位に必要十分に存在させることが基本になります。特に鉄は治療効果を上げるためにとても重要な栄養素になります。そして誤解されている代表的な分子なのです。
人の身体が最適に機能するためには十分な鉄は必須の栄養素です。でもこれは人間だけでなく、実は地球上のほとんどの生き物にとっても同様のことでした。自分がこの治療に出会って鉄を詳しく調べてみると、本当に知りたい情報は医学の教科書にはありませんでした。本当に欲しい情報は、農芸化学の書物に書かれていました。
良い野菜を作ったり、木々をたくましく育てるためには鉄が必要なのです。ところが、鉄が豊富な土壌であれば良いのかというと、そうではないのです。土に鉄が含まれていることは必要条件なのですが、その土にいる細菌などの微生物のバランスが大切だというのでした。
さらに調べてみると、植物を含めて地球上のほとんどの生き物には鉄が必須元素であり、そして生き物は生存のために鉄の奪い合いをしていることを知りました。このことは土壌で繰り広げられる微生物と植物の関係だけでなく、人間と人の常在菌でも同じであることを知りました。その延長にフェリチンが存在するのです。
| 栄養療法(オーソモレキュラー療法) | 09:00 | - | - |


『治す食事 患う食事』 の紹介

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ゴールデンウィークも終盤、みなさまはいかがお過ごしですか?
前半はカナダ出張でしたが、後半はとても過ごしやすい天気の日本で過ごせました。
5月2日、クリニックに本が届いていました。

『食材別・症状別の大事典 治す食事 患う食事』 (医道の日本社

英文のタイトルが 
“Foods that Harm Foods that Heal”

この原著は、アメリカのReader's digest編集部から出版され全世界で700万部以上のベストセラーです。
世界的なベストセラーといっても120の食材に関する情報と、87の病気に対する栄養的な知見を記した食材と健康にかんする百科事典のようなもので、和訳されたもので381ページにもなる分厚い本です。
この本の監訳を頼まれ、かなり長期間にわたって編集担当の方とやり取りをしました。
たとえば、脂肪酸と脂肪の違いとか、炭水化物と糖質の違いとか・・・原著の英語表現の区別が不明確であったりして難渋しました。
380ページの著書なので、和訳されたものをチェックするだけでも大変な作業。栄養の知識をもった知り合いにも助けてもらいながらどうにか完成させることができました。
実際に出来上がった本を手に取ってみると感慨もひとしお。

内容については当然ですが原著に忠実にしているため、自分が主張している糖質制限やケトン体の有効性などについては触れていませんし、それとは異なる記載もあります。それでも「うつ病=Depression」の部分では、糖質制限が推奨され気分の“ハイとロー”やイライラとの関係なども記されています。
この本は、ちょっとした不調のときにどのように食事に気を付けたらよいのか調べたり、ブームのように垂れ流される栄養の情報を選択するときに、エビデンスに基づいたスタンダードを知るという使い方をするのには適したものと思います。一家に一冊ですね。

今日は連休に挟まれた土曜日です。
お子様や遠方から来院される患者さんが多いと思います。
診察時間が短くなってしまうかもしれませんが、満足していただけるように頑張ります!
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