うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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集中力とビタミンBと疲労

JUGEMテーマ:健康

 

クリニックには発達障害のお子さんも沢山いらっしゃまいます。

抱えている症状は一つではなくいくつかの症状が複数ある事が多くあります。

 

発達障害はドーパミンやノルアドレナリンという脳の伝達物質の不足や不安定さがある事も特徴で、その事が集中力にムラがある。という形となって表に出てきます。

 

そして普段集中力が続かなかったり、うまく取り組めない事が多くあっても、興味がある事や好きな事に対しては驚くような集中力を発揮する事が多くあります。

 

この驚くような集中力を発揮した後、多くのお子さんがスイッチが切れたように疲労感に襲われます。

好きな事をして幸せなはずなのに何故どっと疲れてしまうのか。

 

実は脳内ではこんな事が起こっていると考えられます。

 

興味や好きな事に遭遇すると脳は「意欲」「快楽」「学習」などの感情を司るドーパミンが分泌されます。

ドーパミンはノルアドレナリンの前駆物質でもある為、ドーパミンが大量に分泌されるという事はノルアドレナリンも沢山分泌されるという事になりさらに高揚感が増すと考えられます。

ドーパミンやノルアドレナリンの代謝にはビタミンB群、特にB6が欠かせません。

ドーパミンやノルアドレナリンが沢山分泌されるほどビタミンB群も沢山消費されていきます。

 

『集中する=快楽などの気持ちいと感じるドーパミンが分泌される=大量のビタミンB群が消費される』という事になります。

 

そう人は何かに集中している時、気持ちがいいと感じているのです。

それと同時に大量のビタミンB群も消費しています。

 

疲労についてはここでは割愛しますがビタミンB群は疲労の回復には欠かせない栄養素です。

ビタミンB群がホルモン分泌に沢山使われる事はエネルギー代謝に使えるビタミンB群が減ってしまう事にも繋がります。

エネルギー代謝が上手く行われない事は疲労物質の蓄積につながっていくのです。

 

ここまでの事をまとめると

『集中する=大量のビタミンB群が消費される=疲労感出る』

という事になり、集中し終わりドーパミンなどの分泌が通常に戻るとどっと疲れが出てしまうのです。

 

集中している本人はドーパミンやノルアドレナリンが沢山出ていますから自分で丁度いい時間で休憩を入れる事は中々難しいのでタイマーを使って時間になったら休憩するなどの工夫か必要かもしれません。

 

また多くの才能ある方は、感情の起伏が激しかったり、気分の浮き沈みが大きい方が多い印象です

オーソモレキュラー的に見るとビタミンB群が関わっている不足症状が非常に多いなと感じています。

きっと体は集中している時にありったけのビタミンB群を使い集中力がきれないように奮闘し、他に回せる分があまり残っていないのだと思います。

 

何か症状を抱えていない方でも仕事に集中したり趣味を楽しんだりと集中する機会は多くあります。

是非、良い時間で休憩をはさみビタミンB群をしっかり補給して疲労せずしっかり集中できる体をつくっていきましょう。

 

 

 

| 発達障害 | 10:37 | - | - |


発達障害の原因と周産期管理

JUGEMテーマ:健康

久保田先生と

 昨日は、福岡の久保田史郎先生をお招きしてクリニックのセミナールームで勉強会を開きました。

写真は、懇親会のあとにトルコ料理屋さんの前での久保田先生とのツーショットです。

 

久保田先生とは、8年ほど前に福岡の木村専太郎先生主催の夕食会で御一緒したことがありました。

今回は、発達障害についてまとめているときに久保田先生の研究に注目し連絡をするようになり実現したものです。

 

実は久保田先生と夕食でも摂りながら、いろいろとディスカッションをする予定だったのですが、福岡から久保田先生が上京されるという情報がフェイスブックなどで広がり急遽セミナー開催となったのです。

東京在住で久保田先生の活動に興味があるドクターや医療従事者、新宿溝口クリニックのスタッフ、そしてONP,ONEの中で都合がついた皆さん方の合計で30名ほどになりました。

 

オーソモレキュラー療法が、発達障害の患者さんの治療として応用できることを知らない方々も多く参加されたので、患者さんの経過を知って驚かれたようでした。

 

久保田先生は、自分と同じ麻酔科出身です。

体の中で起こっている変化を、とにかくモニターしながらデータから推移して対応するのが麻酔科医の仕事です。

久保田先生は、多くの赤ちゃんが寒がっているという確信から体温を詳細にモニターされました。

そこで実に多くのことが分かります。

さらに通常とことなる変化の赤ちゃんには低血糖が関係していること突き止めます。

さらに糖尿病と診断されていないお母さんからも、高インスリンの赤ちゃんが生まれることを確かめます。つまり赤ちゃんは産後低血糖のハイリスクなのです。

 

そして出産後の赤ちゃんのケアとして久保田式管理を作り実践することで、産後の多くのトラブルを回避できるようにしたのです。

発達障害が急増している現象にも久保田先生ならではの視点で原因について考察されます。

多くの発達障害の患者さんを検査して感じている、インスリン分泌や血糖コントロールの不良などが、妊娠中や産後の管理に関係しているという考えはとても納得するものです。

 

ただここでも産科の学会などでは、無視されときに罵倒され、さらに笑われるという扱いだそうです。

子宮の中では赤ちゃんはケトジェニックな状態であることを理解してくれたら、専門家として反対するのであれば反論を理論的に構築してほしいものです。

 

久保田先生は、臨床を離れて発達障害の予防などのために今後は活動されると話されていました。

すでに影響力のある方も久保田先生の理論に興味をもたれているそうです。

ここでも権威ある医学会は最後になるでしょう。

 

今後も久保田先生とは連絡を取りながら、いろいろと教えてもらおうと思います。

セミナー後には、17名の方々が懇親会に参加してくれました。

とても楽しいセミナーとなりました。

 

急な告知にも関わらず、参加してくれたみなさま、ありがとうございました。

| 発達障害 | 16:40 | - | - |


今年の春も
3月になり冷たい風にも春の訪れを感じるようになってきました。この季節は卒業や入学など、子供たちにとって少し特別な時期になります。発達障害などと診断されたお子さんの親御さんにとっても、この季節は特別なものかもしれません。

毎年のようにこのブログでも、嬉しいお知らせをしていますが今年も同様でした。そんなお子さまの変化について紹介させていただきます。

7歳の男の子。2歳前に自閉症と診断され療育を受けていました。2年前に初めてクリニックを受診してくれてから栄養療法を継続してくれています。偏食やこだわりなどが徐々に改善し療育でも同世代の友達と徐々に関係も作れるようになってきていました。昨年から少しサプリメントの組み合わせを変更したところ言葉の面での発達が顕著になりました。2月にお母さまが検査結果を聞きに来てくれたときには、知的障害の診断から外れ証明書を返上したことを報告してくれました。タクシー代などの公的補助が受けられなくなったけど、証明書の返上は栄養療法を始めたときからの目標だったことをお話ししてくれました。
お子さんの改善もとてもうれしいことですが、同じ子供を持つ親としてお母様の報告やうれしそうな表情に感動してしまいました。


JUGEMテーマ:健康



| 発達障害 | 10:00 | - | - |


12月7日 山形講演会のお知らせ
JUGEMテーマ:健康


次の日曜日、山形ビッグウイング内の会場で一般の方々向けの講演会が開かれます。

2014年12月7日(日)十日町ようこクリニック主催
「子どもの元気と笑顔のための栄養のおはなし」

山形国際交流プラザ(山形ビッグウィング) 大会議室
13時30分〜16時 

参加費 無料

http://www.orthomolecular.jp/info/seminar20141207/

主催されるのは、十日町ようこクリニックの深瀬洋子先生です。
深瀬先生は、開業当初からオーソモレキュラー療法を一般の診療に取り入れられました。
深瀬先生は内科専門医でいらっしゃるため、新宿溝口クリニックとはあつかう疾患が少し異なります。大腸の感染症による炎症に対しての栄養療法などは新宿ではあつかうことがありません。
内科的にみられる病気にたいして多くの患者さんへ栄養療法を実践されてきたところ、山形県十日町でも子供のトラブルに対する相談が増えてきました。

不登校やイライラする・・じっとしていられない、集中力がない・・・このような子供のトラブルは全国共通のようです。さらにこのようなトラブルの場合には、決まった治療法がありません。小児精神科へ相談にいくと、場合によっては初診時から抗精神病薬が処方されていることを多く経験しています。
もちろんなかにはそのような薬剤が必要なお子さんもいらっしゃるかもしれません。
そしてもし薬剤が必要なお子様であっても、もし栄養療法を併用することによって減薬ができたり、断薬ができたりすれば、それは成長期のお子様にとっては大きな貢献であるとおもいます。

今回は、小児科や精神科が専門ではない深瀬先生が子供のトラブルについての講演会を開きたいという希望があり、僕も参加させていただくことにしました。
講演の内容は、お子様のトラブルだけでなく現代日本の食事の問題点から、心と栄養の関係、さらにお子様のトラブルと栄養代謝の関係についてをお伝えします。

先日の山梨県大月市の講演会でも会場が満員になりました。
皆様が熱心にメモを取りながら聞いていただく姿を拝見しながら、こちらも心地よい緊張感をもってお話させていただきました。

今回も、多くのかたへ心の栄養の関係と問題についてをお伝えしたいと思います。
| 発達障害 | 10:57 | - | - |


鳥栖での講演ダブルヘッダー 5月18日です
JUGEMテーマ:健康


ブログをお読みの皆さん、こんにちは
5月18日の日曜日は、九州佐賀県の鳥栖へお邪魔します。
午前中は、一般のみなさまを対象とした講演会で、午後からは地元のドクターへの栄養療法の基礎についての勉強会で講師をすることになっています。

◆5/18AM一般講演会(主催:鳥栖市保育会)

鳥栖市役所 3階 大会議室
10:00〜11:30 (9時半開場)
入場無料
当日参加OK

テーマ
お子様の元気な笑顔のために栄養のおはなし(仮)

先日、ヤフーニュースを見ていたら気になるニュースがありました。
母乳で育てている乳児のほうが粉ミルクで育てているこどもよりもくる病が多いという内容でした。
くる病はビタミンDの欠乏症状で以前は東北地方によく見られていました。東北地方が日照時間が短いことが原因とされてきましたが、今回のニュースは母乳かミルクか・・・という内容でした。

実はこの事実は、数年前から小児科の学会などで指摘されています。
お母さんは美白のために紫外線に当たらないことが子供のビタミンD欠乏の原因とされています。
そんなお母さんの母乳に含まれるビタミンDは粉ミルクのビタミンDよりも遙かに少なく乳児がくる病になってしまうのです。

子供は成長します。
そのためには適切な種類と量の栄養補給が必要なのです。
乳児のくる病で例を挙げたのですが、子供の様々なトラブルに栄養の問題が関わっていることは事実です。

今回の講演では、成長期のお子さんは私たちが想像するよりも遙かに栄養が必要・・・裏返すと子供は容易に栄養不足によるトラブルが起こりやすいということを示しています。

機嫌が悪い・・・ぐらいの程度から、すぐに怒ってキレる・・集中力が出ない、朝起きられない、授業中座っていない、友達とすぐにけんかになる・・などの子供の困った・・・について。また自閉症〜発達障害と専門居から診断されているような場合まで含めて見られる栄養的な問題点など、実際の患者さんの経過などを含めてお伝えしようと思っています。







| 発達障害 | 22:17 | - | - |


うれしい報告
JUGEMテーマ:健康


23歳の男性の患者さんです。
久しぶりに新宿を受診し栄養の解析検査を受けてくれました。
なぜ久しぶりかと言うと、今は海外に留学中でやりたかった専門の勉強をしているからです。

彼が新宿を初診してくれた時には統合失調症の診断でジプレキサをかなりの量で処方されていました。
実際に電車や学校などの不特定多数の人がいるところでは、強い違和感があり妄想と言えるような症状がありました。大学にはどうにか通学していましたが、休むことも多く継続して卒業することにはかなりの困難を伴うことが予想される状況でした。

栄養アプローチに取り組み、慎重に減薬と処方の変更を進めたところ周囲との違和感が薄らぎ、大学への通学も容易になり新宿への通院もお母さんなしで一人で来れるようになっていました。

頭の働きがはっきりしてきたときに、本人から発達障害の専門医を受診したいという相談がありました。
幼いころから自分が感じていた違和感は、発達障害に当てはまることが多いためでした。
栄養療法のことも理解し、成人の発達障害にも詳しい知り合いの医師を紹介したところ、統合失調症と診断された多くの精神症状は、発達障害の一つであるアスペルがー症候群にともなう反応性の精神症状であろうという診断でした。

彼にとってその診断と医師からのアドバイスは腑に落ちるもので、さらに自分を力付けるものだったようです。
栄養アプローチの継続と減薬が進み、大学を卒業する前に海外へ留学して勉強したいという相談を受けたのです。

お母さんは留学にたいしては不安や心配が強くどちらかと言うと反対だったようです。
ところが食事の注意やサプリメントの継続、そして自分の判断で減薬をしないことなどを約束して海外へ向かうことになりました。

留学する前に、留学先の大学教授へ彼の状態について以下のような手紙を書き事前にお知らせしておきました。

・アスペルガ‐症候群であること
・落ち着いているがストレスによって反応する可能性があること
・食事について糖質制限と高たんぱく食が必要であること
・サプリメントを継続して服用する必要があること
・少量の抗精神病薬を服用していること

すると留学先の大学は、彼のためにサポート体制を作って待ってくれていたのです。
授業の内容を録音したテープが渡されました。
また黒板を写すことが苦手であることを理解してくれていて、事前に授業内容の資料も準備してくれていました。

発達障害の方々は、授業を聞きながら黒板をノートへ写し、自分の考えをメモする・・・・などの一連の作業をすることが苦手です・・・というかできないと言えるかもしれません。
話を聞くときには、聞くことに専念し集中します。ノートをとるときにはそれに集中することができます。考えるときには集中して考えることができます。個別であれば素晴らしい集中力で作業することができるし、ストレスを感じないのです。

さりげない大学の配慮は、彼の勉強を快適にしてくれただけでなく、日本では苦痛だった教室が心地よいものになりました。もともと個を尊重し、個人の違いについてを問題にしないお国柄も、彼には良い環境だったのでしょう。

先日の診察室では、本当にすっきりした雰囲気で生き生きした雰囲気が伝わってきました。
日本では家に居ることが多いインドア派だったそうですが、アウトドア派になりましたと言っていました。
休日には外へ散歩へ出かけ、クラスメートとダウンタウンにでて買い物を楽しんだりしています・・と教えてくれました。

患者さんの改善経過は、医療に関わる人間には最大の喜びです。
今日紹介した患者さんだけでなく、日々の生活での何気ない改善を教えてもらうときにも同様の喜びがあります。
そんな貴重な機会に日々触れることができ、いつも嬉しく光栄に感じています。
治療に取り組んでいる皆さんをいつもそっと応援しています。





| 発達障害 | 08:40 | comments(2) | trackbacks(0) |


岡山県津山での講演が終わりました
JUGEMテーマ:健康

3月3日岡山県津山での講演会が終わりました。
岡山から在来線で1時間30分、のんびりと川が流れる風景を眺めながら津山駅につきました。
途中では、瓦屋根の家並みを眺めながら、桃の節句の当日でしたがこいのぼりの歌詞が頭に流れました。日本の昔ながらの風景です。
電車に乗りながら感じた感覚は、毎日見る風景と異なることも理由だとおもいますが、一番違ったのはきっと移動の速度がゆっくりだったからだと思いました。

講演会の会場に到着すると、会場いっぱいに並べられた椅子に驚きました。
事前に150人ほどのお申し込みだと聞いていたので、あきらかにそれ以上の椅子の数です。主催されたオレンジハートの方からは参加者が250人になったことを聞きました。
3月3日という子供のための日曜日に、子供のトラブルについての講演会というので心配したのですが、本当に多くの方々に参加いただき、しかもとても熱心に話を聞いていただきました。

会場には、四国、三重、九州からも参加いただき、さらに近郊のドクターにも参加していただきました。
新宿の遠方対応で治療されているお子さんのお母様も参加いただきちょっとしたオフ会の雰囲気です。

講演後は、ゆっくりと質疑応答の時間をとって欲しいと言う依頼があったので20分以上時間ととりましたが、それでも足りないため講演後には相談をお聞きする機会もつくりました。
やはりこのように質疑応答や個別のご相談をお聞きすることの大切さを再確認したのです。

さて講演は、できるだけ多くの患者さんの経過と関連する基礎的な理論についてをお伝えしました。
資料を作りながら感じたのですが、紹介する患者さんが年々良くなっていることです。
学校にもどることができ、ギリギリの状態で通学を継続できていた患者さんが、根気よく治療を継続されることで、その翌年には学校+アルバイト、その次には学校+アルバイト+資格取得、さらに余暇も楽しむ・・・・などなどです。

自分もこの治療を継続していて超重症の花粉症が、花粉が多いと言われている今年も反応していない状態にまでなってきました。
今日は、新宿での患者さんとの座談会です。テーマがまだ決まってません・・・・

ほとんど質疑応答ってのもありかしら・・・・夕方までになんとかしようと思います。

| 発達障害 | 08:58 | comments(0) | trackbacks(0) |


ADHD,アスペルガーと言われて
JUGEMテーマ:健康


夏休みになってお子さんたちの経過を報告受診してくれることが増えてきました。

小学校2年生のT君は、学校で落ち着きがなく授業中も椅子に座っていることができませんでした。こだわりも強いため学校の先生からは医療機関を受診してコンサータというお薬を使うことをすすめられていました。

勉強の遅れは特にないため、すでに他の医療機関でADHDやアスペルガーと診断を受けていて療育指導などで経過を見ていた昨年末から栄養療法を始めました。

約半年間の栄養療法ですが、明かな改善経過が認められます。

・授業中席に座っていたか?
・集中して授業を聞けたか?
・片付けができたか?

この3つのポイントを毎日学校でチェックしていたのですが、このところ毎日全てが ○ が付いて来ています。
この間に新学期があり友達が代わったり、急に暑くなったりなど・・・発達障害の子供たちにはストレスになることがあっても大きくぶれることなく乗り越えてきました。

『多少パニックになることがあっても切り替えがとても早くなりいつまでも引きずらない』
『できないことがあってイライラしても、具体的な提案を聞き入れて修正ができる』
『朝の目覚めがスッキリしている』
『運動もキビキビしている』

学校の先生が言うようにコンサータなどの薬ではこのような改善は得られません。

初診時の検査データで認められた栄養の問題点は
・鉄欠乏
・亜鉛欠乏
・ビタミンB群欠乏
・血糖調節障害
・細胞膜障害

などなどでした。
いずれも肝臓や腎臓などの臓器のトラブルはなく一般的な貧血でもないので、上記の栄養面での問題点は普通の医療機関では指摘されません。ましてや精神科では採血検査すら行いませんし、症状からのおきまり投薬が繰り返されるだけですのでこれらの栄養の問題は永遠に補正されることが無く脳も体も成長することになります。

| 発達障害 | 10:00 | comments(1) | trackbacks(1) |


子供への抗精神病薬の処方
JUGEMテーマ:健康

昨日は、ある地方の市会議員さんと面会をしました。
その議員さんのツィッターに、栄養療法でうつ病を克服した方から投稿があったことを機会に、調べて僕の所へ連絡してくれたのです。

自分の著書『うつは食べものが原因だった』とその図解版、そして『子供の困ったは食事でよくなる』を差し上げました。
議員さんは、投薬だけの精神科医療に強い問題意識をお持ちで、僕の話もとても興味深く聞いてくれました。
うつ病への栄養療法についての面会だったのですが、自分は子供のトラブルへの投薬も大きな問題であることを伝え、『あさおきられないニワトリ』などの絵本を使い、子供達へ早期の精神科受診と投薬治療を啓蒙する活動があることなども伝えました。

そしてタイムリーに、子供への投薬の問題点についてのテレビ番組が放映されるという情報が飛び込んできました。
どのような流れで番組が組み立てられているか不安ですが、現在の問題点を指摘してくれているものと思います。

ブログをお読みいただいているみなさんにも、是非みていただきたいと思い紹介しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


NHK クローズアップ現代「増える、向精神薬を飲む子どもたち」

チャンネル:総合
放送日: 2012年6月13日(水)
放送時間:午後7:30〜午後7:58(28分)

内容:
発達障害の兆候があれば小学校低学年までの子供でも向精神薬を処方している医師は全国の7割にのぼる。向精神薬を飲む子供が増えた背景と副作用に苦しむ実態をリポート(NHKの番組案内より)
| 発達障害 | 17:18 | comments(0) | trackbacks(0) |


性格なのか?代謝の特徴なのか?
JUGEMテーマ:健康


ことし19歳の男の子です。
この治療を始めたのが16歳の時です。
初診時のカルテを見直してみると、次のような記載がありました。

困っている症状について
・物心ついたときから、人が怖い、人が自分の悪口を言っているように感じる
・意欲がなく疲労感がつよい
・これらのために外出ができない。特に電車に乗ることが辛い
・心療内科から処方された薬を飲んでいる

治療の最初のころは、家から新宿のクリニックへ来ることだけでも大変だったのでしょう。
待合でも緊張感が強く、診察室へ入るときには本当に疲れ切った印象でお母さんにやっと連れられて入るような感じでした。
治療2年を経過した頃から、一人で受診するようになります。
電車などでの違和感も取れてきて、診察室でもエネルギーが残っている印象が出てきました。

どうにか入学できてもなかなかコンスタントに通えなかった大学にも、毎日休みも遅刻も無く通えるようになりました。
検査データも落ち着き、今では日常生活レベルでは全く問題のない状態になっています。

先日の診察では、最近は中学や高校時代の友人の多くと会うことができるようになったそうです。
今までは、とにかく人といることに緊張し疲れ果ててしまっていたのですが、最近は友達との時間が楽しいという感覚を伴うようになって来ているそうです。

彼の言葉からすると、『生まれて始めて、人といて楽しい』 という感覚です。

人への恐怖心や悪口を言われていると感じてしまう症状を投薬だけで治療すると、様々な情報に対する反応を鈍くさせてしまうため、このような改善経過が得られません。

この患者さんは、ナイアシンの至適量が1日2〜3gです。(※量については個人差があるので、必ず栄養療法に詳しい医師の指導にしたがってください。)
この量は、食材から供給することが不可能です。
ナイアシンは自分の身体で作ることができますが、ホッファー先生は自分で合成することが困難な人が居ることがナイアシン不足の原因となり、この治療の効果があると指摘していました。
また、統合失調症といわれる方々の中には、脳内のナイアシンレセプターとの親和性が低下するため大量のナイアシンが必要であることを示すことが報告され、この治療の理論的な根拠のひとつと考えています。

今日ご紹介した患者さんの、子供の頃からの感覚や性格のようなものは、ナイアシン代謝の先天的な特徴によって起こったと考えることもできるのではないでしょうか?
いずれにしても、至適量の栄養素を補うことによって人との関わりの違和感が消失し、一緒に居ることに楽しさを感じるようになる可能性が提供されたのです。


4月8日(日)には、
長野県上田市で講演会(PDFファイル)
があります。
今回は、今日ご紹介したような子供や成長期のトラブルに対する栄養的なアプローチについてを紹介する予定です。
主催者の方々も一人でも多くの方に聞いていただくために準備を整えていてくれています。
ご都合のつく方は是非ご参加ください。

こころと栄養 研究会 うえだ:主催講演会『子どもの困ったは食事でよくなる!』

| 発達障害 | 12:14 | comments(5) | trackbacks(0) |


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