2008.11.23 Sunday
一年ぶりの来院
JUGEMテーマ:健康
金曜日の八重洲クリニックの診療で、懐かしい名前が記されているカルテ回ってきました。1年以上も受診されていなかった患者さんです。
20歳代の女性の患者さんで、以前は過食症の治療を目的に遠くから来院してくれました。
夜中にだらだらと食べてしまうことが多く、異常な量を食べることもしばしばでした。詳しく話を聞くと、麻薬中毒のように糖質を摂取することもしばしばでした。
低血糖症のメカニズムを検査データから説明し、少量のタン白質を摂取することと運動の重要性を話しました。
最初は、なかなかコントロールできなかった食欲も、少しずつ改善した来たのは日常生活にジョギングを取り入れることが出来るようになったときでした。
そしてこの患者さんは、昔から走ることが大好きだったこともあって、10kmの市民マラソンまでにも参加できるようになりました。
その頃には、過食も収まり、夜に襲ってくる食欲もなく、同時に襲ってくる不安や泣きたくなってしまう感情もなくとてもよい状態になりました。
それは、治療を始めて約1年が経過した頃でした。
そして先週の金曜日の久しぶりの来院でした。
クリニックを訪れてくれたのは、調子が悪くなってしまったために血液検査による全身状態のチェックと、もう一度しっかりと栄養療法を受けることを目的にきてくれました。
過食症の症状が出たため、血液検査を受けようと思われるなんて、それだけですばらしいことですね。心療内科や精神科に行って、血液検査もなくすべてメンタルが原因とされ投薬治療が始まることを避けることが出来ます。
調子が悪くなったために受診してくれたのですが、この1年の間に彼女は、走ることはがんばって継続していたそうです。
その結果として、3回のフルマラソンに出場しました。
ホノルルマラソン
東京シティマラソン
ゴールドコーストマラソン
これらのフルマラソンのすべてに完走しました。その証明の3つのメダルを僕に見せるために持ってきてくれました。それぞれとてもきつかったことでしょう。特に最後に出場したゴールドコーストマラソンの時には、様々な症状が生じており不安定な状況での出場だったそうです。
過食傾向が出てきたときも、糖質での過食をしてしまっては取り返しがつかなくなることが予想できたので、大根を丸々かじり続けるなどの努力をして悪循環を作らないように踏ん張っていたそうです。
血液検査の結果は、次回の受診時にお話することになりますが、おととしの初診時のデータよりはよいと思います。栄養療法のスタートは、以前よりも進んだところから始まるでしょう。
最後に、結婚が決まったこともうれしそうに報告してくれました。お相手は、4年以上お付き合いをしている方だそうですので、彼女の一番つらい時期も知っているそうです。
今回の結果からポイントとなる栄養障害を指導し、また一度食事を含めた総合的なアプローチをすることで、良好な状態になり結婚生活を向かえることができると思いました。