うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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食事で大切な事

JUGEMテーマ:健康

 

このブログを読んで下さっている皆さんは、オーソモレキュラー栄養療法で

至適量のタンパク質を摂取する大切、そして血糖値を安定させる事がいかに大事かご存知かと思います。

 

一日に十分なタンパク質量というのは、想像する量よりも多く、既に疾患をお持ちの方や、現代の良くも悪くも体にとってストレスの多い生活環境ではさらに必要量が多くなります。

 

患者さんに食事の際は、おかずでお腹いっぱいにして下さい。とよくお伝えするのですが初めから毎日沢山のお肉やお魚などを食べるのは中々難しい事が多いです。

 

それは、これまで十分なタンパク質を摂取出来ていないのでタンパク質を元に作られる消化に大切な胃酸、脂肪を分解し吸収をよくする胆汁も不足してしまっている為、お肉をいきなり沢山食べると胃もたれしたり、お腹を壊してしまいます。

 

せっかく健康になる為に食生活を変えたのに不調続きでは、お肉を食べるのが嫌になってしまいますね。

消化吸収がうまくできない患者さんにはアミノ酸やプロテインを食事と併用してもらいお肉をしっかり食べられる体にしていきます。

その時、胆汁の流れを改善していく事も大切です。

例えば食事では「苦い食材」を積極的に取り入れてもらうと良いです。

苦いものを食べると、苦さが刺激となって胆汁や唾液、胃酸、ペプシン、ガストリン、膵酵素が分泌されます。

 

「苦い食材」を想像するとゴーヤやクレソン、春菊などを思い浮かべますが水菜、キャベツ、ブロッコリーなども苦い食材に含まれ

多くの野菜は「苦い野菜」に分類される。

 

苦味は感じるだけで免疫力が上がる効果もあり、ついタンパク質を摂取する事に集中してしまいますが野菜もしっかり摂る事も大切なのです。

 

そして糖質と上手くお別れするには、もちろん鉄の補給や血糖変動をあまりおこさない事も大事ですが食事の面では「甘み以外の味覚を育てる」です。

人間の舌は甘みだけでなく、しょっぱさ、酸っぱさ、苦さに辛みも感知出来ます。

レモンの酸味や野菜の味をしっかり感じる事は甘み以外の味覚がより敏感になり食事の楽しみが増え満足度が高くなります。

 

糖質からの脱却には他の味覚を育てましょう。

 

 

 

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 11:34 | - | - |


日本と海外の栄養の理解の違いと掲載のお知らせ

JUGEMテーマ:健康

 

 

最近何かと話題のトランプさんですが選挙前に新型コロナウイルスに感染した事でも話題になりました。

トランプさんは治療のために「抗体カクテル」と呼ばれる未承認薬を投与しましたが担当した医師団の報告には、こうした薬と共に食品成分である亜鉛とビタミンDも処方した、と記されています。

 

ビタミンDは欧米では「免疫維持に役立つ成分」として広く知られ、こうした栄養素と免疫の関係について、世界中で研究が行われ、それを元にした栄養指導や、消費者にわかりやすい表示が行われています。

例えばEU(欧州連合)域内では、EFSA(欧州食品安全機関)によって、6種類のビタミンと4種類のミネラルを適量含む食品で、「免疫システムの正常な機能に寄与する」というヘルスクレーム(健康強調表示)が認められています。

 

日本においては過剰症の懸念が強く言われ、欠乏症が出ない極めて少量が一日の摂取量として表示されている事が多くあります。その為、推奨されている摂取量より摂取する事に抵抗がある方が多くいるように感じています。

 

オーソモレキュラー栄養療法では、欠乏症の症状が現れる程栄養が不足していなくても、十分に栄養で満たされていない事で不具合が出てくると考えています。

その為、推奨されている量を大幅に超えて摂取する事が前提となってきます

 

初めての方はその多さに驚かれますが、自身の体の変化が信頼に変わっていきます。

そして栄養療法のいい所は来院時に訴えていた症状の為に栄養療法を取り入れたが、思わぬ体の変化を感じる事です。

肌がきれいになったり風邪を引きにくくなったりする為、抱えていた症状が改善されても栄養療法を続ける人が殆どなのです。

 

世界的に大流行している新型コロナウイルスも無症状や軽症ばかりであればここまでの事態にはならなかったのではないかと思います。

一人一人の栄養状態で症状に違いがある事は明らかな事実となってきています。

 

そんなウイルスと栄養の関係についてインタビューを受けた記事がWeb版の日経スタイルに掲載されました。

それと随分前に東京ドクターズの取材も受け、先日掲載していただきました。

 

オーソモレキュラーは薬剤を使用しない治療法の為、表現しずらい部分もありますが、それでも良い内容にして頂きました。良かったらお読みください。

 

そしてさらに詳しく知りたい方は「ウイルスに強くなる『粘膜免疫力』」をお読みください!

何度も言っているのですが渾身の自信作となりました。

こちらも良かったらお読みください。

前回、当選した方はもうお読みいただけましたか?

是非、役立てていただけたらと思います。

 

 

 

 

◇Web日経スタイル◇

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO65320230S0A021C2000000?channel=DF130720206230

 

◇東京ドクターズ◇

https://tokyo-doctors.com/clinicList/49397/interview/

 

◇ウイルスに強くなる「粘膜免疫力」(Amazon)◇

https://www.amazon.co.jp/dp/4413046048/

 

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 16:48 | - | - |


妊娠とビタミンCの関係

JUGEMテーマ:健康

連日、猛暑が続いていますが皆さんは元気に過ごせていますか?

今年の夏は本当に暑いです。

 

さて、免疫に関わる栄養素は複数ありますが、多くの人が摂っているサプリメントの中で最も多いであろう「ビタミンC」。

今回のコロナで、免疫を上げる栄養素としてもビタミンCは注目を浴びました。このビタミンC、実は妊娠期にも非常に大切な事をご存知ですか?

 

自分が理事を務めている日本オーソモレキュラー医学会のHPに、「ビタミンCのパイオニア・フレデリック R. クレナー医学博士との歴史的インタビュー」というタイトルでビタミンCと妊娠期と出産期の関係についての記事がアップされました。ちょうどクリニックのInstagramでも妊娠について連載で投稿していた所だったのでいいタイミングでした。

 

https://isom-japan.org/news/detail?uid=kEH021596517693#

 

ビタミンCは“水溶性ビタミンは、大量に摂取しても尿に排出されてしまうので意味がない”などといわれてきたのですが、実際の臨床では目的に応じた最適な投与量が知られ、積極的に応用されているのです。実際に、OTCのかぜ薬には500mgのビタミンCが含まれているものもあります。さらに、1回量として50〜100gのビタミンCを点滴する高濃度ビタミンC点滴療法が、がんの代替療法として世界的に行われています。

 

ジェームズ・リンドが壊血病の治療に柑橘類が有効であることを発見してから、長期航海で柑橘類が船に乗せられるようになるまで50年かかりました。ライナス・ポーリング博士が、ビタミンCの最適量投与はがん治療に効果があることを報告してから、代替療法の分野で高濃度ビタミンC点滴治療が認知されるまでは40年でした。

 

現代では、インターネットの普及とSNSなどによって、情報の拡散はこれまでとは比較にならない早さになりました。

そのため、人の健康に関する意味のある貴重な発見などが、実際の臨床へ応用されるまでの期間は、向昔に比べ各段に短くなりました。

 

しかし栄養素の分野で意味のある発見から臨床へ応用され、一般的に認知されるまでには、常に医学界から無視→否定→非難(笑)という道のりがあるのですが、医療でとしての形でなくても皆さんにとって栄養がもっと身近で自然な存在になって欲しいと願っています。

 

多くの方に栄養がもっと身近になるようクリニックでも新しい事を考案中です。

 

まだまだ暑い日が続きます。

栄養と水分をたっぷり、くれぐれもスポーツ飲料などは飲まないようにしてこの夏を上手に乗り切りましょう。

 

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 11:36 | - | - |


オーソフードスタイルと糖質制限や様々な食事療法との違い

JUGEMテーマ:健康

自分は、オーソモレキュラー栄養療法専門のクリニックを始める前はペインクリニックを開設していました。

その治療法は体のどこかに痛みを持っている患者さんに対してブロック注射などをして痛みを緩和するものです。

もちろん痛みの原因はなくなっていないので痛みは繰り返し起こってしまいます。

多くの対症療法はこれを繰り返すのですがオーソモレキュラーに出会った当初は何とも不思議な気持ちになる事が多かった事を思い出します。

 

例えば、鬱で悩んでいた女性患者さんが、栄養療法で薬を飲まなくても良い状態になり、これまで考えてもみなかった「結婚したい」「子どもがほしい」という気持ちが出てきたりするのです。

また、抗がん剤や放射線、手術で元気がなくなっているがん患者さんも、高濃度ビタミンC点滴を行うと段々肌の色艶が良くなってきます。すると奥さんが、私も一緒に治療して欲しいとおっしゃるんです(笑)

がんの治療で「私も一緒にやりたい」なんて他の治療法では考えられない事だと思います。

オーソモレキュラーに出会って、これまでに味わった事のない医師としての充実感や、やりがいをこの治療で感じさせてもらいました。

ご夫婦でニコニコしながら点滴をしている姿を見ると、医師としてこの治療法に出会って本当に良かったなと思います。

 

栄養療法は食事の内容も大切というのはこのブログでも何度もお伝えしていますが、よく糖質制限などと間違われる事があります。

オーソモレキュラー栄養療法でお伝えしている食事は「オーソフードスタイル」です。

 

オーソフードスタイルとは

 

1.タンパク質、ビタミン、ミネラルの確保

2.脂質の重要性とバランス

3.血糖コントロール

4.食物繊維による腸内環境整備

5.アレルゲンへの対応

6.アルコール、カフェインの明と暗

7.加工食品、食品添加物への留意

 

この7つのコンセプトで成り立っています。

 

患者さんへ説明するときは「主食でおなかを満たさずに、おかずでおなかをいっぱいに」とお伝えしています。

「糖質制限」と聞くと、主食を抜くことだけをイメージされる方が多いと思います。

また、「お肉だけ食べれば良い」、「野菜にも糖質が含まれるので食べなくても良い」といった断片的に広まってしまった情報もあります。おかずメインでおなかを満たすことで、タンパク質やビタミン、ミネラル等不足しがちな栄養素を補う食事だと理解をして頂きたいと思います。

「食事では十分な栄養が摂れないのでは?」という声が聞こえてきそうですが確かに食事から摂れる栄養では理想的な状態を達成するための必要量には到底届きません。

ですが、その少しでも自然の形で含まれている事が消化や吸収にとても大きく関わっていきます。

 

オーソという名前には「最適化」というニュアンスが含まれます。

オーソフードスタイルは栄養や血糖を最適化する食事といえます。

また、脂質のバランスを最適化することで、私たちの身体の色んなトラブルが良い方に向き始めるきっかけを作ります。

 

そして腸内環境もとても大切ですね。どんなに良い栄養を取っても、吸収できなければ改善には繋がりません。

糖質制限で食物繊維の糖質まで気にして制限をしてしまう方がいますがこれは本末転倒になってしまいますね。

「食」は体を作る科学的な部分だけではなく、楽しみや文化という面も持ち合わせています。

栄養の素晴らしさや重要性を知った上で、自分の嗜好や体調に合わせて食事を楽しみながら調整していける方が増えていけば良いな思います。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 16:52 | - | - |


タンパク質と脂肪酸組織

JUGEMテーマ:健康

オーソモレキュラー療法を治療に取り入れる際に、食事内容の改善とサプリメント飲んでもらうのですが、ほとんどの方にタンパク質を多く摂ってもらうよう指導をします。

ついサプリメントに集中しがちですが、今回は動物性タンパク質について書いてみようと思います。

よく、「牛肉は脂がよくないから食べない方がいい」「鶏肉の方がいい」など色々と聞きますが、よく口にする豚肉、牛肉、鶏肉を、アミノ酸のかたまりであるタンパク質としてみると、どの肉もアミノ酸組成に大きな違いはありません。つまり、タンパク質としての性質には大差がないのです。

そしてこのアミノ酸組成は、人間のアミノ酸組成にも近く、植物性タンパク質と比較して利用効率が高い食材です。

では、豚、牛、鶏の違いは何でしょうか? それは含まれている『脂肪酸組成』です。

 

豚肉、牛肉と比較して鶏肉は、リノール酸を多く含んでいます。つまり鶏肉は、ω6系(n-6系)リッチな肉であるといえます。

ω3系(n-3系)の脂肪酸の有効性が知られ、ω3/ω6をできるだけ高く保つことを推奨されていることを考えると、鶏よりも牛や豚を多めにすることが、科学的に理にかなっています。

 

そして脂肪酸の視点から見ると、背の青い魚に勝るタンパク源はありません。

必須脂肪酸の組成が強く関与している生活習慣病、がん、アレルギーの患者さんには重要な考え方になります。

次に大切なことは、タンパク質の必要量を満たすということです。

成長期だけでなく、病気を治したり、アンチエイジングのためには、通常よりも多くのタンパク質が必要になります。

個人差があるのですが、一般的に健康な成人男性でおよそ1日60gのタンパク質が必要と言われていますが、病態改善やアンチエイジングには、それ以上のタンパク質が必要になるのです。

 

多くの患者さんは、健康なときと比較してタンパク質の必要量が多くなります。

なので、タンパク源としては利用効率のよい動物性タンパク質と積極的に摂って欲しいのです。

そして十分なカロリーを摂らないと、食べたタンパク質の多くがカロリー源として消費されてしまいます

食事指導をする上で、必要なカロリーとタンパク質の摂取が最重要になるのです。

 

さらに脂肪酸の比率を考慮すると、肉としてはリノール酸の少ない豚や牛を中心にし、できるだけ青身の魚も食べることが重要です。肥満気味であったり、脂質異常症などの場合には、EPAをサプリメントで摂取することをお勧めするのがとても重要になります。

また、胃腸の調子が落ちていて、肉を増やすと不快になる場合には、消化酵素の併用も重要です。

大根おろしや酢、レモンを絞ったりするのもいいですね。

 

2015年度版から、「厚生労働省の日本人の食事摂取基準」では、タンパク質に関して、従来よりも多くの摂取を勧める表現になりました。

 

適切なタンパク質代謝の維持は、病態の改善に必須の条件なのです。

いかに食事指導が大事かが分かるかと思います。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 12:30 | - | - |


栄養療法だけでは出来ない事

 

医師としてこれまで経験してきたどの治療よりも、効果的であり、改善の経過が薬と異なる事から、自分は栄養療法を選択して実践しています。

本当に素晴らしい改善や結果の数々を経験してきましたが、精神疾患を含めて、その他の病気でも、栄養療法が完全完璧とは全く思っていません。

 

時に、ほんの一握りですが血液検査の内容が良くなっているにも関わらず、症状が良くならないケースがあります。

栄養療法を取り入れる事によって、血液検査の結果は改善されとても良い方向に向かっている関わにも関わらず

なかなか幻聴が消えないという事が過去にありました。

なかなか改善されない息子さんの症状にお母さまも焦りや不安を感じていた事と思います。

そんな日々を送っていた息子さんを救ってくれたのはカウンセリングでした。

ある日、お母さまのご友人に「何であそこまでになってしまったの」と言われそこからとことん話を聞いて下さったそうです。
息子さんを毎日カンセリングしてくれ、お母さまのカンセリングもしてくれ、
息子さんはあれよあれよという凄い早いペースで良くなったそうです。

 

カウンセリングの重要性は栄養療法を始めてから身をもって経験し今もカウンセリングが必要な患者さんにはカウンセリングを受けるようお話ししています。

人によっては栄養療法のみで改善される方もいらっしゃいますが、栄養療法とカウンセリングなど他の方法を併用することで改善がみられる方もいます。

状態が改善する事が一番の目標ですから、その為にはどの方法でも構わないと自分は思っています。

そして、他の方法を取り入れる時に栄養がきちんと入っていることで他の方法の効果も出やすくなっていると思っています。

 

脳と腸が深く関わっている事から感情や気持ちも栄養や腸内環境で作られていますが、栄養状態が改善されても、感情が豊かで人との関わりが大事な人間だからこその不思議なのかもしれないですね。

 

そして、お子さんの精神的なトラブルは特に親との関わり方などで大きく改善される事が多いのです。

特に精神的なトラブルは本当に一人一人合う治療法が違うと日々感じています。

栄養療法は食事の改善や、サプリメントを回数分けて飲んでもうらうので精神的にしんどい時期には食べたり飲んだりする事が難しく感じる時があります。

そんな事を経験しても栄養療法に取り組んでくださる全ての方に日々、感謝と敬意の気持ちでいっぱいです。

そして、それでも続けようと思わせくれる結果を出してくれる栄養の力は本当に素晴らしいです。

 

元患者さんで精神疾患で投薬治療を受けていた所、栄養療法と出会い元の自分を取り戻し今では就労移行支援事業所で支援員として働いています。
支援員の鈴木さんという方が元患者さんです、自分の体ともうまく向き合ているようですね。
鈴木さんの働いている事業所のブログです、良かったら読んでみてください。 

 

久々にコロナネタから離れました(笑)

そろそろ梅雨になり体調をキープするのが難しくなる人もいると思います。

そんな時は無理せず焦らずに。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 16:58 | - | - |


コロナ対策として新型集団免疫の薦め


先日、打ち合わせがありました。

実は今、新たに出版する本の為に日々、執筆に励んでいます。

どんな内容かはまだ内緒なのですが、きっと今の時代に必要とされている情報、または、必要になっていく情報になるのではないかと思っています。


打ち合わせは青春出版さんのいつものメンバーとでした、「アベノマスク届いた?」とある意味で流行語のようになってしまったフレーズも会話に出てきながら、打ち合わせというより知人とお茶をしているようなリラックスした雰囲気で打ち合わせがで出来ました。

早く皆さんにお知らせ出来るように執筆頑張ります。


さて、前回のブログの最後に柳澤先生の記事のリンクを貼り付けていますがその中に、集団免疫の事が書かれています。

自分たちが幼少の時は、風疹やおたふく風邪など、感染している友達がいたりするとあなたももらってきなさい!とわざわざうつされに行った経験ありますよね?

一緒にさっさと感染して済ませてしまいなさい!という事ですが、まさにこれが集団免疫です。

昔から、生活に馴染んでいる集団免疫ですが、今、集団免疫をやれと言われても日々の報道を聞いている皆さんは中々の勇気や恐怖心がある事だと思います。

現代の栄養失調は、大分昔前から既に始まっていて、自分の幼少時代も既に栄養失調の時代でした、現代はさらに栄養失調が進んでいる印象なので、昔のようにあまり問題なく集団感染が成立する事は難しいのではないかと思います。


柳澤先生の記事にも書いてありますが、

ただ集団免疫するのではなく「健康的集団免疫の獲得」が抗体を獲得するにあたって大事だと言っています。

多くの人達が栄養不足により免疫が弱い現代で集団免疫は、一歩間違えれば感染によって重篤化、あるいは死に至る事もあります。

大事な事は、感染した時に抗体ができるようウィルスと戦える免疫、すなわち十分な栄養状態を維持している事です。


国として集団免疫を実施したスウェーデンも、集団免疫と同時に、国民への栄養指導をしていれば死者数を減らすことができたのではないかと思います。

過半数が高齢者の方でしたがそれでも十分な栄養を補っていればきっと違ったと思います。


| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 11:09 | - | - |


新型コロナの治療に関して

JUGEMテーマ:健康

 

新規感染者数のピークが過ぎ、徐々に自粛解除へ向かい始めました。

ここ新宿でも、今日からランチ営業の飲食店が増えはじめ街にもすこしだけ活気が戻ってきました。

これからは、感染拡大を再燃させないこと、そして高い確率で予想される第2波の流行にそなえることが大切と思います。

 

これまでのように3密を避け、手洗いマスクは当然必要でしょう。

そして各国の新型コロナ感染症にたいする情報が多くでるようになり、それらの情報には私たちが応用できることがいくつもあります。

 

結核の罹患や上気道感染との関係、さらにはがんの患者さんの予後にも関係しているビタミンDが、今回の新型コロナウイルス感染症の予後とも深くかかわっていることがわかりました。

https://aru.ac.uk/news/vitamin-d-linked-to-low-virus-death-rate-study

 

そして最近のニュースでは、インターロイキン6が高くなり・・・とか、サイトカインストームが起こり重症化する・・・とか、聞きなれない単語が出てきていると思います。

このサイトカインストームという現象は、新型コロナウイルスだけではなく急激に病態が悪化しICUなどの設備が整った状況で治療しなくては生命の維持が困難に陥ってしまう状況です。そのため、新型コロナウイルスに感染した場合の重症化を防ぎ、その結果としてICUへの入室を減らし医療崩壊を起こさないためにもサイトカインストームを起こさないことが大切なのです。

そこにもビタミンDが関係しているということが報告されました。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.04.08.20058578v3

 

新型コロナウイルス感染症への治療薬としてニュースでも聞くようになってきたのがアクテムラというお薬です。

この薬は、インターロイキン6(IL−6)の発現を強力に抑制します。そのためサイトカインストームに陥らず重症化を防げるのではと期待されています。実はこの薬もアビガン同様に日本の研究者によって開発され日本の製薬会社が作っている慢性関節リウマチですでに多くの患者さんへ使われているものなのです。

オーソモレキュラー栄養療法法を学んでいるドクターであれば、IL−6が関係している病態であればビタミンCが効くはずだと思われると思います。事実、諸外国ではビタミンCの点滴を治療のプロトコルに入れ始めてきました。

このようなニュースは日本ではなかなか知ることができないばかりか、このブログもとんでも情報を流していると非難されてしまうかもしれませんね。

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=MdDVl1585887709

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=SfEnT1589013443

 

IL−6は常に私たちの体では生成されていますが、通常では免疫の働きで強い炎症やサイトカインストームにならないように調整されています。肝臓ではIL−6の刺激により多種の炎症性タンパク質が合成され、さらに炎症の増悪を引き起こすことになります。肝臓への血流で重要な門脈で腸管からの血液が流れる血管です。

腸内のビタミンCが不足すると腸管からのIL−6が増え、肝臓における炎症性タンパク質の合成が刺激されることが動物実験で示され、また人でも血液中のビタミンC濃度が低いと血中のIL−6濃度が高くなることも以前から知られています。

 

長くなってしまいましたが、今後の第2波に備えるためには感染してからでは遅いのです。

ビタミンDやビタミンCの血中濃度を上げておくために、

 

いまから3密をさけ紫外線を浴びましょう!!

シラスやシシャモなど丸ごと魚をレモンを絞って食べましょう!!

 

そしてこれらをサプリメントで摂っておくのもきっと有効なはずです。

街には人がいなければと思います。

先日、久しぶりにクリニックにきてくれた患者さんは、新宿通りが伊勢丹もビックカメラもマルイも閉まっているのでゴーストタウンのようでしたと言っていました。

 

早く活動が再開でき、第2波が来てもできるだけ影響がないように自分たちでできることを心がけましょう!!

 

 

【日本オーソモレキュラー医学会会長 柳澤先生が今後の新型コロナとの付き合い方などについて執筆して下さっています。】

https://isom-japan.org/article/article_page?uid=qrB581589465025

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 16:14 | - | - |


スケジュールプラン

 

オーソモレキュラー栄養療法で大事な事は継続することです。

 

食事とサプリメントを用いる事ですぐに体感する症状もありますが時間をかけ改善させていく事もオーソモレキュラー栄養療法の特徴といえます。

 

そして患者さまが訴える症状は多岐にわたり、それらが合わさってQOLを下げることになります。

血液検査データからも多くの栄養や代謝、さらにはホルモンのトラブルが見つかります。

患者さまの抱えている悩みは一つではない事がほとんどです、すぐにでも全ての悩みを改善したいのですがそれらを全て同時に扱おうとするとなかなか改善が得られないことが多いので

 

・いろいろと多くの症状があるが、どの症状が一番影響が強いものなのか?(患者さまが一番に訴えている事とは別で)

・その症状に最も関係の深い栄養や代謝の問題点はなにか?

・そしてその問題点を本当に最初に扱ってよいものか?

 

などを考えながら治療のスケジュールをプランします。

そしておよそ2か月後には、この症状が改善していると思いますよ・・・という先に予想できる可能性についても伝えます。たとえば睡眠でトラブルがある方であれば・・・

 

・中途覚醒がなくなると思いますよ

・夢を見る頻度が減ると思いますよ

・朝の目覚めにすっきり感が出てくると思いますよ

 

頑固な皮膚症状の患者さまであれば・・・

 

最初の3か月:重度の栄養バランスの改善がメイン

次の3か月:腸内環境と消化吸収の改善がメイン

最後の3か月:食事と少量のサプリでもお肌の改善が得られる状態を作る

 

ということもあります。皮膚疾患は特に時間がかかり一進一退を繰り返すのでスケジュールプランをしっかりと伝えていきます。

 

ポイントは、その時その時に扱うべきポイントを明確にすること。

予想される経過を患者さまと共有し、チェックできるように具体的に示すこと。

 

一緒に共有することで患者さまの安心感やドクターとの信頼関係が出来、改善のスピードが変わってきます。

もちろん経過により摂取してもらうサプリメントの種類や量も変わってきます。

 

 

患者さまの症状を改善していくためには患者さま自身の治療への理解が不可欠です。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 18:20 | - | - |


栄養は自然の形で
水曜日は辻堂で診察でした。
ことしはインフルエンザも花粉症も例年よりも少ない印象です。
最近は低糖質が体に良い事は一般常識的になり、タンパク質を積極的にとる方も増えてきました。
健康への認識が高まりいい反面、プロテインや必須アミノ酸(EAA)などの多量摂取による体調不良になる方が増えてきています。
プロテインやEAAなどは食事だけでは不十分になるタンパク質を手軽に補充できる利点があります。
ところが食材であるお肉などは、タンパク質の他にビタミンB群や鉄その他の栄養素を含んでいます
オーソモレキュラー栄養療法の基本は、できるだけ天然に近い形態で前駆物質で補充するという前提があります。
プロテインやアミノ酸のサプリメントにも食材のタンパク質に近い作りである事が望ましいと考えています。
最近では、実際にプロテインやEAAを多量に摂取し続けた事で体調不良になる方が多く来院されています。
体にいいはずのプロテインやEAAでなぜ体調不良になるのか、
タンパク質は消化によりアミノ酸となって体内に入ったらまずアミノ基転移反応が行われます。
アミノ酸として摂取すると、そのままのアミノ酸として利用されると思われがちですが、実際にはアミノ基転移反応が行われ多くはグルタミン酸としてアミノ酸プールとなります。
ヒトの体は重要なアミノ酸は合成することで不足を防いでいます。必須アミノ酸は実は需要量は少ないのです。
食材のタンパク質由来のアミノ酸もEAAとして大量に摂取されたアミノ酸も、とにかくアミノ基転移反応によって返還されその反応には、ビタミンB6が必須なのです。
つまり精製されたプロテインやEAAを大量に摂ることによって代謝に必要な栄養素がないのでどんどん不足していきます。
ビタミンB群は様々な酵素の補酵素として働いているので全部は書ききれないのですが、特にビタミンB6は、GABA系、ノルアドレナリン系、セロトニン系のすべての経路で必須です。

ビタミンB6が不足すると

・L-グルタミン酸からGABA

・L-ドーパからドーパミン

・5-HTPからセロトニン

 

の3つの経路における反応が全て阻害されてしまいます。

  

つまりビタミンB6不足によりGABAが上手く作れないので、

人は悪夢を見たり、赤ちゃんは夜泣きをしたり、精神症状を含んだ多彩な不定愁訴が起こってしまうのです。

GABA合成はとくにビタミンB6への依存が強いことが知られているためGABA不足の症状が強く起ります。


もちろん当クリニックでも、小食の方やお肉を食べるのが苦手な方、病中でタンパク質の必要量が上がっている方などにプロテインを飲んでもらう事があります。
ですがオーソモレキュラー栄養療法では”You are what you eat:人は食べたもので体はできている”を基本としているので、体に入れるものは自然界に存在している形で摂るのが望ましいと考えています。
クリニックで扱っているプロテインにはビタミンB6はもちろん出来るだけ自然界にあるものに近い状態になっています。
皆さんも体にいれるものは自然に近いもの。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 09:55 | - | - |


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