2018.05.27 Sunday
血液検査データから栄養状態を評価する〜オプティマルレンジのすすめ〜
第18回日本抗加齢医学会ではランチョンセミナーに続き、実地医科スキルアップセミナーでオプティマルレンジについてお話しさせて頂きました。
オーソモレキュラーは既にご存知の方も多いですが、molecule(分子)を整えて(ortho)栄養素を最適な量を用いることで病態を改善させる治療法です。
オーソモレキュラーが従来の医療とは大きく異なる点は『オプティマルドーズ(至適量の栄養素) /オプティマルレンジ(検査データの至適範囲)』という概念です。
これは通常医療で使われる『参考基準値』とは全く異なるもので、オーソモレキュラーではオプティマルレンジの概念から見て、病態改善のために最適な(至適な)量をある一定期間投与することを重要視しています。
その量は通常良しとされている量よりもかなり高用量となり、同じ病態でもかなり個人差があります。
つまりそれぞれの至適量をとることが大切であり、基本的には全ての病態改善の基礎となるのは食事の変更と生化学的な補正です。
オーソモレキュラーでは血液検査データの見方も通常医療における参考基準値との比較ではなく、その検査数値から細胞内の働き、細胞外の働き、その補酵素の状況まで見ての判断になります。
精神薬を複数服用中の52歳うつ病の女性は、クリニック来院時、全てが参考基準値内のデータでした。
それをオプティマルレンジの概念で見てみると、
・ALT/ASTのバランスからビタミンB6不足
・LDHから乳酸代謝の低下(ナイアシンの不足)
・BUNよりタンパク代謝の重篤な低下
がある事が分かります。
食事指導でタンパク質の摂取を増やし、ビタミンB群、ナイアシンの補充を行った結果、患者さんは大量の精神薬から離脱することが出来ました。
一般的にデータの判断として用いられている参考基準値は母集団の95パーセントが占める範囲を表したもので、正常値でなく、あくまで『参考値』です。
つまり母集団には潜在的な栄養障害を持つ方が多く含まれているため、基準値では栄養面での正しい評価をすることができないのです。
参考基準値のもう1つの問題点は
検査結果には『上昇させる因子』と『低下させる因子』があり、たまたまバランスが取れるポイントが検査値になってしまうという事です。
つまり上昇させる因子が低下させる因子より大きければ基準上限を超えますし、基準値内でも実は、上昇因子も低下因子も酷い状態でバランスが取れている可能性もあり得ると言うことなのです。
栄養療法で参考にしているオプティマルレンジは、通常は参考基準値内で狭い範囲になることが多いですが、生化学的な理論や病態改善にとって必要な濃度として設定するため、基準値外にオプティマルレンジが設定されることがあります。
本来は『上昇因子も低下因子も少なく代謝的に安定している状態』が最もバランスのとれた状態なのですが、血液検査データをこのオプティマルレンジで評価することで、詳細な代謝トラブルの評価が可能になります。
オーソモレキュラーでは従来の診断基準や症状ベースの診断と異なる生化学的診断による治療が可能になるので、ぜひ多くのドクターにオーソモレキュラーの概念を取り入れて頂き、日々の診察に役立てて頂けたらと思っています。
本日は学会最終日ですが、すでにオーソモレキュラーを取り入れているドクターから、この検査データの読み方を知ってから診療が楽しくなり、今までと違った治療ができるようになって嬉しい。そしてナイアシンを使って不登校のお子さんが登校できるようになった・・・など嬉しい報告をいただくことができました。
オーソモレキュラーは既にご存知の方も多いですが、molecule(分子)を整えて(ortho)栄養素を最適な量を用いることで病態を改善させる治療法です。
オーソモレキュラーが従来の医療とは大きく異なる点は『オプティマルドーズ(至適量の栄養素) /オプティマルレンジ(検査データの至適範囲)』という概念です。
これは通常医療で使われる『参考基準値』とは全く異なるもので、オーソモレキュラーではオプティマルレンジの概念から見て、病態改善のために最適な(至適な)量をある一定期間投与することを重要視しています。
その量は通常良しとされている量よりもかなり高用量となり、同じ病態でもかなり個人差があります。
つまりそれぞれの至適量をとることが大切であり、基本的には全ての病態改善の基礎となるのは食事の変更と生化学的な補正です。
オーソモレキュラーでは血液検査データの見方も通常医療における参考基準値との比較ではなく、その検査数値から細胞内の働き、細胞外の働き、その補酵素の状況まで見ての判断になります。
精神薬を複数服用中の52歳うつ病の女性は、クリニック来院時、全てが参考基準値内のデータでした。
それをオプティマルレンジの概念で見てみると、
・ALT/ASTのバランスからビタミンB6不足
・LDHから乳酸代謝の低下(ナイアシンの不足)
・BUNよりタンパク代謝の重篤な低下
がある事が分かります。
食事指導でタンパク質の摂取を増やし、ビタミンB群、ナイアシンの補充を行った結果、患者さんは大量の精神薬から離脱することが出来ました。
一般的にデータの判断として用いられている参考基準値は母集団の95パーセントが占める範囲を表したもので、正常値でなく、あくまで『参考値』です。
つまり母集団には潜在的な栄養障害を持つ方が多く含まれているため、基準値では栄養面での正しい評価をすることができないのです。
参考基準値のもう1つの問題点は
検査結果には『上昇させる因子』と『低下させる因子』があり、たまたまバランスが取れるポイントが検査値になってしまうという事です。
つまり上昇させる因子が低下させる因子より大きければ基準上限を超えますし、基準値内でも実は、上昇因子も低下因子も酷い状態でバランスが取れている可能性もあり得ると言うことなのです。
栄養療法で参考にしているオプティマルレンジは、通常は参考基準値内で狭い範囲になることが多いですが、生化学的な理論や病態改善にとって必要な濃度として設定するため、基準値外にオプティマルレンジが設定されることがあります。
本来は『上昇因子も低下因子も少なく代謝的に安定している状態』が最もバランスのとれた状態なのですが、血液検査データをこのオプティマルレンジで評価することで、詳細な代謝トラブルの評価が可能になります。
オーソモレキュラーでは従来の診断基準や症状ベースの診断と異なる生化学的診断による治療が可能になるので、ぜひ多くのドクターにオーソモレキュラーの概念を取り入れて頂き、日々の診察に役立てて頂けたらと思っています。
本日は学会最終日ですが、すでにオーソモレキュラーを取り入れているドクターから、この検査データの読み方を知ってから診療が楽しくなり、今までと違った治療ができるようになって嬉しい。そしてナイアシンを使って不登校のお子さんが登校できるようになった・・・など嬉しい報告をいただくことができました。
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