うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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タンパク質と脂肪酸組織

JUGEMテーマ:健康

オーソモレキュラー療法を治療に取り入れる際に、食事内容の改善とサプリメント飲んでもらうのですが、ほとんどの方にタンパク質を多く摂ってもらうよう指導をします。

ついサプリメントに集中しがちですが、今回は動物性タンパク質について書いてみようと思います。

よく、「牛肉は脂がよくないから食べない方がいい」「鶏肉の方がいい」など色々と聞きますが、よく口にする豚肉、牛肉、鶏肉を、アミノ酸のかたまりであるタンパク質としてみると、どの肉もアミノ酸組成に大きな違いはありません。つまり、タンパク質としての性質には大差がないのです。

そしてこのアミノ酸組成は、人間のアミノ酸組成にも近く、植物性タンパク質と比較して利用効率が高い食材です。

では、豚、牛、鶏の違いは何でしょうか? それは含まれている『脂肪酸組成』です。

 

豚肉、牛肉と比較して鶏肉は、リノール酸を多く含んでいます。つまり鶏肉は、ω6系(n-6系)リッチな肉であるといえます。

ω3系(n-3系)の脂肪酸の有効性が知られ、ω3/ω6をできるだけ高く保つことを推奨されていることを考えると、鶏よりも牛や豚を多めにすることが、科学的に理にかなっています。

 

そして脂肪酸の視点から見ると、背の青い魚に勝るタンパク源はありません。

必須脂肪酸の組成が強く関与している生活習慣病、がん、アレルギーの患者さんには重要な考え方になります。

次に大切なことは、タンパク質の必要量を満たすということです。

成長期だけでなく、病気を治したり、アンチエイジングのためには、通常よりも多くのタンパク質が必要になります。

個人差があるのですが、一般的に健康な成人男性でおよそ1日60gのタンパク質が必要と言われていますが、病態改善やアンチエイジングには、それ以上のタンパク質が必要になるのです。

 

多くの患者さんは、健康なときと比較してタンパク質の必要量が多くなります。

なので、タンパク源としては利用効率のよい動物性タンパク質と積極的に摂って欲しいのです。

そして十分なカロリーを摂らないと、食べたタンパク質の多くがカロリー源として消費されてしまいます

食事指導をする上で、必要なカロリーとタンパク質の摂取が最重要になるのです。

 

さらに脂肪酸の比率を考慮すると、肉としてはリノール酸の少ない豚や牛を中心にし、できるだけ青身の魚も食べることが重要です。肥満気味であったり、脂質異常症などの場合には、EPAをサプリメントで摂取することをお勧めするのがとても重要になります。

また、胃腸の調子が落ちていて、肉を増やすと不快になる場合には、消化酵素の併用も重要です。

大根おろしや酢、レモンを絞ったりするのもいいですね。

 

2015年度版から、「厚生労働省の日本人の食事摂取基準」では、タンパク質に関して、従来よりも多くの摂取を勧める表現になりました。

 

適切なタンパク質代謝の維持は、病態の改善に必須の条件なのです。

いかに食事指導が大事かが分かるかと思います。

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