うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
医療法人回生會 新宿溝口クリニック 医師・歯科医師向けセミナーのご案内
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

院長よりご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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鉄の代謝とフェリチン

JUGEMテーマ:健康



いまの地球上の大気中には酸素は約20%存在します。ところが地球が誕生したときには、酸素はごく僅かしかありませんでした。そのような環境で生まれた生き物(主に微生物)は、地球上の酸素分圧が上昇するに従い滅びました。酸素の少ない環境を探して、いまでも生き残っているのが嫌気性細菌という種類の微生物で、私たちの腸内細菌にもいっぱいいます。
酸素が増えることによって影響を受けたのは生き物だけではありません。鉄もそうでした。
酸素が乏しい環境では、水にとけやすいFe2+として存在できたのですが、酸素が増えてきたために鉄も酸化されFe3+という水に溶けにくく生き物が利用しにくい形の鉄が増えたのです。
鉄の吸収効率をあげるのにビタミンCを一緒に摂るとよいというのは、食材に含まれたFe3+が胃酸などの作用で吸収しやすいFe2+の形の鉄になったものをビタミンCのもつ還元作用によってFe3+に戻るのを防いでくれるからなのです。
鉄のサプリメントではキレート鉄という種類のものが外国では売られています。グリシンなどのアミノ酸で鉄をキレートして吸収率を上げているものです。日本ではキレート鉄が認められていないため、酵母などを培養するときの餌となる培地に鉄を付加することによって酵母に鉄を含ませたものを原材料にして吸収効率を高めた有機鉄というものが使われます。これらのキレート鉄も有機鉄も鉄が吸収されやすいFe2+の形のままで小腸まで届くために吸収されやすくなります。

ここで私たち人間が摂取する鉄について分類して説明したいと思います。

経口摂取する食べ物に含まれている鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けることが出来ます。非ヘム鉄は、無機鉄と有機鉄に分けることが出来ます。この非ヘム鉄のなかの有機鉄に、アミノ酸を工業的にキレートさせたキレート鉄と酵母などから抽出した有機鉄などが含まれます。
ヘム鉄とは鉄がポルフィリン環で囲まれた形をしています。ポルフィリン環でマグネシウムを囲ったものがクロロフィルで、植物で行われる光合成に必要な分子です。
ミネラルを生き物が利用しやすくさせるものがポルフィリン環と考えても良いかもしれません。私たちの身体で鉄はヘモグロビン、ミオグロビンなどの含鉄タンパク質や、チトクローム、カタラーゼなど含鉄酵素などのじつに様々な形態をとって機能しているのですが、これらは全てヘム鉄として含まれています。そのためにヘム鉄に必要なポルフィリン環は、自分でも合成することが可能であり活発に合成しています。
この合成過程の律速段階の補酵素がビタミンB6なのです。貧血のひとに鉄のサプリメント摂ってもらったり、鉄剤の注射をしてもなかなかヘモグロビンが上がらないことがあります。この原因のひとつに吸収された鉄がビタミンB6の不足によってヘム鉄に変換できず身体が利用できないことが考えられます。このような状況では、鉄の摂取によってフェリチンだけが上昇するという結果になります。
ここでやっとテーマであるフェリチンが出てきましたが、フェリチンについて詳しく説明するのはもう少し後にしましょう。

人のすばらしい機能を十分に働かせることによって病気を治したり健康レベルを向上させるオーソモレキュラー(栄養療法)の基礎に、必要な栄養素(分子)が十分な量、必要な組織や部位に存在することであることは前回お伝えしました。
鉄で言えば、吸収された鉄が含鉄タンパク質や含鉄酵素として必要な組織や部位で十分に存在することが最も大切なことなのです。その中でも酸素を運搬するヘモグロビンは鉄の補充によって比較的早期に補正されるタンパク質です。通常の医者はヘモグロビンの濃度だけで鉄の不足を判断するのですが、それは大きな誤りです。ヘモグロビンなどの赤血球関連項目とフェリチン、さらに鉄代謝に関わる他の項目を十分に評価しないと鉄の過不足を正確にしることはできません。
つまり炎症がないときに鉄の補充によってフェリチンが急上昇したら、それはきっと鉄の利用障害を意味するものでしょう。そうしたら鉄を利用できるように調整することが必要になるのです。
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