うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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【生殖医療における甲状腺の適正化およびビタミンD濃度を上げることの重要性】

前回(9/2)のブログ『生殖医療におけるオーソモレキュラー〜妊娠前に知っておきたいこと〜』で少し触れた甲状腺機能とビタミンDについて、もう少し詳しく解説したいと思います。

   

  

甲状腺の機能低下と不妊には密接な関係があります。

甲状腺ホルモンはさまざまな組織の代謝に関与し、卵巣においては卵胞の成長と成熟を促すために必要なホルモンです。


  

では甲状腺機能低下がどのように不妊と関係するのでしょうか。


  

甲状腺ホルモンが血液中に不足すると、脳にある視床下部からTRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)が下垂体に作用し、TSH(甲状腺刺激ホルモン)とプロラクチンの分泌を促します。

そしてTSHが甲状腺にはたらきかけることで必要な甲状腺ホルモンが生成されます。


   

通常のTRH濃度でのプロラクチン分泌刺激はほとんどないのですが、甲状腺機能低下時にはTRH上昇によりプロラクチンの分泌が増加し、高プロラクチン血症による黄体機能の低下および卵胞成長の阻害、さらには無排卵などの排卵障害の原因に繋がります。


このように甲状腺と卵巣は相互作用(クロストーク)を持つ関係にあるのです。

   

TSHの値が通常医療のガイドラインにおいて正常範囲でも、実際は隠れ貧血と同じように、『潜在性甲状腺機能低下症』のケースが多くあることもここでお伝えしておかなければなりません。

   

  

米国の内分泌および甲状腺学会では、不妊症や妊娠計画女性におけるTSHのガイドラインがかなり低値に設定されており、それを超える分泌量のある患者にはチラージンSなどのT4製剤による甲状腺ホルモン補充療法が推奨されています。


  

この潜在性甲状腺機能低下症は不妊だけでなく、原因不明の不育症や流産とも相関関係にあるため、甲状腺機能を適正に保つことは不妊治療および妊娠継続に非常に重要なことなのです。

     

   

次に不妊治療におけるビタミンDの重要性についてお話ししたいと思います。

  

  

ビタミンDの受容体が子宮・卵巣・精巣・胎盤に存在すること、そしてビタミンDが欠乏した動物は妊娠しにくいことなどから、これまでもビタミンDが妊娠に関係するのではないかと考えられてきました。

  

  

そして着床に必要な遺伝子として、子宮内膜のHOXA10が最近見つかりましたが、その発現にもビタミンDが関与することが分かってきました。

  

  

つまりビタミンDは卵巣や子宮に関与し、妊娠にプラスに働く栄養素なのです。

これを裏付けるかのように体内のビタミンD濃度が高い女性は、低い女性に比べて体外受精の妊娠率が高くなるというデータもあり、ビタミンDの投与で月経困難症の改善に繋がったという研究結果も数多く発表されています。


   

逆にビタミンDの欠乏は卵巣機能の低下、妊娠率の低下だけでなく、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や乳がんのリスク因子になったり、免疫力の低下などさまざまな障害を引き起こす原因になります。

  

  

つまり妊娠希望かどうかに関わらず、さまざまな不定愁訴を防ぐためにも、甲状腺機能を正常に保つことと体内におけるビタミンD濃度を高めることは非常に大切なことなのです。


   



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