うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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『Crude(天然)なPrecursor(前駆体)』である理由

JUGEMテーマ:健康

このブログでも何度もお伝えしていますが、オーソモレキュラー栄養療法では、治療で用いる栄養素はできるだけ天然物か天然に存在するものに近い組成で調整したものを使います。
栄養療法で最も大事な事は『Crude(天然)なPrecursor(前駆体)』である事です。
つまり、栄養素(サプリメント)は活性化されていない状態の、天然に近いバランスで補充することが重要なのです。
さらに栄養療法では、いわゆる国の定めている一日あたりの摂取量を大きく上回った量を摂ってもらうのですが、多くの方が水溶性の栄養素に関しては、尿から排泄されるので過剰症の心配はないと認識していますが、脂溶性ビタミンは過剰症が心配と感じている方が多くいらっしゃると思います。
栄養の専門家でもこのように理解していることが多いと思います。
脂溶性の栄養素といえば、ビタミンA・D・E・Kなどが脂溶性ビタミンと言われます。
それぞれ薬理作用を有しているので、病態改善のために処方薬として使われることも多くあります。
薬剤なので保険が適用されとても良いのですが、ビタミンなどの作用を薬剤として期待して合成するときには、CrudeなPrecursorとは真逆でなければ、薬剤として認められないのです、『天然ではなく活性化されている』という事です。
例えば、脂質代謝障害や循環改善を目的に処方されるビタミンEについて、具体的に見てみましょう。
処方で使われるビタミンE製剤の一つである『ユベラN』と天然のビタミンEに含まれるα-トコフェロールはどう違うのか。
トコフェロールは、クロマン環にイソプレノイド側鎖が結合したものが基本構造になります。
イソプレノイド側鎖にも生理活性がありますが、クロマン環のフェノール性-OH基が抗酸化作用としては重要な役割を持ちます。
ビタミンEの代表的な生理作用である抗酸化作用は、この-OH基の水素原子が引き抜かれることによって生じます。
つまり-OH基の水素が引き離され醋酸がエステル結合しているユベラやニコチン酸がエステル結合している『ユベラN』には
天然のビタミンEのような強い抗酸化作用は期待できないという事になります。
抗酸化作用についてはエステル化によって著しく減弱します。
また、α-トコフェロールは天然のビタミンEの一つですが、処方可能なビタミンE製剤は、すべてdl-α-トコフェロールという合成されたものだけが処方可能となります。
天然のビタミンEには、トコフェロールとトコトリエノールの2種類があり、それぞれにα・β・γ・δの4種類の同族体があるため合計で8種類存在します。
つまり天然のビタミンEは8種類の同族体として存在していることになります。
そしてそれぞれが調和して作用している事がとても重要なのです。
単独で尚且つ合成されているビタミンEはとても不自然な形と言えます。
今回の新型コロナで多くの方に知られる事になったビタミンDも同様に、天然では活性をもたない又は、活性が低い前駆体として数種類が混じり合い存在しているのです。

ビタミンD3製剤は薬剤の分野では、古くから骨粗鬆症の治療薬として利用されてきました。
その場合には、活性化されたビタミンD3である1,25-(OH)2-D3に近い構造になります、
そのため副作用として高カルシウム血症が生じやすく異所性石灰化などの原因となり注意が必要です。

天然の魚油などに含まれるビタミンD3は、25-(OH)-D3であり活性をもたない前駆体です。
前駆体として摂取し、必要な組織や細胞に運搬されその場で必要な量だけが活性化されるため、副作用を心配することなく摂取することができるのです。
ビタミンDはシイタケやキクラゲに含まれていることは知られていますが、古くから人がビタミンDを摂取していたのは、魚の内臓だと考えられています。
魚を食べる機会が減ってきた現代でビタミンDがたりている方はほとんどいません。
これまで多くの患者さんのビタミンD濃度を診て来ましたが、お一人だけサプリメントの服用なしで血中のビタミンD濃度が十分にある方がいました。
その方は、毎日毎食たくさんの魚を何十年も食べている方でした。
魚の脂にはビタミンDだけでなくビタミンA、EPA、DHAなどが多く含まれています。
それらが相乗的に作用している事からCrude(天然)を重視する場合には、ビタミンDの原材料は魚油であることが望ましいのです。
誤解の多い脂溶性ビタミンですが過剰症について書かれているもののほとんどが合成されたビタミンについて書いてあるものばかりです。
また、合成されたビタミンも含みビタミンEやビタミンAなどの総称になっている事も混乱を招く問題だと思っています。
Crude(天然)なPrecursor(前駆体)であれば何も心配はいらないのです。
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