2009.01.27 Tuesday
成人の重症アトピーの患者さん
JUGEMテーマ:健康
今日は、知り合いのドクターからの封筒がとどきました。
その中には、新宿のクリニックを始める前から栄養療法にとりくんでいる40歳代の女性の患者さんの検査データが入っていました。
その患者さんは、重度のアトピー性皮膚炎の方です。
その他の成人型アトピーの患者さんと同様に、様々な治療を試みられてきていました。
治療を始めた6年ほど前は、アトピーの皮膚症状だけではなく、強い疲労感や急に訪れる不安感や焦燥感を伴っており少量の抗精神病薬も服用していました。
今では、様々な精神症状は改善し投薬も不要になっています。
ここ2〜3年は、知り合いのドクターに検査してもらいその結果を聞きに年に1〜2回受診されるだけです。
受診されるたびに、表情が明るくなり服装もおしゃれになられています。
お子さんの運動会などにも参加し、PTA活動にも積極的に関わっています。他人との関わりを出来るだけ避けていた以前とは人が変わったようです。
皮膚症状は、まだ満足する状態まで改善していないのですが、5〜6年前に比較すると明らかな変化です。
特に大きな変化は、皮膚の厚ぼったさが無くなり、所々皮膚が裂けていた部位が無くなったことです。
身体を動かす為には、関節を曲げ伸ばしします。それに伴い皮膚も伸びたり縮んだりします。この皮膚の弾力性などは、皮下組織のコラーゲンなども大きく作用するのですが、アトピーの場合には、もっとも表面にある皮膚の上皮の機能が低下してしまいます。
弾力がなくなり、カサカサしたりジメッとしたりするのも上皮の機能低下によるものです。
オーソモレキュラー療法(分子整合医学)では、上皮機能の改善にはビタミンAを必ず選択します。そしてビタミンAの働きを引き出す為に必要となる栄養素が亜鉛です。
とかく過剰投与の危険性などが指摘される二つの栄養素ですが、検査データを評価しながら行えば全く問題はありません。
先日の八重洲の診療では、成人男性の患者さんへ食事からの亜鉛補給のために、この季節からカキをお勧めしました。
お母さんの協力もあってかなりのカキを食べることができたそうですが、その結果としてアトピーの皮膚がとてもしっとりとしてきたと話してくれました。
そういえばこの男性の患者さんも八重洲を受診された数年前は、うつやパニック発作の改善を目的に受診してくれた方です。
半年前頃より、アルバイトなどが可能となり昨日は職場の健康診断の結果を持ってきてくれました。
本当に人間は可能性のかたまりであるといつも思うのです。