2010.10.19 Tuesday
大人の発達障害 その2
JUGEMテーマ:健康
先日にお伝えした勉強会で大人の発達障害が、統合失調症を始め多くの精神疾患として診断治療されていることなどについてお伝えしました。
今日は、正しく発達障害と診断された時の治療や、この問題に含まれている問題点についてお伝えしたいとおもいます。
診断については、非常に微妙なニュアンスをどのように医師が判断するかが重要な診断のための要因なので、ここでは詳細は避けます。
さて、職場でトラブルを繰り返す・・・集団での違和感・・・様々な症状?を、専門家の医師が大人の発達障害であると診断が確定されたとしましょう。
その時の治療では、一般的に環境を整えることの重要性などが小児の発達障害と同様に強調されます。欧米では、発達障害の専門医が企業へ出向き、発達障害を疑われる社員に対して働きやすい環境を作る作業に関わっているそうです。そして環境を整備された社員は、自分にとって働きやすい環境が整備され、もともと持っている優れた集中力などを発揮して素晴らしい仕事をすることが多いそうです。
日本ではこのようなとりくみを行っている企業は非常に少なく、発達障害を診断できる医師が少なくとても遅れている分野です。
先日の勉強会では、大人の発達障害の患者さんへの治療ではやはり薬物療法が中心になりました。
そのポイントについて
・非常に少量のメジャートランキライザー(統合失調症で主に使われる薬剤)が効果的
・こだわりが強く、強迫性の症状が強い時にはSSRIの大量投与が効果的
などがありました。
ところが、強い思い込みが妄想と思われ統合失調症と診断され通常量のメジャートランキライザーが処方されている患者さんが多くいらっしゃいます。その副作用とおもわれる焦燥感などについてマイナートランキライザーが処方され、反応性のうつ症状についてSSRIを始めとする抗うつ剤が処方されてしまっていることも珍しくありません。
もし初診時に、発達障害による反応性の精神症状であることが正しく診断されていたら、ほとんど副作用の影響が無い程度の少量のメジャートランキライザーで十分に落ち着いた日常をおくれたかもしれません。
このことは、長期間にわたる治療が必要な分野ですから、患者さんの人生を左右することであると言えるでしょう。
そしてさらに、多くの精神科、心療内科医に低血糖を始め多くの栄養障害が精神症状の原因となることが理解されるようになったら10歳代20歳代で薬漬けになることを避けることができるのです。