うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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患者さんからのファックスで気がついたこと
今朝クリニックへ出勤すると、患者さんからのファックスが机の上にありました。

親子で、この治療に取り組まれている方からです。
娘さんは、アトピー性皮膚炎。お母さまは、アトピーと強迫症状の改善を目的です。
検査データでは、やはり低血糖症でした。しかもお母さまは、なかなか重度の低血糖症です。

かなりの期間治療に取り組まれています。娘さんの皮膚はとっても綺麗になり、甘い物もずいぶんと控えてくれています。

そんな状況で頂いたファックスだったのです。
その内容は・・・・

娘さんが朝浮かない顔をしてたので理由を尋ねてみたところ、

夢の中のレストランで『もっとタン白質が多いものにしなさい!!』とお母さんに怒られた・・・

と言われ、あまりに口うるさく言っていることが、娘さんのストレスになっていたと気がついた・・・・と言うものです。


うるさく言ってくれるのは親ぐらいです。
娘さんには、どれほど良い影響があるか分かりません。

この先、自分で友達と外食をするときに頭の隅でお母さんの声が響くでしょう。
独りで暮らしたとき、食事をおろそかにしない若者になるでしょう。

結婚したとき、ご主人やお子さんへ、とても良い食事を作る奥さまになることでしょう。
これが、どれだけ家族へ良い影響があるか計り知ることは出来ません。

親は、うるさいものです。
どうせうるさいのであれば、効果的な小言を言うようにお互い気をつけましょう!!
| 低血糖症 | 10:01 | comments(3) | trackbacks(0) |


SPAを読んでみてください!
今発売されている雑誌SPAを読んでみてください。

その中の”へたれ男特集”に新宿のクリニックが出ています。

雑誌の取材などは、たまに問い合わせがあります。主旨に同意できないものはお断りすることがあります。

今回のSPAの取材は、グラビア女優さんなどが出ている雑誌なのでちょっと躊躇したのですがお受けしました。

と言うのも、”へたれ男特集”というのを組んでいて、ニートでもなく家にこもり、自立した生活が出来ない男性を”へたれ男”と定義して、取材を繰り返していたところ、”へたれ男”の皆様の食事がひどいことに気がついたと言うのです。

ほとんどの”へたれ男”の部屋には、カップラーメンとポテトチップス、スナック菓子が見られたと言うのです。
そこで、食事と精神疾患について検索していたら当クリニックを見つけたと言うのです。

その目の付け所が良かったので取材を受けることになりました。

そして、雑誌にもでてくる”へたれ男”の代表さんを連れてきてくれました。ほとんど家にこもり、仕事が出来る精神状態ではないとのことでした。飲んでいる薬を拝見すると、いったい何病??と思うほど、『抗うつ剤』『抗不安薬』『睡眠薬』『抗精神病薬』などの多剤が処方されていました。きっといろいろと薬を追加しても症状の改善が得られなかったからでしょう。多剤併用の功罪については、過去のブログをご覧ください。

一般に家にこもり仕事が出来ず・・・というと、うつ病と診断されることが多くあります。

彼の血液検査データは、とても重度の血糖調節異常でした。平均の血糖値は高いのですが、実際には糖が利用されていない状態。
血糖値が高い飢餓状態といえばよいでしょうか?

この状態は、お医者さんでもなかなか理解してくれないものです。

ばっちりサプリメントを飲んでいただき、食事の指導をしっかりと行いました。
その後にいただいたファックスには、身体の調子がすこぶる良く、糖質とアルコールも辞め、精神的にもとても落ち着いたとのことでした。
そして、早速仕事もはじめたという内容でした。

雑誌には、ハイになってしまったのでは・・と受け取れるようにコメントされていましたがそうではありません。

しかし”へたれ男”とは、よく言ったものです。

彼は、へたれではなくなり、しっかり者になっていると思います。

雑誌を見て思いましたが、ほとんどの”へたれ男”さんたちの部屋が散らかっていました。

部屋が片付けられない・・・・と言うのは、特徴的な症状のようです。
その点については、また後日・・・。
| うつ病 | 23:47 | comments(1) | trackbacks(0) |


マイケルレッサー博士が述べる統合失調の原因
カナダのエブラムホッファーとアメリカのマイケルレッサーの二人は、分子整合栄養医学のシンボリックなドクターです。

レッサー先生は、昨年ご自身の本の出版を記念して、来日され僕ら日本の栄養療法を行っている少数のドクター向けにクローズに講演してくれました。

レッサー先生といえば、彼の昔の名著である『栄養・ビタミン療法−栄養による精神的健康の改善』があります。これは、先日出版されたホッファー先生の著書を訳された大沢博先生が訳されています。

この本のなかで、レッサー先生は、統合失調症やうつ病の原因について詳細な分類をされています。またそれぞれの原因において特徴的な症状なども述べられています。

しかし実際に栄養療法を行っているときに、レッサー先生の著書にあるように、細かく分類された原因について疑問を持っていました。
患者さまやご家族の方にも、この本を読まれた方が多くいらっしゃるようです。葉酸についてとても細かく注意されていること、亜鉛について細かく注意されている方・・・。時にそれらの患者さまの知識が実際の治療の支障になることもありました。

日常の診療で、レッサー先生の説に違和感を覚えていたのですが、なにしろレッサー先生はアメリカ上院の栄養問題特別委員会で証言された、栄養療法では世界的権威のドクターです。

そんな違和感を感じながら、レッサー先生の来日公演を迎えることになりました。

その講演会のなかで、レッサー先生は詳細に統合失調症の原因について述べられました。そしてあるスライドを用いながら、それらの全ての細かい統合失調症の原因は、全てが低血糖症の海の上に浮かんでいるものであると言われました。

このスライド見てレッサー先生のコメントを聞いたときに、やっと違和感が消失しストンと納得することが出来たのです。

彼は、統合失調症と躁うつ病のベースには低血糖症が存在することを、講演の中で話されていました。

講演が終わってから、レッサー先生にスライドの使用の許可をもらい、僕の講演の中で使わせてもらっています。
レッサー先生の講演がきっかけで、多くの日本のドクターのお尻に火が付き、数人のドクターが栄養療法を始められました。

またその講演があまりに良かったことと、友人のドクターも感動していたことをホッファー先生にメールしたところ、すぐにホッファー先生から返事をもらいました。
その内容は、ホッファー先生のユーモアに富んだものでした。
アメリカやカナダで、医師として辛い経験をされたことから、日本で同じ道をたどらないことを強く希望されていました。

そして一般の日本のドクターには、栄養で精神疾患が改善するということは、全く理解されていないのが事実で、今は無視をしているか知らないために否定をするのが現状です。
| 統合失調症 | 23:50 | comments(1) | trackbacks(0) |


コントロールできなかった凶暴性
重度の低血糖症は、その人の人柄を変えます。人格を変えてしまうといっても良いかもしれません。
今日ご紹介する患者さまは、八重洲へ通院されている患者さまです。

この患者さまは、20歳代の男性です。
今年の3月から東京メディカルケアセンターでの通院治療を始めました。

初診時の訴えは、激しい頭痛、胸痛、イライラ感、そして自分でコントロール出来なくなり暴れてしまうことでした。

特にイライラ感から暴れてしまう行動は、猛スピードで信号無視で車を走らせたり、時には買い物のお客さんが居る時間帯に、スーパーの駐車場を猛スピードで車を走らせてしまったこともありました。
この出来事がきっかけになり、精神科へ通院することになり投薬治療が始まりました。

リスパダール、ヒルナミン、エチゾラム、レンドルミン、デパス、SG顆粒、
ボルタレン・・・・

どの薬を使っても、症状に改善はありませんでした。

そしてイライラ感がひどくなり、彼はついに大切な彼女に包丁を向けてしまいました。幸い、大事には至らなかったのですが、信頼する人から包丁を向けられた彼女の心は、深い傷を負ってしまいました。

自分でも薬でもイライラ感をコントロールすることが出来ません。ついに自分の最も大切な人に対しても、コントロールできない行動をとってしまったのです。
コンピューターのプログラミングを仕事にしていましたが、この仕事も辞めることになってしまいました。
彼女も、仕事も、いままでの自分では考えられない凶暴な行動によって失ってしまったのです。

彼の血液検査データは、大変重篤な栄養障害を示すものでした。
多くの問題点を指摘することができましたが、最も大きな問題点は血糖値の調節が出来ず、重度の低血糖症であることが予想されたのです。

5時間の糖負荷検査が必要であると判断し、食事の指導やサプリメントによる栄養アプローチを開始しました。

5時間糖負荷の検査結果は、このグラフです。

大変重篤な低血糖症のグラフです。
ブドウ糖入りのジュースを飲んだ、8分後から頭痛が起こり、あくびなどの症状が出ました。
糖負荷後30分では、血糖の上昇が34mg/dlだけであるにもかかわらず、インスリンの分泌は、166μl/mlと常軌を逸した分泌を示しています。
このインスリンの過剰分泌によって、血糖値は57まで低下しています。ブドウ糖を飲むと、その60分後には低血糖になっているのです。

そのため、彼は頻繁に甘いものやパンなどを摂取していなくては、空腹感に襲われていたのです。甘いものが摂取できないと、激しい頭痛やイライラ感、そして自分ではコントロールできない凶暴性が生じていたのです。

重度の低血糖の場合には、自分の生存が脅かされる状態であることを、これまでのブログでお話しました。
極度に緊張で、自分の生命が脅かされることを繰り返すとき、人はあきらめの境地になったり、激しく対抗する凶暴な行動をとることがあります。

第三者へ写る印象は、両極端ですが、患者さまの内面で起こっている変化は、同じです。『生命がおびやかされている』のです。

この患者さまは、料理が好きということが、治療にとってとてもよい影響を及ぼしました。
4時間毎に、タン白質が充分に含まれた食事を自分で作ることが出来たのです。
タン白質を多く含む頻繁な食事は、このような血糖曲線を描く低血糖症には、最高の治療です。

本日の来院は、ご自分でゆったりと車を運転し・・つい先月まで暴走していたのですが・・、東京メディカルケアセンターに来ることが出来たそうです。
今では、イライラが生じることも全くなくなりました。

自分でコントロールすることができない状態へ陥る不安が無くなり、彼の顔から険しさが消えました。
彼の口調などから、本来はとても優しい男性であることは明確に伝わります。

これから彼には、やることがあります。

重度の栄養障害を、食事とサプリメントで完全に治すこと。

そして、たとえ自分でコントロールできない代謝異常による行動であったとしても、彼がとった行動への責任をとらなくてはならないのです。

再就職は、決まりました。以前のIT関連ではありませんが・・・。

そして、最も大切なことは、とても辛い経験をさせてしまった彼女への責任です。これには、きっと時間がかかるでしょう。彼女が経験してしまった強い恐れは、なかなか消えるものではないでしょう。

ただ、コントロール不能の行動や、激しい彼の言動は、低血糖症が原因であったと言う事実。
そして、現在の彼は、自分で食事などをすべて工夫し、不安なく生活しているという事実。
そして、最も大切なことは、今後も彼が自分をしっかりと持ったまま生活しているという行動。

これらが、時間をかけて彼女の恐れの体験を癒してくれるのではないでしょうか?
| 低血糖症 | 20:07 | comments(4) | trackbacks(1) |


アトピー奮闘記の最終回
今日はいい加減、自分のアトピー治療の最終回にします。

僕のアトピーは、20歳前には季節の変わり目にステロイドのお世話になる程度になっていました。
浪人の末、医学部へ入学しどうにか5年生になった頃、外科の研修をしていると『高』と名札がついた高齢の先生がいらっしゃいました。その方は、手術には一切無関係。ミーティングでも後ろの方に居るだけの方でした。
ちょっと機会があり話をしてみると、手術前後に漢方薬を使うことの有効性を調べるために日本に来ている中国の先生であることが分かりました。

この先生には、いろいろとマジックを見せてもらいました。
若い女性の患者さまの脈診で、月経が遅れていることを言い当て、さらに何日後に来るから心配要らないからと伝えて安心させていました。

こんなコメントを西洋の医師がすることができるでしょうか??
無理ですね。僕も無理です。

さて、そのようなマジックを見せてもらいどうしても自分の親の病気のことを相談したくなり、勇気をもって相談しました。快く診察を承諾していただき漢方の煎じ薬を処方してもらいました。
そのついでに、自分のアトピーの相談も行ったのです。

『タイチョウプ、タイチョウプ!』(大丈夫、大丈夫)と肩をたたきながら漢方薬を処方してくれたのです。
一人暮らしをしていたので、煎じ薬ではなく小さな丸薬をくれました。

明らかに改善しました。
ステロイド軟膏の使用量が1/3程度まで、数ヶ月間の服用だけで減りました。その漢方薬を飲むのを中止しても増悪しないことが漢方のすばらしさですね。きっと根っこの部分、体質に作用しているのでしょう。

そして医者になり、相変わらずひどいときにはステロイドという生活でした。
ここ数年間は、まったくステロイドを使わずに済んでいますが、それは明らかに栄養アプローチのおかげです。栄養療法を始めて、2年を過ぎたころから全くステロイドが不要な程度になりました。

アトピー性皮膚炎に対する栄養アプローチについては、それだけでブログのタイトルにできるほど書くことがいっぱいあります。
ヒトの身体の炎症をコントロールする機能は、薬では改善することはできないのが、栄養を勉強すると良くわかります。

次回からは、通常の話題に戻していきます。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0) |


アトピー治療の自伝
昨日に引き続き、僕のアトピー治療の歴史をお話します。

子供の頃は、症状は結構ひどかったのですが、自分とするとあまり深刻ではなく、親の方がかわいそうだと言うことで、いろいろと試してくれたものです。(甘いものは親子で食べまくっていましたが・・)

そうそう、小学校3年生までは、僕は肥満児でした。膝裏のアトピーを掻きむしるので、半ズボンをはくことはあまり無かったのですが、たまに半ズボンをはくと、太ももの内股が肥満のためにこすれて、”股ずれ”になってしまい、脚を広げながら歩かなくてはならないほどでした。

その後、サッカー部に入部して毎日激しい運動をするようになってから、標準体重になったのです。(余談でした)

ということで、母親は、いろいろと治療法を試してくれました。
アパート暮らしだったので、玄関はとても狭かったのですが、その狭い玄関に大きな鉢植えが置かれ、アロエの木がやってきました。
毎日、アロエの葉(?)を切り、そのエキスを皮膚に塗られました。一向に改善の気配無く、そのアロエはすべての葉が切り取られ、知らぬ間に鉢もなくなっていました。

もっとも勘弁して欲しかったのが、ジャガイモ療法です。

生のジャガイモを薄切りにして、夜寝る前にアトピーの部分に貼り付けるのです。
皆さん、翌朝のことを想像してください。

僕の皮膚は、生のジャガイモを一晩貼られてしまったのです。

その部分は、でんぷんが染み込み、白い粉が皮膚一面に付着していす。あたかも白粉(おしろい)を、こどもがいたずらでぬりまくった様な感じです。

鏡を見ると、無残な粉吹き芋のような顔でした。

さすがに怒り、ジャガイモ療法は1日にして終了したのです。

サッカー部に入り、運動量が増え、規則正しい生活になりました。結局、甘いお菓子やスナック菓子を食べる機会もずいぶんと少なくなりました。
身体も痩せてきて、徐々にアトピーもシーツに血がつく機会も減ってきました。
ひどいときにはステロイドは常に使っていましたが、その頻度も減っていました。

小学校高学年〜高校生時代は、季節の変わり目や体調の変化によってアトピーの症状は増悪して、その時にはステロイドを塗るということの繰り返し。
朝起きたときに、首の皮膚の調子でその日の気分が大きく変わっていました。
首に皮膚が厚ぼったいと、『はぁ〜、今日は調子悪いな』と、朝の気分がふさぎます。調子が良いときには、気分の爽快でした。

そんなことを繰り返しながら、大学生時代に漢方の達人に出会ったのです。
| ひとりごと | 09:32 | comments(1) | trackbacks(0) |


今日は自分の話です
今日は自分のアトピーの歴史についてお話します。

これまでブログでも、自分が幼少時にアトピーだった話をしました。
もちろん、今では栄養のおかげで、季節の変わり目にもステロイドを使わなくても良い状態になりましたが、つい数年前までは1年間に数本のリンデロンを使っていました。

この話をしようと思ったのは、昨日遠方から幼稚園のかわいいアトピーの患者さまがいらしてくれたことや、今日の診察でブログを読んでいてくれている患者さまから、僕がアトピーだったことを言われたからです。

今考えれば、美味しそうに食べるからということで、チョコレートでも果物でも、なんでも好きなだけ食べていた食生活が一つの原因であったことは明確です。
ここで、お断りしておきますが、僕は超甘党なのです。あんこ物でもクリーム系でもOK!!特に生クリームには一言あります。カスタードクリームにもうるさいですよ!!
しかし、この2年ほど、多くの低血糖症の患者さまとかかわるようになってから、ほとんど口にしなくなりました。もう、甘さに非常に敏感になってしまって、通常のものは甘くて以前のように食べられません。

さて、話を自分のアトピーに戻しましょう。
あの頃は、ステロイドの副作用などが今ほどうるさくなく、薬局でも簡単に強いステロイドを購入することができました。子供ながらに、かゆみがすぐとまるし、2・3日塗ると皮膚もきれいになってしまうので、魔法の薬と思っていました。
ひどい時だけ使って、予防的に使わなかったのが良かったのかもしれません。

僕の症状は、肘や膝の裏には常に掻きむしったあとのかさぶたがあり、耳の付け根はいつも切れてぐじゅぐじゅしていました。
特にひどかったのが首筋で、首の後ろの皮膚はとても厚く、象の肌のようでした。
首筋のアトピーがひどかった時に、親戚のおじさんから

『あいつは、いつも汚いのができてるなぁ〜』

と言われたことは、子供なりにショックでしたね。こうして書いていても、ムラムラとした感覚が胸に沸いてくるものです。言葉自体は嫌いですが、これをトラウマというのでしょうか??
まあ、あんな大人にはなるもんかっ!!と良い影響を与えてくれたことに感謝ですね。

と言うことで、肘・膝・首がひどかったので、夏場に関節や首筋に汗がでるとかゆいのなんの、爪と指の間にはかさぶたや皮膚が入り込み、患部からは黄色い透明な液体と血液が混じって出てきていました。そのために、木綿の長袖のシャツと長ズボンを常にはいていたのです。

しかし体育の時間には、半そで半ズボンでしかも襟なしの体操着。しかも整列して前に習えの姿勢なんてしようものなら、肘・膝・首は大公開!!

この時間が一番苦痛だったものです。

嫌なことはいやだったのですが、幼少時の僕はそれほど深刻ではありませんでした。深刻だったのは、むしろ母親の方でした。

心配した母親は、良いと聞いたことはかなりチャレンジしてくれました。

入浴剤は、まあ良いのですが、ジャガイモ療法、アロエ療法には困ったものでした。中には、爆笑の治療法もありました。

次回からは、爆笑のジャガイモ治療から、漢方へ・・・・そして、栄養療法へとたどった、アトピー治療の歴史をご紹介しましょう。
| ひとりごと | 22:09 | comments(2) | trackbacks(1) |


遠方患者さまの改善
今日は、遠方にお住まいの患者さまについてです。

30歳代の女性の患者さま(Rさん)で、統合失調症の診断で多くの投薬を行われていました。
とっても遠方にお住まいなので、新宿溝口クリニックの遠方にお住まいの方への方法で栄養のカウンセリングを行っています。

今日は、治療を始めて3ヶ月目の電話でのカウンセリングの日でした。
治療を始めた頃は、電話から受ける印象は70歳代の女性というものでした。声にはハリがなく、応対も非常にゆっくりしていました。

治療2ヶ月をすぎた頃から症状が改善している報告を担当のカウンセラーから報告を受けていました。リスパダールも半分に減量されました。

そして今日が3ヵ月後の電話カウンセリングだったのです。

溝口『こんにちは、調子が良いように聞いていますがいかがですか?』

Rさん『はい調子が良いと思います。』(別の方??と感じる若い声)

溝口『声もお元気そうですね!どんなことが良くなったと思いますか?』

Rさん『お散歩に毎日でて、庭で軽い手伝いもしています。
    花を見て、きれいだなぁ〜とか、動物を見て、かわいいなぁ〜
      と思うようになりました。』
   『お薬の治療の時には、花を見ても動物を見ても、何にも感じなく
     なっていて、どうしてだろうと不思議に思っていました。』

お母さま『本当に、よく笑うようになりました。よくしゃべるようになっ       て、昔の娘に戻ってきました。』

遠方の方は、お電話やメール、ファックスを使ってサポートしているので、この方のようにお声だけしか、知らない方もいらっしゃいます。
しかし、電話から伝わるもので、経過が良く分かることが多くあります。今日の電話はそんな電話でした。

そしてもう一つ。
今日は、小さなお子様が来院されました。幼稚園へ通園しているお子さんです。皮膚のトラブルをこの治療で改善させることを目的に、遠くからいらしてくれました。
実は、このお子さんのお母さんが、新宿の遠方のメンバーさまなのです。今日始めてお顔を拝見しました。お元気そうで、以前お悩みだった症状がとても良くなっていることをお話してくれました。

このように、悩みの症状が改善されて、自分のご家族を紹介してくれる。このことが、僕らクリニックのスタッフの勲章と思っています。
ご家族で、治療にあたられていることが多いのが、クリニックの特徴です。
| 統合失調症 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |


人格が、突然変わる女性
多重人格という病名というか症状名があります。

先日来院された患者さまは、まさにそのような症状でした。
これまでの経過を聞いているときに、突然”人”が変わるのです。
目つき、顔つき、態度、話し方、声など全てが、まるで別人格のように、突然変化してしまいます。
いままで、不安をもった普通の女性という印象から、べらんめぇ調のけんか早いオヤジに変わるのです。そしてしばらくべらんめぇ調のオヤジモードで居た後に、また突然普通の女性に元通りです。
まさに何かかが乗り移ったという感じです。

来院される前かかっていた病院では、おそらく統合失調症の診断をされていたのでしょう。投薬内容は、メジャートランキライザー・マイナートランキライザーのフルコースで、薬漬けの状態でした。
食事の内容をたずねると、とにかくご飯が大好きで、ふりかけご飯しか食べていないとのことでした。それも年単位です。
昼夜逆転、深夜に症状の増悪あり、体重の急激な増加などその他の症状と照らし合わせて低血糖症を疑いました。後日判明した血液検査データは、大変重症な低血糖症であるとが分かりました。
初診時の症状の特徴からだけで低血糖を疑ったので、食事の指導をおこないました。
三食ふりかけご飯だけの食事から、常に玉子をかけたり、お魚を食べたり、お肉を食べたり・・・タン白質をとにかく摂取る様にお願いしました。

これに似た症状としては、以前ブログでも書いた『江戸わずらい』があるかもしれません。この『江戸わずらい』は、現在ではビタミンB1不足による脚気の症状と落ち着いていますが、僕には低血糖も関係していると考えています。(またはビタミンB1不足が低血糖を招くのかもしれませんが・・)

さてこの患者さまがどのような経過をたどられるのでしょうか?
2回目の受診時は、どうだったのでしょうか?

またの機会をお楽しみにしてください。
| 統合失調症 | 21:33 | comments(2) | trackbacks(0) |


昨日の勉強会の成果
昨日の勉強会では、大きな成果がありました。

それは、勉強会が終わったあとに、出席した医師とのディスカッションで僕が得たものです。

この治療を行っているときに、栄養状態を評価するために血液検査データを用いています。
そのデータをどのようにして解釈するかがポイントなのですが、その解釈の基準になる値をはっきりと明示できないのが問題でした。
検査データは、基準値という範囲に入っていれば正常であると思われているので、どうしても人間ドッグで異常なしといわれる値でも、栄養面からみると問題があるということが多く見られるからです。

昨日の勉強会では、参加者の多くがドクターであったために、思い切って公演中に次のように話をしたのです。

・講演で話す血液検査データの目安となる値には、理論的な根拠がありますが、その目安となる値が正しいものか、正しくないものかは、ご自分の臨床で確かめてください。

このような前提で、検査データを解釈する目安となる値をお話しました。前日に新宿のクリニックで行った講演会では、この値については意図的に話をしなかったのです。僕が話した値が、それだけで一人歩きをされるのが困るからです。

昨日は、3時間ほどの時間で多くの項目について話をしたので、かなり駆け足になりました。
多くの時間を、鉄の欠乏について話しました。

潜在性鉄欠乏は、めまいや頭痛、抑うつやパニック、湿疹から爪のトラブル、食欲不振や便秘など、実に様々な症状の原因なるにもかかわらず、正しく理解されていないためです。
しかも、正確な診断を行いさえすれば、簡単な治療にて劇的に改善すること多いためです。

その鉄の欠乏で、MCV・MCH・MCHCという項目があります。
これらの項目は、計算式で出される簡単な項目なのですが、鉄の欠乏とそれに関連する多くの栄養素の代謝を想像させる値なのです。

このMCVも、通常の基準値では、80〜100という大変広い範囲に設定されています。講演のなかで、このMCVについて目安となる値について話しました。

講演後に、とても経験豊かな内科のドクターと話しをしていたとき、MCVの目安となる値について、お互いの考え方が一致したのです。
僕とすると、考え方が一致するということがとても嬉しいことでした。

昨日の勉強会でも、多くのドクターから嬉しいメールを頂きました。少しずつですが、確実にこの理論と治療法が広がってきています。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) |


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