うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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癌(ガン・がん)とビタミンC
昨日の帰りに何気なく朝青龍の記事が目に付き、夕刊フジを買いました。
例によって、記事の内容はたいしたことはなかったのですが、新聞の健康欄に目が止まりました。それは、ビタミンCの注射について書かれていたためです。
昨日のブログで慢性疲労とビタミンCの関係を書いたばかりなので、特に気になったのかもしれません。

その記事の中に、癌(ガン・がん)に対するビタミンCの注射による治療が紹介されていました。ガン細胞にたいするビタミンCの効果については、約30年前から分子整合医学の創始者の一人であるライナスポーリング博士らが紹介していました。
その後は主にアメリカの医師 Hugh Riordan 氏によって臨床と研究が続けられてきたのです。Riordan 医師は、自らの臨床経験からビタミンCの効果に注目され、多くの困難を克服しながらアメリカに専門病院を設立し、まさに世界中の患者さまへビタミンCの注射による治療を行われてきました。
以前にその施設を見学された渋谷の宮沢医師とともに、アメリカへ研修に行こうと計画をしていた矢先、2005年に Riordan医師はお亡くなりになってしまったのです。
最後に来日されたときに、短い時間ですが会話をすることができ、新宿のクリニックに励ましのお言葉をいただいたことが心に残っています。
昨年のカナダ、バンクーバーの学会にも、 Riordanが作った施設の現在の責任者である
Ron Hunninghake医師が参加されていました。 Riordan先生の遺志はしっかりと受け継がれているのです。

さて30年前にポーリングによって提唱され、その後は Riordanらによってある意味細々と継続してきたガンに対するビタミンCの注射療法が、どうして最近になり日本の夕刊紙でとりあげられるようになったか?

それは、日本の厚生労働省にあたるアメリカのNIHが、ガンに対する多くの代替療法を検証し、ビタミンCの注射による治療の有効性を確かめつつあるという事実が関係します。

Riordan 医師が治療用に調整したビタミンCの製剤は、日本では医師が治療用として個人輸入して用いることができます。現在は、新宿をはじめ数箇所の施設で、個人輸入され治療として用いられています。
それぞれの施設で、驚くような治療効果を上げているのですが、残念ながら日本の学界などでは発表を行っていません。
アメリカに遅れること約20年と言われていますので、一般的な医師たちが身体に優しい栄養療法の効果について、耳を傾けるようになるのはまだまだ先のことになるだろうと思うのです。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 17:35 | comments(7) | trackbacks(0) |


慢性疲労とビタミンC
慢性疲労症候群の治療にはビタミンCの大量療法が有効であるとされています。

大量と言っても1日3〜4gの摂取ですので、新宿や八重洲では、日常患者さま方へ処方している通常使用量ですが・・・。
いきなり余談になりますが、ビタミンの大量療法という言葉を良く聞きます。この大量という言葉にともなう印象が、さまざまな不安を作るようです。

『そんなに摂って大丈夫なのですか?』
『蓄積して、沈着しちゃうんじゃないですか?』
『おしっこに出てしまって意味がないのではないですか?』

これらのコメントは、大量という表現が悪さをしているかもしれません。
至適量の投与と表現を改めて欲しいものです。

さて本題に入ります。

慢性疲労症候群の治療にビタミンCが有効といわれている理由は、ビタミンCの活性酸素の除去によるものであると言われています。

慢性疲労のメカニズムとしてエネルギー産生障害というこれまでのブログの内容からビタミンCの持つ作用と疲労に対する効果を見直してみることにします。

私たちの日常活動で必要となる最低限のエネルギーは基礎代謝と言われるものです。この基礎代謝に必要なエネルギー(ATP)は、糖質・脂質・タンパク質から作られます。しかし実際には、脂質由来のATPが40%を占めるといわれています。
つまり日常生活を最低限送るためには、脂質をしっかりと代謝してATPを産生しなくてはならないということになるのです。
脂肪は、糖質のように効率よくエネルギー産生のサイクルに入ることができません。
エネルギー産生の主な場所であるミトコンドリアに入るために、カルニチンというアミノ酸を必要とします。

このカルニチンというアミノ酸は、私たちの体内で合成できるアミノ酸です。
体内で合成するために必要なアミノ酸で大切なものはメチオニンという動物性タンパクに含まれるアミノ酸です。
ビタミンCは、体内でカルニチンを作るために最も重要な経路に関係する重要な栄養素なのです。

こうして考えると、ビタミンCが疲労に効果があるのは、単純に活性酸素の除去によるものではなく、脂質からエネルギーを作る過程で必要不可欠な栄養素であるためと考えることができるのです。
| 慢性疲労症候群 | 20:47 | comments(0) | trackbacks(0) |


心をラクにする方法
八重洲のクリニックでは、通常の心療内科てきな治療に加えて特色あるアプローチがあります。

○栄養アプローチ
○コーチング
○催眠アプローチ
○アロマセラピー

これらの分野を医師が担当しているというところが八重洲の特色だと思います。
このなかでコーチングを担当するのが奥田弘美医師です。

奥田医師は、コーチングという理論をいち早く医療の分野に取り入れ、治療だけでなく病院組織への応用や、ビジネス分野への応用など幅広く応用しています。
また作家として注目される人物でもあります。そして子育て真っ最中でもあるという、スーパーな女性です。
そんな彼女は、フルコースウーマンという単語を造り、世の中の女性たちへメッセージを送り続けているのです。

すでに何冊も本が出版されていますが、最近発売されたココロ・デトックスは増刷がくりかえされる売れ行き中です。そのようなときに、また素晴らしい本が出版されます。
今回の本は、。。。。

「もうイヤな気持ちに、ふりまわされない
〜心がラクになるセルフサポートコーチング〜」(大和出版)

彼女は自分のブログで次のように紹介しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 心に引きずっている「イヤな気持ち」を
 見て、唱えて、書いて、食べて(!)、すっきりと
 解毒していく、眼からウロコの方法が満載です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そうです。今回は、日常での”食”=栄養 の分野までコーチングが
及んでいるのです。
 
この本の出版を記念した講演会が以下のように開催されます。
奥田医師をはじめ、新宿の定カウンセラー、銀座スキンケアクリニックの坪内医師
なども講演されるそうです。
席も残り少なくなってきたようです。
豪華講師陣の講演会で、500円!!
こんな機会はなかなかありません。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
   スペシャル出版記念講演会
      
「もうイヤな気持ちに、ふりまわされない
〜心がラクになるセルフサポートコーチング〜」(大和出版)

 ○講演その1(スペシャルゲスト講演)
  銀座スキンクリニックの坪内利江子先生による
 「お肌のデトックスについて」
 ○講演その2 (出版記念講演)
  東京メディカルケアセンター精神科医 奥田弘美による
 「もう、イヤな気持ちにふりまわされない!
  〜イヤな気持ちをデトックスして、もっとハッピーに輝こう!〜」
  心に引きずっている重いおもしをカットして、
  軽やかに楽しく人生を送る心のデトックス法をご提案します。
 ○ミニレクチャー 
 新宿溝口クリニック栄養チーフカウンセラーの定真理子氏による
  「デトックスと栄養のおはなし」
 
日時 2007年2月3日(土曜日)
  14時から16時まで 出版記念講演会
  
会場 霞ヶ関ビル33階 東海大学校友会館
   東海大学学友会館 霞ヶ関ビル33階
   千代田区霞ヶ関3-2-5
   03-3581-0121
  URL
   http://www.kasumigaseki36.com/access/index.html

参加費用 
  ○講演会参加費用
     事前申し込み500円(コーヒーつき)
     当日は1000円となりますので、事前にお申し込みください。

定員50名
申し込み方法 
 iryo@aria.ocn.ne.jp 
 または、ファックス03-5367-5669まで、
 氏名、連絡先メールアドレス、 連絡先電話番号、住所
 そして講演会参加、フルコースウーマン倶楽部参加の
 ご希望をご明記の上、お申し込みください。
 締め切りは 1月30日です。
| - | 00:42 | comments(0) | trackbacks(0) |


慢性疲労と低血糖症
新宿や八重洲のクリニックでは、5時間の糖負荷検査を行っています。

空腹時に決まった量のブドウ糖が含まれた飲み物を飲んでいただき、その後5時間にどのように血糖値やホルモンが変化するかを見るものです。

血糖曲線にはいくつかのパターンがあり、それぞれが精神症状を説明するものであることは、このブログで繰り返しお伝えしてきました。

低血糖症のなかで、無反応性低血糖症というタイプがあります。
ブドウ糖を摂取しても、正常で見られる血糖の適度な上昇がなないタイプです。
別名『慢性疲労タイプ』です。

昨日のブログでも説明したように、糖質はもっとも効率よく血糖を上層させる食材であるために頻繁に摂取され、それが自律神経を乱す原因になります。

『無反応性低血糖症=慢性疲労タイプ』

の場合には、糖質を摂取しても摂取しても、有効な血糖の上昇が得られません。そのために、甘いものを摂取し続けるようになってしまったり、あるいは重度に深刻な疲労感を覚え、あたかもうつ病のような症状を呈することになります。

血糖値が少々しない理由は、いくつかあるのですが、いずれも通常の抗精神病薬などで対応できるものではありません。
血糖調節異常の原因についての詳細は、5時間糖負荷検査を行い評価することができる医師に診断してもらう必要があります。

このような病態では、基本的に糖質の代謝障害が存在しますので、タンパク質や脂質などの効率のわるい栄養素の代謝によってエネルギー(ATP)を産生するように栄養アプローチを組み立てます。

強い疲労感を訴えると、心療内科を紹介され薬漬けの始まりになることが多いので、このブログでも積極的に取り上げるようにします。
| 慢性疲労症候群 | 20:58 | comments(2) | trackbacks(0) |


慢性疲労を考える
厚生省の研究班が定めた『慢性疲労症候群の診断基準』は、その条件が厳しく満たされることが少ないため、この病名が廃れてしまったような感があることをお伝えしました。

欧米ではも少しゆるい基準であるため、多くの患者数が報告されています。
厚生省の診断基準を満たすか満たさないかは別にして、強い疲労感を訴える患者さまはとても多く、特に統合失調症やうつ病と診断された方の多くは、強い肉体的な疲労感を訴えます。

血液検査データでも、一般的な評価法である肝臓や腎臓の機能を見るだけは、疲労の原因を推測することができません。そのために、疲労を強く訴える場合に心療内科の受診となり投薬中心の治療が始まるのです。
分子栄養学的な血液検査データの読み方を1年にわたり医師向けの雑誌『ジャミックジャーナル』に連載してきましたが、ことしの3月で連載も終わってしまいます。
幸いなことに、このブログも多くの医師が読まれていることをいろいろなところで言われますので嬉しい限りですが、今後はどのように医師向けに情報発信しようかと考えています。

さて本題の慢性疲労についてです。
疲労がエネルギーの不足とすると、私たち人間のエネルギーであるATPの産生障害が大きな原因として考えられます。
ATPは、古典的な栄養学で言われるところの3大栄養素である、糖質、脂質、タンパク質が代謝される過程で生じる物質です。このATPがどれだけ効率よく産生されるかということが大切になります。

統合失調症やうつ病の方々の多くは、甘いものや糖質(米・パン・麺なども含む)を好んで摂取される方が多くいらっしゃいます。
これらの物質を好んで食べる原因のひとつに、血糖調節異常(低血糖症)が関係することは確かですが、別のことも原因として考えられます。

3大栄養素は、糖質も脂質もタンパク質も、最終的には同じ経路に組み込まれ、代謝をうけATPを産生します。
しかし、ATPを産生する経路に入るまでは、3大栄養素はそれぞれ異なる道筋を通ります。
脂質やタンパク質は、その複雑な構造を分解し、ATPを産生する経路に入るまでに、多くの代謝を受けます。その代謝経路には、ビタミンB群が深く関与するのです。
糖質は、3大栄養素の中で、もっとも効率よくATP産生の経路へ入ります。つまり余分なビタミンB群を使わないでエネルギー産生ができるのです。

低血糖症やエネルギー産生の効率のよさなどから、多くの精神疾患の患者さまが甘いものを好んでいるのかもしれません。
| 慢性疲労症候群 | 23:33 | comments(0) | trackbacks(0) |


本日、辻堂で・・・
今日は水曜日です。
元々の地元の辻堂クリニックでの診察日です。
一般の診療所なので、風邪・腰痛・腹痛・嘔吐・・・・なんでもOKのプライマリケアです。
そんな患者さまに混じり、心療内科系の患者さまもいらっしゃいます。

今日は、以前から栄養アプローチをしている20歳代女性のパニック障害の患者さまがいらっしゃいました。
クリニックに来たときには、自分がコントロールできない状態が毎日起こりどうして良いのか分からない。
もう一つの悩みは、なかなか太れないことでした。

まさか食事がパニック発作に関係しているとは思いませんので、”やせ”を治したいので食後にはわざわざ高カロリーのアイスや御菓子などを食べて太ろうとしていたのです。

検査データは、ボロボロでした。
糖質依存で、B欠乏、タン白代謝の抑制は重度・・・・。
いつもの食事指導とサプリメントを用いることが始まりました。

太りたいために食べていた糖質ですが、本人も大好きな食材ばかりです。

そのために、診察の時には必ず、

○○は食べていいですか?
××なら、大丈夫ですか?
一生、この食事がつづくのですか?

と質問攻めにあっていました。
 
その患者さまが、本年初の診察に来てくれました。

みぞ『調子はどう??』
  『とても良いです。』 (いつもの質問が来ない・・)
  『実は、年末に調子が良いのでチョコレートケーキを食べて、大丈夫だったのでその後にトリュフを食べたら、おかしくなってしまったのです。』

みぞ『どんな症状がでたの?』
  『急に不安になって、ボロボロ涙がこぼれてきて・・・、ただ今回は、スィーツがいけないんだって分かったので、アミノ酸を飲んで症状が落ち着くのを待つことができました。』
  『もう、売っている御菓子やケーキは食べません・・・』

タン白を増やした食事に変えて、少しずつ体重も増え始め、とてもかわいい、きれいな娘さんになってきました。
今日は成長痛のような痛みを訴えていたので、もっと身長が伸びて、モデルさんみたいになるかもよ〜〜と、話をして診察を終えました。

こちらとしては、チョコケーキとトリィフのダブルパンチで、大きな発作にならなくて良かったと思いながら報告を聞いたのでした。
まいとし、クリスマスから正月にかけては、甘い物事件で入院騒動があったり、症状が増悪したりします。
身近な食材なので、本当に困ります。

皆さんも気をつけてください。
| パニック障害 | 18:56 | comments(0) | trackbacks(0) |


強迫症状の改善経過
今日は、この治療を取り入れて1年経過した方についてお伝えしたいと思います。
3回目の採血の結果についての報告だったのですが、検査データの著しい改善と、症状がすばらしく改善されていました。この1年間の経過は、多くの方の参考になると思い、ブログで扱うことも了承してもらいました。

25歳の男性です。
これまでの経過を簡単にお伝えしたいと思います。

高校2年頃、学校へ通うことが出来なくなり引きこもり状態になる。
その後、奇妙な行動をとるようになり処置入院となり投薬治療が始まる。
1年2ヶ月前に当クリニックを受診いただいたときの問題点は・・・

多くの確認行動が強く日常生活に大きな支障がある
○タバコの火を消したか?何度も何度も繰りかえし振り返ってしまう。
○車に乗るときに酒を飲んでいないか、何度も確認してしまう。
○このような症状が日常生活に多く見られる。
○人とうまくコミュニケーションがとれない。

これらの症状のために、アルバイトをはじめるが続かずにやめてしまうことをくりかえしていました。
最初にお話したときには、強い緊張が伝わり、なんとしても早く継続した勤務をしなくてはならないという切迫感がありました。

当クリニックの治療は、どのような方であっても必ず本人と話をし、治療法を説明します。それは食事の制限やサプリメントを飲む量についてなどです。それらのことに同意しないと治療を始めることをしないのです。
この患者さまも、甘いものが大好きであるにも関わらず、治療法については同意してくれました。

治療初期に交わされた栄養カウンセラーとのやり取りをご紹介します。

ご本人の話
  『神経症が辛くて薬が増えた。』 (*薬の処方は他医療機関から)
  『食べ物も食べたいものが食べられないとなるとストレスになる。』
  『何も変わっていない!』

お母さんの話
『楽しいことがないと言われ続け、それに付き合い私が疲れてしまった・・』

この頃も、バイトを探してきてはすぐに止めてしまう。
その繰り返しでした。

初診時の検査データは、多くの栄養障害を示していました。
次の機会では、栄養アプローチをおこなったことによる検査データの変化と、自覚症状や日常生活の変化についてお伝えしたいと思います。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0) |


納豆騒動について
納豆がダイエットに有効であるというテレビ番組が、多くのデータやコメントを捏造していたということで、大新聞も1面でとりあげるという騒動になっています。

この騒動の渦中で忘れてはならないことは、納豆は食材としてはとてもよいものであるということです。
テレビ番組が捏造したデータで作られたことが問題であるのに、納豆の価値があたかも下がってしまったかのような錯覚を覚える報道のされ方です。

納豆の栄養的な価値は、ここで改めてお伝えするものではありません。
本日のブログでは、少し異なる面からこの騒動を考えてみたいと思います。

今回の騒動は、週刊朝日がテレビ局へ疑問点を質問してきたことがきっかけでした。そしてその直後に、朝日新聞を始め大新聞が大きく取り上げる事態になりました。

しかし2年前には同じ週刊朝日が数週間にわたりコレステロールの誤解についてキャンペーンを張っていました。
○血液中の総コレステロール値の基準範囲(正常値)は、設定が低すぎる。
○本来は、現在言われている数値よりも高い基準範囲上限を設定しなくてはならない。

といった内容のものでした。
どれも、しっかりとしたデータが示されていた記事でした。
これまでの医療が、日本人の国民の健康を損なっているかもしれない。
治療しなくても良い、お薬を飲まなくて良い、あるいは飲まないほうがよい・・・という内容にもかかわらず、大新聞はこの時期をとりあげることはしませんでした。

こんかいの納豆と比較すると、どうしても経済的・政治的な背景を感じてしまいます。
コレステロールの問題を大新聞が取り上げてしまうと、ほとんどの製薬会社から広告収入が得られなくなってしまうでしょう。
また大新聞としては、納豆業者からの広告費がなくなっても、大きな問題ではなのかもしれません。

ちまたの健康に関する情報には、多くの疑問???があるのです。
| ひとりごと | 23:36 | comments(3) | trackbacks(0) |


疲労を考える
昨日のブログで紹介した『慢性疲労症候群』は、厚生労働省の研究班が発表した診断基準が実情に合わないために、いつのまにかブームが去ったかのように、その病名を耳にすることが少なくなってきました。

このブログでは、研究班が作成した基準に合うか合わないかということを議論するつもりはありません。

疲労とはなにか?
慢性疲労の原因はなにか?
慢性疲労の対策はなにか?

これらの点について、分子栄養学的に考察していこうと考えています。

『あ〜ぁ、疲れたぁ〜』

こんな言葉をつかうときは、きっと慢性の疲労ではないでしょうね。
その言葉を言う前の行動によって感じる感覚だと思います。

私たちは身体を動かすとき、物を考えるとき、PCを入力するとき・・・・思考や行動には常にエネルギーが必要になります。
このエネルギーを作るために必要な物質が、常に体内に貯蔵されていたら、日常生活で起こりうる行動などは、難なくこなすことが可能なはずです。

例えば、駅の階段を早足で昇る。
約束の時間に遅れないように、早足で歩く。

上記のことは、日常生活でよく遭遇する場面ですが、このようなちょっとした運動負荷でも強い疲れを感じたり、意図的に階段や早歩きを避けたりしている人もいます。
そのような方々は、日常生活に余裕がありませんね。ぎりぎりでやっているといえるでしょう。しかし、日常生活は問題なくすごしているのです。

また次の機会では、このような日常生活+ほんの少しのαなのに、それが負担という状態を考察しようと思います。
| 慢性疲労症候群 | 22:57 | comments(0) | trackbacks(0) |


慢性疲労症候群
”慢性疲労症候群”

少し前は、このように診断されたと言う患者さまが多くいらっしゃいました。
最近は、この病名がつけられていて来院される方は減ってきています。
病気が減ってきているのではなく、この病名への医師の注目度が下がっているということが出来るでしょう。

そもそも○○症候群(△△症)という傷病名は、あてにならないというのが僕の考え方で、はっきりとした原因がなく、多くの症状を訴えられるときに・・・・

メニエール症候群
自律神経失調症
パニック症候群(と言われたこともありました)
慢性疲労症候群

などど病名を付けます。
最近は、メタボリックシンドロームという概念が広く国民に知れるようになりましたが、これまで高血圧、糖尿病、高脂血症などと個別に扱われていた疾患を、1つの病態へまとめるために病名をつけるのには賛成ですが、通常の○○症候群は医師としてはお手上げですよ〜〜と言うものかもしれません。

さて表題の慢性疲労症候群は、1980年代からアメリカで提唱された疾患の概念です。
診断基準は、精神疾患の診断と同じく、特徴的な症状をあてはめていく方法がとられています。日本でも、厚生省の研究班が結成され国費をつかって研究されました。
その研究期間中は、医学雑誌などで頻繁に目にしていたので、慢性疲労症候群と診断される患者さまが多くいらっしゃいました。しかし、研究班が解散し、雑誌やマスコミなどで病名を目にしなくなってきたので、これまでどおりにうつ病などと診断されることが多くなっています。

以下に厚生省の研究班がまとめた診断基準を書きます。この基準が厳しいために、日本ではアメリカよりも患者数が少ないように見える統計があります。
このブログでは、分子栄養学的に慢性疲労症候群のメカニズムを考察し少しずつお伝えしようと思っています。

●.厚生省慢性疲労症候群(CFS)診断基準
A.大クライテリア(大基準)
1. 生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、
少なくとも6ヵ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
2.病歴、身体所見、検査所見で別表*に挙けられている疾患を除外する。
B.小クライテリア(小基準)
ア)症状クライテリア(症状基準)
(以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)
1.徴熱(腋窩温37.2〜38.3℃)ないし悪寒
2.咽頭痛
3.頸部あるいは腋窩リンパ節の腫張
4.原因不明の筋力低下
5.筋肉痛ないし不快感
6.軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
7.頭痛
8.腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
9.精神神経症状(いずれか1つ以上)
光過敏、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、混乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ
10.睡眠障害(過眠、不眠)
11.発症時、主たる症状が数時間から数日の間に出現
イ)身体所見クライテリア(身体所見基準)
(少なくとも1カ月以上の間隔をおいて2回以上医師が確認)
1.微熱
2.非浸出性咽頭炎
3.リンパ節の腫大(頸部、腋窩リンパ節)
◎大基準2項目に加えて、
小基準の「症状基準8項目」以上か、
「症状基準6項目+身体基準2項目」以上を満たすと「CSF」と診断する。
◎大基準2項目に該当するが、
小基準で診断基準を満たさない例は 「CSFの疑いあり」とする。
◎上記基準で診断されたCSF(「疑いあり」は除く)のうち、
感染症が確診された後、それに続発して症状が発現した例は「感染後CSF」と呼ぶ。
*別表は省略。除外する疾患は、既知の器質的疾患とうつ病と考えてよい。
| 慢性疲労症候群 | 12:25 | comments(0) | trackbacks(0) |


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