うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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「がん治療」のブログは本ブログ「うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際」に統合しました。2012年末までの投稿は「がん治療」ブログでご覧いただけます。

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悪性腫瘍のプロローグ
がんの治療には、手術・放射線療法・化学療法の3つの方法が主に行われ、現在も手術法や新しい抗がん剤の開発が盛んにすすめられています。一方では悪性腫瘍(癌・がん・ガン)に対する分子栄養学的なアプローチもあります。

僕が2年前にカナダのビクトリアへホッファー先生の診療を勉強に行ったときに、受診する患者さまにがんの方が多いことに驚きました。ホッファー先生のクリニック(オフィス)を訪れる患者さまは、統合失調症やうつ病などの精神疾患を患った方とがんを患った方でほとんど全てを占めるのでした。そしてがんの患者さまの割合が、僕らが想像するホッファー先生のクリニックの印象よりもとても高いのです。

そしてホッファー先生のクリニックを訪れるがんの患者さまは、皆お元気で顔の色つやも良い方ばかりでした。僕が知っている、がんと戦っている患者さまの印象とは異なる方ばかりでした。

ホッファー先生は、1950年代から精神科の第一線で治療に当たられてきた医師です。分子整合医学の精神科領域において、ある意味では神様のような存在の方です。どのような経緯でホッファー先生のクリニックにがんの患者さまが集まってきたのか・・・。その辺りのことは、また機会を改めてご紹介しようと思います。

ホッファー先生は、統合失調症の治療にナイアシンを取り入れ、多くの臨床経験と理論的な裏づけを行ってこられていますが、実はその分野では医学界の正当な評価を受けていません。しかし元々ビタミンの研究家であり、博士号まで取得されていたホッファー先生は、ナイアシンのRDA量よりも大量の摂取によってコレステロール低下作用があることを発見しました。その分野では、正当(?)な評価を得て脂質代謝改善薬として、ナイアシン(ニコチン酸)は世界的に認められるようになり、日本の保険医療制度でも脂質代謝改善薬として高脂血症の保険適応をとっています。

これまでこのブログでは、ホッファー先生の精神科領域の功績をご紹介するとともに、新宿や八重洲のクリニックで治療されている多くの患者さまについてを紹介しました。
これからも、このブログでは同じテーマで紹介を続けようと思います。
今日ご紹介した悪性腫瘍(がん)への分子整合医学のアプローチについては、別のブログにて近日中に紹介を始める予定になっています。




| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:17 | comments(1) | trackbacks(0) |


本日の患者さま
このところ患者さまの治療経過をお伝えすることが多くなっていますが、本日も治療経過です。
20歳の男性の患者さまです。
2005年10月から新宿のクリニックで治療を行っています。

初診時の症状
・朝の起床困難
・気力が出ない
・食事時の吐き気
・緊張するときの吐き気
・幼少時からのアトピー性皮膚炎

これらの症状は16歳頃から強くなり、他のメンタルクリニックで投薬治療を受けていました。
処方内容
・リスパダール
・ハロペリドール
・ルーラン
・タスモリン
・アレグラ

糖負荷検査では、通常の空腹時の検査では想像もできないような結果でした。
ほとんど細胞内へ糖が取り込まれないような血糖曲線で、普通に見られる曲線の特徴はほとんどない状況でした。
分子栄養学的には、 ビタミンB群、亜鉛、タンパク質などの不足と、交感神経の強い緊張を疑いました。

いつもの食事指導を行い、サプリメントを摂取してもらいました。
徐々に症状が改善し、大学にも朝から通うことが可能になってきました。そのようなときに問題になるのが、昼の食事です。
この患者さまは、お母さまが昼食用の弁当を作ってくれました。そのために、昼食で雑穀の米を摂ることができ、砂糖たっぷりのおかずを食べなくて済んだのです。

サプリメントも30日分をいつも30日で摂取してくれました。
甘いものも避け、受診時までの食生活とは全く異なる食習慣にしてくれました。

1年4ヶ月の治療期間時のカウンセリングが本日でした。

投薬はリスパダール1.5mgのみに減薬されていました。アトピー性皮膚炎の治療のためのアレグラは継続されています。
自覚症状の変化は・・・・

・朝、自分で起きる事ができる
・学校にも休まず通える
・今は春休みなので、バイトをしている。本屋さんの品出しとかレジとか・・・
・顔はまだ痒いが、皮膚の調子がとても良くなった。

「もう、大分良くなったので、チョコをほんの少し食べたところ、その3時間後にイライラしました。」
この患者さまも、身をもって糖質の影響を経験したのですが、影響は少なく済みました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このブログのテーマであった、
統合失調所
うつ病
パニック障害
などの精神疾患と低血糖症の関係、また多くの精神症状と身体での生化学的な反応の関係などについては、おおよそのことを書いたのではないかと思います。
それぞれの疾患にたいする分子栄養学的な解釈や治療法、その経過などについてはかなりのボリュームになったのではないでしょうか?

今後は、このブログでは印象的な経過:良い経過も悪い経過も:を中心にお伝えしようと思います。アップする頻度も減らす予定です。

少し別のテーマで分子栄養学的なアプローチをご紹介しようと思っています。
別のテーマの候補については・・・

・ガン(がん、悪性腫瘍)に対する分子栄養学的アプローチ
・皮膚疾患(アトピー、にきびなど)への栄養アプローチ
・自閉症も含んだ子供の行動異常(多動性障害、ADHD、チックなど)への栄養アプローチ

などを考えています。
どのテーマのブログを新に作っても、このブログへリンクを貼りますので、今後ともよろしくお願いします。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:32 | comments(2) | trackbacks(0) |


本日の患者さま
今日は、栄養アプローチを始めてから1回目の再検査を受けに来られた患者さまがいらっしゃいました。
その方は、うつ病と診断されていた若い女性の患者さまです。

受付の待合で挨拶をしたときに、
「おはようございます!」
と、明るい雰囲気で挨拶をいただいたので、あまりの変化にびっくりしてしまいました。

初診時には、お母さまの後ろを無言で歩いているような印象でした。
うつ病の診断も納得する印象でした。

本日のカウンセリングで知ったのですが、来院当時はうつ症状が強く、自殺願望もつよいものであり、家の中にはそのための道具となるようなもの、例えば・・・・

包丁、その他カッターなど
ひも類、エプロンの結びひもなどまで・・

ご両親は、心配で安心してぐっすりと眠れる夜がなかったそうです。
そんな状態だったのが、この数ヶ月間の栄養アプローチで元の娘さんに戻ったということでした。
明るく、ケタケタと笑うようになり、進んで外出もするようになったそうです。
そして、僕もとても嬉しかったのですが、知人からの紹介もあり、お見合いをされたそうです。その相手の方がとても優しく、良い方だそうです。
結婚などあきらめていたとお母さまがお話されていました。本当に嬉しそうでした。僕も嬉しかったです。

新宿のクリニックを始めて、わずか3年程度ですが、若い女性の患者さまが治療によって徐々に改善し、結婚をされたり、あきらめていた赤ちゃんを授かったりと、結構あるのです。
投薬だけの治療では、結婚や出産などは、症状がたとえ改善してもあきらめてしまうことです。栄養療法の素晴らしさがこんなところにもあるんだなぁ〜と感じることができました。
| うつ病 | 23:39 | comments(0) | trackbacks(0) |


医師による栄養療法の実践
今日は、プリンシプルフォーラムの講師をしました。
午前から夕方にかけての長時間の担当でしたが、熱心に講義を聞いてくれる参加者の皆さんの熱心さがこちらのやる気と責任感を強くしてくれます。

今日は、僕の後に相模原中央病院の院長先生である中野重徳先生が講義を担当されました。中野先生は、講義の中でもお話されていましたが、もうすぐ75歳になられます。
相模原中央病院は、民間の病院としては・・・と言うより全国的にみても、充実した医療を実践している病院です。
充実した医療とは、まず検査機器の充実です。
様々な画像診断ができる設備は、知る限りでは大学病院よりも明らかに整っています。
またこの病院の凄いところは、代替医療も病院として取り組んでいることです。
キレーション、栄養療法・・・・様々な取り組みをされています。
また病院のもつ雰囲気が素晴らしいものです。
病院の壁や、病室の色使いなどのハード面はもちろん、看護士さんや受付の方々の姿勢も素晴らしい。

実は、新宿や八重洲のクリニックでどうしても入院しなくてはならないときには、相模原中央病院へ入院治療をお願いすることがあります。(ただし精神科のベッドはありませんので、問い合わせなどしないでくださいね)

入院治療をされると、夜遅くに院長先生自らが階段をすたすたと上がり診察にきてくれます。その元気さが、患者さんやそのご家族を力づけます。なにしろもうすぐ75歳の先生が、階段を使って病室を訪れてくれる。
そして栄養療法の話になると、
「僕は君よりもいっぱい飲んでるよ!!」
と、これまたさりげなく励ましてくれる。
そんな院長先生です。

この先生も、通常の薬物療法ではなかなかご自分の病気が治せませんでした。
本日の講演でもお話されていたので、ここでも紹介しますが、キレーションや栄養療法をするまでの中野先生の病名は・・・・。

糖尿病
高脂血症
高血圧
高尿酸血症
狭心症
不整脈

それぞれに薬を使い、それでも疲労感や多くの数値の異常があったそうです。
代替療法に取り組み約4年が経過した現在、薬は全て止め、検査データも全て正常、疲れもなくパワフルに働いていらっしゃいます。

医師自らが、自分の行っている治療法を実践し、成果を自覚しているとき、患者さまへ自信をもって治療法を紹介することができます。
それが自分自身にも言うことができます。自分でも効果を確認し、そして現在は多くの患者さまがこの治療で改善の結果を出してくれる。それが、仕事への誇りを持つことができるようにしてくれるのです。
| ひとりごと | 23:17 | comments(0) | trackbacks(0) |


本日の八重洲で
今日は、夕方から八重洲のクリニックでの診療でした。

八重洲も開院して1年が経過したので、栄養アプローチも軌道に乗ってきた患者さまが多くなってきました。
そんな患者さまは、2〜3ヶ月に1回の通院で可能になります。(お薬の処方を行う場合には1ヶ月に1回が原則ですが・・)

統合失調症と診断され、すでに多くの薬を投薬されている方々が多いため、栄養アプローチを行い、状態の改善をまって減薬という大切な作業も行わなくてはなりません。
栄養アプローチの効果が得られ減薬が始まると、投薬だけの治療とは明らかに異なる改善経過を示します。もともと持っていた患者さまの人柄や才能が花開くような印象です。

そんな改善経過を示すのがこの治療のすばらしいところですが、今日の診療ではそんな感想を感じることが多くあり、とても嬉しい時間をすごすことができました。

3ヶ月ぶりの検査を行い、検査結果の改善を確認できた若い女性の患者さまは、2年間大学を休学していました。
症状が著しく改善し減薬も始まったため、今年の4月から大学へ復学することになりました。同級生とは2年間の差ができてしまいましたが、好きな分野の勉強が再開できることが楽しみと話してくれました。まだリスパダールの副作用が強く出ているため、今後に減薬がもう少し進むと、きっとより良い状態になるでしょう。

とても険しい顔つきをされていた、別の女性の患者さまも、とても温和な顔つきになり、きれいに痩せて外来に来てくれました。家族で、白米を玄米に変え、タンパク質中心の食事に変えたところ、お母さまもとてもきれいにお痩せになっていました。薬を処方してくれている主治医の先生からの処方も上手に減らすことができ、本当に別人のような印象になっていました。この方も、すでに職種によってはアルバイトなどは全然可能だと思います。

そして30歳代の男性です。
あれだけ良く食べていた甘いものを一切絶ち、食事の変更とサプリメントをしっかりと摂取してくれました。
昨年の11月が前回の外来ですので、今日は3ヶ月経過していまいした。
診察室に入ってきた印象は、全くの別人です。今日はお母さまは一緒ではなく、お1人での来院でした。
話に聞けば、本年になりフルタイムのバイトをはじめ、その会社にとても評価されていること。1年後には、営業として正社員になることを打診されていることなどを報告してくれました。
セロクエルの更なる減薬を希望されましたが、慎重な対応にしました。できるだけ早く栄養アプローチだけにしたいと希望されました。
職場には、糖尿病であると伝えて、飲み物も食べ物でも甘いものは一切口にしていないと言っていました。アルバイトなどを始めるとお付き合いでお菓子を食べ始めることが多く、糖尿病と伝えてしまうことは良いことだなぁ〜と教えられたのです。
この患者さまは、比較的症状が強く出ていたときから、人懐っこい雰囲気があり憎めない印象の方でした。
栄養アプローチでその長所がさらに磨かれ、職場の上司の評価から営業への転籍となったものと思ったのです。

このように、もともとの長所や魅力がさらに輝く治療がこの方法なのです。
| 統合失調症 | 23:58 | comments(8) | trackbacks(0) |


インフルエンザと栄養アプローチ
このブログで紹介している分子整合医学は、その歴史を見るともともとの名称が分子整合精神医学という言葉が始まりでしたので、精神疾患領域で盛んに行われています。
しかし海外の学会や発表などでは、悪性腫瘍(ガン)やエイズなどの感染症にたいする治療法が多数を占めることになります。

今日は、少し赴きを変えて、感染症に対する栄養アプローチについてお伝えしようと思います。
それと言うのも、昨日の辻堂クリニックでの診療で、A型インフルエンザの大流行に遭遇したからです。皆さん高い熱と頭痛などを訴え来院され、鼻の奥に綿棒を突っ込み鼻汁を採取して検査するとA型インフルエンザ陽性のサインが浮かび上がります。
インフルエンザの治療は、鳥インフルエンザの特効薬で有名になったタミフルという薬を投与します。症状が出てきた初期にこの薬を服用すると高熱の期間を短くすることができます。しかし以前より子供への投与には、副作用があり注意が必要であることが指摘されていました。偶然にも昨日の新聞でも、インフルエンザを予防することを目的にタミフルを飲んだ子供が行動異常を示し、自殺してしまっていたことが報道されていた矢先です。

昨日は、検査のために綿棒を鼻に突っ込むときに、咳やくしゃみをもろに浴びますので、無数のインフルエンザウイルスに暴露されたことでしょう。さすがに昨夜はまずいと思ったので分子栄養学的に予防措置を行いました。分子栄養学的な予防法をしっているので、危険があるタミフルの予防的服用などは行いません。

ウイルス感染の初期免疫力を高めるために、ビタミンCを飲みました。その量は、夜の7時に診療が終わってから寝るまでの数時間のうちに8gです。おかげでガスがいっぱいです。
そしてもう1つ、天然の物質で抗生物質用の作用をもつサプリメントも、がばっと飲みました。このサプリメントは、切れ味鋭くウイルスから細菌まで、とても多くの病原体にたして強い作用を示します。そして耐性菌を作らず、軽い下痢ぐらいしか副作用がないため妊婦の患者さまに対しても安心してお飲みいただけます。

その万能サプリメントが何かは・・・長くブログをお読み下さっているみなさまはもうおわかりのはず!?(過去記事を探してみてください)
このように薬的に効果を発揮するサプリメントも存在するのです。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:13 | comments(4) | trackbacks(0) |


食事制限について・・コメントへのお答えから
ブログの内容は、食事についてを書いたときほど反響が大きいようです。

私達の日常の大きな部分を食事が占めているので、ある意味当然なのかもしれません。そしてまた思うことは、食にこだわるのは人間の特権のようなものですので、ある意味での執着も強いものがあります。これは食事だけではなく嗜好品にも関係します。嗜好品も人間の特権ですね。

さて食事ついてアップしてからの質問についてもこの場で取り上げようかと思います。栄養を専門とする方々には、様々な反論があろうかと思いますが勘弁していただきます。

まず、繰り返しますが、脳が働くためには、エネルギー基質そしてブドウ糖が必要ですが、それを口から糖分として摂取する必要はありません。どこかの大学教授で、うつと栄養についての本も出されている方が、その本のなかで脳にブドウ糖が必要なので、砂糖を摂取するようにと書かれていますが、これは大きな間違いです。

そこで、次に疑問になるのが、糖質(炭水化物)の摂取です。
糖質は、代謝されて血液中のブドウ糖に変換され脳のエネルギーとして利用される栄養素です。
そのため、食事にも米やパンや麺類などを含めないとダメなのではないかということになります。もちろん10歳代で日常生活における運動量も多い学生さんや、日常の労働などで身体を動かすことが多い方は、ある程度の熱量を糖質で補っておくことは絶対に必要でしょう。
しかし、このアプローチで症状を改善させようとしている方々や、デスクワークが多く筋肉を使う運動を行わないような方々には、いわゆる主食としての糖質は必要でしょうか?

通常の食材は、サプリメントとは異なり、多くのものが複合物です。つまり、豆類にしても糖質は必ず含まれていますし、他の野菜類にも同様です。

今は無くなってしまったのですが、新宿のクリニックでランチによく利用していたお店がありました。
そこは、1500円で、かなりしっかりとしたフレンチランチが食べられたので、お客さんがいらしたときには多用していました。
スープから始まり、サラダ、メインはお肉かお魚の料理で、最後のコーヒー(僕らが行くとデザートは自動的になしでスープが付きました)までの食事で、小さなフランスパンが一切れです。

そこでランチをしたときの方が、午後の眠気が少なかったです。
パンや米の割合が増えれば増えるほど、午後に襲ってくる急激な眠気が強くなります。
何を隠そう、僕も結構低血糖ですので・・・・(近いうちに恥ずかしい話をします)

主食というのが、ご飯や麺というのは和食独特ですね。メインというものは他ではタンパク質ですね。それでも、糖質としては実は充分量なのです。

そしてアルコールについてですが、治療を目的としていただく場合にはアルコールは止めていただきます。それでも飲みたければ飲んでも結構ですが、栄養アプローチの効果は半減以上に減るでしょう。
なにしろアルコールを代謝するために必要な栄養素がナイアシンなのですから・・・・。

一生懸命補っていながら、それを大量に消費することをする、とても滑稽で矛盾していますね。ついでにタバコはどうですか?と聞かれそうなので、お伝えします。
タバコは百害あって一利なし!!僕は大嫌いで、タバコ1箱3000円を主張するほどです。その利益で、肺がんや肺気腫を治療してあげればよいですね。若者もそんな高いもの買わないだろうし、道路に落ちている吸殻は宝物になるので、拾われるでしょう。
話が横道にそれましたが、タバコは治療期間中には特に制限をしないことが多いです。栄養アプローチで自律神経のバランスが取れるようになり、交感神経が緊張しなくなると自然にタバコが減ります。

こんなに厳しいことを書きましたが、『先生はどうなんですか?』と聞かれます。
僕は大の甘党です。お酒はほとんど飲みません。タバコは吸いません。

でもたまに白米を食べることもあります。
たまに甘いもの、ケーキや饅頭などを食べることもあります。
本当にたまにお酒を飲むこともあります。

現在は、検査データもほぼ完璧で、アトピーも分からない程度まで改善し、夕方の不調も起こらなくなりました。そして白米や甘いもの、アルコールが身体には良くないものと知っていて少量を食べます。

しかし、ぜひとも知っていただきたいのは、この考え方を自分の症状の改善のために選択されるのであれば、サプリメントを飲むということと同程度に、食事の変更が大切でるということを理解していただきたいのです。
通常の治療では薬物を使うことが治療法ですが、この栄養アプローチでは食事の変更とサプリメントを用いることが治療法なのです。

頑張りましょう。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:23 | comments(2) | trackbacks(0) |


食事制限について
新宿や八重洲のクリニックで行っている栄養アプローチは、サプリメントを飲むことだけが治療ではありません。食事の制限や変更が治療のかなりの部分を占めます。

その主なものは、糖質の制限とタンパク質の摂取を増やすことです。
この糖質の制限が、患者さまにとってはとても苦痛になるようです。そんなことをするぐらいなら、栄養アプローチはしないと、クリニックでの治療を行わない方もいらっしゃるほどです。

糖質の制限には、砂糖を控えることと、吸収が早い炭水化物を制限することが基本になります。吸収が早い炭水化物には、私たちの日常にあふれている食材が含まれるため、患者さまやご家族の中には、

『制限が厳しく、何も食べるものがありません。』

と真顔で訴えられるかたもいらっしゃいます。

食事による影響は、患者さまによってかなり異なります。原材料に砂糖と記載されていても、少量のものであれば大丈夫な方もいらっしゃれば、砂糖が含まれているソースやドレッシングなどでも反応を起こす方もいらっしゃいます。
その感受性には大きな個人差があり、同じ患者さまでも調子が良いときには大丈夫だった食材が、調子が悪いときには反応するようになったりします。
また糖質に対する反応は、栄養アプローチをする前には日常摂取する食材に多く含まれているため、症状を引き起こす原因として認識することができないことがほとんどです。

これまでには、自宅での砂糖抜きの食事で大分改善され、そろそろ市販のレトルト食品を使ってみようと思い、原材料に砂糖とかかれていないものを試したときに、その晩に激しい発作が起こった方もいらっしゃいました。

食事制限で、なにも食べるものがないと困り顔で訴える患者さまがいらっしゃる一方で、クリニックの食事制限を利用して、自分が食べられるメニューを次々と考案して、大変なことながら楽しまれている方もいらっしゃるのです。

本日電話でカウンセリングしたメンバーさんも、そんな中のお1人です。
栄養アプローチを始めて1年数ヶ月になりますが、現在も不眠やイライラなどの症状に波があります。
そんな彼女のコメントと合わせて、食事制限を逆手に取った料理の工夫などをご紹介します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(患者さま:P  溝口:M)

P:ケーキどうでしたか?
M:美味しかったですよ。
(バレンタインデーに砂糖不使用のケーキをクリニックへ送ってくれていました)

P:最近、夜眠れないことが多いのですが、
眠れないときもイライラすることがなくなってきました。

P:本当に、食べるものが少なくて困ってしまいます。
でも今を楽しもうという気分になっています。
以前は本当に絶望感だけでしたので・・・、そんな気分になるのも
全体的に良くなってきているからですね。

P:最近は、餃子を食べたいと思ったときに、皮が悪いだろうと思って、
 薄い豚肉で餃子の皮の変わりに使ってみました。
M:それは美味しそうですねぇ〜〜、本物の餃子よりも美味しそうですね。

P:美味しかったですよ〜
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この患者さまは、お菓子やお料理などで、砂糖を使わないレシピをいろいろと
送ってくれます。クリニックでまとめてレシピ集にしようと思っているのですが
なかなか形にならないのですが・・・・・。

芸術的な才能も素晴らしく、もっと状態が改善したときには世の中へ
インパクトがあるような絵を描くのではと思っています。

食事は制限ばかりが目立つかもしれませんが、食べてよい食材の方が多いのです。
それらの食材を工夫して、食事を楽しまれるようにしていただければと思うのです。


| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:46 | comments(4) | trackbacks(0) |


東京マラソンから・・・
昨日の東京マラソンは、3万人以上の方々が参加されたそうです。

一方では、3人の方がマラソン中に心肺停止状態となり、除細動機(AED)が配置され、それぞれにAEDの操作を知っている大学生を配置していたために大事には至りませんでした。

心肺停止というのは心臓の動きも、呼吸の動きも止まっている状態のことですから、いかに大変な状況に陥っていたかを理解できると思います。
幸い3名の心肺停止になった方々は、一命をとり止めたそうです。本当に良かったです。

私たち人間は、身体の機能が通常行われている日常生活を無理なく遅れるように気温的にはプログラムされています。
日常よりも多くの運動を行うと、それに見合った体の変化が生じます。
それらの変化のうち、主なものはタンパク質の代謝を維持するということです。
そのために、赤血球中のヘモグロビンをタンパク源として利用します。また同時に血液中にもっとも多く含まれるグルタミンというアミノ酸を消費し、筋肉などの体タンパクが崩壊することを防ごうとします。

このグルタミンというアミノ酸は、従来かんがえられていた以上に大きな機能を有しているといわれています。
なかでも大切なものは、気道などの粘膜での免疫に関係するということです。

過度の運動によってアミノ酸が必要になります。そこで血液中のグルタミンが消費されます。その結果、粘膜の免役が低下します。

⇒ マラソンの完走後に風邪をひく。  ××

こんな経過をたどることは容易に理解できるのです。
東京マラソンへ参加した方々の多くは、明日あたりから風邪を引くかもしれません。
お大事にしてください。
| ひとりごと | 23:53 | comments(0) | trackbacks(0) |


ある患者さまの経過 その2
昨日は、うつ病と診断されたある女性の患者さまの経過についてお伝えしました。

治療を始めて4ヵ月後の経過では、明らかな自覚症状の改善を感じることがなく不安に感じられていました。
栄養アプローチを開始してから約半年後の血液検査データでは、様々な栄養面での問題点が改善されていました。

はじめの検査では、重度なビタミンB群の不足、貯蔵鉄の低下、糖質への依存などの問題点が指摘されていたのですが、約半年後の検査では、それらの問題点の多くが素晴らしく改善していました。

検査データの改善からサプリメントをしっかりと飲んでくれたことと、食事についても注意点をも守ってくれた事が良く分かりました。

自覚症状でも、この3〜4年はこの冬季を中心に1年の約半年間は引きこもり状態であったものが、今年は特に問題なくすごすことができているとのことでした。
それだけでなく、講演会をきっかけに知った料理教室へ通うようになり、ヨガも始めたとのことでした。
それらの行動は、決して反動から起こるような印象ではなく、確実に自分の現状を把握して無理のない程度に自分の活動範囲を拡げている印象でした。

今後もこの栄養アプローチを続けていくことを希望され、経済的にも無理のないようにサプリメントの処方を選択されました。
この治療は、ある意味生活習慣の変更が治療の中心です。栄養の問題点のサプリメントによる補正もその延長であると言うことができます。継続いただくとは、ある意味もっとも大切なことかもしれません。

このブログで紹介した患者さまの中には、年単位の栄養アプローチを行っているにも関わらず、辛い症状がときに出てくる方も多くいらっしゃいます。僕から見ても、本人も改善を自覚できるのですが、万全ではないのです。時に不安定になってしまうのです。

それでも、この方法を選択し、継続してくれる方々へ感謝の気持ちを感じるのです。

今日の医師向けの勉強会からもこの治療を取り入れてくれる方がでてくるでしょう。とても熱心に講義を聞いていただきました。沖縄から3名、鹿児島、福岡、広島、岡山・・・。本当に遠くからのご参加ありがとうございました。
内容が伴っていたかどうか、少々不安ですが一生懸命伝えました。どっと疲れがでたのもその証拠かもしれません。
| うつ病 | 22:38 | comments(0) | trackbacks(0) |


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