うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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イギリスの栄養政策
先日、ご紹介したヒューマンニュートリションという本は、イギリスで書かれた本です。

その本の冒頭では、イギリスの政府がどのように栄養政策を行い、国民の健康向上を図ってきたかが書かれています。また、アメリカの栄養政策(国内外での)を鋭く指摘しています。
まずお断りしておきますが、このブログで扱っている病態の改善を目的とした分子整合栄養医学と若干異なることがありますので、もし購読される場合には注意してください。

戦争などの非日常の状態では、新しい発見が次々と行われます。

イギリスは古く、大航海時代に多くの船員を壊血病で亡くしました。そのことがビタミンCの発見になったわけです。この発見には多くの裏話があり、それだけで1つの物語ができるほどですが、今回の話題とは異なります。

さて、ビタミンCの発見で航海での壊血病を克服できた英国政府は、国民の健康状態の向上のために、政府が主導で栄養指導を行いました。
牛乳やタラの肝油の摂取を薦めたのですが、その結果として期待した成果の中には、単純な身体的な健康の向上だけでなく、集中力の向上というものが含まれていました。

牛乳が良いのか悪いのかということではなく、動物性タン白とビタミンAをはじめ多くの大切な栄養素が含まれているタラの肝油を選択しています。
その当時には、動物性タン白に含まれるアミノ酸組成や、タラの肝油に含まれるビタミンAや必須脂肪酸の生体の機能などは、当然理解されていませんでした。

このように古くから栄養指導を国の政策として行った結果かどうかは不明ですが、イギリスは多くの植民地を有する大英帝国として国力を増大させたのです。

私たちが栄養素を補給するときには、基本的に食材に近い形が望ましいため、クリニックで使う栄養素(サプリメント)は、食材に近い複合体としています。
例えば、ビタミンBもビタミンB群としてバランスに注意していますし、プロテインもアミノ酸もビタミンAやCやEも、単体ではなく複合体になっています。

お薬は、ある単体の有効成分によって薬理作用を呈します。栄養素も、それぞれの栄養素単体の生理作用はある程度判明していますので、単体のサプリメントも多く存在します。しかし栄養素は本来は、できるだけ自然の組成にちかい複合体で摂取することが大切なのです。そしてその複合体の割合や生産が大変なのです。
| ひとりごと | 22:39 | comments(2) | trackbacks(0) |


優れものの補足
先日お伝えした優れもの、『SQUEEZE TUBES』(スクィーズ チューブ)について、意外なほど反響がありました。
プロテインをどうやったら頻繁に外出中に摂取できるか、皆さん困っていることが分かりました。

そこで、みなさんに共通していたのが、どこで買えるの?? ということでした。

そんなとき、この優れものを紹介してくれた新宿の患者さまから追加のメールをいただきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
溝口先生
こんばんわ

いつもお世話になっております。

ブログでスクイズチューブ紹介されていましたね。
あれ、昔は登山用品店には大体置いてありましたが、
いまは売ってないところも多いみたいです。
ちなみに私は町田の「コージツ山荘」(アドホックビル3F)で買いました。
同じ系列の店が新宿にもあります。
新宿大ガードの西側の交差点から大久保方面に少し歩いて、右側のビル2Fにあります。
確認してはいませんが、多分扱っていると思います。
(ICI石井・新宿西口店にはありませんでした。)

 補足ですが、プロテインを溶かして携行する場合はヨーグルトでないと悪くなると思います。ヨーグルトは腐敗を防ぐ目的でもあります。
(ブログを見てやってみる人には、水で溶かしちゃう人も出てきそうですので)

肉をヨーグルト漬けにしたり、味噌漬けにしたりすれば山に持っていけるのと同じ理屈ですね。(古くチンギスハーンの蒙古軍が肉の携行に用いたと聞いたことがあります)

以上、蛇足まで、、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちょっとした優れものの紹介でしたが、タン白質の変性を防ぐ目的でヨーグルトを利用していることや、生肉の保存方法、そしてチンギスハーンなど歴史的な事柄まで登場しました。

なかなか奥が深いですね。

ついでにもう1つご紹介します。
『ヒューマン ニュートリッション』(医師薬出版)
という本です。

八重洲のクリニックのそばの丸善がリニューアルし、本屋さんも充実しました。
ちょっと栄養学のコーナーをのぞいているときに発見しました。
イギリスの本の訳本で、一般の方にはちょっと基礎のところが難しいかもしれませんが、栄養のとらえ方の歴史的な解釈や、病態との関係など、これまで手にしたどの本よりも良かったです。思わず購入しました。

今後は、この本に書いてあることなども少しずつ紹介しますね。
| ひとりごと | 16:24 | comments(2) | trackbacks(0) |


悪性腫瘍ブログのプロローグ
このブログで、悪性腫瘍(ガン)についてブログを開始する準備をしていることをお伝えしました。
いよいよ準備が整ったので、このブログと並行してアップして行こうと思っています。
そのために、この統合失調症、うつ病、パニック障害、低血糖症などを中心のテーマとして扱うブログへのアップの頻度が減ると思いますがご了承ください。

この先も、重要なテーマとして、新しい情報、新しい発見、患者さまの経過などについて継続してお伝えしていきます。

以前、ホッファー先生のクリニックへの見学のときに、精神疾患の患者さまだけでなく、悪性腫瘍(ガン)の患者さまが多かったことをお伝えしました。

ホッファー先生がガンの患者さまを診察するきっかけは、他の医療機関からガンと診断された患者さまが紹介されることきっかけでした。

ガンと診断され告知を受けると、全ての患者さまは大きな精神的なストレスにさらされます。患者さまの中には、うつ病を疑う症状が伴うようになります。アメリカやカナダでは、専門科へ相談することが普通になっているので、カナダのビクトリア周辺にお住まいのガンと診断された患者さまが多く紹介されるようになったのです。

そして多くのガンの患者さまを栄養アプローチすることになったホッファー先生は、ガンに対する栄養療法の効果を実感するようになるのです。
常に科学の目をもっているホッファー先生は、ノーベル賞科学者のライナス・ポーリングの協力を得て、ガンにたいする栄養療法の効果を科学的に実証されたのです。

ガンのブログでは、上記の経過やポーリング博士との共著からの紹介などについてもお伝えする予定です。

両ブログとも、よろしくお願いします。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:43 | comments(0) | trackbacks(0) |


優れもの発見
今日は新宿のメンバーさんから教わったすぐれものの紹介です。

このメンバーさんは、強い疲労感や抑うつ感の改善を目的に新宿で栄養療法を行っています。山登りが趣味というか生活のかなりの中心の方で、体調が良いときにはヒマラヤの登山隊などにも選ばれて遠征などもされています。

この方から教わった優れものは・・・

『SQUEEZE TUBES』(スクィーズ チューブ)

株式会社ハイマウント
東京都中央区日本橋富沢町2−4 03−3667−4545

です。
大きな透明の歯磨き粉のチューブを想像してください。

山登りの専門科のメンバーさんは、このチューブの中に、無糖のヨーグルトにクリニックのプロテインを溶かしたものを入れて、頻繁にチューチュー食べているそうです。

これなら水を使わずにプロテインがどこでもかんたんん摂取できます。

低血糖症の治療中にはアミノ酸とプロテインを多用します。
アミノ酸は吸収が速やかで、時には低血糖の症状が起こっているときに摂取しても効果がることがあります。その反面、効果の持続が短いという欠点もあります。
プロテインでは、腹持ちがよく、代謝がアミノ酸に比較して緩やかな特徴があります。
このことをダイエットにも応用することがありますが、低血糖症の方によく見られる急な空腹感などへの対策も可能になります。
なにしろ、体調や精神状態が安定しますので、パフォーマンを安定して発揮試薬なるのです。

摂取するのに、水やかき混ぜる容器などが必要な欠点をこの容器を用いることで解消してくれました。
こんなアイディアは、山登りをされているからこそ出たものだと思いました。
| 低血糖症 | 17:03 | comments(4) | trackbacks(0) |


日本大学での講義をしました
今日は、午後から日本大学芸術学部で、サイエンスコミュニケーションという分野の授業で講義をしてきました。

タイトルは、『栄養のサイエンス』です。

普通の講演は、聞きに来てくれる方々は、患者さまやそのご家族です。それか医師や医療従事者を対象にした講演では、参加される方々がある程度の金額を支払って来て頂くので聞く姿勢もおのずと熱が入ります。

しかし、今日の講演は対象が学生さん。しかも学部は芸術学部。
昨年も同様の講義をしたとは言え、”皆さん眠らないで聞いてくれるか・・”不安と緊張がありました。

講演を終えて、参加した学生さんたちが、出席のしるしとしてレポートを提出してくれます。
そしてそのレポートのコピーをいただいて帰ってきました。
帰りの電車でそのレポートを読んでいると、昨年と同様の感動がありました。
皆さん、自分のこととして講義を聴いてくれていました。しかもとても素直に・・。

講義に缶コーヒーを飲みながら参加していた学生さんは、カフェインと砂糖の害について話した後、残りの缶コーヒーを飲むことに躊躇していることを正直に書いてくれました。

少し、レポートから抜粋します。学生さんたちの素直な聞き耳と感性の豊かさをどうぞ。

・心を物質の反応としてとらえるという考え方をすると、普段イライラしていることもなんだかバカらしく感じるようになりました。

・私は甘いものが大好きなので、今日の講義ではショックをうけることが多くありました。今はまだ20歳、今日この授業にでて本当によかったです。

・心には実体はないけれど、それを作るのは物質だということが知れたことで、なんとかなるんだ!!と希望が抱けました。

・今日の授業は、世の中のすべてのことは科学で解決できるのではないかと、無限の可能性を感じました。これからはコーヒーを控えようと思います。

・私はサイエンスコミュニケーションの本質的なことはよく分かりませんが、今日の講義はまさにサイエンスコミュニケーションなのではと思います。今日の話を教科書とおりに話したら多くの人が寝てしまったと思います。言葉にするプロセスの大切さを感じた講義でした。

・私のイライラとかは、私が未熟なだけでなく、栄養に関係があるんだと分かってよかったです。栄養で性格もつくられるのですね!!

1つの話の情報から、広がりをもって聞いてくれる。
そんな若者に感動した一日でした。

みな、本当に一生懸命もがき生活し成長していました。
| ひとりごと | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0) |


カフェインも影響あるものです
これまで何度かこのブログでも紹介したことがある20歳代の男性の患者さまです。

この方は、毎日パニック発作に襲われるため、多量の薬を飲んでいました。
パニック発作の多くは午後〜夕方に訪れるため、9時〜17時の普通の仕事に就くことが夢だったそうです。
治療の効果で、徐々にパニック発作が減り、体重も20kg以上減量され、カッコよくなり、さらに薬もなくすことができました。

先日の診察では、ネクタイを締めていらっしゃいました。夢だった9時〜17時の仕事に就いているそうです。

本当に激しいパニック障害の患者さまで、検査データもかなりの糖質依存を読み取ることができました。そして治療方針はいつもの食事指導とサプリメントです。
食事制限に、コーヒーをよく飲むということがあったので、カフェインの制限も行いました。
この患者さまは、確実に指導をまもり実践していただきました。

そして新しい職場の先輩からいただいた、ペットボトルの『生茶』を飲んだそうです。

久しぶりに「そわそわ、ざわざわ」した感覚を感じたそうです。
「カフェインには敏感に反応しますね〜」

糖質ばかりに注目しているので、知識としてカフェインの影響は知っていてもなかなか臨床では遭遇しないものです。
そう言えば、ファミレスに通いセルフサービスのコーヒーのお替わりで、状態を急激に増悪させた患者さまもいらっしゃいました。

心を乱す物質は、身近なものに含まれていることが多いのです。
| パニック障害 | 23:42 | comments(0) | trackbacks(0) |


土曜日は講演会
今週の土曜日は講演会の予定です。

日本大学芸術学部の学生さんを対象にした講演です。
昨年、はじめてご招待され、一生懸命話を聞いてくれる多くの学生さんたちの姿に感激し、とても気持ちの良い話ができたことをこのブログでもご紹介しました。

学生さんの授業の一環なので、レポートの提出が義務付けられているのですが、昨年のレポートには僕の似顔絵が多く書かれていました。さすが、芸術学部の学生さんです。特徴をとらえた、すばらしい似顔絵のオンパレードでした。

似顔絵を描いていても、レポートの文字部分んもしっかりとしていました。
皆さんポイントをしっかりととらえ、自分や家族に当てはめて話を聞いてくれていました。そしてその素直さに感動したものです。

『砂糖の摂取が脳に負担をかけることを知りました。甘いものを控えます。』
『あすからチョコ断ちします!!』

こんなコメントが多いのです。とても素直でした。

今年主催者の日大芸術学部の木村先生からいただいたタイトルは・・・

《栄養のサイエンス》

昨年と少しニュアンスの異なるテーマです。
感受性豊かな多くの学生さんへ、どのようにこのテーマを伝えるかを考えながら資料を作っています。

オープンキャンパスのようなので、一般の方も無料で聴講できるのではと思います。
よろしければ、日大芸術学部へお問い合わせいただき、聴きに来てください。
| ひとりごと | 23:57 | comments(1) | trackbacks(0) |


リウマチの患者さまとのカウンセリング
この治療は様々な病態の患者さまに応用が可能です。
今日ご紹介するのは、慢性関節リウマチで長年お悩みになられている60歳代の女性の患者さまの経過です。
カウンセリングでお聞きした内容があまりに嬉しかったのです。カウンセリングの内容を少しお伝えしますね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4月17日 カウンセリングの内容

○いままで外出するときは、体中の関節が痛くすぐに疲れてしまうため、全部タクシーでの移動だったのですが、今回は何十年ぶりに電車で出かけることができました。

○以前よりも腕が太くなってきました。
○肌はかさかさしていたのですが、この頃は太ももの肌が自分でも惚れ惚れするような皮膚になってきました。 前は粉を吹いていたようでした。トイレに入るたびに太ももの皮膚を見るのを楽しみにしているのです。

○コーヒーに入れる小さいミルクのふたを自分で開けられるようになりました。
       
○掃除機をかけたことが無かったのですが、2〜3日前に掃除機をつかってみました。
やればできるようになったと分かりました。娘も主人も喜んでくれました。

○炎症をしめすCRPは8.6まで上がりとても痛くて辛かったのです。入院による治療まで進められていました。今回の検査では1.6まで低下しました。こんなに下がるなんて信じられません。今は料理もやっていますし家事もやっています。

○パーマをかけたいのですが良いですか?やっぱり女性なのでおしゃれをしたいのです・・・。

○埼玉医大の先生ももう来なくて良いレベルと言われました。近くのリウマチの先生へかかるようにと言われました。
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リウマチは慢性に炎症が継続します。増悪や改善を繰り返しながらも、炎症が綺麗に治まることはなかなか困難です。
通常の治療は炎症を治すことばかりに目が向き、炎症の継続によって崩れてしまった栄養状態を改善させることなど、全く考えていません。しかし、慢性に炎症が継続するリウマチなどは、重度な栄養障害が起こる代表的な疾患なのです。

この患者さまも、炎症のコントロールを行うためのサプリメントを処方しましたが、基本的には不足した栄養素をポイントで補うことです。人の身体は、全体的な状態を良好に保つことによって、リウマチの状態まで改善させることが可能なのです。

今日のカウンセリングでは、日常をなんとなくすごしてしまっている僕にとても新鮮に響く内容だったのです。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:33 | comments(5) | trackbacks(0) |


うつ病と甲状腺疾患
先日、男性のうつ病の患者さまのカウンセリングを行いました。

40歳代の男性で、うつ病の診断で他施設で投薬中心の治療を行われていました。
初診時の経過を詳しくお伺いするうちに、気になる症状がいくつかありました。

それは、上まぶたがやや腫れぼったく、唇も若干腫れているようでした。
またうつ症状が数年に1回の定期的に訪れることや、どちらかと言えば快活(ハイ)に仕事ができることもあるなど、甲状腺の機能異常を伴っていることを予想しました。

そこで血液検査に甲状腺機能を追加してみたところ、予想通りに甲状腺機能低下を認めました。
これまで何年もうつ症状で通院していますが、甲状腺のことを指摘されたのは初めてとのことでした。
遠方のお住まいの方なので、細かい甲状腺機能の調節は地元の内科の医師にお任せし、当クリニックでは、栄養アプローチのみを行うことにしました。

先日のカウンセリングは、治療を始めて約1年の検査結果をお伝えするためのものでした。患者さまは、長年勤めて続けていた職場を自分の選択で退職し、本来自分が行いたかった種類への転職が終わったところでした。

甲状腺機能も検査データ上ではほとんど問題がない状態です。
そして栄養状態は、最初と比較して全く別人のような値になっていました。

今後は、甲状腺機能の波に注意すること、そして甲状腺ホルモンによる機能調節を必要であればすることがまず大切です。

そして新しい職場などで注意することは、
○新しい人間関係でのストレス
○歓迎会や皆でのおやつなどで、注意すべき食材を飲食する

これらに集約すると思います。
環境を変えることはうつ病の方には想像以上にストレスになるのです。


| うつ病 | 23:43 | comments(7) | trackbacks(0) |


鉄補充の続き・・・その6
前回までご紹介した治療にある問題点を指摘する、そのシリーズ6になってしまいました。

患者さまからのファックスの抜粋です。

『鉄剤の点滴が終了し、フェリチンが上がったときでも、私の症状はそう改善することはありませんでした。』

血清フェリチンの値は、一般的には貯蔵鉄の量を反映することになっています。
20年前の治療では、フェリチンが276まで上昇し、鉄剤の点滴を終了しています。
鉄だけが問題であれば、鉄剤の注射でフェリチンが上昇すれば、いろいろな症状が劇的な改善を示したことでしょう。

しかしこの患者さまは症状には明らかな改善がありませんでした。

ひとつは先日お伝えしたフェントン反応の影響が考えられます。
もうひとつは、鉄欠乏性貧血は単なる鉄欠乏によって起こる病態ではないということの現われかもしれません。
そしてもう1つ、鉄の注射後の血清フェリチンは、貯蔵鉄の量を反映するものではないと言う可能性があるのです。これは日常の診療でもよくあることなのですが、鉄が不足しているにもかかわらず、フェリチンが高値を示すことがあります。肝臓や脾臓などの網内系組織からの逸脱が原因と言われていますが、確かなことは分かっていないのです。

どちらにしても、栄養アプローチによって全身状態の改善が得られると、その後の検査で初めてフェリチンが低値であることが結果として分かることが多くあるのです。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:35 | comments(0) | trackbacks(0) |


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