うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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45歳の未治療の患者さん
統合失調症と診断され、その後20年以上も未治療ですごされてきた45歳の息子さんについて紹介しました。

先週は、天気の悪い水曜日の午後の診療でした。クリニックも空いていたので、お母さんから息子さんについて話を聞いていました。さばさばしたお母さんです。深刻な話もどこかユーモラスに聞こえます。

息子さんはとにかく食べ物に信じられないほどのこだわりを持っているそうでした。
つい先日、

『鯉が食いたい!』

言い出したら聞かない。
自分で電話帳を調べ、電車やバスを乗り継いで藤沢の隣の大和市にある鯉料理を出す料理屋を訪れたそうです。
息子さんは料理に出てきた鯉の洗いを自宅に持ち帰り、鮮度が落ちているので塩焼きにして冷蔵庫へ入れていました。あとから食べようと思ってのことです。

お母さんは、冷蔵庫を開けると白身魚の塩焼きがラップに包まっている。
自分の夕飯の一品として食べてしまいました。不味いカマスの塩焼きだと思ったそうです。

大切な鯉の塩焼きを食べられてしまった息子さんは烈火のごとく怒り、すぐに鯉料理を食わせろと引かない。その時すでに21時をまわっていました。
別に暮らしている長男へ頼み、インターネットで鯉料理を宅配してくれる業者をさがしてもらいました。
怒り狂う息子さんの前で、夜の9時過ぎに新潟の鯉料理屋さんへ電話すると、奇跡的に電話に出てくれたそうです。
そこで、鯉料理の数品を宅配で送ってもらう手続きをして、どうにか息子さんの怒りを抑えたのでした。

『それがね、先生。私はこの年になって始めて鯉の甘露煮を食べたのですが、本当に美味しいものですねぇ〜』

このようなことで、結構美味しいものを食べに連れて行かれるそうです。もちろんお金はお母さんもちですが・・。

地図を見ることが大好きな息子さんは、”○○へ行く”と言い出すとそれも引かないそうです。そんなことで、ずいぶんの日本中を旅されたそうです。
ただこのお母さまの悩みは、自分が面倒を見れなくなったときのことです。

それは、他の多くのお父さまお母さまに共通する問題です。
九州で始まる、患者さんの住居、職場、病院が1つの地域に集まって患者さんの自立を目指すプロジェクトの成功を祈るばかりです。
身体障害、発達障害などと同様に、精神障害という概念が成り立ち地域や行政が取り組むことが可能になるべきだと思います。
| ひとりごと | 23:21 | comments(1) | trackbacks(0) |


82歳の患者さま
今日、カウンセリングをしたのは82歳の女性の患者さまです。

昨年の9月から新宿で栄養療法を開始しました。
今日は3回目の検査結果の報告です。82歳というお歳ですが、おひとりで新宿まで来るようになりました。それだけでもおどろきです。

今回のカウンセリングでは色々な変化を教えてくれました。

○水虫が治ってしまった
○冬に毎年困っていたしもやけが全然でなくなっていた
○周りに人から顔色が良くなったと言われます
○寝つきも良くなり途中でおきてもすぐに眠れます
○ここ何年も体調がわるくなるので冷たいものを控えていたが、今年は大丈夫なことを知って、冷たいものもどんどん飲んでいます
○この季節は、お中元で最中や水羊羹など甘いものばかりをもらって困ってしまいます。全部どなたかへあげています
○目も疲れにくくなりました

昨年には、疲れやすく家族に付き添ってもらい来院されていた方です。80歳を越えてもこのようにすばらしい改善を報告いただき、こちらもとても嬉しくカウンセリングしました。胃カメラはできるだけやりたくないので、来年受けますということです。検査ごとにデータも改善しているので、来年の胃カメラの検査はもっと良い状態で受けることが可能でしょう。

さて、この患者さまがどうして新宿のメンバーになったのでしょう?
50歳代の娘さんからの紹介なのです。
その娘さんは、とても激しい妄想を中心とした統合失調症の症状で苦しまれていました。多くのお薬も処方され、今回ご紹介した実のお母さまも、自分をだましている組織の回し者と思っていたのです。
その娘さんが、どうにか新宿を訪れて栄養療法を始めました。
そして現在は、薬が全て不要となり趣味や仕事まで始めています。
見た目も痩せて、とてもきれいになり明るい表情になっています。

50歳代の統合失調症の方、80歳代の不定愁訴の方・・・・・・。
皆さんが、どのような年代であっても、
『歳のせい』
だからとしてしまうようなものまで改善しています。

水虫が治ったのには、本当にビックリしましたとお話されたイキイキとした82歳の女性に力づけられたカウンセリングでした。
| ひとりごと | 13:32 | comments(3) | trackbacks(0) |


あるお母さん
辻堂のクリニックへ、通われている70歳代の女性の方です。

いろいろな関節が痛み、身体が疲れやすいということで近所から毎日リハビリへ通われていました。
採血をしてみようと言うことで検査してみたところ、多くの栄養障害があったので負担が可能な範囲から少しづつサプリメントをお勧めし栄養療法を行いました。
今は症状はほとんど気にならない程度で、日常生活や家事にも全く支障がなくなりました。その方から相談をうけました。

『先生、実は45歳になる私の息子なんですが・・・』

・統合失調症の診断をうけているが、すべての治療を拒否している。
・もう何年もお風呂もシャワーも・・・服の着替えもほとんどしない。
・毎日ブツブツと何か(たぶん幻聴)と会話している。
・普通では考えられない強い”こだわり”があってほとほと困る。

息子さんは、小さいときにはとても頭が良く勉強ができたそうです。そしてユーモアがあり絵が上手でユニークなお子さんだったそうです。
高校2年の頃から少しおかしくなり、徐々に生活が不規則になり学校へ行けなくなりました。その後は引きこもりか、外出をしても一日中原付バイクでどこに行っているのかわからないけど、夕方に帰ってくると言う生活だそうです。
統合失調症と以前に診断されているのですが、全く投薬治療を受けたことがないというめずらしい方です。
全ての治療を拒否しているので、もちろん僕も会ったことはありません。お母さんから伝え聞いた内容だけです。

お母さんは、自分のかなりの高齢になってきたので、息子さんのことが心配なのですが、やはり持って生まれた気質なのか、環境がそうさせたのか・・・、とても明るくさばさばしているのです。

昨日の辻堂での診療で、お母さんが来院されました。
午後の暑い時間帯だったので、患者さんも少なくゆっくりと時間がとれそうだったので質問をしてみたのです。

『最近、むすこさんの調子はどうですか?』

待ってましたとばかりに、お母さんが話してくれました。
それは、息子さんの強いこだわりが起こした『鯉事件』でした。
| ひとりごと | 10:32 | comments(0) | trackbacks(0) |


理想的なトータルサポート
新宿のクリニックでは、栄養カウンセリングは行っておりますが、精神的なカウンセリングはしていません。
スタッフにも、メンタル面でのサポートについては専門外のことであり、とても繊細な部分であるため安易な答えをしないように指導しています。

このブログでもお伝えしたことがありますし、最近いただいたコメントからもメンタル面のカウンセリングが重要であることがわかります。

八重洲のクリニックでは、頻繁に通院できる方には高いカウンセリング能力をもつ精神科指導医がいるために必要な方にはカウンセリングを提供することが可能です。
しかし頻繁に通院できない方や、新宿で治療中の方にはこちらからメンタル面のカウンセリングを提供することはできません。

今日、お会いした方とディスカッションをしているときに、長年カウンセリングを行い多くの実績を持つ方のことを聞きました。
その方は、近く滞在型のメンタルサポートを行う施設を作ることを考えているそうです。
そこでは、今日直接あった方が行っている、無農薬の野菜を使って食事をつくることが予定されているとのことです。

自然が豊かなところで、しかも病院ではなく、メンタルサポートの専門家が常駐している施設です。
そこで、私たちが推奨する食事を、新鮮な無農薬の野菜を用いて作っていただき、規則正しく身体も動かす習慣をつける。

ある意味理想的な施設になるようなイメージが出来上がりました。

2〜3週間の予定で滞在し、常に入れ替わる方々いらっしゃる。期間の後半の方々はきっといろいろな点で改善があるはずです。そのような方々の姿が、滞在したばかりの方々を力づける。
自宅や社会へ戻った後の、自分に対するなんらかのヒントを得て滞在を終える。

なんとしても実現したいと思いました。
| ひとりごと | 23:40 | comments(2) | trackbacks(0) |


症候群と言われるもの
睡眠時無呼吸症候群、慢性疲労症候群、過敏性腸症候群、自律神経失調症・・・・

まだまだ○○症とか××症候群という病名が数多くあります。

病名がついている病気には、根本的な原因が判明しているものと、判明していないが病名がついているものがあります。

原因が判明していないとき、我々医師は、特発性△△症、本態性○○病などと、小難しい病名をつけて診断とします。

そして表面に現れている症状に対して対症療法を行うことになります。
身近なところこでは、高血圧などというありふれた病気でも同じです。高血圧を示す明らかな原因がないことがほとんどですので、本態性高血圧症と言う病名が付けられ、降圧剤を飲むようになります。そして降圧剤は一生飲み続けなければならないという、誤った伝説を信じることになります。

このブログでもお伝えし始めた慢性疲労症候群とか睡眠時無呼吸症候群なども診断基準がありますが、その基準は根本的な原因を診断基準には定めていません。というか根本的な原因は不明なのです。

栄養アプローチは、これらの診断をつけ対症療法を行うという標準的な治療法とは根本的に異なる治療法です。
ぜんぜん異なる症状で来院されていても、摂取していただく栄養素の組み合わせが同じになることもありますし、同じような症状で来院されても全く異なる栄養素の組み合わせになることも多くあります。

自分の病名が、○○症候群とか××症などとなっているとき、それは根本的な原因が不明なものであるかもしれないと疑ってください。
今はインターネットで、様々な情報を手にすることができます。
自分の病気の診断が、どのような基準によって行われたものなのか、自らがチェックしてください。

根本的な原因が不明な病気は、とても多いのです。

| ひとりごと | 23:38 | comments(0) | trackbacks(1) |


あるお子さまの経過 つづき
コミュニケーションを摂ることが困難なお子様でしたが、血液検査は受けていただくことができました。
その結果は前回お伝えしたように幾つかの栄養障害を認めました。

続けることができるように、サプリメントの選択には注意しました。
お母さんも工夫してサプリメントを飲ませてくれました。

約2週間でチック様の症状が改善し始める。
その後、徐々に強いかんしゃくのような症状が改善しはじめる。
朝起きるのが楽になってきた。

約2ヵ月後の経過についてです・・・・

家からの伝言を学校の先生に伝えられるようになった。以前は物忘れが激しく、伝言は全く不可能だった。
何度も何度も繰り返す動作が全く無くなった。
漢字がかけるようになり、漢字にある小さな”はね”などが微妙に書けるようになりました。以前はそのような”はね”などに気がついていなかったと思います。

友だちとも遊べるようになり、会話が弾むようになった

あまりに改善するため、お母さまはサプリメントの中に何か化学的な薬剤が含まれていると疑っていたそうです。

この患者さんは、新宿を受診される前には、
・自閉傾向があり
・ADDが疑われる

表面的な症状だけを見てしまうと、アスペルガーなどともいえるかもしれません。
おそらくあのままだったら投薬治療が始まっていたことでしょう。

栄養面からの評価がとても重要であることがわかります。
| 発達障害 | 23:48 | comments(4) | trackbacks(0) |


あるお子さんの経過
今日はあるお子さまの経過についてお伝えします。

9歳の男の子です。

ご相談にいらしたときに付けられていた診断名は、

『自閉症あるいは神経症的な傾向』
というものでした。
5歳ころにADD的な傾向があると指摘されています。

おもな症状は、無意味な反復行動、異常なこだわりというものでした。
例えば、
・同じ場所へ行ったり来たり繰り返す
・寝る前には、トイレに行った後に、ベッドに入るまで何度も同じ廊下を行ったり来たりを繰り返し、壁を強くたたいていたりして30分以上かかる
・目の前のものに、フーフーと息を吹きかけることを繰り返す
・落ち着きが無く、切れやすく、喧嘩ばかり
・漢字が極端に苦手で、偏や冠を分けて書いたり正常に書けない
・ポトテチップスや甘いものが大好きで、隠れて食べたりもする
・物忘れが激しい

初診時の検査データから次のような問題点が指摘されました

・タン白質の代謝低下
・ビタミンB群の不足
・細胞膜が弱くなっている
・はげしい骨の成長
・鉄の不足
・糖質への代謝の依存

これらの問題点に対して栄養アプローチを組みました。
それには、サプリメントだけでなく食事の変更も当然に指導しました。

次の機会に経過をお伝えしようと思います。
改善の経過をみると、このお子様のような症状で、カウンセリングや投薬が必要なのかと思ってしまいます。
| 発達障害 | 23:45 | comments(4) | trackbacks(0) |


砂糖のテレビCM開始!
『砂糖を科学する会』
なる会が、どこから資金が出ているか不明ですが、いよいよテレビCMを放映し始めました。
まだ直接見ていませんが、確かな情報筋からの情報なので、間違いがありません。

みなさま、テレビをはじめとするマスコミの威力は巨大です。

血液中のブドウ糖濃度を一定に保つことは、脳にとって極めて重要ですが、砂糖を摂取することは、血液中のブドウ糖濃度を一定に保つことに役立ちませんので、誤解の無いようお願いしますね。

特に小さいお子さまをお持ちのお母さま方。
親が、「あのコマーシャルは間違ったことを言っていのよぉ〜」と、ゆるぎない立場で話をすれば、それはテレビよりもお母さんの言うことをしっかりと受け入れます。
揺るがず、お願いします。

昨日の勉強会に参加された皮膚科のドクターから、”日本グリセミックインデックス研究会”なるものの存在を教えていただきました。
貴重な資料もいただいたので、それは今後の糖負荷検査の評価のためにとても有用なものでした。
これまで糖負荷検査を受けていただいた方々のデータについて、新しい方法論で評価ができるのではないかと思っています。

そしてさらに嬉しいことが・・・
僕らの勉強会に参加しているドクターの中に、マスコミにもよく登場するとても有名なドクターがいらっしゃいます。
その方が、テレビ収録の中で動物性タン白質の重要性について、
『バトルしてきましたわっ!!』
とお話されていました。
編集段階で削除されなければ、きっと動物性タン白不要論の医者を論破してくれたことでしょう!!

頑張ってもらわなくてはならないのです。
| ひとりごと | 21:35 | comments(17) | trackbacks(0) |


皮膚と栄養の勉強会
今日は、皮膚と栄養と言うタイトルで、医師向けの勉強会を開催しました。

この悪天候の中、九州・大阪など、台風で大変な状況の遠方の先生も参加してくれました。本当にありがたいことです。

アトピー性皮膚炎や難治性の皮膚疾患の改善を目的に新宿を訪れてくれる患者さまはいらっしゃいますが、皮膚科専門医の方々も多く参加する勉強会で、皮膚と栄養と言うタイトルで話をするのは多少のプレッシャーがありました。

実際に質疑応答の時間では、専門の先生方からの質問や提案などがありました。
それがまた、ポイントをついたものが多かったので、勉強会を主催した僕としてもとても勉強になったのでした。

これはなかなか面白い経験でした。
分子栄養学的な栄養療法を行うドクターグループの全体のレベルアップです。
普通の学会でみられる、演者の独りよがりではなく、普通の勉強会でみられる、一方的な知識の伝授だけではない、あたらしい形の予感がありました。

今日も大阪のたにまちクリニックの鈴木先生に、症例報告の部分をおねがいしました。
5人の患者さんの素晴らしい改善の報告をしてくれました。
このように一緒に発表してくれる医師が増え、そしてそれぞれの専門医としての意見や解釈を交えながら全体のレベルを向上させる。

とてもすばらしい方向性が見えた1日だったような気がします。
| アトピー性皮膚炎 | 22:47 | comments(2) | trackbacks(0) |


SSRIの副作用についての仮説
SSRIというお薬があります。

実際に使われているお薬の名前では、

○パキシル
○ルボックス
○デプロメール

などがあります。
これらのお薬は従来に抗うつ剤に比較して、副作用が少なく効果が期待できるため、発売以来爆発的に使われることが増えました。
日本でもこの種類のお薬は、うつ病治療の主役と言っても良いかもしれません。

しかし、この薬を使う患者さんが増えてくると予期せぬ副作用があることが分かってきました。その中で特に注目されたのが、SSRIを使うことによって自殺することが増えているのではないかと言うことでした。

この種類のお薬を使うことによって感じる変化で、

『今までの自分では考えられないような行動をとりそうで怖くなった』

この言葉と同様の感覚を感じる方が多くいらっしゃるようです。
SSRIを服用中に自殺未遂をした方には、
『死ぬつもりはなく、突発的な行動をとってしまった』
と、その時の感情を伝えてくれた方もいらっしゃいます。

このところ、残虐な事件を多くニュースで知ることが多いのですが、今までの残虐な事件とは、受ける印象が異なるような気がします。
福島で起きた、自分の母親を殺害し、その一部を持って警察に自首した高校生の事件。
突然子供の背中を指した横浜の事件。

これらの事件を起こした方は、精神科へ通院中でした。
どのような薬剤を処方されていたか不明なのですが、どうしても納得がいかない行動に感じるのです。

その時に、いつも思い出すのが・・・・

『今までの自分では考えられないような行動をとりそうで怖くなった』

という患者さんの言葉なのです。
気持ちや情動に深く関わる、脳内の神経伝達物質。
その神経伝達物質は、多くが絶妙なバランスを保ち、自己と非自己の関係をたもち、考えや行動を指示しています。
一部の神経伝達物質の代謝だけの調節を行うSSRIのような薬は、神経伝達物質の全体のバランスを崩すことは容易に想像することができます。

栄養療法の基本は、脳や身体の中で機能する物質の材料を充分に補給し、その合成や調節は、その人に任せるという原則があります。
人間の機能は本当に驚くことがあります。

今日も驚くことがありました。
初回のカウンセリングでは、全くコミュニケーションを摂ることができなかった10歳のお子さんが、今日は簡単な単語の会話ができるようになったことです。
お父さんやお母さんも、日常での変化に驚かれていました。
短いコミュニケーションのなかに、他人へのやさしさを感じることができるようになったそうです。
| うつ病 | 23:40 | comments(1) | trackbacks(0) |


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