うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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楽しみだった検査結果は・・?
今日は、先週のブログで言葉足らずから、2・3のコメントいただいた、
『楽しみだった』
検査結果を患者さんへ報告する日でした。

診察室のドアを開けると、明らかに先週よりも明るい顔つきの患者さんがいらっしゃいました。
この一週間の話を聞くと、前回の診察時に砂糖の摂取を控えることを指導され、その後はお菓子やケーキや飲み物などは、全く摂取していないとのこと。
いままでの自分の生活を振りかえって甘いものは止めなければと思ってもなかなかできなかったのが、きっぱりと止められたということでした。

また先週の診察時に、ブログで紹介することを伝えていたのでお読みいただいたそうです。そこで、いままで原因も分からず改善しない症状についての考察がいろいろと書いてあり、自分と似たような症状の方々が多くいることを知ったのも自分にとって良かったとお話されていました。

これらのことが、この一週間で印象を変えてしまった内面の変化だったようです。
できるかできないかは、別にして『やってみよう!!』と患者さんが選択したとき、治療は大きな一歩を踏み出したと言うことができます。
私達はできるであろうと予想できることは『やってみよう』と容易に選択できます。
ところが今までの自分であるとちょっと困難なことを『やってみよう!』選択するのには、大変な勇気と意志が必要になります。
この選択をするために、医師はサポートすることが仕事なのではないかと思います。

さて、『楽しみ』にしていた検査結果は、まさに期待を裏切らないものでした。
通常の基準範囲ではすべて範囲内になってしまうため異常をしてきされないものですが、多くの栄養面での問題が隠されていました。

ASTやALTなどのビタミンB6を必要とする酵素の活性が著しく低下しています。
また亜鉛という糖代謝の調節に必要不可欠なミネラルを必要とするアルカリホスファターゼという酵素の活性も落ちています。
また若い女性が活発に活動するために必要なタン白質の量の半分程度のタン白質代謝をしめすものでした。
そして日本人女性の盲点である鉄の欠乏が存在していました。

これらの栄養的な問題からどのようなことが考察できるか、また近いうち(できれば次回)にお伝えすることにします。



| パニック障害 | 16:36 | comments(0) | trackbacks(0) |


本日のカウンセリングで
今日は一年ぶりの電話でカウンセリングをするメンバーさんが予約されていました。

電話の向こう側では、ちょっと記憶がない女性の声が聞こえています。
電話のカウンセリングは、口調や声のトーンなどで結構印象に残っていることが多いのですが、今日の患者さんには記憶がないのです。
苗字をみても記憶がありません。

最も最近の症状や投薬状況が書かれている資料を見てみると、記憶にない理由がわかってきました。
このメンバーさんは、2005年4月から新宿で治療を継続されています。
下記に示すようなうつ症状でお悩みのかたでした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

改善したい症状や病気: 気分障害、うつ病、自律神経失調症
発症時期  1984年
現在の治療方法・現在の状態
 20年間のほとんどの年は秋季から冬季にかけてうつ症状が発症。最近は症状悪化の為、退職に至る。
(症状) 思考力の低下、不眠、食欲低下、無感動、心がとても苦しい、自殺について考えることがある。
(治療) 抗うつ剤(アナフラニール、トリプタノール、ルボックス)
    抗不安剤(ソラナックス、セパゾン)
これらにより、どうにか睡眠はとれるようになっている。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
初診時には、うつ症状のためか暗く、会話が弾まなかったことを記憶しています。付き添いに来られていた男性と多くを話したことを記憶しています。
なかなか治療によって改善がないため、翌年の1月には糖負荷検査を受けられています。
その結果は、重度の無反応性の低血糖症であり、強い疲労感や抑うつ感などは充分に低血糖症によって説明が可能でした。

糖質制限の指導がそれまでよりも厳しくなりました。
しかし、なかなか糖の制限をすることができませんでした。

そのような状態のときに、付き添いにいらしていた婚約者の方が、甘いものをやめられないメンバーさんへ時に厳しく対応してくれたようです。きっと愛情をともなう厳しさだったのでしょう。
その後、メキメキと症状が改善しました。

全ての薬を飲む必要がなくなり、筋肉もついてきました。
夜も良く眠れるようになりました。
身体も動かせるようになりました。

そして、付き添いに来院された方と結婚をされたのでした。

新居にも引っ越しましたが、うつ症状の出現はなく、現在は投薬なしで症状は安定しているのです。
20年間という長期間に渡り毎年のように秋から増悪していたうつ症状が全くないと言うことです。

電話の声から受ける印象に記憶が無いのは、結婚され苗字も変わり、投薬も無くなりとても明るくなられたことが原因だったのです。
| うつ病 | 23:37 | comments(0) | trackbacks(0) |


取材されて思ったこと
先日のブログでもご紹介しましたが、一般の健康雑誌などでも「うつ病」などの精神症状と栄養の関係、特にタン白質不足と低血糖症について、取材の対象となるようになってきたようです。
この変化には、本当に驚くほどのスピードではないかと思っています。
このブログをリンクしてくれている、うつ病関係のサイトなど、一般の方がが情報収集をして、ある意味ゲリラ的に正しい情報を発信しつづけてくれていたことなど、様々なことの効果がここに来て一気に加速度を増したように感じます。

ただ今回の取材でも感じたのですが、多くの記者さんなどは、栄養の問題で症状が生じているのであれば『食事』で対応できると考えていらっしゃいます。そして記事も食事を中心に組み立てようと意図しながら取材にいらっしゃいます。

もちろん、クリニックの治療でも食事の変更はとても重要で、ほとんどの患者さんへ細かい食事指導を行うのですが、その内容は不足したビタミンやミネラルなどを食事から補うと言う発想ではありません。
各種のホルモンなどの分泌異常の原因となる食材を避けること・・・
それらの食材には、
砂糖、カフェイン、アルコール、精製された炭水化物などが含まれます。

そしてサプリメントだけでは量を補うことが困難な栄養素の代表である、タン白質をしっかりと摂取していただくということが中心になります。

今回の取材でも多くの症状に、ビタミンB3やB6の不足が関係していることを説明し、栄養療法で用いるビタミンB群の1日摂取量の目安をお伝えしました。
そして日常摂取している食材でビタミンB群が多く含まれるものと、それに含まれるビタミンB群の量が書かれた資料をお見せしました。

ビタミンB群を多く含む食材を気をつけて摂取すると、厚生労働省が推奨する必要量をクリアできることは可能なのですが、栄養療法で用いるビタミンB群の量をそれらの食材から補給することが困難であることを伝えました。
記事がどのように書かれるかは、見てみないと分かりませんが必要であればチェックしようと思っています。

脳内の神経伝達物質の生合成には大きな個人差があります。
それらの個人差は、通常の食事などではカバーすることが困難であること、そしてそのような脳内の物質のバランスの乱れによって様々な症状が生じるという前提に立って治療方針を組み立てるのが分子整合医学による治療法なのです。
| うつ病 | 09:42 | comments(3) | trackbacks(0) |


パニック障害の典型的な経過
今日は辻堂での診療日です。

辻堂で働いていたスタッフから紹介され、30歳代の女性が来院されました。
もとスタッフと子供を通じて知り合ったのでしょう。その患者さんの経過が典型的なパニック障害と診断される経過でしたのでお知らせします。

『2年前、夜に車を運転中に急激な動悸と不安感に襲われ、どうにかコンビニまで車を運転した。その後、あのような恐怖がまた来たらと思って車の運転ができなくなりました。』

このときの出来事についてもう少し状況を聞いてみると、深夜の運転であったため眠くなっていけないと思い、ドリンク剤を飲みながら運転をしたいたそうです。
健康ドリンクや眠気予防のドリンクの多くは、大量の糖とカフェインを含んでいます。
低血糖症の方々がこの世の中で最も避けなければならない飲み物です。
ドリンク剤と同様な飲み物には、

○ 缶コーヒー
  ・・・砂糖とカフェインがふんだんです。なぜか缶コーヒーなのですが、
  きっと喫茶店のコーヒーのようにゆっくりと飲まず、
  早く飲んでしまうことも悪性度を上げる原因でしょう。
○ コーラ類
  ・・・ダイエットコーラとか砂糖0コーラとかもありますが、
  通常のコーラよりは良いと思いますが、決してお勧めではありません。

車で外へ出かけることが少なくなり、家に居ることが多くなったそうです。そしてあるときに電車の中でも同様の症状が生じ、電車も乗ることができなくなります。

近所のスーパーで買い物をしているときにレジに並んでいると、また同様の症状が起こってしまいました。
車も電車もダメ、徒歩のスーバーでも同様の症状が生じ、あまり家から出なくなります。
イライラしがちになり、子供へも些細なことで叱るようになります。
自分の調子が悪いことを気遣うご主人の言葉にもイライラするようになり、常にイライラ感が自分に存在するようになりました。
時に、そんな自分に自分が悪い・・・と責めることもあります。
ついつい甘いものを食べるようになり、10kg体重が増えました。

運転中のパニック発作以前の状態を聞いてみると・・
頭痛が酷く、脳外科などでCTやMRIにて脳の検査をして異常ないと言われている。
喉の奥に何か詰まっているような感じがあり、胃カメラを施行したところきれいな胃といわれた・・・

どれもこれも栄養障害の典型的な症状が、パニック障害以前からあったのでした。

今日は、初めての採血だったのですが、今後の治療に必要なアミノ酸を早速今日から使うことにし、1日に6回のアミノ酸摂取を初診時からすることになってしまったのです。
もちろん、経過を聞いただけで砂糖禁止令がだされたのは当然のことでした。

来週の検査結果が楽しみです。
| パニック障害 | 15:45 | comments(7) | trackbacks(1) |


本日の取材について
本日は、日経ヘルスという雑誌の取材を受けました。

マスコミへの取材は、受けるかどうか良く吟味して判断しています。
今回の取材を受けたのは、
『最近はうつなどの精神症状には、タン白不足と低血糖症が関係している』
ので話を聞きたいということでした。

このコメントには、正直驚きました。
この内容であれば、取材を受けないわけには行きません。

通常では取材は質問に答えるというスタイルなのですが、今日は違いました。
10月7日にドクター向けに行った、心療内科・精神科領域における栄養アプローチのセミナーでの資料を用いて、あらゆる角度から脳の機能を向上、維持させるためにタン白質が必須の栄養素であること。そして低血糖症が心の症状に深く関係していることを熱く説明しました。

取材にいらした記者さんが、僕の熱さに引かない方だったのでよかったです。

ということで、この取材記事がどのように雑誌に載るのかは不明ですが、一般の方々へ低血糖症が知られるようになることが、医師の分野よりも早くなりそうです。
| 低血糖症 | 23:03 | comments(2) | trackbacks(0) |


本日の勉強会で・・
本日は、ドクター向けの血液検査データの解釈方法についての勉強会を開催しました。
北は北海道から南は沖縄まで、30名弱の先生方にご参加いただきました。

通常の血液検査データの解釈方法との違いについてお伝えできていればとりあえずの目標は達成です。
今日の話の中でいくつかポイントがありましたが、鉄の欠乏をどのように解釈するかについては、長い時間を費やしました。
とにかく通常の血液検査では、鉄の欠乏を見逃してしまいます。
そしてその鉄欠乏が多くの不定愁訴の原因になるからです。

鉄欠乏と精神症状の関係については、このブログでも何回かお伝えしました。
そのブログを呼んで、自分の悩んでいる症状が鉄欠乏と関係していることを知り、鉄の補充を行って改選された方もいらっしゃいます。(講演会でそのことを聞きました)

今日の講義では、なぜ鉄欠乏がそれほど多くの精神症状と関係するのか、その理由についても紹介しました。

なんどもお伝えしていますが、脳内神経伝達物質のバランスの乱れが多くの精神症状を引き起こします。
これまでは、神経伝達物質の原材料となる栄養素の不足がバランスを乱すことをお伝えしました。
原材料から目的とする神経伝達物質が合成されるには、その合成反応に対応する多くの酵素や、その酵素の活性のために必要な補酵素(補因子)などの多くの栄養素が充分に無くてはなりません。

セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの重要な神経伝達物質は、それらの合成反応で最も大切な合成過程に鉄が補因子として作用します。
鉄が足りないと、それだけで大切な神経伝達物質の合成に支障が生じます。

実際は、この重要な反応には葉酸やナイアシンが関係します。
ナイアシンの投与が多くの精神症状に効果があることは、このことから説明できますが、今日は血液液検査データの読み方が中心だったので鉄の欠乏との関係を強調しました。

特に女性の多くの不定愁訴や精神症状に鉄欠乏が関与しているのです。
そしてその欠乏が通常の検査の解釈では全く正しく評価されていないのです。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 22:48 | comments(4) | trackbacks(0) |


この週末の動き
じわじわと、この治療にたいする医療従事者の見方が変わってきたかなぁ〜と感じることが増えてきました。

昨日から今日にかけて、仲間のスタッフが九州へ出張しています。
あるクリニックのスタッフに向けて、この治療法について講義をしにいっています。
そのうわさを聞きつけた別のドクターから、急遽自分の病院でも講義をしてほしいと依頼がありました。

その結果、昨日から今日にかけて、2つの病院でこの治療法の講義を勤務しているドクターや看護師さん、栄養士さんなどへ話しをすることになってしまったのです。

さらに、不登校の子供たちを集めた学校の校長先生もこの講義に参加され、学校での食事や寮での食事についても考え直す機会にしたいとのことです。

日本の歴史をみると、新しい文化は南西から発信されるということがあります。どうも九州のドクターの乗りは、そんな感じを受けるのです。

明日の日曜日にもドクター向けの勉強会を開催します。
いつも参加していただくドクターがいらっしゃいますが、九州からわざわざきてくれます。それも、とてもベテランの大先輩のドクターなのです。
カチカチに凝り固まっているドクターが多い年代なのですが、九州地方から参加してくれる方には、ベテランさんが多いのが特徴なのです。

講義をする一つの病院は、精神疾患をわずらっている方々を、身体障害や知的障害と同じあつかいで、精神障害という考え方で地域で取り組もうというプロジェクトを推進しています。
住むところ、働くところ、医療機関・・・これらが地域に密着し、生活をしながら本当の自立を目指すという考えです。

今、国が主導している自立支援の考え方とは大きくことなる、本当の意味でのサポートをしていこうという民間の施設なのです。
始まったばかりのプロジェクト、早くこのブログでも紹介できるような展開になってくれることを心から祈るばかりです。
| ひとりごと | 11:30 | comments(1) | trackbacks(0) |


最近のコメントについて
最近いただいたコメントについては、実は治療をしている僕にも同じ感覚を患者さんへ感じることがあります。
しかし、そのことは決して表現することはしません。
それは、心の底では生き生きと人との中で自分を表現し、やりたいことにチャレンジし、親や家族へ感謝の気持ちを表現したいと思っていることが前提だからです。
家族ではない、治療のサポートをする医師としては、待つことが最善のサポートと思っています。患者さんが、行動を自らの意思で開始するまでの時間をできるだけ短くするための専門的なアドバイスが自分ができることです。

全ての患者さまへ当てはまることではありませんが、以前にも紹介しましたが低血糖症とはどんな病気かということを記した、パーボ・エイノーラの言葉をお伝えします。

 “病まなくてもよかったのに病み、誤診され、誤った治療をされる”
 “潜行性で人を荒廃させる文明病”
 “単純で安全で効果的な手段を用いて治療が可能であるが、
  それに気付いていない”

専門にしている僕でも、完全に症状を理解しているとは言えません。
近くに毎日いるご家族では、さらにその思いは強いことでしょう。

また今日の別の話題です。
今日の八重洲の外来で、入院中のお母さまをなんとか精神科の病院から退院させたいというご相談をいただきました。
強い妄想を主な症状で入院され、様々な薬を投与したにも関わらず症状は改善しませんでした。相談に来た息子さんが、ナイアシンのことを知り、入院中のお母様へナイアシンを飲ませたところ劇的に症状が改善し、ベッドへの拘束のなくなったそうです。
拘束がとけたので歩けるようになったのですが、3ヶ月間もベッドに縛り付けられていたため、トイレに歩くにも強い疲労感が生じています。
病院の主治医は、『ナイアシンなんで聞いたことがない。アドレノクロム??』
といことで、ナイアシンの服用は禁止され、病棟へお見舞いに行くにも、身体チェックをされるようになってしまったのでナイアシンを飲ませられないのだそうです。

早く退院させ、可能であれば体力の回復をおこなえる病院へ転院させたい。
そんな、お母さまを思う息子さんの気持ちが伝わりました。

この患者さんの主治医を責めることはできません。
普通の対応と言えるかもしれません。
人は、知らないことに対しては、まず拒否をするのが普通の反応なのです。
| ひとりごと | 23:31 | comments(3) | trackbacks(0) |


本日の八重洲診察風景
今日は、八重洲での診療風景を中継のようにお伝えします。

20歳男性:強い疲労感、顔の違和感・・・
本日は、3回目の検査結果の説明。
『多くの問題点が改善傾向。症状もいろいろと改善し、日中も起きていられる時間が増えてきた。』
『前なら気になっていたことが、緩やかに感じるようになってきた。』
診察室へ同席されていた若い女性が妹さんだと思ったら、彼女でした。
彼女からも、『全然違います』
と嬉しいコメントをいただきました。

27歳男性:激しいイライラ、頭痛
初診時には、リスパダールなど多くの薬剤を使用中
このブログでも何回か登場したことがある、ひどい症状の方でした。
駐車場を80kgで走ったり・・・武勇伝数々有

『仕事も続いていますし、薬はたまの頭痛のSG顆粒だけ週に1回ぐらい使用。
仕事でクレームをいっぱい言われますが、ぜんぜんイライラしません。』

この方は、若い男性ですが、自分で糖質制限の食事を作っています。
表情も全く問題なく、経過もきわめて順調です。
今回も3ヵ月後の来院をお願いしました。

24歳女性:うつ病
休学中にこの治療を開始。
『一度学校へ戻れましたが、10月から体調が悪化し休んでいる』
とのこと。
ただし、難しい馬術の試験に合格し、日本の馬術競技のメッカである馬事公苑での競技に出場する資格を得ました!!との報告。
もう一度、しっかりと期間を決めて体と心のメンテナンスをお勧めしました。
体調はよくなり疲れにくくなっていること、お肌の調子が良くなっていることなどの変化は報告いただきました。

34歳女性:統合失調症
栄養療法を併用し、1年以上。
多くの症状が消失し、ヨーロッパへ仕事で行ってきた。
大学病院の精神科主治医は反対したが、行って来てよかった。
帰国後にちょっと落ち気味だけど、大丈夫です。

43歳女性:自己臭、便臭などの悩み
自分の臭いが気になり、電車などに乗れない、職場で気になるなど・・・
『治療初期にはなかなか効果を感じられずにとても不安定だったけど、本当に3ヶ月目になて症状の改善傾向を実感することができるようになって、明るい気持ちになりました。』

本日が2回目の検査です。
検査結果もきっと改善し始めていることでしょう。

ここでちょっと休憩がとれました。

44歳男性:心因反応?
会社の役員さんで、重度のストレスによる反応性の症状。
投薬中心の治療ですが、疑問を感じ検索して来院してくれました。
他の施設での血液検査データをお持ちだったので、それを参考に栄養処方をしました。
アルコールが代謝に悪影響のデータでしたので、生活指導もみっちり。
1〜2ヵ月後の受診をお願いしました。経過が楽しみです。

27歳女性
自分では、お腹が空くと手がしびれ、不安定になることから低血糖症をうたがいました。
東京の別のクリニックで3時間の糖負荷検査と血液検査を受けましたが、いずれも問題なし!!
同じ結果を見せてもらいましたが、問題ありでした。
ポイントは、解釈の根拠なのです。
物忘れが激しい(27歳ですよ)、朝が起きれない、食後の数時間で不安定になる・・・
当クリニックの血液検査では、多くの問題点が判明しました。
いよいよ栄養療法の開始です。

15歳女性:特に症状なし
当クリニックで治療中のお母さんに連れてこられ、栄養療法をはじめました。
3ヵ月後の経過を聞くことになりました。

疲れにくくなった。
昼間の眠気が減っている・・・

もともと症状がある方ではなかったので、こんな感じのコメント。
今日は、2回目の血液検査ですので、きっといろいろと改善を確認することができるでしょう。

44歳女性:うつ病?
上の患者さんのお母さん
大分元気になったよね。(娘さんの話)
以前は、ひとつの家事をすると後は寝ているだけだった。
頭も身体も働かなかった。不安も強かった。
様々な症状に改善傾向を自覚することができています。
今日は、経過を見る血液検査の日です。

22歳女性:うつ病
重度のうつ病と診断。古典的な三環形の抗うつ剤を処方されていました。
そのほかにも重いメニエールと言われ、ステロイドを大量に投与されていました。
ブログや友人からの情報で低血糖症のことを知り受診されました今回は最初の検査結果の報告です。

久しぶりに見た、”半飢餓状態”のデータでした。
食事を聞くと、3日もほとんど食べなくても大丈夫なこともあります。
炭水化物が好きで、ご飯やパスタだけで済ませることもしょっちゅうです。
久しぶりにお饅頭を食べたら、すぐに『イライラッ!』とした感覚がでたので、関係があるんだと思いました。

いよいよ栄養療法の開始です。
糖負荷もお勧めしました。

36歳女性:統合失調症
4月からこちらで栄養療法を併用。
もともとリスパダールが少量で治療されていました。
徐々に減薬し、7月に断薬。その後も経過は順調で不安定な症状はでていません。
8月に血便が出て、潰瘍性大腸炎と診断されましたが、サプリメントの調整で下痢や血便も改善しています。
統合失調症も潰瘍性大腸炎も薬なしの状態でOK!
2ヵ月後の受診をお願いしました。

こんな感じで診療が流れました。
今日はちょっと時間的に余裕があったかな?
良くなった人、悪くなった人・・・すべてをご紹介しようと思いましたが、今日は期せずして、皆さん経過が順調な方々ばかりでした。
こうは行かない日も、もちんありますよ。
| ひとりごと | 16:25 | comments(2) | trackbacks(0) |


ゆっくりな改善
今日のカウンセリングでちょうど1年の栄養療法歴になった患者さんです。

昨年の夏、16歳の時にこの治療を始めました。
その頃は、幻聴も強く、とても強い疲労感があるためにほとんど学校へ行くことが出来ませんでした。

若い女の子ですので、砂糖を控えると言うことも大変だったと思います。
今日のカウンセリングでも、まだ食べたいと思うことがあると話されていました。
それでも、周りの友達が食べていても、自分は食べないでがんばってきました。

学校へいける日が多くなり、朝起きられなくても途中から学校へ行こうという気力が出てきたそうです。以前は、”寝坊=休み”だったそうです。

小さい字を受け付けなかったのが、今は本も集中して読むことが出来るようになりました。前は読むと怖くなっていたような内容の本も、読んでみようかな〜っと思うようになりました。

お母さんは、去年の夏休みとは違う、意欲的な計画的な行動をするとことで娘さんの改善を確認することができたとお話されていました。

まだまだ朝起きられない日もあり、行事の前などでストレスが大きいとそれに反応して症状が強くなることがあります。
しかし、確実に去年よりは改善しています。

検査データでも少しずつですが、確実な改善を確認することが出来ました。

コレステロールが上昇してきて、やっと130を超えました。
HDLという善玉コレステロールも増えてきています。
多くの方は、コレステロールは低ければ低いほど良いと思っています。
医師のなかにも、そのように思っている方が多くいます。

しかし、実際にはコレステロール値が低いほど、多くの精神症状が生じたり、脳出血のリスクが高まったり、以前は薬でコレステロールを下げると自殺率があがるなどという報告までありました。

脳神経細胞には、大量のコレステロールが存在しています。
私たちの細胞には無くてはならない物質です。
コレステロールが効果的に神経細胞に取り込まれると、情報伝達が早くなります。
つまり情報処理が早くなるということができます。
今日の患者さんが、小さい字の本が読めるようになったなんて、こんなことからの変化かもしれませんね。

| 統合失調症 | 15:33 | comments(3) | trackbacks(0) |


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