うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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副腎の疲労とビタミンC
JUGEMテーマ:健康


いよいよ北海道の講演会が近づいてきました。
資料の準備はOKです。
北海道でこの治療を受けていらっしゃる多くの患者さんも聞きにこられることを報告受けています。この治療の本質を少しでも分かりやすく、心の成長のために栄養の大切さをお伝えできればと思っています。
不安なのは寒さですが、釣りで使っている防寒下着(ユニクロのヒートテック)を着ていこうと思ってます!!
参加費無料で、当日参加OKということなので、お近くの方はどうぞいらしてください。
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テーマ : 子供たちの意欲と栄養の関係
      〜子供の心を栄養から考える〜

日 時 : 2008年02月03日(日) 10時から
場 所 : 北広島市芸術文化ホール2階活動室
      (北海道北広島市中央6丁目2-1)
費 用 : 無 料
主 催 : NPO法人チャレンジポートあゆみ
共 催 : 北広島市教育委員会
定 員 : 70名
問合せ : 携帯 090 - 6697 - 5708 ( 大石 )
※1.当日託児を準備します。ご利用の方は問合せ先まで。
※2.医療関係者の方もご参加いただけます。その際は所属などをお知らせください。

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さて、前回にお伝えした強い疲労感を訴える女の子の患者さんについてです。
通常の栄養アプローチでは、なかなか効果がありませんでした。
慢性疲労症候群には、ビタミンCの投与が有効のことがあるという報告があることから、僕のもう1つのブログ(http://healcancer.jugem.jp/)のトピックであるビタミンCの点滴療法を選択することにしました。
前回お伝えしたとおり、重度の疲労感なので通院は不可能でしたから、入院してビタミンCの点滴をすることにしました。
その量は、通常では考えられない量になります。保険でビタミンCを注射するときには、1日0.5gが標準です。ところが今回は、その100倍になる50gを点滴することにしました。ちなみにガンの治療のばあいには、100gの点滴をします。

この治療は、とても効果がありました。
徐々にベッドに座っていることができるようになりました。
食事も噛んで食べることができるようになり、トイレへの移動もスムーズになりました。
ちょうど入院中に、その病院で栄養療法の講演会が開かれたのですが、その講演会に参加して椅子に座って聞くこともできるようになったのです。

そして退院した後に、経口でのビタミンCの投与に切り替えて様子を見ていたところ、徐々に症状が増悪し再びベッド上での生活になってしまいました。

現在でもビタミンCは水溶性のビタミンなので大量に投与すると、尿へ流れてしまい無駄であると思われています。
ところが、ビタミンCは身体の中の臓器によって含まれている濃度に大きな差があることが理解されてきました。ストレスがかかる臓器にはビタミンCが大量に含まれているのです。
その代表的な臓器が副腎になります。副腎はストレスがかかったときに対抗する主役の臓器です。そしてその臓器で作るホルモンには、ビタミンCが必須の栄養素になります。
副腎の疲労には、DHEAなどのホルモンの前駆物質を投与して治療することがあります。しかしこの患者さんはDHEAの投与では明らかな症状の改善がありませんでした。

臓器の機能を維持するために必要な栄養素が欠落しているときには、その機能を回復させるためには日常で得られる量ではまかなうことができません。それは脳の機能を改善させるために必要な栄養素の量を見ても明らかです。

これらの経過から、この患者さんはステロイドホルモンを使用することによって徐々に症状が改善しつつあります。今後の問題点は、どのようにして副腎の機能を上げながら薬として使用しているステロイドホルモンを減らして行くかといことです。
| 副腎疲労症候群 | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0) |


低血糖症と副腎疲労の関係について
JUGEMテーマ:健康


明らかな低血糖症の検査結果であり、症状も低血糖症に典型的な若い女の子の患者さんがいらっしゃいます。
食事の変更も行いサプリメントを用いても改善が無い状態でした。

最近の症状は以下のようなものです
・とにかく疲労感が強い
・ほとんどベッドで寝たきりの状態
・トイレに行くことも困難で、1時間以上かかってトイレを済ます
・症状が強く出ているときには、流れるよだれや鼻水を拭くことも疲れてできない
・固形物は食べられず流動食のみ
・食事から1時間以上経過すると強い空腹感が生じてくる

若い女性がこのような状態です。
どれだけ精神的にも辛い状態でしょう・・・。

このような状態のときには慢性疲労症候群という診断が下されることがあります。
診断基準は厚生労働省の研究班が作成しているのですが、診断されたあとの治療法が確立されていません。
エネルギー基質としての脂肪の利用低下が原因と考えビタミンCの投与なども行われています。

海外では、慢性疲労症候群と繊維筋痛症の関連が多く指摘されています。また最近では、副腎という臓器の慢性的な疲労と慢性疲労症候群の関連も指摘されています。
副腎とは、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)やアドレナリンなど自律神経や血糖調節に深く関わるホルモンを分泌する臓器です。

今日紹介した患者さまは、これまで数年にわたり治療を継続いただきました。この期間に様々な治療を行ってきました。
どの治療で、どのような効果があったか、どの治療で全く治療効果が無かったか・・・試行錯誤してきました。

ここ数ヶ月の治療によって副腎の機能低下が深く関係していることが判明してきました。
またあらためて行った治療とその効果から副腎が関与してきていることが理解できるようになった経過などについてお伝えしたいと思います。
| 副腎疲労症候群 | 22:48 | comments(8) | trackbacks(0) |


このブログの成り立ちについて
JUGEMテーマ:健康


今回も見学してきた病院に対する表現で多くのコメントを頂きありがとうございました。どのコメントからも励ましの意図が書かれていると思いしっかりと読ませていただきました。

今日は、このブログがどのように始まったか・・・どんな風に書いているのか・・・についてお伝えします。

新宿に栄養療法の専門クリニックを開設したことろは、このブログは誕生していませんでした。
ある若い女性の患者さんがフィアンセの彼とともに新宿のクリニックを訪れてくれました。栄養療法を始めてからこれまでの期間には、入院まで含めて本当にいろいろなことがありましたが、今では症状は全く無くなり、薬も間もなく不要になる状態になっています。なによりも嬉しいのは、その二人が入籍されて結婚されたことですが・・・。

そのフィアンセの彼からブログを書くことを依頼されたのです。
彼はインターネットの専門家でした。そして彼女の病気を治すためにいろいろなサイトを検索して、やっとの思いで新宿のクリニックを探しあてたそうです。
その彼から、
『ブログを書いて欲しい。書いてくれたら自分がインターネットで新宿のクリニックが検索しやすいように工夫をしますから。』
『ただしその場合には、毎日書いてくれなくては困る!』

こんな言葉から、この方が自分の大切な人が改善した治療法を、もっと多くの人に知って欲しいという気持ちが強く伝わったのです。
そして2005年8月からこのブログがスタートすることになりました。
毎日書くという約束でしたが、どうしても困難で始めの頃は1ヶ月に20日以上をアップするというノルマを自分に課しました。
24時を過ぎてしまうと、その日のアップにならないためとりあえず書きかけをアップして、24時を過ぎてから残りを書いたり・・・1ヶ月20日のノルマを達成するために、結構大変でした。
(今ではブログの機能で調整が出来ることを知り24時過ぎに書くこともできます)

糖負荷のグラフは自分ではアップできないので、夜中に彼にメールをしてグラフをアップしてもらうことをお願いしたり・・今でも迷惑をかけています。

その後、新宿や八重洲のクリニックのホームページつくりに協力してもらったり、仲の良いドクターのクリニックのホームページを作ってもらったりと、仕事としてのお付き合いも始まりクリニックとして無くてはならない存在になっています。

こんな経緯で始まったブログです。
表現の至らなさや、誤字脱字についてはクリニックのスタッフからも指摘されることがあります・・が、記事のアップ前に読み返すことはしていません。
誤字脱字を含めて文章は人となりを現すものです・・・かなりいい加減な人間ということですね。

しかし、重度の面倒くさがりやの自分がブログを継続できているのは、始まりがこのような理由であったことと、このブログを読んで自分の生活を見直したり、辛い症状の改善に役立てたりしてくれている方々がいらっしゃることと、どのようなものでも、より良い内容のブログのためにコメントしてくれる方々がいらっしゃるためです。
今後ともよろしくお願いします。

| ひとりごと | 19:08 | comments(4) | trackbacks(0) |


病院を見学してきました
JUGEMテーマ:健康


うつ病の患者さまだけを対象にしている入院専門の病院を見学してきました。
そのとなりには、通常の精神科の病院が併設されているので、うつ病専門病院と言っても急な病状の変化にも対応ができる、とてもしっかりとした施設でした。

その二つの病院の理事長の先生とも面談することができ、30分ほどお話をする機会をいただきました。
その先生は精神科医療に関わってきて多くの問題点に気がついてきたそうです。
その1つが精神病薬の多剤併用の問題。
明らかに1〜2剤で治療をした方が経過が良いことを実感されているとのことです。
八重洲で栄養療法を行われている患者さまにも、この病院に入院され8剤の薬剤が2剤に減らすことができ、とても経過が良くなっている方がいらっしゃいます。

そしてもう1つの大きな問題点は、うつ病の治療についてでした。

うつ病の患者さまが入院することができる適切な病院がないために、外来で長期にわたり経過を診てしまうため、かえって病状を長期化させているのでは??といことでした。

現状の治療よりも早期に一時的な入院治療を行うことで、早期に社会復帰が可能なのでは・・。そして早期のうつ病の方が入院するには適切な病院がないことが、この一時的な入院ができない理由なのでは・・・と考えいたそうです。

そしてその病院は、想像をはるかに超える充実した内容でした。
病院のスタッフの皆さまがとにかく素晴らしい。受付の方、ケースワーカーの方、看護士さん、そして掃除をされているスタッフの方々・・皆さんが共通した認識をお持ちであることが理解できます。
設備の方は、瞑想のためのお部屋、内観のためのお部屋、運動療法の広いスペース・・。全ての部屋が個室になっていて、バストイレが部屋にあります。
テレビ、DVDデッキ、ノートパソコンが備えてあり、全てのお部屋がカードキーでロックができ入院中のプライベートが確保されています。スパのスペースも本格的でした。

書類上は入院と言う形式ですが、滞在という表現が適切かもしれません。
それでいて差額ベッド代は驚くほど低く設定されていました。

様々な投薬でも改善しないうつ病の患者さまが、2週間〜1ヶ月間の入院期間で減薬と症状の改善が得られて退院されることも多いそうです。

しかし問題があり、それは退院後も日常生活は問題ないのですが、会社へ復帰するときに病状の増悪を繰り返されてしまうことだそうです。
この問題改善のためには、会社の環境まで踏み込んだ対策が必要であるとお話されていました。

見学をさせていただくまでは、ただのバブリーな病院だろうと思っていたのですが、それはとんでもない思い込みであり恥ずかしく感じたのです。

| ひとりごと | 23:22 | comments(7) | trackbacks(0) |


ホームページ改装中
JUGEMテーマ:健康


新宿溝口クリニックのホームページを改装しています。
できるだけ多くの情報を提供しよと思うのですが、ごちゃごちゃしてかえって分かりづらいものになってきているからです。

ホームページにあるQ&Aの見直しをしていて、本日追加した原稿についてブログでとりあえげようと思いました。
それは、栄養療法を始めたときにある時期(2週間〜3ヵ月後)に、それまで使っていた薬の効果が急激に強くなることがあるためです。その時期には無理なく減薬することができるのです。
薬の効果が強く出たときに、期待する効果がだけが強くなればよいのですが、時に副作用も強く出るようになることも多くあります。この場合には、副作用というよりは普通の人が薬を飲んだときに感じる症状ということができるかもしれません。たとえば、どうしようもない眠気とかだるさとかなどです。
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Q:なぜ栄養療法をするとお薬を減らすことができるのでしょう?

A:血液中に吸収されたお薬は、効果を出す目的の臓器に運ばれます。たとえば、抗精神病薬であれ脳へ、血圧を下げるお薬であれば心臓や血管へ運ばれて作用します。
そして私たちの血液中をお薬が移動し運ばれるためには、お薬を運ぶためのトラックの役割をしているものがあります。多くのお薬は、アルブミンという肝臓でるくられるタン白質によって運搬されます。
ところが栄養障害があるとアルブミンの十分な量を作れなくなったり、せっかく作ったアルブミンの性能が悪くなったりします。
効果的な栄養療法は、性能の良い良質のアルブミンを十分に作るようになるため、少ない量のお薬で十分な薬の効果が出るようになるのです。
そのため、栄養療法をお薬の治療と併用することによって、これまで使っていたお薬の量を減らすことが出来るようになります。
その結果としてお薬の副作用も減らすことができるようになるのです。

| ひとりごと | 22:52 | comments(0) | trackbacks(0) |


不安症状と鉄欠乏と神経伝達物質
JUGEMテーマ:健康


今日のカウンセリングは、長期間にわたり栄養療法を継続してくれている方が多くなりました。
その中で、重度の栄養障害が強い不安症状の原因になっていたことが考えられる女性がいらっしゃいます。これまでのデータの推移と症状の変化について、脳内の神経伝達物質の合成過程から考察してみることにします。

38歳 女性の患者さんです
おととしの受診時には、不安神経症の診断で日中に抗不安薬、寝る前に入眠剤を服用していました。
投薬によっても症状の改善は無く、睡眠も浅い状態でした。電車中でパニック症状も出ていたため、パキシルを処方された時期もありましたが、副作用が強く飲み続けることはできなかったそうです。

新宿のクリニックを受診される前に多くの医療機関を受診されていたので血液検査も受けていたのですが、異常を指摘されたことはありませんでした。
栄養面から見て問題となる検査データは以下のようなものでした。

AST  17
ALT  11
Hb  11.8
MCV  81
MCHC 29.2

これらのデータは、通常の検査データの見方では正常と言われるものばかりです。
この検査に、貯蔵鉄量を反映するフェリチンを加えて測定すると、とても充当kな鉄欠乏が存在することが分かりました。
通常、このようなデータの場合には、コレステロールの合成が低下し、低コレステロール傾向になるのですが、この患者さんは総コレステロールもHDLコレステロールも充分な値でした。
これまで多くの患者さまへ栄養療法を行っていますが、状態が悪いときにもコレステロールの値が保たれている方、栄養療法によってコレステロールが容易に上昇する方などは、この治療で効果を得やすいような印象があります。

次回は、症状とデータの変化について、そしてその変化によって脳内の神経伝達物質の生合成がどのようにバランスが取れたのかを考察しようと思います。
| パニック障害 | 23:06 | comments(5) | trackbacks(0) |


成人式に出席しました
JUGEMテーマ:健康


八重洲や新宿で治療されている患者さんに、今年成人式を迎える方が何人もいらっしゃいました。
先週受診してくれた患者さんにも、今年成人を迎えた方がいらっしゃいました。

1人の男の子と、数人の女の子です。
みなさん、受診してくれたときにはとても重度の症状でした。

男の子は、すでに2年ほど治療をしていて、昨年の後半からアルバイトも可能になっていました。
今回の年末年始もお惣菜屋さんのアルバイトが忙しく、元旦から働いていたそうです。
成人式に参加したら、サンプラザ中野さんが講演に来ていて、砂糖は良くないという内容の講演をしてくれたそうです。そんなことは僕は2年前から知っていたよ〜と思って聞いたそうです。

ある女の子の方は、お母さんがバッグから写真を出してくれました。
立派な振袖を着ていて、とても自然な笑顔の写真でした。
初診時には、緊迫感というか緊張感が漂う雰囲気でしたので、写真のような笑顔が出せるような状態ではありませんでした。
この治療でお肌の調子も良くなったので成人式や写真を撮るときにお化粧もできたと嬉しそうに報告してくれました。
まだ幻聴があるのですが、初診時とは全然違いますとご本人とお母さんから効果をお聞きすることができました。

診察室で、自分の将来についての質問や相談をしてくれるようになった子もいます・・そうです、自分の成人式は20年以上まえですもんね。おじさんです。

成人式を迎えただけですが、なんか前回の診察のときとは違うちょっと大人に成長したような印象でした。

| ひとりごと | 22:53 | comments(7) | trackbacks(0) |


北海道講演会の準備
JUGEMテーマ:健康


北海道の講演会が近づいてきました。
講演のタイトルから内容が子供意欲と栄養の関係になるため、これまで行った講演とことなり、子供の脳の特徴についてをまとめなくてはなりません。

子供というと大人と異なり『成長』というものが関係してきます。
そして成長には必ず、成長のために必要な栄養素が深く関係します。
骨の成長なら、カルシウムやタン白質、鉄、亜鉛、ビタミンAやCなど・・・・になります。

脳の成長を考えると他の臓器と同様に、大きさの成長という要因と脳の機能の成長という要因があります。
この機能の成長というものが脳にとってはとても重要になるわけです。

子供の脳の成長を考えると、脳という臓器はとても未熟な状態で生まれてくることに驚きます。それもそのはずで、頭囲がそれ以上大きくなってしまうと分娩できなくなるために生まれて来てしまうからです。

脳神経細胞の大きさは、妊娠7ヶ月頃から急激に増え始め、出生後にもそのペースは保たれ約2歳まで増え続けます。この増加が大きさの増加になります。
ところが脳は大きさだけでは不十分で、神経細胞が互いに密に連絡しあって脳の機能を向上させていきます。

この機能の向上には、経験というものがきっかけになります。
機能をあげているときには、脳は活発に酸素を消費し大量のエネルギーが必要な状態になります。その時期は10歳ごろまで続きます。

つまり脳は出生後の環境や栄養によって、もって生まれた機能を充分に発揮できるようになるかどうかが左右されるということです。
そして酸素の消費が拡大するということは、その時期に酸素を運搬するために必要な鉄が充分に無くてはならないことも理解できます。

通常では子供の精神の発達については、親のかかわりかたとか環境の要因などばかりが注目されますが、今回の講演では精神(脳の機能)の発達について栄養に絞って話しを組み立てようと思っています。



| ひとりごと | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) |


アトピー性皮膚炎の改善と検査データの変化
JUGEMテーマ:健康


今日は久しぶりにアトピー性皮膚炎の患者さんの治療経過についてお伝えします。
日本皮膚科学会は、アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインの中心を、今でもステロイド軟こうの使用にしています。
症状が烈しいときに、その『火消し』的な使い方でステロイド軟こうを使用しなくてはならないことはありますが、その病態のメカニズムを勉強するとステロイド軟こうを塗り続けることによってアトピー性皮膚炎を根本的に改善させることは、困難であろうと言うことが想像できます。
ステロイドを使って治ったという方は、ステロイドを使って火消しをしている期間にこれからお伝えするような身体の改善が得られたということではないでしょうか?

さて今日ご紹介する患者さんは、10代前半の学生さんです。
生後2ヶ月からアトピー性皮膚炎と診断されています。

これまでのブログでも紹介したとおもいますが、生後2〜3ヶ月は赤ちゃんの体内で最も亜鉛の貯蔵量が減少するときです。
そのために亜鉛欠乏性の皮膚疾患がとても出やすい状態になります。その皮膚症状があたかもアトピー性皮膚炎と良く似ているのです。

生後2ヶ月でアトピー性皮膚炎と診断されてから、ステロイド軟こうやワセリンによる保湿を続けていらっしゃいました。
受診されたときにも、布団のシーツは血だらけになるような症状でしたが、幸いなことにあまり強いステロイド軟こうを使用していませんでした。

通常の皮膚科の先生は、アトピー性皮膚炎の患者さまへ血液検査をすることはめったに無いでしょう。検査したとしてもあまり役に立たないアレルゲンの検査をするていどではないでしょうか?(この検査はとても高額なのです)

この患者さんの検査結果でアトピーの活動性や治療に重要な項目について下記に抜粋します。検査は初診時、10ヵ月後、1年半後の3回分のデータです。

       1年半後 10ヵ月後 初診時
IgE IU/ml   880   1600    2400
LDH IU/l    190   230     263
フェリチン ng/ml   24.7   22.9    19.0

一般的にアトピーの活動性を示すと言われているのがIgE抗体です。
栄養療法によって順調に低下しています。
また新宿のクリニックでは、LDHという項目も活動性を良く示すものとして評価していますが、この値も順調に低下しています。
フェリチンは、これまでも何回かせつめいしましたが、体内の貯蔵鉄の量を示すものです。まだまだ不足していますが、初診時と比較して上昇傾向にあります。

皮膚の症状は、確実な改善傾向を示しています。
自分で皮膚をつまんでもやわらかくなり、しっとりとしてきているそうです。
また嬉しいおまけとして、集中力がとても付いてきて勉強もはかどり成績もうなぎのぼりということでした。

アトピー性皮膚炎はアトピー体質という言葉があるにも関わらず、内科的にその体質を検査し対処することは行われていません。
いつまでこの国では、ステロイド軟こう中心の治療が皮膚科で行われるのでしょう??
諸外国の対応へも目を向けてもらいたいものです。


| アトピー性皮膚炎 | 09:58 | comments(1) | trackbacks(0) |


勉強会が終わりました
JUGEMテーマ:健康


皆さんは、この3連休はいかがお過ごしでいらっしゃいましたか?
ちまたでは晴れ着姿の女性を多く見かけ、華やかな雰囲気を感じました。
成人式の日は、いつも天気のことが気になります。
若い方々が、晴れ着をまとい、それまでの人生と今後の人生について、希望を持ちながら歩み始める。
そんな日には、お天気が似合います。

さて、そんな成人式の日に、僕は勉強会を主催しました。
栄養療法で取り入れることになった、新しい栄養素の成分についての勉強会です。
3連休の最終日にもかかわらず、遠く沖縄や九州からも多くのドクターが参加してくれました。いつもながら感謝とともにこちらも緊張してがんばらねばと思うのです。

今回の勉強会では、免疫という人間に備わっている、病気や病原菌に対抗するシステムについてと、そのシステム二度のように栄養がかんけいしているのかということが中心になりました。

話のテーマは、風邪やインフルエンザなどの感染症を自分はどのように治そうとしているのか、それからガンをどのように自分で治そうとしているのか・・ということが中心です。

それぞれに特異的に効果がある栄養素について話をしたのですが、大筋では細菌やウイルスに対抗するメカニズムとガンに対抗するメカニズムには、大きな違いは無いと言うことです。
何重にも存在するバリアーを通り抜け、感染症が発症し、ガンも発症するのです。

私たちは、基本的にみな同様に細菌やウイルスに対して暴露されていますし、みな同様に発ガン遺伝子が組み込まれています。

ある意味では、平等に病気にかかる可能性があるにも関わらず、風邪を何度もひく人と、全然ひかない人がいます。

どのように感染症を防ごうとしているのか、ガンにならないようにがんばっているのか、そのことをしっかりと理解することは、日常生活における食事や運動などの生活習慣の改善にもつながることです。

2月は、ほぼ毎週に講演会や勉強会などが開かれることになっています。
まずは北海道ですね。
お会いできることを楽しみにしております。
| ひとりごと | 23:23 | comments(5) | trackbacks(0) |


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