うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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自閉症の子供の経過について
JUGEMテーマ:健康


約1年前の血液検査データで多くの栄養的な問題が判明し、その解決と症状の改善のために栄養アプローチをはじめました。

途中に経過が良いことと、コミュニケーションがとれないためサプリメントを飲ませることに難儀するために、サプリメントの使用を止めた時期がありました。
サプリを中止して約1週間した頃から、徐々に我慢ができなくなり大声を上げるようになってしまいました。そんなこともあったため、お母さまはこの治療を継続することを選択されました。

そして約1年後が先日のカウンセリングでした。
以下は、お母さんのコメントです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大分落ち着いてきました。
会話もできるようになりました。

なれない環境などでの、許容量が少ないのは変わりません。
しかし以前は奇声をあげていましたが、今はそこまでしません。

ただ慣れた人だとニコッとわらって『おはよ』とか挨拶します
施設の先生にも凄く成長していると言われています。
施設の先生は、『この子は、このまま成長するのではないかと思います』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

自閉症では、親を含めて人との関係を築くことが困難であるいことが特徴です。
このお子さまの変化は、専門の方がみると驚くような改善なのです。

選んだサプリメントはお子様でも飲みやすいようにジュースタイプなどを選んだのですが、クリニックで使っているサプリメントは錠剤やカプセルなどが多いのです。
お母さまは、全てもサプリメントを粉末状まで砕き、味に工夫して大変な苦労をしながら継続してくれていたのです。



| 自閉症 | 22:31 | comments(2) | trackbacks(0) |


自閉症と診断されたお子さまの栄養の問題点
JUGEMテーマ:健康

自閉症の原因には重金属を始めとする様々な要因が指摘されています。
しかしどれも否定的な報告や公的機関からの因果関係の否定など決め手を欠いていると思います。

僕らが実践している栄養アプローチは、症状に対しての特有の栄養素の選択もありますが、基本的には血液検査データを基にした栄養素の選択が中心になります。

今回ご紹介してる患者さんも、6歳の男のですが血液検査を受けていただきました。
検査データには様々な問題点がありましたが、気になった問題点は細胞膜の障害が強いことと、激しい鉄欠乏でした。

栄養療法が始まり数ヵ月後のカウンセリングの内容については、また別の機会でお伝えしましょう。

私達の身体は細胞で構成されているので、細胞膜の障害が強いと言うことは身体全体の機能にトラブルが起こりやすくなります。細胞膜は、主な構成成分として脂質が重要な働きを示しており、特にコレステロールは細胞の形を保つために必要不可欠の栄養素です。
特に脳神経細胞はコレステロールの含有量が高く、情報の伝達という特有の機能を高いレベルで維持するためにコレステロールが必要になるのです。

この患者さんは、細胞膜が弱いことを示す多くの血液検査データとともに、コレステロールも低めをしめしていました。
そのために、細胞膜を丈夫にするためには体内でのコレステロールの合成が活発に行われるように栄養アプローチを組み立てます。
また、細胞膜が弱くなる原因には、体内でのフリーラジカルの増加も挙げられます。

このフリーラジカルは、細胞膜上に存在する様々な酵素やホルモンの結合部分の形を壊してしまうために、重要な働きをもつ酵素やホルモンの効きが低下してきます。

フリーラジカルの働きを体内で消去するのが、ビタミンA・C・Eや少し前にブームになったコエンザイムQ10やαリポ酸などの栄養素です。

6歳の男の子で、しかも自閉症と診断されコミュニケーションがとれない状態ですので、これらの多くの栄養素をお飲みいただくことは困難でした。
そこでジュースタイプのサプリメントでビタミンAやCを補い、比較的大量に必要なビタミンEはカプセルで処方しました。
その他にもヘム鉄やビタミンB群などの栄養素を処方しました。


| 自閉症 | 18:51 | comments(0) | trackbacks(0) |


自閉症の改善
JUGEMテーマ:健康

日本では自閉症と診断されると、治療法というものは存在しないかのような雰囲気になります。

・医療機関からの指導は、その子供の将来的にどのように接するのか?
・親の会などへ参加しても、環境を整えることや、その子供への対応とか、親の心構えとか・・
・専門学会においても、研究成果などの発表などはありますが、新しいアプローチについての評価や報告は極めて少ないのが現状です

つまり、日本では自閉症と診断することが、ある意味医師としての仕事のゴールになってしまいます。
ところが海外へ目を向けると、以前にこのブログでも紹介したように、実に様々な治療法についての公平な評価や臨床例が多く試されていることに驚きます。
そのように多くの代替医療の分野で自閉症への治療が医師が参加する学会レベルで活発にディスカッションされているのですが、特に注目されているのが栄養療法ではないかと思います。

今日は、新宿でのクリニックで、2歳のときに自閉症と診断された6歳のお子さまの治療経過などについてカウンセリングを行いました。

このお子さまのこれまでの経過は、ある意味典型的な自閉症の症状の多くを認めました。
昨年の3月にご相談を受け、実際に栄養アプローチを始めたのは昨年お5月でした。
それ以降、お母さまはカプセルや粒状のサプリメントを工夫し、食材に混ぜたりしながら今期良く栄養アプローチを継続していただきました。

そして今日のお電話でのカウンセリングで、お子さまの明らかな変化について報告いただき、現状での症状の問題点や治療における問題点などについてご相談を受けたのです。

子供の脳の発達については、このブログで繰り返しお伝えしてきましたが、大量の栄養素が必要になります。
また脳の代謝障害があるような場合には、通常とは比較にならない消費をある栄養素で行っているようです。

この6歳の患者さんの検査データも栄養的にバランスが乱れたものでした。
どのような検査データの乱れがあり、その問題点を補正するための栄養素の処方とその意味になどについて、またあらためてお伝えしようと思います。
| 自閉症 | 01:58 | comments(1) | trackbacks(0) |


低髄液圧症候群と傷の修復
JUGEMテーマ:健康

様々な不定愁訴が継続する病態の1つに低髄液圧症候群があります。

交通事故のいわゆるムチウチ症からの移行したり、手術や検査などで行う腰椎麻酔が原因で起こります。交通事故でも腰椎麻酔でも、脳脊髄の周りにある髄液が漏れてしまうことが、頑固な頭痛やめまい、肩こり、動悸などの様々な愁訴を作ります。

しかし同じように交通事故を受けた方々や腰椎麻酔を受けた方々の多くは問題なく改善されるのです。
この差について、栄養面からの考察と病態の予想をしてみようと思います。

硬膜がムチウチや腰椎麻酔で傷を受けます。その傷から髄液が漏れだしますが、通常では傷が自分で治癒し跡形もなくきれいにするはずです。

私達の身体の組織は、脳神経細胞を除いて、障害を受けた組織を処理し全く元通りにしようとする作用が存在します。
この修復作用には多くの栄養素が関係します。

・先ずタン白質。硬膜の穴の周辺にフィブリンを始めとする凝固系が作用します。そして元通りに治すためにもタン白質が最も重要になります。
・特に傷ついた組織が硬膜と言う強固な組織になります。わたしたちの身体で腱や硬膜などの強固な組織は主な成分がコラーゲンになります。コラーゲンの主成分はコンドロムコタン白というタン白質であり、鉄や亜鉛、そしてビタミンCがとても重要な栄養素です。

また元通りに治すということには、周辺の細胞が自分と全く同じ正常の細胞を分裂させて増やしていかなくてはなりません。
この細胞の分裂にとって重要な栄養素が亜鉛になります。そしてただ分裂するのではなく、同じ形・同じ機能の細胞を増やすことが必要ですので、細胞の分化が正常に行われなくてはなりません。分化の正常化にはビタミンAが必要不可欠になります。
このビタミンAの作用を正常に行わせるだけでも、タン白質や亜鉛が必要になります。

このようにたとえ腰椎麻酔で使う細い針であっても硬膜と言う組織を傷付けることになります。そしてその傷を通常であれば正常に修復して髄液を漏れないようにしているのです。

これまで低髄液圧症候群と診断されブラッドパッチをしても治らない方々は、皆重度の栄養障害を示す検査データでした。
| 脳脊髄液減少症 | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0) |


ひとあし先に春を感じる
JUGEMテーマ:健康


今日も東京で医師向けの勉強会を開催しました。
参加されるドクターが、知り合いのドクターからの紹介でこの治療を知ったと言うことが増えてきてとても嬉しいです。
中には、先週の連休の勉強会からの連続参加の遠方のドクターもいらっしゃって、その熱心さが、また嬉しく思いました。

さてまだまだ寒い日が続いていますが、昨日のカウンセリングでひとあし先に春を感じました。

18歳の男の子(男性?)の患者さんです。
14歳の頃から、どうしようもない疲労感に襲われ、ひどいときには家で動くこともできない状況でした。
近くの医師からはうつ病の診断を受け、三環系の抗うつ剤、SNRI,抗不安薬などを処方され服用していました。
この治療に取り組み始めたのは、2006年ですので、2年弱の治療期間です。
治療期間中にこの若さでピロリ菌の感染があることが判明し除菌をしたり、症状も山あり谷ありでした。
しかし糖質の制限とサプリメントの服用、少しでも調子が良いときに身体を動かすなど頑張ってくれました。

昨年末には上京してくれ、大学のキャンパス見学をされていました。
一時はおそらくあきらめていたであろう、大学受験をすることになっていたのです。

そして昨日のカウンセリングでした。

『3つの大学に合格しました』
『いろいろ考えて○○大学に決めました』

学部は薬学部です。
たしか治療経過の中で、栄養療法に興味を持ってくれ相談を受けたことを覚えています。
薬理を学ぶことは、栄養療法を学ぶためにとても役に立ちます。
4月から、寮生活が始まりますが米は冷凍玄米を実家から送ってもらうことで対応することになりました。

最初から飛ばさないように、スタートしてくださいね!!



| ひとりごと | 21:13 | comments(1) | trackbacks(0) |


本日の診察室から
JUGEMテーマ:健康

今日の午後は八重洲の診療でした。
再診の患者さんで経過が良好な方々は、診察室でいろいろな話をして行かれます。

『私のように、なんでもなくなったのに来ても良いですか?』
溝『どうぞどうぞ、また予約を取ってください』

こんな会話は、抑うつ症状で1年前に受診された女性です。
現在、再就職を目指して就職活動中です。

『テレビを見てると、受験シーズンなので”脳には砂糖が必要だ”とお医者さんがコメントしたのですが??』
溝『テレビや新聞のことが全て正しい訳ではないですよ!!脳には安定して血糖値を維持することが大切で、5時間の検査でブドウ糖を飲んだら血糖値が乱れたでしょう!!』

この質問は、ジプレキサ2.5mgを2日に1回だけ飲んでいる成人式に出たばかりの患者さんからです。1年半前の初診時には、大量の薬を飲み飛び降りたときの大怪我の治療をしていました。今では週5日のアルバイトもしています。

『いままでは頻繁に起こる頭痛の原因が分からなかったことが不安を作っていました』
『まさか毎日食べていた白米が頭痛の原因だったなんて思ってもいませんでした』

このコメントは、結婚したばかりの女性です。
結婚の挨拶や外出時など、どうしても白米を食べなくてはならないことがあるそうですが、頭痛が起こっても不安を伴わないことが、彼女に余裕を与えているようでした。

『2年半ぶりに床屋で行ったのです。本当に驚きました、薬も主治医と相談して止めました』

このお話は、不安障害を訴え、様々な治療を行ってきた若い男の子のお母さまからです。
本人は、何をやっても冷たかった手足が暖かくなったことを報告してくれました。

溝『血液検査結果から、過度の緊張状態がなくなってきたことが分かりますね〜、すでに安定した状態ですので、あまり話すこともなくなってきましたね!!良いことです。』

この患者さまは、とても栄養療法を理解されており、まわりで困っている知人に八重洲のクリニックを紹介してくれているそうです。ただ上手く伝えられないこと、コストが高くなることなど、なかなか友人が取り組んでくれないとお話してくれました。

良い話ばかりではありません。
ご夫婦で通院してくれている奥様から、ご主人のうつや家での乱暴が治らない状況を聞きました。これまで自分も辛い状況のときから頑張ってきていることを知っています。途切れそうな気持ちをまた奮い立たせて診察室をあとにされたようでした。

来月には、八重洲で治療中の患者さまのご家族から精神障害の家族会での講演を依頼されました。
僕にとっては、とても嬉しく光栄なことです。この治療を分かりやすく、できるだけ多くの患者さまの経過を混ぜながらお話しようと思っています。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 21:59 | comments(1) | trackbacks(0) |


低髄液圧症候群について
JUGEMテーマ:健康


このブログでは、皆さまからのコメントをそのまま掲載するようにしています。
たまにコマーシャル的に、何かの販売サイトなどと巧妙にリンクされているものがあるので、それは担当者の判断で削除することもあります。

またコメントを通じて、質問を頂くことも多くあります。
以前はほとんどのご質問にコメント欄でお答えしておりましたが、今は意図的にご質問にはお答えしないようにしました。もちろん、本文で取り上げた方が良いような内容については、この場でお答えするようにする予定です。
コメント頂いている皆さん、いつもありがとうございます。ご自分の家族や、ときにご本人からのコメントがあり、全て拝見させていただいています。皆さん、勇気をもってコメントしていただき、そしてどのコメントにも、真剣なご意見などが伝わっています。

さて今回は、低髄液圧症候群についてです。
以前、この病名が着けられており、なかなか改善しなかった患者さまから、低髄圧症候群ではなく、低髄液圧症候群が正しいとご指摘いただいたこともあります。
その患者さまの他にも、多くの患者さまがこの診断を下され、時にブラッドパッチをしても改善しなかった症状が、栄養療法で見事に改善されています。

低髄液圧症候群には、患者さまの会のようなものがあるそうです。
1つは、ブラッドパッチで改善された方々の会。
もう1つは、ブラッドパッチをしても改善されなかった患者さまの会。
その他にもあるようですが、詳細は把握していません。

この治療は、麻酔を専門にしていた自分にとってはとてもたやすいもので、大学病院時代には幾度と無くブラッドパッチを行っていました。その方々は、基本的にブラッドパッチをすると、その直後から症状が改善される方々です。

それでは、全く同様のシンプルな治療法なのに、どうして効果がある方々と効果が無い方々に分かれるのか?
それは、栄養という角度から見ることでひとつの説明がつくと思います。
そしてその栄養と言う角度の解釈は、ブラッドパッチをしても改善しなかった患者さまが改善すると言う事実によって証明されているのかもしれません。

以前書いたものと重複する内容になりますが、少し新しいことを書きながら新しい機会に説明していこうと思います。



| 脳脊髄液減少症 | 20:31 | comments(1) | trackbacks(0) |


強迫症状の改善
JUGEMテーマ:健康


通常の精神科的な治療でコントロールが困難と言われている症状に、強迫症状というものがあります。

それは不潔であるという考えや、戸締まりしたか?などが自分の意志とは無関係にくりかえし生じ、それを止めるために手を洗ったり、繰り返しの行動をしたり・・日常生活に大きな支障を伴うようになります。多くの場合は、外出が困難になってしまったり、不安を払拭するために家族にも同様の行為をするように強要することもあります。

本日、血液検査結果を解析した患者さまは、とても重度の強迫性障害のため、来院時には多数の薬剤を服用し、それでも消失しない症状に疲れきっていました。
初診は、2006年7月ですので、1年半この治療を継続してくれています。

血液検査結果は、肝臓や腎臓などの臓器の機能を評価する従来の方法だけではなく、分子栄養学的に見ると、交感神経の緊張度合いなどを読み取ることができます。
強迫症状が強いときには、緊張していることが多いため、交感神経の緊張所見が血液で出てくるのです。

以前は、一人で外出ができないので親や兄妹が必ず一緒に来院し診察室へも同席していました。どうしても払拭できない不潔観念が頭を占め、険しい表情と鋭い目つきであったことを覚えています。
治療初期は、徹底した食事の変更とサプリメントによる栄養アプローチを中心に行いました。明らかな身体の疲労感の改善などは、この患者さまへ明るい何かをもたらしたのではないかと思います。
1年ほどは皮膚症状が改善したり、体調が改善したりしていました。しかし強迫症状は軽度の改善を自覚するものの、根本的な解決には至っていませんでした。

そこで、八重洲のクリニックでの診療をカウンセリングと併用することに変更し、栄養アプローチと精神アプローチの2本立てにしたのです。

そして今回の血液検査になりました。

結果は大変すばらしいものでした。
初診時に見られた交感神経の緊張所見は、どの項目も改善傾向を示しています。
自覚症状でも、強迫症状の著しい改善が示されていました。
患者さん一人で受診することができるようになっており、日常でも外出を楽しむことができるようになっていることが書かれています。

栄養の吸収は、主に胃や小腸の機能に依存します。
この消化吸収は、自律神経に支配されており交感神経の緊張時には、吸収が阻害されてしまいます。
しかし極度の緊張状態のときには、カウンセリングなどの精神アプローチが入り込む余裕がありません。

この患者さんは、根気良く栄養アプローチを継続いただき、ちょっとだけできた隙間に精神アプローチが入り込み、全体の調子を整えてくれたという印象を持ちます。
”心と身体はつながっている”
そのことを良く示してくれている経過だと思いました。
| 強迫性障害 | 23:15 | comments(2) | trackbacks(0) |


勉強会が終わりました
JUGEMテーマ:健康


この連休は医師向けの勉強会でした。
遠く沖縄や九州からも多くの医師に参加頂き、本当に頭が下がります。先日直接出向いた北海道から勉強会に参加してくれる医師が居ないことが残念でした。

昨年から続いている勉強会の最終回ですので、今回はすでにご自分の診療で栄養療法を取り入れている先生方も多く、とても嬉しく思いました。

・痴呆が進み乱暴な症状などが薬で抑えられなかった方が、穏やかになり薬も減らせている
・統合失調症の初期と思われた症状がナイアシンを中心とした栄養療法で良好に改善している

あるいは、サプリメントをご自分でお飲みになっている先生からも、激しかった手荒れが治ったとか、もろかった爪がきれいになったなどの報告もいただきました。

僕が担当したのは、脳の機能と栄養についてでしたが、使用した資料を使って友人の医師に紹介したいなどの嬉しい話も聞くことができました。

この医師向けの勉強会は、3回シリーズでそれぞれ連休を使用しています。
連休の初日の午前中から講義があるため、遠方のドクターは前日に東京へ来るため2泊されることになります。
お忙しい日常にもかかわらず多くの先生方に参加いただき、大変な光栄さである同時に身が引き締まる思いです。

初めての医師向けの勉強会を企画したときには、お世話になった先輩や大学病院時代にいろいろなことを教えた後輩の医師たちに声をかけて無理やり集めたものでした。
そのように参加したドクターは誰も栄養療法を取り入れてくれる人はいませんでした。

その後にインターネットが急速に普及し、いろいろな学会でこの治療について話をする機械などが増えてきました。その結果として多くの医師からご連絡を頂くようになったのです。今回参加されたドクターにも、このブログの患者さま向けお問い合わせフォームから連絡してきた方もいらっしゃいました。

来週の日曜日は、血液検査データの栄養面からの解釈をするためのセミナーで話をします。
その日は、東京シティマラソンです。去年の東京シティマラソンの日も勉強会だったことを思い出しました。
あれから1年・・・急速ではありませんが、確実にこの方法論を毎日の診療にと入れてくれるドクターが増えてきていることを実感しているのです。
| ひとりごと | 19:38 | comments(0) | trackbacks(0) |


家族の決断後の経過
JUGEMテーマ:健康


家族の決断と言うタイトルで、断薬を行った女性の患者さまについてお伝えしました。
その後、症状が増悪する時期もありましたが、断薬の2〜3ヵ月後には多剤併用していたときよりは明らかな状態の改善があったそうです。

そして断薬の8ヵ月後に新宿のクリニックへ相談にきてくれました。
栄養療法を併用してから約2ヶ月が経過したときの変化についてです。

この患者さまは、ドアを開けてしまうと飛び出してしまい、どこへ行ってしまうか分からないため、自宅を改造し開放的なスペースを作り、そこで治療に取り組んでくれています。
そのため、食事についてはお母さまが100%管理することができます。このことも改善につながったと思いました。

約2ヵ月後の経過
○良く眠るようになり、生活が規則的になってきた
○穏やかな顔つきになり、急にあばれることが無くなってきた
○最初は嫌がっていたサプリメントも今では自分からすすんで飲むようになった
○突然治ったかと思ったことが2〜3日間あった。そのときには、片付けを行い普通の会話ができた。その後は、またいつもと同様になった。
○新聞のテレビ欄が欲しいと言い、渡すと自分が見たい番組にラインを書き、時間になるとリモコンで操作してテレビを見るようになった。(以前では考えられないこと)
○母親へいっしょにお風呂に入ろうと言うこともある(以前は入浴しない)

テレビやトイレを壊し、大好きだったピアノを倒して暴れていた状態と比較すると嘘のような変化だそうです。
今後は、外出する機会を作ったり、他人とのコミュニケーションの機会が始まります。
とても大きなストレスになりますが、検査を行いながら栄養アプローチを続けいていこうと思います。
| 統合失調症 | 13:27 | comments(0) | trackbacks(0) |


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