うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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アトピー性皮膚炎の本を読みました
JUGEMテーマ:健康


栄養療法を行っている仲間のドクターから本を紹介されました。
『患者に学んだ成人型アトピー治療』佐藤健二著(阪南中央病院皮膚科部長)

サブタイトルは、《脱ステロイド・脱保湿療法》

心ある、そして常に科学者として患者さんの皮膚症状を観察しているドクターには、脱ステロイドを訴える方がいらっしゃいます。
今回の本は、さらに脱保湿療法もうたっています。
興味ある方は、ご自分でお読みいただくと良いと思いますが、この先生の豊富な臨床経験と常に治療が上手くいかないときに???と思いながら、患者さんを診察している姿勢が伝わりました。
そこでこの先生が行き着いたところは、成人型アトピー性皮膚炎の病態の大部分は、ステロイドと保湿療法の中毒症状であるということでした。
幼少時からずっとアトピー性皮膚炎の症状が悩みの種であった僕にも思い当たるところがとても多くありました。

このブログで紹介するのは、この本の中にあった記述が、精神疾患の分野でもとてもよく似ていると思ったからです。

この先生を訪ねる成人型アトピーの患者さんは、全員がすでに一般的なアトピーの治療であるステロイドと保湿療法を継続されているのです。そして症状が軟膏を変えたり強くしたりしても改善しなくなり、どうしようもなくなり受診されるのです。

普通の皮膚科の医師へステロイドを止めたいことを伝えると患者のその言動は、「ステロイド忌避」と表現され、その訴えは取り上げられることはありません。先生の答えは、
”ちゃんとステロイドを塗ってくださいね。そうしないとアトピーは治りませんよ。”

精神科の外来に似ていませんか??
投薬によって頭が回らなくなり、自分の考えがまとまらない・・・強い違和感を感じている患者さんは、薬を減らして欲しい、薬を止めて欲しいと訴えます。ところが訴えるとさらに薬が増えることがしばしば・・・それらの症状を薬が原因の症状として捕らえようとしない。

これまで驚くほど多剤の抗精神病薬を処方され服用されてきた患者さまは、医師の指示だからということで服用します。そして多くは薬剤の副作用を説明されていません。
この本にも記述がありましたが、薬には効果効能と副作用があります。
ところが効果効能と副作用として区別しているのは人間(医師や患者さん)であり、薬の立場から見れば、効果として現れる変化も副作用として現れる変化も区別はありません。
薬の作用としては同レベルなのです。

厚生労働省のホームページを始め多くのサイトで薬剤の副作用情報を調べることができます。是非ともご自分がおのみの薬の副作用を正しく理解して用いることをお勧めします。

アトピーのステロイドにしても、精神疾患の薬剤にしても、急に止めたり減量したりすることで起こる、さまざまなリバウンドとも言える症状が強いことがまた別の問題なのです。
| アトピー性皮膚炎 | 11:00 | comments(2) | trackbacks(0) |


幸せになるために生まれてきたんだから
JUGEMテーマ:健康

僕が好きな歌手に玉置浩二という人がいます。
心に響く歌と、繊細な人間性が大好きです。
安全地帯というグループのリーダーで、ソロでも何枚もCDを出しています。
「ワインレッドの心」という曲が大ヒットしたことで知られていますし、玉置さんの個人では「田園」という曲がヒットしました。どちらも昔の曲なので、今の若い方々はご存じないと思いますが・・・。

”玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから”

という本が出版されました。内容は玉置さんの半生を志田歩という人が取材をして書いたノンフィクションです。玉置さんのファンはおもしろいと思いますが、そうでない人には退屈でしょう。
その本の中に、玉置さんが人間不信に陥り、精神的に不安定になり精神科の病院に入院したときの記述がありました。何かの参考になるかもしれないと思ったのでご紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(省略)事務所とのトラブルやバンドとしての一体感の喪失があった。・・・本来はもっとも頼もしい仲間だったはずの人間が、彼を理想から遠ざける障害のように見えてしまうというパラドックスの中で、玉置は疲弊していった。(省略)
 こうした状況で彼は精神病院に入院する。(省略)
 だが病院の彼に対する扱いは、あまりにも薬に依存したものだった。(省略)

【本人の言葉】
ほんとは何ヶ月も入院しろっていわれたの。でも3日で脱走した。
だってね、病院入っているとね、1日中眠らされるんですよ。これ飲みなさいってクスリもらって飲んで、はっと起きると、何日経ったかわかないくらい、16時間ぐらい寝てるんですよ。で、起きるとまたクスリ飲まされる。「あ〜、こんなことしてららダメだ」って思って、抜け出して北海道の実家で半年間静養してたんです。
 そしたらある時、おふくろに「お金のことも、メンバーのことも、いっさい考えなくていいから。あなたの家族のことも、なんにも考えなくていいから。音楽やってそんなに悩むんだったら音楽やめて、いっしょに農家やろう。」って言われた。そしたら肩フワッと軽くなってね。わあーっと泣いて、1日中空を見ているような感じで半年ぐらい過ごしたの。そのときに北海道の仲間たちが、毎日俺のそばにいてくれてさ、昔話とかしているうちに、だんだん精神が回復してきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こうして玉置さんは、徐々に回復し再び歌手として再出発することになるのです。
そこで生まれた曲が、「田園」だったことがこの本を読んで始めて分かりました。
田園の歌詞には、次のフレーズが繰り返されるのです。

”生きていくんだ、それで良いんだ”

ワインレッドに代表されるラブソングで大ヒットを量産していた玉置さんにとって、このような歌詞が売れるとは思っていなかったそうです。
そして、自分の経験から生まれた、本心をうたった「田園」がミリオンセラーになったのは、本当に嬉しかったと書かれています。

玉置さんの半年間の静養に似た治療が必要な方がとても多くいらっしゃるのではないかと思います。もしかしたら僕もそうかも・・。
そんな状況のときに、薬漬けにされる3ヶ月の入院はどんな結果を招くのでしょう?
もちろん必要な状況があることは、十分に承知していますので・・・。



| ひとりごと | 14:14 | comments(8) | trackbacks(0) |


自閉症の女の子の続き・・
JUGEMテーマ:健康

精神疾患と診断されてしまった方の多くに、とても魅力的な才能が多いことについて触れました。
自閉症と診断された患者さま感じることに、ユーモアのセンスがあります。
我々が行う通常のコミュニケーションが困難なのに、どうしてそんなことを感じるのか?
なんとも説明ができないのですが、物の見方とか感じ方とか表現とか・・素晴らしくセンスのよいユーモアがあるのです。

今回ご紹介している女の子もそうでした。
採血するときには、診察室の中を歩き回り、結局のところ僕が羽交い絞めに抱きしめて、その間に看護婦さんが採血をするという、ちょっと残酷な光景になりました。そのことが本人にどのような影響があったのか心配だったのですが、どうやら少し胸をなでおろしました。

栄養療法を始めて3月〜5月の期間にかけて得られた変化やコメントの数々です。

まず検査結果から甘いものの摂取を控えることを指導しました。
そこでやはり本人は、なかなか受け入れることができません。お菓子売り場でかんしゃくを起こします。しかし必要性は理解しています。

まず変化が現れたのは、聴覚過敏の改善でした。
『空港で声も立てずに母親の後をついて来れた。』(以前はしっかりとつかまえておかなくては音への反応によって飛び出していました)

このような変化を感じた後に、障害児のための施設でも甘いものやスナック菓子の排除をお願いし協力してもらようになりました。

そしてしばらくしたときの”かんしゃく”についての彼女のコメントです。

『かんしゃくをコントロールするのは難しい。それは手っ取り早く自分の思いを伝えられるから!』

このように”かんしゃく”について解釈している健常人の大人ってどのぐらいいるでしょう?
”かんしゃく”をただの会話の強制中断であったり、関係の破壊であったり・・あるいはわがままだったり・・そんな感じで使っていませんか?

まだまだ僕を感動させてくれ、楽しい気持ちにしてくれたコメントがあります。
それは、また後日。



| 自閉症 | 11:41 | comments(0) | trackbacks(0) |


前回の続き
JUGEMテーマ:健康

本日の日曜日は、医師向けの勉強会を主催しました。
血液検査データの読み方がタイトルです。その内容で、今回が7回目だったそうです。
同じ内容の講義にもかかわらず、何回も参加いただく先生もいらっしゃるため、こちらも緊張感を保つことができますし、本当に頭がさがります。
繰り返し参加いただく先生方は、ご多忙であることを知っています。いつもありがとうございます。

さてめずらしく続きを書くことができます。
前回の自閉症の患者さまの治療経過についてです。
僕は、多くの精神疾患と診断されて来院される患者さまたちの多くに、とても素晴らしいものが隠されていることを感じます。
それが芸術性であったり、繊細さであったり・・・します。特に自閉症と診断された患者さまには、特別な何かを感じることが多いのです。
診察室で何度も会って話しをしていても、視線が合うことが無かった患者さまと、瞬間だけ目が合い親密さを感じるとき。
まったく会話ができない状態の患者さまでも、握手をしたときに伝わる感触は、健常者と握手をしたときとは異なる感覚が伝わってきます。
そして時にとても高い知識レベルや脳の機能を感じることが多いのです。それは時にユーモアとして表現されることがあります。

今回の女の子もやっぱりそうでした。
お母さまからいただいた、家でのコミュニケーションの記録は、僕を最高にハッピーにしてくれる内容だったのです。

どのような症状の変化や、患者さん本人がどのようにコメントしてくれたか・・また次の機会にお伝えします。
| 自閉症 | 21:21 | comments(1) | trackbacks(0) |


自閉症の患者さまの経過
JUGEMテーマ:健康

自閉症と診断されてしまった場合、日本の医療界では治療法がないことを告げます。そして今後の自閉症のお子さまとの関わり方とか、接し方を医師やカウンセラーが指導します。問題行動が多い場合には、鎮静作用の強い薬を投与することも多くあります。

このブログでもお伝えしましたが、海外に目を向けると様々な治療法の効果について、広く伝えています。
それぞれの治療法のメリットとデメリットなども公平に開示し、どの治療法を選択するかは、家族にゆだねています。

今日から何回かに分けてご紹介する患者さまは、八重洲で栄養療法を始めた自閉症の女の子です。
その子のご両親は、自閉症の娘さんの可能性を信じていました。情報を集め、自分達で信頼できる治療法を探されたのでしょう。八重洲を受診する前にすでに、数年にわたって自閉症の治療を娘さんへ行われていました。
その結果として、重度の自閉症と診断されていた娘さんは、1語の単語を話すことが可能になっていたり、チョイスボードと言われるコミュニケーションツールによって、簡単なコミュニケーションがとれるようになるまでになっていました。

そのような状態のときに、そのお子さんのお母さまの体調が著しく悪化し、お母さまの入院治療が必要になってしまいました。退院後、多くの抗精神病薬を使用しても改善がないため、ご自分の症状を改善させるために八重洲のクリニックを受診していただきました。
約1年の治療によってお母さまは、まだまだ疲れやすい状態ですが、多くの症状に改善傾向を認めました。

そこで自閉症の娘さんへ、八重洲の栄養療法が効果的ではないかと考えられました。
自閉症の娘さんが八重洲のクリニックを受診してくれたのは、今年の2月末のことでした。



| 自閉症 | 01:04 | comments(0) | trackbacks(0) |


講演会の報告です
JUGEMテーマ:健康

昨日は新宿溝口クリニック主催の講演会でした。
昨年は雨でしたので、心配していたのですが、初夏を思わせる素晴らしい天気でした。
約300名の方々に参加いただき、講演会の会場もほぼ満員となり準備していた私達としてはとても嬉しい一日でした。
お忙しい中、足をお運びいただきましてまことにありがとうございました。

講演の内容は、昨年と同様に大沢博先生を特別講師としてお招きし、講演の前半を担当していただきました。
血糖値の調節障害である低血糖症について、日本で紹介した当時のエピソードから、アルツハイマー病と砂糖の関係など、新しい知見についても紹介頂きました。

さて僕の担当では、最近の医師向けの講演会などで紹介している内容を、一般の方へも分かりやすいように資料をつくり、昨年から今年にかけての患者さまの治療経過などもスライドにした結果、持ち時間が60分にもかかわらず70枚以上のスライドになってしまいました。
結局、時間を過ぎても予定の資料を説明できず、後半は10枚以上のスライドを次々と飛ばしてしまい、申し訳ありませんでした。

昨日の講演会には、新宿、八重洲、辻堂の3つの施設でこの治療に取り組まれている多くの患者さまが参加してくれました。
初診時とは別人のように、明るく元気になられている多くの患者さまのお顔を講演中に見ることができ、本当に嬉しく思いながら話をすることができました。
そんな中、実は昨日は2組の新婚さんが参加してくれました。2組の新婚さんの合計4名は、皆さん新宿で治療中の患者さんです。
それぞれお知り合いではありませんが、偶然にも昨年のクリスマスに入籍されているのです。
お一人の女性は、統合失調症の診断で投薬治療中でした。もうお一人の女性は、うつ病で投薬治療中でした。お二人とも、投薬治療によっても状態は良くなく、多くの症状で苦しまれていました。
治療を始めて、お二人とも3年が経過しています。すでにお薬は止められました。日常生活でも問題はありません。若い二人で頑張って生活されています。

新宿を開院してから5年が経過しようとしています。
ご紹介した2組の新婚さん以外にも症状の改善によって結婚された患者さまが数名いらっしゃいます。この治療によって精神症状だけでなく、体力が向上し生活の質が明らかに改善したことをお話してくれます。この治療ならではの改善経過ですね。

講演のあとにご相談いただいた栄養療法をまだ行っていない患者さまのご家族の方々、是非とも勇気をもって治療に取り組んでいただきたいと思います。
先ずは、講演の中で紹介した食事の注意点を実行してみてください。それだけでも何かしら変化があると思います。

| - | 21:20 | comments(0) | trackbacks(0) |


明日は講演会
JUGEMテーマ:健康

明日はクリニック主催の講演会です。
今年も岩手大学名誉教授の大沢博先生をお招きしています。
300名を超える方々が参加してくれると聞いていますので、いつにも増して緊張してきました。

今回は、カナダの学会での報告やホッファー先生との話の内容なども交えて話をする予定です。
なぜ栄養療法が、脳のトラブルにこれほど効果を上げるのか??
その理論的な背景を、自分なりにまとめてみたので、そのことについてもできるだけわかりやすくお伝えする予定です。

脳は、単一の栄養素を補っても決して機能が上がるようなものではありません。お薬にしてもそうです。

単独で問題を解決できる魔法の弾丸など存在しない!(エイブラム ホッファー談)

統合失調症失調症を起こす様々な各論的な原因は、全て低血糖症の海の上に浮いている(マイケル レッサー 米国精神科医)

偉大な先輩医師たちの言葉は、血液検査データを解釈して栄養療法アプローチを組み立てていくと、その重みが理解できます。

講演で使うスライドも準備できました。
今回は、スタッフが参加された皆様への配布資料も作ってくれたようです。

皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。

| ひとりごと | 18:36 | comments(0) | trackbacks(0) |


5/17の講演会について
JUGEMテーマ:健康

5月17日はクリニック主催の講演会です。
詳細は、ブログの上方にあるお知らせをクリックしてください。

昨年は、会場の関係でお断りしなくてはならない方々がいらっしゃったため、今年は少し会場を大きくいたしました。
その関係か? まだお席に余裕があるとのことなので、もしお時間がありましたら是非聞きにいらしてください。
大沢先生は、この分野では日本でのパイオニア的な存在でいらっしゃいます。低血糖症については、僕がその存在すら知らないときから日本に紹介し、その危険性について地道に話をされてきました。その過程では、反対団体からの嫌がらせや妨害などを受けてこられたそうです。それらのエピソードも交えてお話いただけるものと思います。

僕の話の内容は、最近ドクターを対象に脳の機能について話をしていますが、その脳の機能と栄養の重要性についてを分かり易くお伝えする予定です。今月始めにカナダのビクトリアへホッファー先生を訪ねたときの内容などについてもお伝えする予定です。

新宿や八重洲で治療中の患者さんやそのご家族の多くもいらっしゃると聞いています。皆様お一人お一人に話をすることは難しいと思いますが、講演の前後にはできるだけ会場周辺でうろうろしていますので声を掛けてください。

| ひとりごと | 09:36 | comments(1) | trackbacks(0) |


メタボリックシンドロームの勉強会
JUGEMテーマ:写真

今日は、ドクターを対象としたメタボリックシンドロームの勉強会でした。
急遽、僕の師匠も講義を担当してくれることになり、緊張した良い雰囲気の勉強会になりました。
メタボリックシンドロームでは、ウエストの大きさが診断基準になったことで、一般の方々にも有名ですね。
男性は85cm以上、女性では90cm以上のウエストが必要条件になります。つまり肥満か肥満気味ということがメタボの診断には必須項目になります。

このウエストが診断基準になったのは内臓脂肪の蓄積を反映するためですが、内臓脂肪の増加と言うのはインスリンの効きが悪くなる状態であるインスリン抵抗性を示すことになります。
うつ病や統合失調症などの患者さまにも、ある時期から急激にお腹周りに脂肪が蓄積し体重が増えることがあります。そのようなときには、血糖値をコントロールするために必要なインスリンが過剰に分泌されていることを示します。つまりインスリン抵抗性が形成されていることになります。
つまり多くの精神疾患の患者さまがメタボと言うことになります。

さてこのブログでは、メタボリックシンドロームについてはあまり取り上げていません。血糖値の調節に障害がある低血糖症については、メインテーマとして繰り返し取り上げています。
ちょっと上手く伝えられませんが、メタボリックシンドロームと低血糖症とは表裏一体、基本的な病態はほぼ同じと考えて良いと思います。
もうちょっと突っ込んでしまうと、肥満を伴わない低血糖症の場合には、メタボリックシンドロームと診断されるよりも、かなり以前の病態であることが理解できるのです。

きっとメタボリックシンドロームと診断された方の中には、夕方の急激な体調不良や集中力の低下、あるいは時に精神的な不安定さを感じていると思います。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:40 | comments(0) | trackbacks(0) |


最近の患者さんの言葉から・・
JUGEMテーマ:健康

カナダから帰り通常のリズムに戻りました。
カウンセリングをしていて、とても印象に残った患者さんの言葉などを紹介します。

『最近の電車って楽しいですねっ!』

これはパニック障害の診断を受け、10年以上も電車などの交通機関を使っていなかった女性の患者さんの言葉です。
電車に乗って、映画を見に出かけることになったそうです。こんなことも10年以上していません。

電車に乗ると、車内にはテレビがあるんですね!
そのテレビを見続けていて首が痛くなったそうです。
そういえば、車内でニュースやCMの映像を流すようになったのはここ数年のことですね。
そしてもう一つ驚かれたことがあるそうです。それは電車のドアを閉める前に流れる曲のことです。
最近は、駅によって特色のある音楽が流れ、音楽がとまると『ドアが閉まります』と女性の声がしますね。ちょっと前までは、ヒステリックなベルというかブザー音でしたね。
10年ぶりに乗った電車は、見るもの聞くものが新鮮で楽しいひと時だったそうです。

先日、自分が運転している車でパニック発作が起こったそうですが、その発作が低血糖による症状であることを理解していたので、すぐにハンドバックからアーモンドを取り出して食べ、コンビニの駐車場に止めて発作がおさまるのを待っていたそうです。
このように冷静な対応ができるのも、自分の症状が起こる理由やメカニズムを理解しているからと言えるでしょう。

そしてもう一人別の患者さんです。

『先生、私が一番真面目ですよっ!!』

これは、女子高生の患者さんのコメントです。
この患者さんは、”げっぷ”が出続け、さらに強い疲労感を伴なっていたため、学校へ行くことが出来ない状態でした。来院時には診察室でもゲップをとめることが出来ず、ソファーで横になっていることが多かったです。

根気良く栄養療法を継続頂き、ゲップの症状が改善し体力もついてきました。
今年の冬にはスキー教室へも参加することができ、学校も自習室への通学が再開されていました。
そして今年の4月から通常の教室への通学をしてみたところ、クラスメートの多くが遅刻をし、授業中は寝てる友達が多いことに驚いたそうです。
そこで出たのが、
『私が一番真面目ですよっ!!』

朝から教室で授業をうけることができ、今月になって体育の授業にも参加することができたそうです。
そんな普通の学生生活を栄養療法を行ってやっとできるようになったとき、周りを見回すと元気な友だちは、学校で得られる貴重な機会をおろそかにしていることにビックリしたのかもしれません。


| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 16:20 | comments(0) | trackbacks(0) |


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