うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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赤ちゃんのアトピーへのママの挑戦!
JUGEMテーマ:健康

『成果が現れました!』
というタイトルのメールが届きました。
そのメールは、1歳になる娘さんがアトピー性皮膚炎と診断されているお母さんから送られてきたものです。

これまでは、処方されたステロイド軟こうを塗っても、塗っているうちは少し改善するものの、ステロイド軟こうを塗るのを止めるとすぐに湿疹が増悪することを繰り返していました。
そして大病院の主治医へステロイド軟こうを使わないでアトピー性皮膚炎の治療をしたいと希望したところ、アトピー性皮膚炎はステロイド軟こうを使わなくては治らないと厳しく言われ、診察室でバトルになっていたそうです。

そしてどうやって離乳食を始めたばかりの赤ちゃんに栄養療法ができるか相談いただいたのです。
亜鉛の錠剤をすりつぶし、ミルクに入れること。ビタミンBコンプレックスのカプセルを開けて中身をいろいろなものに混ぜること・・・
離乳食は、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜を使って、できるだけβカロチンの摂取量を増やすこと、そして砂糖を控え、冷ました緑茶を止め麦茶に変更する指示をしました。

その後いただいたのが表題のタイトルのメールで、次のような内容でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最近、亜鉛ミルクも残さず飲むようになり、亜鉛を1日1粒飲めるようになりました。
スキンケアは、天然クリームとオーガニックオリーブのかけ湯を続けたら肌がシットリしてきました。天然クリームも赤いところだけで全身にはあまり塗らなくてもつるつるしてきました。
でもちろん食事も野菜、にんじん、ピーマン、カボチャを増やして、お茶を緑茶から麦茶に変えました。
調子がいいんです!
8月にはステロイドを赤いところだけに2.3回しか塗ってません!!
市民病院の先生に胸を張ってステロイド塗ってなくてこの綺麗さと言えそうです!
先生これからも栄養療法を母子共に頑張ります!
先生ありがとうございます!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

”母子ともに・・”って書いてあるのは、お母さんもこの治療を以前からずっと続けているからです。
以前に何度かこのブログでも紹介したことがある方です。
とても重度の強迫性障害で、多くのお薬を飲んでいました。
食事の変更とサプリメントの併用、そしてカウンセリング・・症状の改善と共にお薬を止めることができました。
いまでも軽い症状がでることはありますが、日常生活に支障をきたすことはありません。
それどころか、メールにもあるように大病院の医者とバトルして娘さんの治療に立場をとっています。
| アトピー性皮膚炎 | 22:32 | comments(1) | trackbacks(0) |


ストレス関連疾患特集
JUGEMテーマ:健康

医者が読む内科系の雑誌の編集委員をしています。
編集委員といってもインターネットでどんな特集にするかとか、その場合にはどんな内容で適した執筆者は誰かとか・・・そんな意見交換をしています。

今回は、『ストレス関連疾患』というタイトルで特集が組まれることがメールで知らせられました。
候補となる目次をみると・・・

パニック障害とかうつ病などから、内科的な高血圧や糖尿病、リウマチなども含まれておりなかなか良い項目です。
ただ、そこにはストレスでもっとも影響をうける副腎の機能評価や、副腎の機能障害による様々な症状の評価などの項目がありませんでした。

そこでなんとか副腎機能低下とストレス疾患(症状)の関係についても取り上げもらいたいと思い、”副腎疲労症候群”をとりあげたらどうでしょう??と提案しました。

これが大失敗だったのです。

”副腎疲労症状群”という病名のような言葉(単語)を使ってしまったため、別の編集委員の方から待ったがかかってしまいました。
”副腎疲労症候群”という言葉は、欧米では一般書で取り上げられ、多くの臨床医でも認知されている概念(考え方)ですが、病名(傷病名;診断名)としては認知さていない状況です。

当然ですが副腎疲労症候群という病名は、日本の教科書には載っていません。
教科書に載っていないことは、なかなか書面で出すということに抵抗があるのは理解できます。(だけど解決できない症状に病名はないですよねぇ〜)

ということで、きっと僕の提案は受け入れられないことでしょう。
先はまだまだ長いです。

ただストレス関連疾患(症状)を特集するのであれば、副腎機能の評価とその対策については、内科系の雑誌としては取り上げるべき内容との思いは今も強く持っています。

”副腎疲労症候群”という言葉(単語)を使ってしまったのが失敗でした。
権威筋は変化(新しいもの)を受け入れられないのしょう。
| ひとりごと | 10:32 | comments(4) | trackbacks(0) |


改善の質
JUGEMテーマ:健康


一昨日の診察室での会話です

「先生、僕 会社を辞めようと思います。」

30歳の男性で、今の職場の人間関係などで悩んでいたことを知っていましたし、職場がその患者さんに向いていないように感じていたので、会社を辞めることには賛成しました。そしてその後はどうするのかを質問してみました。

「勉強しなおそうと思っています。大学院に入って経済を勉強したい。」
「将来的には、会計士のような資格をとりたいのです。」
「もう一度、勉強ができる状態になるなんて、考えていなかったのです。」

そのような職場は、この患者さまにピッタリです。
うつ病の診断を受け、長年にわたり投薬治療を受けられていました。
八重洲のクリニックを受診され、栄養療法を始めて約2年です。

高校3年のときに発症したそうです。
急速に集中力がなくなり成績が落ちます。ひととの関わりに困難さを自覚するようになりました。
どうにか大学を卒業し、就職したものの、集中力がなく体が重く、頭痛を繰り返す状態が何年も何年も続きました。
以前受診した医療機関の多くは、うつ病の診断をくだしていました。投薬内容もそのような処方でした。

自分は本当は勉強することが大好きだったこと。そして発病してからの10年以上は、また勉強が楽しくできる頭の状態になるとは思っていなかったのです。
しかし2年弱の集中的な栄養アプローチによって、意欲が向上し集中力がもどってきたことを実感されたのでした。
そして、冒頭のセリフのように「会社を辞めようと思います。」となるのです。

今日の外来では、統合失調症と診断されてしまった女性の患者さま5度目の外来受診の日でした。
そこで聞かれたことも同様でした。
「先生、また勉強できるようになりますか?!」

多くの患者さんは、テレビが見れるようになり、本が頭にしっかりと入ってくるようになる経過をとても喜ばれます。
新しい情報を得ることとは、人間のとても本質的な欲求なのかもしれません。

抗精神病薬を投与するだけの治療では、このような改善の質は得られるものではないのです。
| うつ病 | 23:30 | comments(4) | trackbacks(0) |


本日の栄養解析から・・
JUGEMテーマ:健康


血液検査データや自覚症状の変化などの資料が揃うと、僕のところへ栄養解析の依頼が来ます。そしてデータの変化や症状の変化などから、レポートを作成しこの先の栄養アプローチの指針を作ります。

今日解析した患者さんのお一人についてご紹介します。

30歳代の男性の患者さまです。
約10年前に発症し、統合失調症の診断を受けました。
その後は、当然ですが投薬治療となります。
ご家族が図書館で僕の本を見つけ、ご本人も読んでくれたそうです。
2006年の秋に新宿のクリニックへ連絡をくれました。

そのときの主な状態です。

・朝起きられない、夜もなかなか寝付けない
・すぐに疲れてしまう
・集中できない
・人が自分のうわさをしているような・・・
・アトピー性皮膚炎で薬を塗らなくてはいられない

初診時の栄養面での問題です。

・低コレステロール
・亜鉛不足    この2つの問題は、精神面だけでなく皮膚炎にも深く関係します。
・ビタミンB群の不足
・血糖値の調節障害(いわゆる低血糖症)
・タン白質の代謝低下

そして栄養療法が始まりました。
糖質制限とタン白質の摂取増加、そしてサプリメントによる補充です。

この2年間、症状の一時的な増悪などがありましたが、ご本人、ご家族・・・本当に一生懸命に取り組んでくれました。
この期間に英語の勉強を集中してできるようになり、TOECの試験などに挑戦しました。
そして結果をだされていました。
体力もついてきているのですが、人との関わりについての障害は残る症状でした。

今回の検査データはとても良好な状態になってきていました。

そして採血時に記載いただいた資料です。

<改善したと思われる点>
●腕と脚のアトピーが良くなり、薬も塗らずに済むようになった。
●頭皮のフケが以前より出なくなった。
●犬の散歩中に初めての人とよく話をするようになり、前より人を信頼出来るようになった。人と世間話(犬の)を話せるようになり、自分に自信を前より持てるようになった。
●寝つきは悪いが、起きたい時間に起きられるようになった。

そして9月からアルバイトが決まったそうです。
人との関わりに不安を持ちながらの・・・ご本人の勇気ある選択であり挑戦です。

様々な状況で深く傷つき、人との関わりが困難になっていた期間が約10年です。
人と話をするようになること・・・人を信頼すること・・・自分に自信をもつこと・・・どれほどの勇気ある選択だったことでしょう。

栄養面からのサポートしかできませんが、9月からのアルバイト・・・それだけで大きな成果です。
無理しないで、そしてがんばってください!!




| 統合失調症 | 13:12 | comments(2) | trackbacks(0) |


久しぶりに取材を受けました
JUGEMテーマ:健康

取材の依頼をほとんど断っていたら、あまり依頼がなくなりました。
特にテレビの収録はひどいです。
製作側の意図にあったコメントだけが画像でながれてしまうので、こちらが伝えたいことは180度反対のこともあるほどです。

さて今回取材を受けたのは、30歳前後の女性をターゲットにした一般誌です。
どうして取材を受けたか・・

・女性のちょっとした心のトラブルなどへの栄養療法アプローチについてでだったこと
・記者さんが、すでに栄養的なこれまで勉強会へ参加してくれていたこと
・記者さん自身もすでに栄養療法アプローチを試みていること

こんなことが取材を受けた理由でした。
栄養療法アプローチをされている記者さんは、目覚めの違いについて実感されていました。

取材の直前に、30歳代の女性のうつ症状の改善についてのカウンセリングを行なったので、その方のデータを参考にしながら栄養障害と精神症状や不定愁訴の関係についてを説明しました。

一気に話すだけ話してしまいましたが、どのような記事になることやら・・


| ひとりごと | 16:57 | comments(0) | trackbacks(0) |


ビタミンB群を効かせるために・・
JUGEMテーマ:健康

私達の身体が機能するということは、酵素反応が円滑に行われていると言うことであり、脳内の神経伝達物質の合成もその例外ではありません。
このブログで繰り返しお伝えしている、メンタルとか精神とか・・気持ちとか・・そのようなことも、神経伝達物質のバランスで説明できるとしたら、そのような精神的なトラブルも酵素反応が左右しているとも言い換えられます。

とても大切な酵素反応が円滑に行われ必要な物質が充分に合成されるためには、補酵素が必要であることと、その補酵素として重要なものがビタミンB群であるとを前回のブログでお伝えしました。そのため、ほぼ全員と言える患者さんへビタミンB群は処方しています。栄養療法の効果が得られるかどうかは、ビタミンB群の効きに左右されます。

そしてビタミンB群は、補酵素として機能するためには活性化される必要があるところまで前回お伝えしました。

ビタミンB群(ビタミンB1,B2,ナイアシンなど)が活性化され補酵素として働くときの分子構造から考えましょう。

統合失調症、うつ病、パニック障害などの精神疾患の治療に必ず必要となるナイアシンについて例を挙げてみます。
ナイアシン(ビタミンB3)は、ニコチン酸(タバコのニコチンとは無関係)とも言われ栄養療法では、ナイアシン特有の顔面紅潮などの作用を考慮してナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)が用いられることも多くあります。

ナイアシンが活性化されたものは、NADとかNADPと呼ばれます。それぞれの正式名称は、

NAD:ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド
NADP:ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・リン酸

これらの活性化されたナイアシンの名称は、その分子構造を示すものです。
つまりNADもNADPも、基本的には、ナイアシンアミドにアデニン・ジヌクレオチドが結合した構造です。
私達の身体で、アデニン・ジヌクレオチドという分子は、核酸(DNAとかRNA)とうい物質から供給されます。
核酸は、ほとんどの細胞に含まれる核の中に含まれる物質です。壊れた細胞から出てきた拡散は再利用されることと、食材に含まれる原材料から核酸が合成される経路があるために、核酸を食材やサプリメントから摂取する必要性は無いと考えられていました。
しかし様々な消耗性疾患の病態改善に、核酸をサプリメントとして供給することで、非常に高い効果が得られることや、病態を改善させるときには体内で合成する核酸だけでは不十分なことも分かってきました。
そして重要なことは、栄養欠損が存在するときには核酸を自分でつくる能力が低下してしまうということです。つまり栄養療法が必要なような状態のときには、ビタミンB群を活性化させるために必要な核酸が不足しやすい状態になっているのです。

私たちのクリニックで使用しているビタミンB群のサプリメントは、1カプセルに25mgのビタミンB群が含まれるように調整されています。含有量が多いことを特徴にしている海外のサプリメントには、B50とかB100とかの名称で、それぞれビタミンB群が1カプセルに50mgとか100mgとかを含んでいるものもあります。
しかし、ビタミンB群のサプリメントに核酸を含有させているものは、私たちのクリニックで使用しているサプリメント以外には、おそらく存在しないのではないでしょうか?

積極的に栄養補給が必要な状態では、ビタミンB群と核酸を同時に摂取し、ビタミンB群が活性化されやすいようにしなくてはなりません。ところが、多くのサプリメントメーカーは、ビタミンB群に核酸を含有させることはありません。
ビタミンB群のサプリメントを作るときの主原料であるビタミンBにかかるコストは、ビタミンB2を例にすると、1gあたり 17円と非常に安価です。つまり主原料であるビタミンB群の含有量を増やしてもコスト的な負担は非常に少なくてすむ栄養素です。
一方核酸の原材料費は、 1gあたり 4000円でありビタミンBの原材料のコストとは比較にならないほど高額です。

これが1カプセルに含まれるビタミンB群の量が25mgにも関わらず、1カプセルに含まれるビタミンB群の量が50mgや100mgのサプリメントよりも高額になってしまう理由なのです。
ボトルに書かれている成分表示では、今回お伝えしたようなことはとても伝わらないことと思います。
コストよりも治療効果を重視したものを作るときには、このように主原料よりも副原料にこだわることが必要になることがあるのです。


| ひとりごと | 21:07 | comments(35) | trackbacks(1) |


ビタミンB群を効かせるために
JUGEMテーマ:健康

ビタミンB群が身体の中でしっかりと働くということは、ある意味では栄養療法の効果を上げる為への必要条件と言うことができるかもしれません。
そのために、ビタミンB複合体のサプリメントは、ほとんどの患者さんの栄養療法で選択しますし、可能であればビタミンB複合体は、クリニックからのサプリメントを選ばれることをお勧めしています。

低血糖症の患者さんは、糖質の代謝を改善させることが治療の中心になりますが、その場合には、ビタミンB1がしっかりと働く環境にあることが必要です。
また栄養療法の基本になるタン白質の代謝にはビタミンB6が機能しなくては始まりません。
またうつ病、パニック障害、統合失調症などと診断される様々な精神症状だけでなく、診断がつかない強い疲労感やなんとなく不安とかイライラする、多動傾向である、集中力がない・・などの不定愁訴などが神経伝達物質のインバランスで説明されるようになっていますが、その神経伝達物質の生合成には、ビタミンB6やナイアシンなどのビタミンB群が深く関係しています。

このように栄養素の代謝や神経伝達物質のバランスを維持するためにとても重要なビタミンB群ですが、その働きの多くは補酵素としての働きによって発揮されるものです。

ここでちょっと説明します。
身体の中では、主に食材から摂取した物質(栄養素)から、身体にとって必要な物質へ作り変えられます。
この物質Aから別の物質Bへ作り変えられる、途方も無く多くの反応によって私達の身体が作られ、機能していると言うことができます。
そしてこの 
物質A ⇒ 物質B 
の反応の多くは、酵素の存在によって進行しています。
そして重要な反応に必要不可欠な酵素というものは、補酵素や補因子がなければ酵素反応が充分に発揮されないのです。

くどくなりますが、もう一度別な角度から説明しますと・・・・
必要な原材料(タン白質・糖質・脂質など)から、身体で機能する物質へ作り変えるためには、その反応に必要な酵素が働くための補酵素(補因子)が無くてはならないということです。

ビタミンB群が持つ効果は、ビタミンBが補酵素として働くときに発揮されます。
食材やサプリメントとして吸収されたビタミンB群は、体内で補酵素として働くときには、そのままの形ではなく活性化されてから補酵素として働くようになるのです。

つまりビタミンB群のサプリメントは、1カプセルに含まれるビタミンB群の含有量も重要な要素ですが、吸収されたビタミンB群が活性化されるかどうかが、治療効果を得られるかどうかの大切な要因になるのです。

ビタミンB群の理解は栄養療法では、とても大切なことなので長くなってしまいました。
次回は、ビタミンB群の活性化と栄養状態の関係についてお伝えしようと思います。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 15:08 | comments(1) | trackbacks(2) |


サプリメントの効果を上げる為に・・
JUGEMテーマ:健康

連日、北京オリンピックでの一流選手のパフォーマンスに感動しますね。
最近はアマチュア選手でも多くのスポンサーと契約していることが多く、当然サプリメントのメーカーとも契約していることが多くあります。
仕事柄、一流スポーツ選手の血液検査データを見て、栄養的なアドバイスをすることもあります。
今回の北島選手を破ったことがある水泳選手、大きな国際大会で優勝経験がある女子マラソン選手、有名なアイドル選手よりも実力が上の女子ビーチバレーの選手・・・皆さんから共通して言えることは、栄養面は決して一流じゃないってことです。世界レベルには、かなり才能が関係すると感じたものです。
検査データをもっと良好にすれば、コンスタントに良い成績が残せるのではと思っています。

これまで数回にわたりサプリメントについてお伝えしてきました。
今回は、サプリメントに含まれる栄養素の効果を最大限に出すためには、様々な工夫が必要であることについてお伝えします。
同様の内容は、カルシウム製剤にビタミンD3を混入していることでもお伝えしました。

今日は、ビタミンB群のサプリメントについてです。
クリニックで栄養療法に取り組まれる患者さんには、ビタミンB群のサプリメントはできるだけクリニックから提供しているものを選択いただくようにお勧めしています。
代謝の改善や神経伝達物質の生合成の調節には、とても重要な栄養素だからです。

ビタミンBは、マルチビタミンのサプリメントに含まれるときには、1日に摂取するマルチビタミンに含まれる量は、ビタミンB1、B2、B6などがおよそ2〜3mg程度含まれるように調整されています。
これは、厚生労働省が定める1日必要量が1mgなので、その2〜3倍含まれていれば充分であろうという決め方です。

一方、クリニックで使用しているビタミンBは1カプセルにそれぞれのビタミンB群が25mgに調整されています。それどころか、海外のサプリメントでは、B-50とかB-100とかの名称がついているものがあり、それぞれビタミンBが1カプセルに50mgとか100mgとか含まれています。B-100だと厚生労働省が決める必要摂取量の100倍が1カプセルに含まれることになります。

次回は、ビタミンB群が身体の中でどのように機能しているのか、そして摂取したビタミンBが身体の中で効果を発揮するためには、ビタミンBの他にどのような栄養素が関係するのかなどについてをお伝えします。



| ひとりごと | 20:51 | comments(4) | trackbacks(0) |


サプリメントの成分表示
JUGEMテーマ:健康

サプリメントは、食品衛生法などの食品を扱う法律によって内容量などの表示について規制されています。
今回は、そのためにかえって内容が良くわかなくなっていることや、誤解を招くことになっていることをお伝えしようと思います。

クリニックで使用している鉄剤は、名称を『ヘム鉄』と言います。このブログでもお伝えしたように、動物性食品に含まれる鉄にはヘム鉄が多く、植物性の食品には非ヘム鉄が多く含まれます。
ヘム鉄と非ヘム鉄では、吸収方法が異なるため、私たちの身体(腸の粘膜)は、全く別の栄養素と判断しているようです。
ところが食品表示を制限する法律では、鉄をヘム鉄と非ヘム鉄を区別することは定めていません。そのため、鉄を含むサプリメントでは、鉄として何mg含まれていると言う表示になります。腸管は別の栄養素と区別しているにもかかわらずです。

このようなことを前提に、サプリメントの表示を見てみましょう。
クリニックで使用している『ヘム鉄』をタイプA、一般に市販されている低価格を売りものにしている『ヘム鉄』をタイプBとしましょう。

1カプセルに含まれる表示されている鉄の量
・Aタイプ → 8mg
・Bタイプ → 6mg

この量がサプリメントで表示義務がある栄養素の量になります。
しかし実際には、鉄の全体に占めるヘム鉄の量に大きな差があります。

1カプセルに含まれるヘム鉄としての鉄の量
・Aタイプ → 5mg
・Bタイプ → 0.16mg

1カプセルあたりの値段
・Aタイプ → 90円
・Bタイプ → 10円

Aタイプは、1カプセルあたりの値段は、9倍になります。しかし鉄を中心としたサプリメントで原材料が最も高額なものはヘム鉄になります。
Aタイプは、Bタイプの約30倍のヘム鉄を1カプセルに含有させています。

ところがサプリメントの名称が同じ『ヘム鉄』と書かれていて、そしてラベルの表示に

”鉄 ○mg”

と書かれていたら、その鉄が全てヘム鉄由来の鉄と一般の方々は判断されてしまうのではないでしょうか?
Bタイプの大部分を占めるヘム鉄以外の鉄の材料として何を使っているのかまでは知りませんが、Aタイプの残りの3mgの鉄も、普通の非ヘム鉄ではなく、吸収効率を考えた鉄を含む原材料が使われているのです。

今回ご紹介したように、ラベルに表示されないところで様々な工夫がなされています。また逆に見るとラベルの表示を同じようにしていくらでもコストを低く抑えることは可能なのです。

鉄剤は、女性によく選択されます。
貧血を指摘されたことがある女性には、医者から出された鉄剤は胃腸障害の副作用が強くて飲めなかったとおっしゃることが多くいらっしゃいます。
そんな女性も、ヘム鉄であれば安心して服用することができます。
このように本来であれば、保険適応とされるべきものですが、現在の制度から考えると保険の薬になることは無いのです。

| ひとりごと | 17:15 | comments(6) | trackbacks(0) |


サプリメントの違いについて・・その他
JUGEMテーマ:健康

サプリメントについてお伝えするときに、値段のことを話題の中心にするのは、書く自分もあまり気持ちが良いものではありません。読まれる方には、お伝えしたい本質をご理解頂いている方もいらっしゃれば、値段のことに注意が向き他の内容が読めなくなる方もいらっしゃるかもしれませんね。

栄養療法は、クリニックからのサプリメントがなければダメなのか??
NO! ノー! NO!! です。

このブログをお読み頂き、膨大な情報を実践されることで栄養療法は可能ですよ!!
クリニックで提供しているサプリメントを使わなくても可能ですよ!!
事実、講演会などでお会いする皆さまの中には、ブログの情報を実践したことによって症状が劇的に改善し、減薬などが可能になったとお話を聞くことが多くあります。

先ずは、お食事の注意点だけでもしっかりとやってみてはどうですか??
クリニックから提供するサプリメントは1つの手段であって、それがなければならないということではありません。
新宿のメンバーとして治療される場合には、クリニックから提供するサプリメントをご利用いただいています。八重洲の患者さんは、保険内で対応したり、自分でサプリメントを選択されている方もいらっしゃるのです。
そのようなやり方にしているです。ご理解いただければよいのですが・・・・。

今日は、診察室での出来事をひとつ。

若いママが来院されました。
最初にクリニックを受診してくれたときには・・・
やっとハイハイしだした自分の子供を、かわいいと感じるのだが、かわいがれない。
叩いてしまいそうになる。
イライラし、泣き声がわずらわしく、自分で世話することができない。
過食を抑えることができず、体重が増えた。
感情は激しく動き、泣きさけぶこともある・・・・

根気良く栄養療法に取り組まれ、9ヵ月後より明らかな改善傾向を自覚することができるようになりました。自分のお子さんと一緒に居られる時間も増えてきます。いろいろなしぐさなどで心からかわいいと感じることができるようになります。

そして1年3ヵ月後となる今回の受診時の診察室での会話です。

ママさん「とても落ち着いています。」(自然な笑顔で・・)
溝口  「良かったですね。お子さんと公園とかデビューしましたか?」
ママさん「苦手な人がいるときには、無理に行かなくても良いんだって、思えるようになって・・・とても楽に楽しく公園にも行っています。」

他にもいろいろとお話を聞きながら、現在の病状を判断しました。
そしてそろそろその方の診療を終えようと思い・・

溝口  「他に何かありますか?」
ママさん「・・・・・・本当にありがとうございました。」(目を潤ませながら・・)

最後の言葉が無くても充分に感動していたのですが、駄目押しされてしまいました。
マタニティーブルーとか、産後うつとか・・いろいろと病名のようなもが着いています。
それらの症状とコレステロールの低値の関係は指摘されているのですが、栄養アプローチは推奨されていません。治療は抗うつ剤を中心とした薬物療法です。

今日ご紹介した患者さんが、栄養療法を選択し実践したことは、自分の症状が改善しただけでなく、小さなお子さんの成長にどれだけの大きな意味があることでしょう!!

薬による治療では決して得られない治療効果です。
普通の医療では得られない、この治療にたずさわることによって感じることができる喜びの質なのです。
| ひとりごと | 23:36 | comments(10) | trackbacks(1) |


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