うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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患者さんの経過  その4  検査データの解説
JUGEMテーマ:健康

新宿のクリニックで行っている栄養療法は、そのなかでも分子整合医学(オーソモレキュラー医学)に基づいて行われるものです。
病態の把握や、治療の効果を血液検査データで評価するため初診時から定期的に血液検査を行います。

前回は、30歳代男性の初診時のデータを紹介しました。
 
精神症状と検査データに関係があるの??
そう思われる方が多くいらっしゃることは理解しています。
ところがオーソモレキュラー療法によって、検査データが改善するときに症状が改善することが多くあります。

前回お伝えした検査データについて、考察しようと思います。

血液中の脂質(本当はリポタンパク)について見てみます。

総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪 のバランスの特徴は、総コレステロールに値と比較してHDLコレステロールが低く、中性脂肪が高いことです。

このようなバランスは、メタボリックシンドロームで良く見られるものです。
HDLや中性脂肪の値は、診断基準にも入っていますね。

このバランスの場合では、インスリンの効果が出ずらくなり、多くのインスリンが必要になります。
そして空腹時の中性脂肪が上昇するのは、食事に含まれる食材に含まれる脂肪分の影響よりも、米・パン・麺・砂糖などの糖質が強く影響します。

またこのときには、有害な代謝産物が産生されるため、その解毒を目的にコリンエステラーゼが上昇するのです。

ですので、この患者さんのデータは食材の糖質の影響によって脂肪が合成され、さらにその過程で有害な物質が産生されていることを示すのです。
その状態は、いわゆるフリーラジカルが多く産生されていて、脳には強いストレスがかかり薬の効果が安定しない状態になるのです。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■ 2009年8月23日 ”脳と栄養のシンポジウム”開催
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○会 場  東京虎ノ門 ニッショーホール
○時 間
  午前の部 -- 10:30〜12:00 (申込み不要)
  午後の部 -- 13:30〜17:45 (申込み必要)
○参加費
  午前の部 -- 無料
  午後の部 -- 医療¥5,000(資料代含)/一般¥3,000
○落語(午前の部)
  古今亭菊志ん 氏
○講師陣
  市来 真彦 先生 (東京医科大学精神科准教授)
  江部 康二 先生 (京都高雄病院理事長)
  大平 哲也 先生 (大阪大学大学院准教授)
  姫野 友美 先生 (ひめのともみクリニック院長)
  廣瀬 久益 先生 (廣瀬クリニック院長)
  溝口 徹 (新宿溝口クリニック院長)

○詳 細 -- http://www.shinjuku-clinic.jp/20090823/
○申込・問合せ -- 新宿溝口クリニック(03-3350-8988


| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 21:44 | comments(0) | trackbacks(0) |


患者さんの経過 その3 初診時のデータ
JUGEMテーマ:健康

 統合失調症の診断ですでに治療をされていた30歳代の男性は、当クリニック初診時には他施設で診断と治療がおkなわれていました。

そこでは、統合失調症の陰性症状と判断され、強いうつ症状を呈していました。
うつ症状だけでなく、動作や会話が非常に緩慢になり診察室では『はい』『いいえ』が遅れてでてくる程度の会話でしかありませんでした。こんなとき時に破瓜型などといわれ予後が不良であると言われることも多くあります。

専門医が診ると、”完成された統合失調症”と判断することが想像できます。

さて、そんな患者さんの初診時の検査データは、以下のようなものでした。

総コレステロール   239
中性脂肪宇      480
HDLコレステロール  35
コリンエステラーゼ  523

AST/ALT     17/16  
γーGTP        35
尿素窒素        9
亜鉛          59

好中球    84%
リンパ球   9%

これらのデータは、体の中で大量のフリーラジカル(活性酸素)が発生していることをしめします。
また内蔵脂肪が蓄積されており、その内蔵脂肪から放出される様々なサトカインも先ほどのフリーラジカルとともに、病態の悪循環を形成していると思われました。

これら脂肪細胞由来のサトカインやフリーラジカルは、細胞の膜を攻撃します。
脳神経細胞は、複雑な形をしており他の細胞と比較しても、フリーラジカルの影響を強く受けることになります。

そしてほとんど言葉を自分から話すことはないのですが、内面では非常に緊張しイライラしていることが検査データからうかがい知ることが出来たのです。



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■■ 2009年8月23日 ”脳と栄養のシンポジウム”開催
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

○会 場  東京虎ノ門 ニッショーホール
○時 間
  午前の部 -- 10:30〜12:00 (申込み不要)
  午後の部 -- 13:30〜17:45 (申込み必要)
○参加費
  午前の部 -- 無料
  午後の部 -- 医療¥5,000(資料代含)/一般¥3,000
○落語(午前の部)
  古今亭菊志ん 氏
○講師陣
  市来 真彦 先生 (東京医科大学精神科准教授)
  江部 康二 先生 (京都高雄病院理事長)
  大平 哲也 先生 (大阪大学大学院准教授)
  姫野 友美 先生 (ひめのともみクリニック院長)
  廣瀬 久益 先生 (廣瀬クリニック院長)
  溝口 徹 (新宿溝口クリニック院長)

○詳 細 -- http://www.shinjuku-clinic.jp/20090823/
○申込・問合せ -- 新宿溝口クリニック(03-3350-8988)
  WEBからのお申込みも可能です。


| 統合失調症 | 14:59 | comments(0) | trackbacks(0) |


患者さんの経過 その2
JUGEMテーマ:健康

 前回ご紹介した患者さんが、八重洲のクリニックを訪れてくれたときは、統合失調症が進み教科書的には、陰性症状と表現される多くの症状を認めていました。

顔には表情が鳴く、会話の受け答えが非常に緩慢であり簡単な『はい』『いいえ』と答えられるような質のものしかできませんでした。

身なりなどにも全く注意を払うことがなく、姿勢も背中を丸め、意欲を感じることができない状態でした。
ときおり上目使いの視線もどこか焦点があわない印象でした。

外出するときには、常にお母さんが一緒に出かけます。
それは、排尿や排便の感覚が鈍くなっているのか、外出中によく失禁してしまうため、下着だけでなくズボンの替えまで持っていなくてはならないためです。

ところが主治医は、統合失調症が発症した当初のような激しい幻聴や妄想がなく、暴れることもない現状を、
”経過良好”
と判断し、前回紹介した投薬内容を変更する意志などは全くありませんでした。

家に居ても寝ている時間が長く、週に2〜3回施設で過ごす時間帯も、人と交流することがなく、ゴロゴロと横になっていて、多くが寝て過ごしているという状態でした。

これまでの経過や初診時の症状から、典型的な統合失調症であり、時間的な経過によって陰性症状が全面にでていると判断せざるを得ないと思ったことを覚えています。

ただお母さんの友人の息子さんが、八重洲のクリニックで栄養療法に取り組まれ、パニック障害が完治したということを励みに、遠くから2週間に一回の通院が始まりました。

次回は、初回の検査結果についてをお伝えようと思います。

| 統合失調症 | 09:21 | comments(6) | trackbacks(0) |


ある患者さんの経過 その1

 今回から数回に渡って、ある統合失調症の患者さんの栄養療法の経過についてお伝えしたいと思います。

ホッファー先生が、精神疾患の患者さんの治療のゴールは社会復帰であり、その結果として税金を納めるということであるのは、すでにお伝えしてきました。

これからご紹介する患者さんは、約3年間の栄養療法によって症状が改善し減薬がすすみ社会のサポートで一人暮らしに挑戦し、作業所で毎日の就労が可能になっています。

現在の状態になるまで、何度か増悪傾向を乗り越えてきています。
決して薬がゼロになり、普通の会社へ就職できたという、完璧な状態ではありませんが、治療に関わった医師としてもとてもうれしく、誇らしい経過であるのでご紹介します。


患者さんは、40歳の男性です。

30歳代の前半に、幻聴と妄想が生じ統合失調症の診断の元、4ヶ月間の入院治療が始まります。
そして数年間の投薬治療の後、約3年前に統合以前の八重洲クリニックを受診してくれました。

お母さんとともに初診に来院してくれたときには、表情は乏しく、それでいて緊張感がありました。
前医からの紹介状には、

・統合失調症 破瓜型
・統合失調症後、抑うつ状態

と診断名が記載されていました。

長期間にわたり継続されていた処方は、
・リスパダール
・セロクエル
・タスモリン
・デパケンR
・レンドルミン
僕から言わせていただけば、多剤併用と言うことができますが、よくある組み合わせであるのかもしれません。

 

| 統合失調症 | 23:15 | comments(1) | trackbacks(0) |


治療の目的
JUGEMテーマ:健康

 ホッファー先生とお会いした後、メールのやりとりをするようになりました。
ホッファー先生は、90歳というご高齢でしたがご自分で軽快にタイピングされているのを、ホッファー先生のオフィスで見ていました。

そしてこちらかメールを出すと、ほとんどが数時間後に返信がありました。
今回の5月の学会の報告をメールしたのが最後でしたが、その返信がなかったのでお体の調子がわるいのであろうと思っていたのです。

これまで何度か患者さんの治療についての相談をしたことがあります。
その場合には、つねに患者さんが服用している薬剤の情報を書くことになります。
すると必ずホッファー先生から質問が戻ってくるのです。

『なぜこれほど多くの種類と量の薬が必要なのか?』

新宿に相談にいらっしゃる患者さんの多くは、すでに他の医療施設でお薬を処方されています。ですので、なぜこれほど多くの薬が必要なのか?という問いに対して、僕は正確な答えをもっていません。
ホッファー先生が常に返信してきたのは、

・リスパダールであれば、多くて 3mg
・ジプレキサであれば、多くて 10mg

そして通常は、1種類だけでコントロール可能であり、それ以上種類や量を増やしても鎮静作用が強くなりすぎるはずである。そして副作用として精神症状が生じることが多い。

ということでした。
このブログでも紹介しましたが、オーソモレキュラー療法の第一人者のホッファー先生も、必要なお薬は使われていました。
治療の目標が、薬を止めることではなく、社会に復帰して働き、税金を納めるということが目標ですので、その状態になるために少量の薬を使うことには、なんの躊躇もないのです。

ホッファー先生が全く理解できない多剤併用の投薬によって、家に引きこもり寝てばかりいる状態を良しとする日本の医師とは根本的な考え方の違いがあるのです。

一昨日の火曜日の外来は、半年ぶりに外来にいらっしゃる患者さんが多くいらっしゃいました。
みなさん、社会復帰され働いてお給料をもらっている状態でした。
もちろんすべての患者さんがこのレベルまでの改善が得られるのではありません。ただ火曜日に来院された患者さんたちは、数年前までは投薬治療でコントロールされていて家に居た方々なのです。

ホッファー先生とメールのやりとりを何度か繰り返し、2年に1回程度お会いさせていただくようになり、いつの日かホッファー先生は、僕のことを Toru と呼んでくれるようになり、自分のことを Abram と呼びなさいと伝えてくれました。
その後にお会いしたときに、ホッファー先生を”Abram”とお呼びさせていただき会話ができたのは昨年の5月にホッファー先生の自宅を訪れたときでした。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 09:30 | comments(4) | trackbacks(0) |


ホッファー先生の言葉から
JUGEMテーマ:健康

 ホッファー先生の業績の一つに統合失調症にたいするナイアシン療法があります。
この治療法を紹介した書物などでも、ナイアシン(ビタミンB3)の効果が強調され、ナイアシンだけを投与すればお薬のように効果があると理解されてしまうかもしれません。

もちろん精神障害や多くの不定愁訴にたいしてナイアシンは必須の栄養素ですが、オーソモレキュラー療法では多くの他の栄養素を用います。
昨年の5月にホッファー先生にお会いしたときに、実際にホッファー先生が摂取されている栄養素についてをお聞きしました。
実に多くの栄養素を摂取されていました。そのときの会話をボイスレコーダーに録音してるのですが、今となっては思いでの録音になってしまいました。

このようにオーソモレキュラー療法では、多くの栄養素を用いながら病気を治療します。
このこと彼は著書の中で次のように紹介しています。

『ある反応に3種類のビタミンが必要な場合、これら3種類ともその必要度は同等である。・・・・つまり栄養素は単独では作用しないのである。』

クリニックを訪れる患者さんの治療をしていると、その家族・・たとえばお母様など・・・が、ナイアシンを服用してみたら、とてもよく眠れて目覚めがすっきりし手驚いています。家族からも穏やかになったと言われるのです・・。

このようなことを多く経験します。
つまりこのお母様の場合には、ナイアシンの単独投与で十分に効果があったわけです。
これは、ナイアシンと関係する他の多くの栄養素・・おもにビタミンB群ですが・・・の欠乏があまりなかったであろうことが想像できます。

ところが積極的な治療が必要な症状がでている場合には、単独の栄養素では、なかなか満足した効果が得られません。ナイアシンが必要な場合には、そのほかのビタミンB群が必要になります。
血液検査データでは、ビタミンB6の不足は高い確率で判断できるのですが、その場合にも治療ではビタミンB複合対で投与する必要があるのです。

栄養素は、オーケストラのように共同作業を行い、ハーモニーを作るたに演奏する楽器のように、あらゆる栄養素はそれぞれ至適量にてはじめて作用するに違いない。(ロジャーウイリアムス)

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 14:40 | comments(8) | trackbacks(0) |


ホッファー先生のもう一つの業績
JUGEMテーマ:健康

 ホッファー先生のもう一つの業績に、ナイアシンの至適量の投与は、コレステロール値を低下させHDLコレステロールを上昇させる事実を発見し実証したことです。
その結果として、現在でも保険で使える薬としてナイアシンは抗高脂血症薬に分類されています。
ただし現在の日本の医師でナイアシンをコレステロールを低下させるために処方している医師は皆無だと思いますが・・・。
そしてもう一つ、誤解を招かないようにお伝えしますが、多くの患者さんへナイアシンを投与した結果として言えることは、コレステロール値を適正な値にすることが、ナイアシンの作用のようです。
つまりコレステロールが高い人は低下させ、低い人は上昇させます。コレステロールが上昇するのは悪いのでは?と思われる方は、このブログのどこかでコレステロールの重要性について書かれていますので探してくださ。

このような資質代謝の適正化に必要なナイアシンの量は、ペラグラなどのナイアシン欠乏症を予防するために必要な量とは比較にならないほど多量になります。
ここでもビタミンという固まった概念を取り払うことの必要性がわかりますね。

このように栄養素を最適な量摂取することが、体の機能を改善させ、病気の予防だけでなく治療に役立つと言うことから、ホッファー先生はオーソモレキュラー療法は代替医療と見なされるべきではなく、本来の医学の基本的主要科目であり、医学の基礎と言うべきであると述べられています。

昨日は、この治療を約2年間継続している10代の患者さんのカウンセリングでした。
治療開始当時は、ささいな音や刺激で感情のコントロールが困難となり、暴れることが多い状態でした。人との関わりを持つことができず常に緊張を強いられている毎日でした。投薬治療は当然行われていましたが、投薬によって何かが著しく改善したことはありませんでした。

初診時の検査項目では、ビタミンB群の著しい不足と極端な低HDLコレステロールを認めています。
当時の状態を振り返ると、よくこの治療に取り組むことができたと思いますが、食事を変更しサプリメントをしっかりと摂取しつづけてくれました。
その結果、昨日のカウンセリングでは、お母さんとご本人から様々な改善結果を報告してもらうことができました。

切れて暴れることは全くなくなり、とても穏やかに毎日が過ごせるようになっていること。顔つきも全く別人のように穏やかになり、母親への思いやりの言葉もでてくること。そしてなにより、自分の意志で人との関わりを持とうと選択し、そのために週3〜4日の入院生活をおくっていること。その結果として、人と関わることがさらに自分の状態を改善させているという実感があること・・。

今回の血液検査データでは、初診時には40そこそこしか無かったHDLコレステロール値が、70以上まで上昇していました。
このような変化は、通常ではなかなかお目にかかることがありません。
この期間の総コレステロール値には全く変化がありませんでした。
ナイアシンを中心とした栄養アプローチが脂質代謝を適正なバランスにしたということがわかります。

このようなすばらしいデータの改善は、サプリメントだけでは得られず、食事や運動などの生活習慣の改善が深く関与します。
昨日のカウンセリングでは、長期にわたりこの治療に取り組まれた本人とお母様へ感謝を伝え、今後も継続し決して無理のないように、生活を拡大していただくようにお伝えしました。

20歳前の患者さんです。
投薬だけの治療の時と比較すると、全く異なる生活の質です。新しい可能性を感じることができたカウンセリングで、こちらまで本当にうれしく感動することができました。

ホッファーら先人が模索して確立されたこの理論のもつ、人間の機能にたいするすばらしい可能性を再確認することができました。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 18:08 | comments(1) | trackbacks(1) |


番外編 本の宣伝です
JUGEMテーマ:健康

ブログをお読みいただいている皆さん、いつもありがとうございます。
ホッファー先生がお亡くなりなり数日が経ちました。
ホッファー先生の本をあらためて読み直す機会となったのですが、奥が深いです・・・

さて今回は番外編と言うことで自分の本の宣伝をさせていただきます。

このゴールデンウィークに、原稿を上げ後書きを書いた本が、6月1日より徐々に全国の書店で発売されています。

今日、出版社の担当者からメールをいただきました。
特別な宣伝をしていないにもかかわらず、コンスタントに売れているそうです。(10冊というレベルですが・・ )
このような種類の本としては好調だそうです。

きっとこのブログをお読みの方々が、全国の書店でお求めいただいているのではないかな・・・と思いながらメールを読んでいました。

そんなこともあり、明日6月6日 読売新聞の朝刊 に本の広告が載ることになったそうです。

嬉しい限りです。

実は、先月にはこのブログは7万件以上の閲覧数を記録しました。
併せてお礼申し上げます。

脳の機能と栄養の関係について、できるだけ詳しい情報をわかりやすく書いたつもりです。
一人でも多くの方々へお読みいただき、生活習慣で改善できれば・・・お薬が減らせれば・・・と思っています。

手にとってお読みいただければと思っています。

『うつ』は食べ物が原因だった!(青春新書) 809円 です。
| ひとりごと | 13:42 | comments(5) | trackbacks(0) |


Hoffer先生の著書より・・・・ビタミンの考え方
JUGEMテーマ:健康

 1950年、医学部を卒業したホッファー先生は、以前から興味を持っていた精神医学の分野に取り組み始めます。
当時の新しい精神医学(分析理論、心身症理論)について数年間集中して勉強されますが、治療の実践にはあまり役に立たないという結論に達します。

その後、もともとビタミンの生化学の研究者であったホッファー先生は、当時ビタミンB3といわれてたナイアシンが統合失調症の改善に有効であることや低血糖症と多くの精神症状との関係について次々と研究発表を行われます。

ただ栄養素を用いる治療法が、従来のビタミン欠乏症でなければ問題はない・・・・などの古典的な栄養学に固執していては決してオーソモレキュラー療法は成り立たず、これほどまでに多くの患者さんの改善に寄与することはなかったのです。

そのことについて、ホッファー先生は著書のなかで次のように述べています。

『もし、さらなる研究もせずに、1945年当時に私が適切かつ進歩的であるとさえ信じていた栄養知識のレベルのままでいたら、標準的な近代の栄養学者、または標準的な栄養学教授、あるいは単なる病院に勤務する栄養士、公衆衛生局顧問になってしまっていたかもしれないといことを考えるとゾッとする思いがする。』

ここで言う、1945年当時の栄養学レベルとは、現代の日本の医師が持っている栄養学のレベルと言うことができます。
本日も、オーソモレキュラー療法を実践している仲間の医師からメールをもらいました。
近所の医師から強烈なバッシングを受けている・・・患者さんが、ビタミン欠乏症でもないのにビタミンを摂取する意味はないしかえって害である・・・と言われてしまった・・・・と。

ホッファーの言葉にあるように、現代の日本の医師は自分が知っている(栄養学については正しい教育を受けてきたことがないくせに)栄養の知識は、標準的で適切で、かつ進歩的と思いこんでいるのです。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 13:30 | comments(0) | trackbacks(0) |


ホッファー先生の著書から・・
JUGEMテーマ:健康

 今日は前回にご紹介したホッファー先生の著書 Putting it all together "The orthomolecular nutrition" からホッファー先生の考えや人となりについてを紹介したいと思います。

どの世界でもそうですが、専門家集団は自分たちで作った固定概念とことなる意見や発見を受け入れません。とくにその発見が自分たちの集団に属していないと非難すらします。

この栄養療法は、治療の手段が食事の変更やサプリメントによる栄養素の摂取になるので、投薬治療が中心の専門家である医師には、どの時代でも受け入れ難いものでした。

ホッファー先生は自らの考えで、良い物は良いものとしてとらえる、一般では普通の考えをお持ちでいらっしゃいました。

この治療法は、一般的な欠乏症にたいするビタミン補充療法とはことなり、分子整合(orthomolecular)という概念に基づいています。この違いがなかなか受け入れてもらえないところになりますが、ホッファーの表現を紹介しましょう。
以下は抜粋です
・・・・・・・・・・・・・・・・

ビタミンには、ビタミン欠乏症でない疾患にも治療効果がある。これが分子整合医学の概念である。
(中略)
この言葉は医師の間では、大変不評であり、このことについては、誰もあえて知ろうとはしなかった。(中略)

アメリカ人医師は、古い概念に固執しており、ポーリングのような医師免許を持たないような人からアドバイスされるのを嫌ったのである。(中略)

私の意見では、ポーリング博士によって唱えられたこの言葉以外に、正しく意味を伝えるものは存在しえない。どんな言葉もビタミンの効果的な量の摂取がいかに重要であるかを表現しえていないのである。
(中略)
分子整合栄養学は、統合失調症の唯一の治療法であり、この治療によって急性患者のほとんどが回復し、自立できるようになっているのである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ポーリング博士は、強い非難のなかお亡くなりになりました。そしてここ数年は、ガンに対すビタミンC大量点滴療法で再評価されています。
ナイアシンを用いた精神障害にたいする治療が、広く医療の分野で認められるようになるには、この先どれぐらいの時間が必要なのでしょう?

ホッファーは多くの講演などで、医療界の歴史を振り返ってこのように表現しています。
「重大な発見があってから、一般の医師に認められるようになるのに少なくとも40年の時間がかかる。私はこの時間を少しでも短くしなくてはならないと考え行動してるのである。」

 

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:39 | comments(2) | trackbacks(0) |


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