うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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レジャーでの糖質制限
JUGEMテーマ:健康
ちょっと遊び心で、趣味のボート釣りでの成果を写真で自慢してしまいました!!
久しぶりにコメントいただいたり、初めてのコメントの方、また釣り仲間からは、直接携帯へコメントをいただいたりしました 

さてさて、僕の趣味は、ボートでの海釣りです。
特に手漕ぎボートを一人で漕ぎ出して、のんびりするのが好きです。

写真で自慢した鯛が釣れたときには、朝5時過ぎから粘って4時頃に初めて来たアタリがあの大鯛でした。1日中、1回のアタリがないことも多いのです。

朝から夕方までですので、食事もトイレも狭いボートの上です。
早朝のコンビニで、朝、昼、おやつまで購入してボートに持ち込むのですが、糖質制限を実践するには、ちょっと工夫が必要です。
まず、その時間でも納豆やゆで卵などが売っているコンビにを把握する必要があります。そして、可能であれば、そのコンビににはウォシュレットが備わっていることが理想です。

通常購入するものは、

納豆 2パック
ゆで卵 2個
さけるチーズ 1〜2本
世界のナッツ 1袋
冷やしとろろそば 

こんな感じで過ごしています。
最近では、納豆を混ぜている最中に、よだれが出てくることに気がつきました。
納豆は、ゆで卵と混ぜて食べたり、とろろそばに入れたりして食べています。

ゆで卵の殻は、小さい破片を海に落とすと白い殻がゆらゆらと落ちていく角度から、潮の流れが見えるので、実は必須のアイテムなのです。

そして潮の変わり目には、写真のような大物が突然釣れる可能性があるので、緊張感をもって竿先を眺めることになるのです。

写真は、本日で終了の予定です。

ブログでも、自分の趣味とかも少しずつ紹介して行こうなぁ〜〜〜と思ってます。


| 低血糖症 | 21:43 | comments(2) | trackbacks(0) |


昔のエスキモーは健康だった
JUGEMテーマ:健康
 明日までの期間限定で、プロフィールの写真を替えてます!!
今年の春にゲットした、大きな真鯛です。
ちょっと遊び心があっても良いかなぁ〜〜〜と思ったので管理人さんにお願いしました。
明日までの期間限定ですので、お楽しみください。

1年のほとんどが氷に覆われている北極地方に住んでいるエスキモーは、現代のように交通機関が発達していない以前は、とても偏っていた食生活でした。

氷の世界ですから、野菜も穀物も無ありません。
食べるものは、アザラシやシロクマの肉ばかり・・・まさに肉食系の食生活でした。
生活をともにしている、犬とほぼ同様の食生活だったのです。

健康を考え、コレステロールや動脈硬化の予防などのために、肉を控えている現代の考え方からすると、最悪の食事と言うこともできるかもしれません。
ところがその頃のエスキモーの人々には、現代の生活習慣病と言われる糖尿病、高脂血症、動脈硬化などはなく、心筋梗塞や脳梗塞にかかることは、ほとんど皆無でした。

その後、交通機関が発達し、欧米の文化がエスキモーの方々にも伝わります。
加工食品をはじめとする、食生活も欧米化しました。

日本では欧米化した食事・・・というと肉が多い食事と短絡的に考えられますが、エスキモーの方々のそれまでの食習慣と、その後の欧米化した食事でもっとも大きく変わったのは、食事に含まれる脂質の変化でした。

エスキモーの方々が食べていた、アザラシやシロクマは魚を食べて生きている動物です。
ですのでエスキモーの方々が食べていたアザラシやシロクマの肉には、通常の動物の肉に比較して魚由来の脂が多く含まれていたのです。

そのためエスキモーの方々が摂取する脂の比率は、魚油由来のn-3系の必須脂肪酸が多く含まれていたのです。
その時期は、いわゆる生活習慣病はなく心筋梗塞なども極めて少ない発症だったのです。

この事実は、現代の私たちにも食事で予防や治療が可能であることを示すものです。

・肉を食べても、魚も食べる。
・n-6系の必須脂肪酸(リノール酸など)はできるだけ摂取しない
・EPAなどをサプリメントで摂取する

この習慣を継続することによって、私たちの身体を構成する細胞の膜に含まれる脂肪酸の割合が変化してきます。
その結果として、若返りだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞の予防、喘息やアトピーの改善、そして様々な精神症状の改善にも期待することができます。


*写真の変更は明日までですよ〜〜〜〜

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 13:53 | comments(8) | trackbacks(0) |


私たちは常に新しくなっている その2
JUGEMテーマ:健康

脳も筋肉も・・・・体中の細胞は常に新しいものになっている。
それは細胞を構成している分子(栄養素)が入れ替わることによって行われていることをお伝えしました。

このことは、以前紹介した福岡伸一氏の著書にも紹介されている考え方ですので、興味がある方はお読みになってください。
今日はその福岡氏の著書で紹介されていた事例をもちいて、オーソモレキュラーの概念をお伝えしようと思います。

1930年代、ルドルフ・シェーンハイマ−という学者がラットを使った実験を行いました。

・成熟したマウスに
・3日間だけ細工をしたロイシンというアミノ酸を食べさせた
・そのロイシンに含まれた窒素原子の動態を調べた

簡単に言うとこのような実験でした。
ロイシンというアミノ酸は、筋肉を作るために必須のアミノ酸の一種です。
もし成長中のマウスであると、与えたロイシンが身体の成長に使われてしまうため、成熟したマウスが選ばれました。

成長が止まっているマウスなので、食事に含まれているタンパク質に含まれるアミノ酸はその活動に使われるため、ロイシン由来の窒素原子は全てが尿中に排泄されるであろうと予想が立てられました。

ところが実験をおこなってみると、実際には予想とかけ離れた結果が得られたのです。

・吸収できず便中へ排泄されたロイシンは 2.2%
・利用され尿中へ排泄されたロイシンは、 27.4%
・身体を構成するタンパク質に取り込まれたロイシンは、 56.6%

つまり、成長が止まったマウスであっても食事に含まれているタンパク質は、自分の身体を構成するタンパク質に取り込まれているといことです。
この実験によって、マウスの体重には変化がなかったので、3日間与えられたロイシンは他のアミノ酸と置き換えられたと言うことになります。

このことは、昨日と今日は同じに見える身体でも常に入れ替わっていることを示す証拠なのです。

これらの事実から、シェーンハイマ−は生命という現象を以下のように定義したのです。

『生物が生きているかぎり、栄養的な要求とは無関係に生体高分子も低分子代謝物質とともに変化して止まない。生命とは代謝の持続的な変化であり、この変化こそが生命の真の姿である。』

 
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 14:00 | comments(4) | trackbacks(0) |


私たちは常に新しくなっている
JUGEMテーマ:健康
患者さんからよく質問される『もとの健康な時にもどれるのでしょうか?』

この質問に対して8月のシンポジウムでは姫野友美先生が素晴らしく答えてくれていました。

『新しい自分になるのよ!』

この言葉がオーソモレキュラー療法の一つの本質を現しています。
オーソモレキュラー療法で改善された患者さんには、この言葉がよく実感できる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私は、もともとマイナス思考で暗い性格だと思っていましたが、この治療に取り組んでから同じストレスでも感じ方が全然異なるようになっていることに気がついています・・・

こんな感想は良く聞かれるものです。

元の状態になるのではなく、新しい状態になっているのです。

オーソモレキュラー療法は、私たちの身体を構成し機能させる分子の濃度を最適な状態にすることによって病気を治す方法です。
このときの分子というものは、すべて口から摂取する栄養素から成り立つのです。

一度生まれた細胞も徐々に機能が低下し、細胞も老いて行きます。
ところが生まれた細胞は、老いて機能を停止する細胞死までの期間も、細胞を構成するために必要な様々な栄養素を取り組んで自ら再合成し、細胞自分自身が常に最高の状態になるように働いています。
これはどんな病気の状態であろうとも、健康である状態であろうとも、常に繰り返されている作業なのです。

ですので常に必要となる栄養素を必要な量摂取することは、その時その時で最良の健康状態を創作することが可能なのです。

そしてその逆もありです。
つまり摂取する栄養素が、細胞にとって好ましくない栄養素であっても、細胞は常に分子の入れ替えを行っていますので、好ましくない栄養素の継続した摂取は、細胞全体の機能を低下させ様々な疾患を作る原因になるのです。

その良い例が沖縄の平均寿命の急激な変化や、エスキモーの方々の疾病構造の急激な変化として現れています。
もう少し長い目で見てみると、私たち日本人の食習慣の変化が現代の精神疾患を含めた多くの疾病構造と深く関係していると言うことができるでしょう。

次回は、口から食べる栄養素の変化がどのように病気と関係してくるのか・・・・以前も紹介したと思いますが、少し違った角度からエスキモーの方々の病気の変化と絡めて紹介したいと思います。

 
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 18:21 | comments(0) | trackbacks(0) |


エコナの発売中止について
JUGEMテーマ:健康
 
体に油がつきにくいといううたい文句で、発売されていた健康オイルのエコナが発売中止になりました。
この油を含めて、さまざまな食材が特定保健用食品としてシールが貼られ、ほかの同じ種類の物と比較して高値で販売されています。

この特定保健用食品は、その認定の手続きの過程とコストなどを考慮して、良心的な中小のメーカーは取得するメリットがないだろうと思いましたので、自分は特保の食品を買うことはありません。

そして今回は、体によいと厚生労働省が認定した油が、危険である可能性があるため発売が自粛されることになりました。

油(脂)については、とかく誤解が大きい栄養素です。

このブログでも何度も取り上げてきましたが、まだまだ医師を含め、多くの一般の方々も、油(油)については、誤解された常識がまかり通っています。
それは、カロリーを重視した健康意識が大きな現状では仕方ないものなのかもしれませんが・・・・

すうねん前まで健康に良いと思われていた油は、植物性油の健康サラダ油サフラワーであったりしていました。
また動物性脂のバターより植物性油が主原料のマーガリンが体に良いとも思われていましたね。
それらは、必須脂肪酸であり、人の体には必須のものなので健康に良いと思われていました。

その神話も崩れ、ホッとしていたときに、加工され健康に良いといううたい文句で多くの油が世の中に出て来ました。
今回も、体に良いといううたい文句の成分ではなく、加工の段階で加熱処理されることによって生じる成分に危険性があると判断されています。

人が摂取する油については、金城学院大学の奥山先生が中心となっている脂質オープンリサーチ(http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/research/topic.html)が、もっとも平等で信頼できる情報を提供してくれると思います。

興味がある方は、ぜひとも読んでみてください。
常識がひっくり返る感覚を感じていただけると思います。
| ひとりごと | 23:40 | comments(3) | trackbacks(4) |


検査データの基準値
JUGEMテーマ:健康
今日は、久しぶりに血液検査データの基準値についてお伝えしたいと思います。
日本中の99.9%のお医者さんが、基準値=正常値と思っていますので・・・・せめてこのブログをお読み頂いている皆さんには知って頂こうと思いまして!!

本日カウンセリングした患者さんに、栄養療法を1年以上継続され、もともとあったうつ症状が改善しただけでなく、とてもストレスに強くなり落ち込みにくくなった患者さんがいらっしゃいました。

その患者さんは、1年ちょっとの治療期間で4回の血液検査を行っています。
その検査データで、尿素窒素という項目があるのですが、以下のような数値の推移をしめしていました。


1回目   9.9
2回目  10.8
3回目  13.7
4回目  14.7


糖質を制限し、タンパク質を十分に摂取し、サプリメントをしっかりと飲んで頂いた結果として、上記のように尿素窒素という項目が、検査を受けるたびに上昇してきました。

ところが日本の99.9%のお医者さんが正常であるかどうかを判断するために参考にしている基準値は、

8〜20  

が基準範囲になっているのです。

そうすると、この患者さんの1回目の 9.9 も、4回目の 14.7 も基準範囲内ということになるため、問題なし=正常 であると判断されてしまいます。

ところがオーソモレキュラー的に考えると・・・すなわち、人の身体が正常に機能するために必要な分子が最適な状態であるかどうかを判断するところから見ると、1回目と4回目のデータには、大きな違いがあるのです。

そしてこのデータの推移は、栄養療法を行ってきた患者さんのそのときそのときの症状をとても良く反映しているのです。

いままでも、血液中の尿素窒素がどのような過程で生成されているのか、それが食事やサプリや様々な症状と関係しているのか、お伝えしたことがあると思います。

とても大切なことですので、また機会を改めてお伝えしようと思います。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 19:12 | comments(1) | trackbacks(0) |


自閉症のお子さんの変化?
JUGEMテーマ:健康


新宿では自閉症のお子さんも栄養療法に取り組まれています。
自閉症の治療の分野では、カゼインフリーやキレーションなどいくつかの治療法が行われており、それなりの効果をあげています。

新宿では、統合失調症やうつ病などへの栄養療法が中心のように思われているため、自閉症の治療でほかの代替療法を行うまえに、相談に来院されることは少ないように思います。
今回ご紹介する自閉症の患者さんも、すでにいくつかのクリニックで代替療法を経験されてから、さらなる改善を目的に新宿を受診してくれました。

検査データに基づく栄養療法を行うことによって、施設の指導員からも明らかな変化を指摘されるようになっています。
そして今回は、その自閉症のお父様も栄養療法に取り組むことになりました。
それは、まだ4歳の自閉症の子供が大きくなるまで、自分も元気でいなければならないからでした。

お父様が栄養療法にとりくまれ、約2ヶ月が経過しました。
お父様に起こった変化は、とにかく穏やかになってイライラすることが極端に減ったということでした。
今までは、自閉症の娘のとる行動について、わかっていても聞き分けがないときには、ついつい声をあらげてしまうことがあったそうです。

ところが、糖質制限を行い必要な栄養素をサプリメントで摂取したところ人が変わったように、穏やかになったのです。

その結果、自閉症の娘さんに、大きな変化があっったそううです。

まず、パニックにならなくなった。
そして自分(父親)の言葉へのおうむ返しできる単語が急に増えてきた。

ということでした。
これら2点の改善は、自分が栄養療法に取り組むようになった結果、娘さんにでてきた改善であると、お父さんはしっかりと分かっているのです。

お子さんの症状に家族の態度や行動が強く影響していることはとてもよくあります。
コミュニケーションをとることができず、目を合わせることもできない自閉症の患者さんでは、近しい親御さんのそぶりや態度はより強く影響しているのでしょう。

今日のお父さんとの会話から、多くのことを再確認し学ぶことになったのです。

| 自閉症 | 00:15 | comments(1) | trackbacks(0) |


ナイアシンの体内での合成について
JUGEMテーマ:健康


前回はナイアシンの体内での合成障害があるために、統合失調症の患者さんはナイアシン不足になり症状が生じるという仮説についてお伝えしました。

ここで栄養素の基本についてお話しします。
体内にある栄養素は、自分の体で合成することができないため、食材から摂取しないとならない種類のものがあります。それらを種類によって必須アミノ酸、必須脂肪酸などと呼ぶことがあります。またミネラルやビタミンの多くもそうですね。
一方、様々な栄養素を材料として体内で合成できるものも多く存在します。アミノ酸で言えば、必須アミノ酸以外は食材からの供給と自分の体内で合成したものが混在しています。

そこでどうしても栄養素の重要度とすると、食材から摂取しなくてはならない必須の栄養素が体にとって大切なものと思われがちです。
ところが体内での作用の重要度からみると、決して必須栄養素の方が、合成できる栄養素よりも重要でないことも多いのです。
どちらかと言えば、人の体にとってなくてはならない栄養素は、多くの材料から自分で合成することができることが多いのです。

ナイアシンはその良い例でしょう。
体内では、非常に多くの酵素反応の補酵素として働くナイアシンは、従来のごく微量で十分であるというビタミンという概念からかけ離れた多くの量が必要であることがわかってきました。
だからこそ体内で合成することができるように、私たち人間の遺伝子は進化したものと理解できます。

このように重要な働きをするナイアシンですが、どのように体内で合成されるのか簡単に紹介したいと思います。

私たちは、体に負担なく日常生活をおくるために毎日約60gのタンパク質を食事から摂取しなくてはなりません。
この量は、通常の食事からではなかなか摂れるものではありません。普通の食事をしている人では40g程度でしょう。ちなみに肉を60g食べれば良いと言うものではありませんのでご注意ください。

さてなかなか進みませんが・・・・
通常の食事に含まれるタンパク質の約1%がナイアシンの材料となるトリプトファンです。
これも動物性タンパク質が悪いという”とんでも情報”を信じ、肉や卵を避けている方々は、もっと少なくなります。

さてその60gのタンパク質の1%ですので、1日に約600mgのトリプトファンを摂取していることになります。(ちゃんと肉を食べている方々ですが。。)

そしてナイアシンの体内での合成は、トリプトファン60に対してたったの1しか合成されません。
つまり1日に食材から合成されるナイアシンの量は、10mgです。
体内での食材からの合成は非常に効率が悪いことがご理解いただけると思います。

さこでもう一つ問題があります。
もともとナイアシンはビタミンB3といわれ少量で十分であると考えられていた栄養素ですので、厚生労働省が規定している摂取量は、成人女性で12mg程度です。そこでナイアシンは、肉からも合成できしかも食材に含まれているので不足することはないと考えられています。
ここの問題は、厚生労働省の摂取基準の作り方に問題があり、基準となる量が低く設定されてしまっているということです。

オーソモレキュラー療法では、ナイアシンを2gとか3gとか・・・時には6gなど服用していただくこともあるので、厚生労働省が決めた量と比較してしまうと、大量であるとか過量であると思われます。
でも役所が決めた量が少なすぎるのでは、正確な比較ができませんよね。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 15:50 | comments(1) | trackbacks(0) |


ナイアシンについて
JUGEMテーマ:健康

ナイアシンという栄養素(分子)が体内ではどのように代謝されるか・・・・そのことだけを見ても、体内の分子(栄養素)が最適な状態(量)であることが、体や脳の機能の正常化されることと、体や脳が理想的な機能を発揮することが、とても大変であることも理解できるでしょう。

5月にお亡くなりになったカナダのエブラム・ホッファー博士は、1950年代から精神症状の発症とナイアシン不足について仮説を立て、臨床的な治療を行うと共に生化学的に検証してきました。

ナイアシンは、その当時はビタミンB3と言われていました。
ビタミンという名称は、
 ・体内で合成されない
 ・食材から摂取するひつようがある
 ・非常に少量で作用する
という前提条件がありました。

ところがナイアシンについて研究がすすむと、ほかのビタミンに比較して大量に体内に存在し、タンパク質を構成するアミノ酸の一種であるトリプトファンから合成される物質であることがわかりました。そのため上記のビタミンの概念からはずれるため、ビタミンB3という名称を改めナイアシン(ニコチン酸)となったのです。

ホッファー博士は、統合失調症の患者さんたちは、ナイアシンが欠乏するために脳内物質の代謝障害が生じ、幻聴や幻覚を生じる物質が脳内に増えてしまうと考えていました。
統合失調症の患者さんが、なぜナイアシンの不足状態になるのか・・・・ホッファー博士は、統合失調症の患者さんは、上記のトリプトファンからナイアシンを合成する過程に支障が生じているため、ナイアシン不足になるという仮説をたてられました。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 22:33 | comments(2) | trackbacks(1) |


オーソモレキュラー療法の考え方
 このブログで紹介している栄養療法は、オーソモレキュラー療法と呼ばれるものです。

orthomolecular (オーソモレキュラー)という言葉は、

分子(molecule)を整える(ortho-)治療法ということを意味しています。
そのため日本語では、分子整合医学と言われることも多くあります。

ここで言う分子とは、私たちの細胞を構成している分子であり、私たちの体内で行われている反応に関係する酵素やホルモンを構成する分子であり、それらの反応に必要な補酵素であるビタミンやミネラルなどの分子です。

それらの細胞を構成し細胞を機能させる物質の材料となる分子を、人の身体にとって必要な最適な量を投与するとによって様々な病態を改善させるのがオーソモレキュラー療法になります。

オーソモレキュラー療法は、精神疾患だけでながんや生活習慣病、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患など、ほとんど全ての病態に応用が可能な治療法ですが、どのような病気に対しても最適な分子(栄養素)の供給は、身体や脳の機能を改善し正常化させるとという理論に基づいているので、基本的な治療方法は変わりありません。


精神疾患へのオーソモレキュラー療法では、ナイアシンという栄養素(分子)を良く用います。
ナイアシンは、以前はビタミンB3と呼ばれていましたが、ごく少量で作用し人の身体で合成できないという古典的なビタミンの考え方とことなるため、ビタミンB3という呼び方を改めナイアシン(ニコチン酸)となりました。

この栄養素(分子)は、人の身体ではエネルギー産生の過程で無くてはならない働きをしています。
もちろん脳内の神経伝達物質の合成でも必要不可欠な栄養素です。

ですのでナイアシンの不足右によって様々な精神症状が生じているときには、強い疲労感などをともなうことが多くありますね。

このナイアシンの身体のなかでの作用だけをみても、生体内での分子を最適な濃度にすることが、人の身体を改善し病気を治すというオーソモレキュラーの考え方を理解することができると思うので、また次回にご紹介するとにします。


| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 09:36 | comments(15) | trackbacks(1) |


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