2009.10.30 Friday
抗うつ剤の副作用
JUGEMテーマ:健康
日本の心療内科・精神科で多くのうつ病の患者さんへ処方されているパキシルに、新しい副作用があることが分かり、薬剤添付文書へ記載されることになりました。それは、パキシルを服用している女性から生まれた赤ちゃんへ心臓などへの奇形が多く見られることが分かったことでした。
その他にもパキシルをはじめとするSSRIというタイプの抗うつ剤には、衝動性や攻撃性の亢進なども指摘され、若年者への処方に注意をうながす通達もでたばかりです。
さて今回は、抗うつ剤の投与によってうつ病が増えているのではないかと言うことがテーマです。
つまり薬の作用か副作用か・・・・どちらかは別として、抗うつ剤の処方によってうつ病が増えているということです。
このことが書かれているのが下記の本です。
『なぜうつ病の人が増えたのか』 冨高辰一郎 著 幻冬舎ルネッサンス
この本には、1999年から2005年の6年間にうつ病患者が約2倍に増えているという統計的な事実と、同じ1999年から日本でSSRIタイプの抗うつ剤が導入されたこととの相関を指摘しています。
またうつ病を治す薬の処方が増えて、うつ病患者が減るなら分かるが、うつ病が増えているという事実についても指摘しています。
ここには、日本の保険医療制度の弊害が見え隠れします。
つまりある種の薬を処方するときには、その薬に認められた適応症となる診断名を付けなくてはならないからです。
つまりSSRIを処方するなら、うつ病と診断しなくてはならないと言うことです。
これでは統計的に短期間でうつ病患者が増える理由も分かります。
心ある経験豊かな精神科医は、現在の診断方法に疑問を持っています。
このところ増えているうつ病と言われている方々は、従来のうつ病とは明らかに異なる臨床的な経過であるということです。
そしてもっとも重要なことは、新しいカテゴリー(診断名)が付けられ、新しいタイプの薬が使われる・・・・その結果として、症状の改善が得られ患者さんの日常生活に著しい改善が得られるのであれば、それは有効なアプローチであるということです。
今日も20歳前の患者さんが『統合失調書の初期』であると診断された患者さんが来院されました。
投薬によっても症状の改善がありません。
栄養的な解析では、多くの問題が含まれており、多くの患者さんが僕に教えてくれた経験では、高い確率で投薬が不要であり、通常の日常生活が可能であるという予想ができたのです。