うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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来年始めの講演会は・・・
JUGEMテーマ:健康
来年1月17日は、2010年の初講演の予定になっています。
日本抗加齢医学会での講演を依頼されているのです。
主催者の先生から依頼されている内容は、『ビタミンの臨床応用』です。

このテーマで話をするとなると、それこそビタミンの歴史についてを話することになります。

まずは、ビタミンの欠乏による疾患・・・いわゆるビタミン欠乏症とその治療について話をすることになるでしょう。
多くのビタミンが典型的な欠乏症の原因物質として発見され、投与することによってその欠乏症が治癒する過程を経てきました。

ここで言う欠乏症とは、このブログで取り上げている潜在性欠乏ではなく、古典的な欠乏症になります。

たとえば、
ビタミンB1欠乏による『脚気』
ビタミンB3(ナイアシン)欠乏による『ペラグラ』
ビタミンC欠乏による『壊血病』
ビタミンD欠乏による『くる病』

これらの疾患がビタミン欠乏が原因と判明するまでは、難病として扱われていました。
ところが原因となるビタミンを、本当に少量投与することによって、見事に難病が改善したのです。

この時代の経緯からビタミンという考えか方が確率してしまったのです。
つまり、ビタミンとは・・・・・・

・少量の投与・摂取で十分なもの
・欠乏症の予防には、少量のビタミンの投与で十分であり、食事からの摂取によっても予防が可能である
・人が体内で合成できないもの

という考え方です。

そしてこの考え方が、現代の今でもビタミンに対する解釈として成り立ってしまっています。
われわれが参考にしている栄養所要量も、この考え方にそって作られてしまっています。

そこで大きな疑問が生じるようになります。
オーソモレキュラー療法(栄養療法)では、それこそ桁が違う量の栄養素をサプリメントを用いて服用してもらいます。






| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 22:18 | comments(8) | trackbacks(0) |


来年から提携カウンセリングルームがオープンします
JUGEMテーマ:健康

今年も残すことろあとわずかになりました。
ブログ更新も滞りがちになりましたが、お付き合いいただきましてありがとうございました。
まだ今年中に更新するつもりですが、年末でもありますので今年一年のお礼を述べさせていただきます。来年もまたよろしくお願いいたします。
 
さて来年1月4日より、新宿のクリニックのすぐ近くに 
『カウンセリングルーム泉』http://www.hibikitoizumi.com/izumi/index.htm
がオープンされることになりました。

この施設は、横浜でメンタルクリニックと提携しすでにカウンセリングを行っています。
クリニックとの提携であるので、治療的なことを目的としたカウンセリングであり、すでに大きな実績を作っているところです。
なんといってもこの施設の特徴は、カウンセリングの料金です。

治療を目的としたカウンセリングですので、当然のことですがある程度の回数と期間が必要になります。そのときに一般的に行われているカウンセリングの料金では負担が大きく継続が困難になることがあります。

また心理カウンセラーが個人で行っているカウンセリング施設などでは、カウンセラーとの相性などが問題となったときに効果的なカウンセリングが行えず治療的な効果が得られにくくなります。
この問題もカウンセリングルーム泉では対応が可能なシステムがあります。

新宿のクリニックでは、すでに佐藤医師と心理カウンセラーを招いての心理カウンセリングを行っていますが、予約の枠数の問題やカウンセリングにかかる料金の問題などがあるため、必要と思われる患者さんでもカウンセリングを受けること・・・おすすめすること・・・が困難な状況です。

心と身体はつながっている・・・このことは、栄養療法を主な内容にしているこのブログでも常にお伝えしたいことです。
栄養療法によって様々な精神症状が改善される方が多くいらっしゃいます。
しかし栄養療法によって症状が改善しても、学校へ復学したり、会社へ復職したり、家族生活にもどったり・・・そのような社会的なストレスが大きくなるときに、解決しなくてはならない心理的な問題に直面することが出てきます。

そのようなときには、専門家の手助けが必要になります。

来年から、頼もしい専門家集団が近くに来てくれるためさらに多くの皆さまへトータルなサポートが可能になると思っています。

なお新宿でオープンするカウンセリングルーム泉は、新宿溝口クリニックと提携することになりますが新宿溝口クリニックをご利用されていない方、あるいは他のメンタルクリニックで治療中の方、どのメンタルクリニックでも治療を受けていない方など、すべての方々がご利用いただくことが出来る施設です。

ご興味がある方は、直接お問い合わせいただければと思っています。
| ひとりごと | 21:59 | comments(1) | trackbacks(0) |


今も昔も・・・
JUGEMテーマ:健康

昨日の12月13日は、ビタミンの日でした。
1910年、鈴木梅太郎博士が、東京化学会において米ぬかに脚気にたいして効果がある物質が含まれていることを発表した日です。その米ぬかに含まれる抗脚気作用を有する物質がビタミンB1であることがのちに判明します。この画期的な発見がノーベル賞を逃した経緯などはとても興味深いものであるので興味がある方は、調べてみてください。

脚気は年間を数万人の死者を出す国民病として恐れられ権威ある医学者の研究の対象でした。

ところがこの頃は、さまざまな重篤な病気が細菌などの感染によるものであることが次々と発見され、未知の病気の原因は未知の病原体による感染であるということが医学会のパラダイムでした。そのため、年間数万人の死亡者を出す重大な未知の病気である脚気が、米ぬかを与えることで治る??などという考え方はすぐには受け入れられませんでした。特に医学会の権威者たちには、自分たちが必死になって研究しても見つからない脚気の原因が米ぬか不足であることなどは、容易に受け入れることができなかったのでしょう。

このことと同様のことが、ビタミンCの不足によって生じていた壊血病においても起こっていました。新鮮なライムやレモンを摂取することで壊血病が治癒し予防されることが、権威あるイギリス医学会から無視されていたことようよって多くの人々が壊血病によってお亡くなりになっていたのです。

栄養の不足によって多くの病気が生じることは、その後急速に理解され始めビタミンの発見者は次々とノーベル賞を受賞することになります。そしてその結果として、各種ビタミンの欠乏症は、すでに研究し尽くされていると現代の医療界では理解されているのです。


ここでこのブログでお伝えしていることについて目を向けてみましょう。

タンパク質、ビタミンB群、ナイアシン、鉄、亜鉛・・・それらの栄養素の欠乏症といわれる重篤な病気を形成する以前の状態、すなわち潜在的な欠乏状態・不足状態によって、抑うつ、イライラ、不安・・・ときに幻聴などの精神症状が生じます。

そしてこのような栄養素の不足によって多くの愁訴が生じることはオーソモレキュラーという考え方を理解すると、十分に科学的に納得することができるのです。

ところが現代の医療界は、栄養素の潜在的な不足が症状を生じることについては興味がないようです。壊血病や脚気の発見当時と全く同じことを繰り返しているようです。

水溶性ビタミンは、大量にとっても尿に排泄されるので意味がない・・・とか、脂溶性ビタミンは蓄積され、ミネラルは微量で十分である・・・などという俗説を信じ患者さんへ説明される医師ができるだけ早く居なくなることが、正しい病気の理解と治療につながるのです。

| ひとりごと | 09:42 | comments(9) | trackbacks(0) |


トランス型脂肪酸が取り込まれると
JUGEMテーマ:健康
トランス型脂肪酸が取り込まれ、細胞膜のリン脂質の構成成分になるとその細胞膜の流動性が損なわれ細胞の機能が低下することを前回お伝えしました。

私たちの身体は常に入れ替わり、昨日と今日、さっきと今では、同じに見えても同じものではない・・・そして同じものを維持しようとする動的平衡を保っていることはこのブログで繰り返しお伝えしてきたことです。

この動的平衡は、タンパク質や脂質、一部の糖質、その他のビタミンやミネラル・・・全ての身体に存在する物質で成り立つ考え方です。
そしてこの動的平衡は、物質の入れ替わりによって得られるのですが、私たちの身体の物質の入れ替わりを、簡単に表現すると代謝ということが出来ます。
トランス型脂肪酸は、自然界には非常に微量にしか存在しないため、私たちの身体はトランス型脂肪酸を代謝するシステムを持っていません。
つまりマーガリンやショートニングなどの食材から摂取されたトランス型脂肪酸は、私たちの備わっている代謝経路では積極的に利用したり排泄したりすることが出来ないのです。
もしこれがタンパク質であったとしたら、それは異種タンパクとして私たちの身体が認識して、アレルギー反応などを起こし、排除するような反応がおこるかもしれません。ところがトランス型脂肪酸は、生体に認識されず、人知れず細胞の膜に組み込まれていくのです。

思い返せば、学校給食では毎日のようにコッペパン・マーガリンの組み合わせが出されていました・・・今でもそうなのでしょうか??

急増する喘息やアトピー性皮膚炎などの原因の一つに、外国ではずっと以前から規制されていたトランス型脂肪酸の子供の頃からの摂取が関係しているのかもしれませんね。

まさに人知れず細胞膜へ取り込まれたトランス型脂肪酸が、次にどのような影響をもたらすか・・・・・そのことが最も重要なことなのかもしれません。 
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 13:55 | comments(10) | trackbacks(0) |


トランス型脂肪酸の弊害
JUGEMテーマ:健康
情報では、トランス型脂肪酸を多く摂取すると悪玉コレステロールが上昇し、心筋梗塞などが増えるため摂取を控える・・・という内容になっています。

リノール酸などの必須脂肪酸を加工するときに発生するトランス型脂肪酸は、リノール酸などと同様に摂取されると主には細胞の膜に取り込まれることになります。
ブログで何回も紹介したように、細胞膜は細胞の機能を左右するとても重要な構造物です。
細胞膜が柔らかく、多くの物質と結合したり物質を細胞内へ取り込んだりすることできるとき、細胞膜の流動性が保たれていると表現します。

この膜の流動性は、膜に取り込まれている必須脂肪酸の構造にある、炭素と炭素の二重結合によって作られます。
炭素と炭素が二重結合するとき、炭素の鎖がその部分で折れ曲がります。この折れ曲がり具合が膜を構成するリン脂質に微妙な隙間をつくるために流動性が作られます。

炭素と炭素の二重結合には、シス型とトランス型が存在し、シス型のほうが鎖の折れ曲がりが強く隣と隙間を作ることになります。
ところがマーガリンやショートニングなどを作る際に発生するトランス型脂肪酸は、炭素の鎖の折れ曲がり具合が小さいため隙間が小さくなるので流動性が低下することになるのです。

この変化は、身体を構成するすべての細胞で起こる変化です。
つまり私たちの身体にある60兆個の細胞のすべての機能が低下する可能性があるのです。

そのため、トランス型脂肪酸の過剰摂取は、動脈硬化だけでな多くの全身疾患のリスクを挙げることになります。

このほかには、トランス型脂肪酸が細胞膜に取り込まれたときに、炎症をコントロールするエイコサノイドの発現にも変化が生じ多くの疾患の原因になることを機会を改めてお伝えしたいと思います。 
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 23:34 | comments(10) | trackbacks(0) |


なぜ漢方薬だけなのか?
JUGEMテーマ:健康
これまた政権交代の影響なのでしょうか?
事業仕分けなる作業によって漢方薬が保険扱いからはずされてしまう可能性が生じ、2日間で27万人の反対署名が集まったことがニュースで流れていました。

このことにたいしては、僕も反対です。
そしてここでは、少し違った視点から日本の医療費について考えたいと思います。

日本の医療費自体は、諸外国とひかくして高いものではありません。
しかし総医療費に占める薬にかかる費用が諸外国と比較して高くなります。
その一つの理由は、薬が多く処方されるという日本医療の伝統??のようなものがあります。

ブログのテーマである精神科領域では、諸外国では1〜2剤の処方薬がほとんどですが、日本では1〜2剤の処方だけの患者さんは、ごく一部の方々のみです。
風邪を引いても、鼻止め・咳止め・痰切り・熱冷まし・・・・それぞれが処方されるので、単なる風邪でも大きな袋になってしまうこともありますね。漢方なら1剤で済むのに・・・・

そしてもう一つ実は大きな理由があります。
それは日本の保険でまかなっている薬価では、新薬の占める割合が諸外国に比較して突出しているということです。

この理由もいくつか挙げることが出来ます。

その一つは、新薬の値段が諸外国よりも非常に高価であることです。
薬は研究開発に膨大な費用がかかります。そして新しく出来た薬にはパテントが10年間有効になるので、新薬は開発したメーカーにとっては最高においしい商品なのです。 

諸外国は、総薬剤費の約10%程度が開発間もない新薬ですが、日本では約50%が価格の高い製薬メーカーにとって利益率が高い新薬が占めます。
外国の医師たちは、効果や副作用が出そろった、評価の確定した薬を主に処方し、新薬でなければ対応できない病態においてのみ新薬を使います。
日本では、一般開業医においてもこれまでの評価の定まった薬で十分に対応可能な病態にもかかわらず新薬をどんどんと処方していることが予想されます。

医療費抑制を考えるのであれば、
・新薬の薬価を諸外国なみに引き下げる
・新薬の処方基準を定め、できるだけ価格の安い効果の確かな薬剤を処方するよう医師への指導を行う

副作用が少なく、しかも効果が得られる漢方薬の処方を、無駄と仕分けするのではなく、無題に新薬を処方している現状を仕分けした方が、より効果的であると思うのです。

| ひとりごと | 08:50 | comments(4) | trackbacks(0) |


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