うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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記者さんと顔合わせ
JUGEMテーマ:健康
今日は、昼休みにあるマスコミの記者さんと顔合わせをしました。

その記者さんは、今の厚生労働省の子供の精神科治療の方向性に疑問をもたれています。
その方向性とは・・・・

小中学校の生徒さんたちの心のトラブルを早期発見し、早期に治療を開始しようという流れです。
つまり、ちょっと落ち着きが無い子供とか・・・・ちょっと問題児とか・・・ちょっと遅刻が多くなった子供とか・・・・

そんなちょっとしたトラブルを見逃さず、早期に医療的な介入をしよう・・・ということです。
ここでの医療的な介入が、例えば家庭環境の整備に専門家が責任を持って介入するとか、心理的な専門家が関わり、先生や親へ適切なアドバイスをする・・・・と言うのであれば問題ないとおもうのです。
ところが現在の方向性は・・・

・できるだけ早期に医療機関を受診させ
・投薬治療を開始しよう

という流れなのです。
さすがに記者さんは、その方向性に疑問をもち僕へ連絡してきたのです。

記者さんの希望は、思春期に投薬が始まり、そのことが問題になった患者さんの話しを聞きたいというものでした。
その連絡をもらってから、数日間に3名の患者さんへ取材を受けてくれるかどうかの依頼をしました。
皆さん、喜んで取材を受けますという応えでした。

3名とも中学生のときに投薬が始まり明らかな改善無く、多剤併用となり・・・僕のところへ来たときには、本来の症状は何なのか分からない状態でした。
そして皆さん、現在は投薬が不要となり、学生生活を復活させたり、アルバイトを1年以上も継続していたり社会性を回復しています。

成長期の心のトラブルには、友人とのトラブルや親子関係など、明確な原因となるストレスが存在します。そのストレスへの反応性の精神症状に、早期に投薬を行なうことは大変危険であり、本来の治療であるはずがありません。

先日の木曜日には、神戸でドクターへの講演会をしてきました。
参加されたドクターに、小児科のドクターが多かったので、講演後のあいさつとして小児科の先生方へメッセージを残してきました。

『子供の患者さんが、たとえどのような精神的な症状を訴えたとしても、決して精神科へ紹介しないでください!!』

それが自分の心からのメッセージです。


 
| 不登校 | 00:17 | comments(0) | trackbacks(0) |


うれしいお知らせ2つ
JUGEMテーマ:健康
 
クリニックのスタッフの一人が、感動しながら1枚のはがきを渡してくれました。
そのはがきには、長期にわたり栄養療法に取り組んでくれている患者さんが、幸せそうにきれいなドレスを着て、となりにはステキなダーリンがいる写真がありました。

 ”結婚しました”

のお知らせのはがきだったのです。
クリニックへ連絡してくれ、最初の採血が2005年7月ですので、まる5年の期間になります。
治療初期の頃の症状や、そのときの大変さを考えると、自分の親戚の娘さんが結婚したようなうれしさです。
症状が強く出ていた頃のご家族の治療への姿勢には、多くのことを自分もクリニックのスタッフも教えてもらいました。
そしてこの2年ほどは、小さな症状の波があったものの、とても落ち着いていたのです。
新宿のクリニックの診察室には、この患者さんが書いてくれた、かわいい青い鳥のカレンダーがあります。
ほのぼのとした、愛がいっぱいのカレンダーです。
きっと去年のカレンダーを作っていた頃には、すてきなご主人との恋愛期間だったのでしょう。

そしてもう一つ、とても嬉しい報告がありました。

仙台で婦人科を開業している北野原先生と新宿のカウンセラーの定さんの共著である、妊娠と栄養の本を読んで受診された患者さんが、妊娠されたのです。

その方は、46歳で初めてのお子さんを妊娠されたのです。
これまで有名な不妊治療専門クリニックで、体外受精を試み、自ら勉強しサプリメントも既に服用されていました。
ところが血液検査データでは、ポイントになる栄養素の不足があり積極的に栄養セラピーを行ない始めていたのです。

実は、この本をきっかけに栄養セラピーを新宿で始められた数名の方がすでに妊娠されています。
皆さん、栄養セラピー前に人工授精や体外受精を経験されいる方々です。
女性の身体にとって、妊娠・出産・授乳はとても大きなストレスになります。

栄養面で、余裕があればストレスを受け入れるという妊娠成立ということも起こりやすくなるのでしょう。

| ひとりごと | 00:43 | comments(6) | trackbacks(0) |


糖質制限での注意点
JUGEMテーマ:健康
昨日は、新宿で治療中の患者さんの状態が悪くなり、クリニックでの点滴治療などでも改善せず救急車で入院治療をお願いすることになりました。

その患者さんは、30歳代の女性の患者さんです。
栄養アプローチを始めて数ヶ月、とても体調も精神状態もよくなり4月に来院したときのカルテには、

『もう治ったかと思うぐらい調子がよいです』

とコメントが書かれていました。
症状が急激に増悪した理由は、いままではマイルドな糖質制限だったのですが、こちらの指導もあり、もっとよくなるためにかなり厳しい糖質制限を急激に行いました。

多くの場合には、それで強い症状はおこらないのですが、エネルギー基質として糖質へ依存が強い場合や、交感神経芽緊張しやすい状態のときには、様々な症状が出てくることがあります。

昨日の患者さんは、動悸や手足のしびれ、強い不安感(いずれも交感神経緊張症状)などが生じ、
”いままで経験したことのない感覚”を経験しました。
のどが激しく渇いたため、水をのみはじめたところ5リットル飲みました。
そして空腹で受診しして検査した方が良いだろうとの判断で、午後1時頃に来院されました。

待合でまっている時間も症状が強くなり、どうしようもない状態になってしまいました。

注意深くビタミンや生理食塩水の点滴を行いましたが、改善無く注意深くブドウ糖も点滴によって投与しました。
その結果、徐々に手足が暖かくなり改善傾向があったのですが、どうしてもそれまでの症状が強く不安発作が抑えることが出来ません。
抗不安剤であるジアゼパムを少量点滴に加え、一時期顔つきも穏やかになりました。
ところが薬の効果がなくなってくると 再び緊張症錠が再燃し、過換気となり手足の脱力が強くなり意識レベルが下がってしまいました。

その結果、ご家族ともそうだんし職場関係の病院へ救急車で搬送し入院となりました。

ここまで症状が増悪するには、多くの要因が関係するのですが、引き金になったのは急激な糖質制限によって身体も脳もエネルギー基質の供給のバランスが乱れてしまったことです。
臨床経験では、糖質依存の体質が変化するのに早くて2ヶ月程度かかると思っています。
先日の京都の学会でも、ケトン体をエネルギー基質として効率よく利用できるようになるまで1〜3ヶ月が必要であると発表されていました。

低血糖症の患者さんの最終的な目標は糖質が不要な代謝へ変えることになりますが、その方法は個々の特性などを十分に考慮してゴールを目指すことが必要なのです。
| 低血糖症 | 16:34 | comments(11) | trackbacks(0) |


学会報告とセミナーのお知らせ
JUGEMテーマ:健康

 先週の金曜〜日曜は、京都で第10回日本抗加齢医学会の総会が開かれました。この学会は、アンチエイジングをキーワードに広い分野で、しかも深く掘り下げることをしている学会です。
医師の登録数も増えており、これまでの通常の治療では解決できない問題や疑問について知ろうとする多くの医師が集まっています。
そんな学会で、脳の老化と栄養というタイトルのシンポジウムで話をする機会がありました。
会場は大きなホールで2階席までありました。シンポジウムが始まると、他の会場からも多くの方が集まり立ち見の方々が出る盛況でした。
と言うのも僕の話の後には、東海大学の大櫛教授が話をされ脳のエネルギー基質としてのケトン体の有用性について非常に科学的に話をされたことも関係していると思います。

話を聞いてくれる対象が医師の場合には、どうしても従来の常識とは異なる概念について話をしなくてはならないため、とても注意深くなります。今回も持ち時間が20分であったため、この治療について、どのようにまとめたら理解してもらえるのか?悩みながら資料を作りました。

今までは講演がどのように聞かれたか?それはアンケートなどによって後日分かることだったのですが、今回は異なりました。なんでも流行りのTwitterとやらで、僕の講演について呟いている医師たちがいたそうです。
いや〜〜〜すごい世の中になってきました。情報のスピードがますます早くなっています。受けては、それだけ情報をしっかりと選択する目が必要になりますね。

さてお知らせです。
下記のように、検査データの読み方について医師・歯科医師を対象とした勉強会を開きます。
京都の学会でも少し勉強会について触れたところ、すでに14名の医師からのお申し込みがあったそうです。
この考え方が、日本の医師たちの普通になっていることを目標に、今月も来月も頑張りますよ〜!!

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今回のセミナーは、血液データの分子整合栄養医学的な解釈の方法とその理論的な基礎についてです。

1dayセミナー ベーシック
『検査データの評価法と診療への導入』

06月27日(日) 東京都品川 
10:00〜17:00(受付9:30) *昼食付き
参加費 25,000円(税込み)  定員 40名
詳細 
http://www.mssco.jp/seminar

07月11日(日) 大阪心斎橋 
10:00〜17:00(受付9:30) *昼食付き
参加費 25,000円(税込み)  定員 40名
詳細 
http://www.mssco.jp/seminar


栄養療法を取り入れるにあたり、最も大切なことは血液検査データをどのように解釈して治療法を組み立てるのか?このことが成果を左右すると言っても過言ではありません。従来の基準値をベースにしたものとの理論的な違いをご理解ください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして6月20日はがんに対する栄養アプローチの勉強会です。この勉強会は、すでの栄養療法を日常の診療にとりいれている医師・歯科医師を対象としている、より絞り込んだ深い内容になります。そして24日は尼崎でスモール勉強会!!

梅雨に突入と同時に、ちょっとハードな日程です。
そうそう、新しい本は7月1日発売に決定しました。

この考え方が常識になったら、こんなに忙しく話する必要もなくなりますね。
皆さんも、一緒にがんばって取り組んでください。
そして、その成果を周りの方々へ、さらりと見せてあげてください。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 20:34 | comments(0) | trackbacks(0) |


発達障害と言われたお子さんのママから
JUGEMテーマ:健康
昨日、3歳の男の子のお母さんから嬉しいメールをもらいました。
なんどかブログでも紹介しているお子さんです。
地域の基幹病院では、アスペルガーなどを含めた発達障害のグレーゾーンと診断され、落ち着かない行動や優れたさいのうなどについては、すべてその病気の特徴であるから仕方ないと専門医からかたずけられていたお子さんでした。
アトピー性皮膚炎とも診断され 皮膚科専門医からはひたすらステロイド軟こうの塗布をすすめられていました。
お母さんが、従来の治療法に疑問を感じ、食事の変更をおこない積極的に数種類のサプリメントを飲ませ始めていました。今回のメールはそのような経過中で、ヘム鉄を飲ませ始めて数カ月が経過したところの症状の変化を報告してくれたものです。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

先生こんにちわ!うれしい報告があります! 
『やりました!!』
ヘムt鉄を飲ませている成果です。今日の市民病院の発達障害外来で主治医からほめられました!

ヘム鉄を飲ませる前は、病院の階段を何度も上がり下がりし毎回看護婦さんをつれまわし暴れて、看護婦さんの迷惑になっていた。
ところが今日は、体重計るときも「どうしたの、○○くん?ねむいのかな?」と言われ、看護婦さんが驚いていました。
また診察室でも静かにしていたので、バギーから降ろしてもおとなしく、静かに歩いていた息子を見て発達障害の先生は、ビックリしていました!!
そこで私は、今試している栄養療法でヘム鉄を飲ませていることを伝え、それで落ち着いたと報告して伝えたのです。
「私は例え今息子が、アスペルガーとか自閉症とかわからないけどグレーゾーンかもしれません。でもアメリカなどでは自閉症に栄養療法があるから、私はそれを実践しています。」
「息子の病気が確定しても、栄養療法を続けていれば人とのコミュニケーションもでき、普通のところに溶け込む事ができると思うからです」

そのようにと言ったら「ホントだ!いつもと違う!いい話を聞きました」と言われ、私は鼻高々でした(笑)
でも眼の周りと顔のアトピーはよくなってないので、今後はアレルギー外来の先生もギャフンと言わせたいです。
これからも、がんばります!
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


自閉症など発達障害のお子さんは腸の機能が低く、通常の鉄を服用することで消化器症状だけでなく他の症状も増悪する可能性があります。そのため、このようなお子さんたちにはヘム鉄で服用してもらうことがとても重要になるのです。
ところが市販のヘム鉄製剤は、1カプセルに鉄が5mg含有されていると表示されていたとしても、ヘム鉄としての鉄は1mgにも満たないことがほとんどで、他の鉄はただの無機鉄なのです。
成長期の子供のトラブルに鉄欠乏が関係していることは非常に多いのですが、そのことは今の日本の医療界では全く、全く、全く理解されていません。
それどころか、発達障害を含めた成長期のトラブルに栄養障害が関係していることすら、全く、全く、全く知られていないということが現状でしょう。

先日のひきこもり対策は、社会的支援が必要であるという話の流れ通り、発達障害系にも同様のことが言われ、根本的に個人の病態改善とい考え方や栄養的な考え方は、いまのところ皆無というのが現状でしょう。
| 発達障害 | 08:01 | comments(15) | trackbacks(0) |


ひきこもりへの対策
JUGEMテーマ:健康
あるNPO法人からシンポジウムの案内が来ました。

タイトルは・・・
「社会的支援が届いていない膨大な数の人たちへの支援を考える」
〜ひきこもり、外来ニート、未治療・治療中断〜

パンフレットに書かれている文章は・・・・

”長期にわたるひきこもりは約300万人、その中には精神障害が原因の人が少なくない。
通院しているが「6ヶ月以上、就労、就学、通所などをしていない」ニート状態の人が約40万人。
未治療、治療中断の人も少なくない。
そのほとんどの人たちは必要な社会的支援を受けられていない。
私たちはこれから何をすれば良いのか、
支援に取り組み始めている方々をお招きして、徹底討論してみたい。

もしご興味がありましたら、連絡して参加してみてください。
連絡先 03-5333-6446  NPO法人メンタルケア協議会
場所 明治大学アカデミーコモン 3F アカデミーホール  

6月27日 日曜 10:30〜17:45
参加費 2500円事前 当日 3000円

このシンポジウムのプログラムを見てみると、そのタイトル通りで、いかに社会的な支援をひきこもりの方々へ行き届かせるか?
あるいは、精神障害で未治療の方々をいかに治療へ導くか・・と言う内容のようです。

治療を受けるべき、精神障害の方に治療の機会を提供する支援をすることや、社会的な支援によって長期のひきこもりの閉塞から新しい社会的な活動への手助けをすることも、とても大切なことです。
ひきこもりが長期になると、家族にも多大なストレスがかかり問題が生じていることもマスコミを通じて伝わってきています。

このような状況をかんがえると、社会的な支援や精神科的治療という分野だけでなく、家庭でできる何か??という分野も非常に重要になるのではないでしょうか?

そこに栄養という考え方を入れることが出来れば、毎日の生活で・・・・専門家の介在も必要とせずに、家族や本人の選択だけで行動することができます。

今日も、朝〜午前中にどうしても身体がだるくて起きることが出来なかった若い男性が受診してくれました。午後から特に夕食を含めた夜間の糖質摂取によって翌日に強いだるさがでることを経験し、厳しく糖質制限をすることと、適切な栄養素の補給によって劇的に症状が改善した患者さんが来院されました。

このような栄養の分野は、、
『ちょっと試してみるか!!』

という気持ちだけで行動へ移せるものなのです。
若い方々がひきこもり状態になるといことは、本人が一番辛いことです。
新宿の多くの患者さんも、身体のだるさがとれ精神的な意欲が栄養療法で改善してくると、皆さん社会復帰の意欲が強くでてきます。若い方々は、社会とのつながりを強く望んでいるのです。

是非ともこの分野に栄養という考え方が受け入れられることをのぞみます。
 
| ひとりごと | 16:49 | comments(4) | trackbacks(0) |


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