うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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栄養素とは・・・・
JUGEMテーマ:健康

昨日の診療で、1年間栄養療法を行ったのちに効果判定の検査結果を聞きにいらした患者さんがいらっしゃいました。

その患者さんは、クリニックのレポートを参考に、コストのことも考え自らが個人輸入したサプリメントを用いて栄養療法をしていました。どの種類の栄養素をどの程度用いるかはクリニックから出る栄養解析のレポートを参考にされていたそうです。

検査データは、低かったコレステロールが見事に改善していましたが、その他の不足栄養素については明らかな改善がありませんでした。この1年間の食事は、それまでほとんど食べていなかった肉類を比較にならないほど食べるようになったということでしたので、コレステロールが適正な値まで上昇したのは食事の改善によるものであったと思います。

ところがこの患者さん・・・・・・プロの整体師さんで、自分の治療院を訪れるクライアントさんを何人も新宿のクリニックへ紹介してきたそうです。
そしてクリニックからのサプリメントを服用すると、早い人で1週間で身体が変わってくることを、何人も整体をしながら確認してきたそうです。
また、クライアントさんの検査結果の変化を見て、血液検査データでも明らかな改善があることも確認してきたとのことでした。

なぜこのような違いがあるのでしょうか?

例えば鉄です。
クリニックサプリを用いる場合には、平均投与量は鉄として30mgです。
ところが処方薬で鉄を用いる場合には、鉄として100〜150mgです。
この量の処方薬の鉄よりもクリニックサプリの方が効果があり、副作用が少なくて済みます。

またインターネットなどで入手できるヘム鉄製剤では、1カプセルに鉄20〜30mg含有と書かれています。
クリニックサプリは、1カプセルに鉄8mg含有され、そのうち5mgがヘム鉄としての鉄になります。それでもカプセル満タンです。つまりヘム鉄は分子量がとても大きいので、1カプセルに入れられるヘム鉄の量はせいぜい5mgが上限です。1カプセルに20〜30mgの鉄が含まれるヘム鉄製剤は、そのほとんどが無機鉄であることが明白なのです。
さらに、鉄の吸収を上げるために、銅や亜鉛、特殊なペプチドなどを同じカプセルの中に入れるようなことは、コストがどんどん上がるため販売を目的に作られたサプリメントではありえないことでしょう。

またビタミンB群のサプリメントでも同様のことが言えます。
クリニックサプリでは、ビタミンB群はB1レベルとして100〜150mgを処方することになります。
海外のサプリメントでは、1カプセルに100mg含まれるB100とか最近では200mg含まれるB200 という製剤もあります。そうするとクリニックで処方している量は、1日1カプセル服用すれば足りてしまうことになります。

ところがクリニックサプリで1日50mg服用されている方々の方が、効果が確実に得られています。
それは何度もお伝えしてきましたが、代謝が低下しているような病気のときにはビタミンB群が働くようになるために核酸の存在が必須条件になるのです。核酸は鮭などの魚の白子に多く含まれている成分で、とても高価な原材料となります。
病気の改善を目的としてビタミンB群の補給が必要で、その時に必須の核酸を加えるととても高価なビタミンB製剤が出来上がってしまいます。
ビタミンB自体の原材料費は実はとても安価で、B100にしようとB200にしようとコスト的には大きな違いはありません。少しでも多くを売ろうと販売目的では、核酸をビタミンB群に混入することは通常のメーカーではありません。
比較的しっかりとしたメーカーは、核酸を別の単独のサプリメントとして販売しますが、その値段はちゃんとしたものでは驚くほど高いのです。

とういうことで、昨日の患者さんには同じコストをかけるのであれば投与量は少なくなっても、クリニックのサプリメントを用いた方が効果的であることをお伝えしました。

最近、検査のみをクリニックで受け、栄養解析レポートの種類と量を参考にご自身で治療に取り組む方が増えてきています。
今日お伝えしたようなことが現実であるので、今レポートを違うものに変更しようと作業中です。
必要な栄養素の種類はお伝えしますが、量の提示については控え、食事で注意するには何を食べればよいのかということにしていこうと考えています。

| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 08:25 | comments(24) | trackbacks(0) |


精神科医療の悲しい現実
JUGEMテーマ:健康

うつ病の患者数が激増し、年間の自殺者数も増加し続けている現状にたいして、厚生労働省もその対策のためにいろいろなことをやっています。

その一つの報告から、自殺をされた方々の中には既に精神科で治療歴があり、精神科からの多剤併用による治療が行われていることが多いことが指摘されました。
つまり、精神科によって薬物療法を受けていても自殺を防ぐことができないのではないか?という疑問が生じてきたのです。

もともと日本の精神科治療では諸外国と比較して多剤併用療法の率が突出して高いことが知られており一部で問題視されていました。
そこで厚生労働大臣の長妻さんが中心となり、専門家を集めた研究班をつくり議論を重ねています。

ところがその専門家の集団には多くの偉い精神科医が名を連ねることになりました。
その結果、この研究班での話し合いがどのような方向へ向かったのでしょう?

驚くような話の内容になっているようです。

トレーニングされた精神科医から処方された薬を、精神科医の指示通りに飲まないことが問題であるのだ。。。と話が急展開されてしまいました。
多くの薬を出して正常な判断を鈍らせている医療サイドに問題があるのではなく、指示されたとおりに服用しない患者サイドに問題があるとなってしまったのです。

なんと言うことでしょう・・・・またまた精神科医療の悲しい現実に直面してしまいました。




| うつ病 | 18:34 | comments(6) | trackbacks(0) |


多動症、ADHDと言われていたお子さんの経過
JUGEMテーマ:健康

昨日受診された8歳の男の子、1年前に受診された時には、多動性障害(ADHA)と診断されていました。
授業中椅子に座っていられない、集中力がない、人間関係が作れず友達ができない・・・・

この1年間、糖質制限とたんぱく質を増やす食事に変更し、検査データから必要な栄養素を補充することによって多くの改善傾向がありました。

集中力が出て、授業中座っていられる。
学校でも友達ができ、家に友達が遊びに来るようになった。

本人の言葉では、とても元気になったそうです。

ただ問題は、給食でした。
診察へ給食の献立のプリントを持って来てくれたのですが・・・・

○月○日  コッペパン・マーガリン・ちじみ・牛乳
△月△日  あんかけうどん、コロッケ、ロールケーキ、牛乳

こんな献立が、1か月に何日もあるのです。
しかも先月の給食のプリントには、脳には砂糖が必要だから・・・・・とお決まりのコメントが書かれていたそうです。

日によっては、糖質制限をしているこのお子様には牛乳しか食べる(飲む)ことしかできないそうです。
しかも少し年齢がたかい教師では、給食の完食を強要することが多いそうです。
昨日は、そのために糖質制限やたんぱく質の頻繁摂取が治療上必要であることを診断書に書きました。

そして一つエピソードを話してくれました。
それは、学校給食でうなぎがでたそうです。さすがにそのときには、がまんできずに食べたとのことです。

このお子さんは、糖質制限したことによって落ち着きが出て、自分でも改善をとても感じることができたので自分で進んで糖質制限をしていました。
ひさしぶりに食べた、甘いタレがたっぷりかかったうなぎご飯をたべたところ、身体に強いだるさを感じ、しばらく動くことができなくなってしまったそうでした。

そのうなぎ事件をきっかけに、本人もお母さんも糖質制限の重要性を再確認することになったとのことでした。

このような話をすると・・・・
・米がたべられないなんて、おかしい
・不自然な食事だ
・そんな食事は実行できない
・おじいちゃん、おばあちゃんに理解してもらえない
・友達に言えない

などなど・・・・良く言われます。
その患者さんの身体や心の状態を良い状態に保つために、糖質摂取が好ましくないのです。
一般に正しいと思われていることを、個人に当てはめないで欲しいです。
この子供も、実行してみたら落ち着いて勉強もできるし友達もできたので、自分で選んで実行しているのです。お薬も使わず、病気にされていた状態が普通になっているのです。
| 発達障害 | 08:09 | comments(5) | trackbacks(0) |


週刊文春、クロワッサンに載っています
JUGEMテーマ:健康

現在発売中の週刊文春(7/29号:7/22(木)発売)、クロワッサン(786号:7/24(土)発売)に、取材してもらった記事が載っています。
ブログをお読みの皆さんには、物足りない内容ばかりと思いますが、
『ホホ〜そんな考え方なのか』
と知っていただくためには役立つかもしれません。

話題はがらっとかわりますが、僕は子供の頃から1件の散髪屋さんでしか髪の毛を切ってもらったことが無かったのです。というのもアトピー性皮膚炎だったので、髪の毛が伸びると硬い髪の毛が耳にあたり、耳が切れてしまうのです。しかもシャンプーすると首も額もボロボロになってしまっていたのです。もちろん散髪屋さんで良くやっているかみそりを充てることもできませんでした。
そんな経緯があるので、なじみのおじさんとおばさんがやっている散髪屋さんオンリーだったのです。
もともと無精者なので、髪の毛が伸びてくると自分で適当に隙はさみで切り、いよいよ我慢できなくなるとその散髪屋さんに行くのです。
ところが、ここ1カ月ほど臨時休業の張り紙・・・・

先日の日曜日についに我慢できなくなりカットとやらに行ってきました。
そこで衝動的に白髪染めもオーダー!!

見事に染まるものですね〜〜びっくりです。
染めあがったあとの鏡をみて『気持ち悪い〜〜』
白髪頭に見慣れていたので違和感120%
今でも鏡を見るときに戸惑います。

手間を考えると、きっともう染めることはないでしょう。
ここしばらくは違和感とともにすごし、その後は生えてくる白髪と共存することになりそうです。

この期間にお会いすることがあるときには、ちらっと髪の毛を見てやってください。

| ひとりごと | 08:37 | comments(3) | trackbacks(0) |


統合失調症の治療経過:40歳代男性
JUGEMテーマ:健康

昨晩お会いした精神科教授は、統合失調症の治療についても現在の精神科学会のトレーニングを積んだ経験豊かな精神科医以外は扱ってはならないというお考えでした。(かなりしつこいですね...自分も)

今日、カウンセリングした40歳代男性の統合失調症の患者さんの経過についてお伝えし、現在の精神科治療の問題点について提言できればと思います。

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約5年前に、強い妄想と希死念慮が発症。
数回の入院治療を含め発症後は投薬治療を継続されていました。

初診時は、主治医からは陰性症状と言い渡されていましたが・・・・
 ・記憶力、集中力の低下
 ・感情の平坦化、無表情の顔、意欲の低下
 ・ときおり襲ってくる”死にたい”という感情

などに苦しんでいらっしゃいました。
新宿を初診されたのが、昨年2月ですので1年5ヶ月前になります。
その時の投薬は、

 エビリファイ
 セロクエル
 ドグマチール
 アキネトン

 レンドルミン
 サイレース

 酸化マグネシウム・ウルソ

初診時の検査データでは、やせ形でないにも関わらず 総コレステロール値が低く、その他ではビタミンB群の重篤な不足がありました。
また血糖調節障害があり、いわゆる低血糖症の状態でした。
そして2回目3回目の検査結果から鉄の不足が存在することが分かってきました。

この患者さんにたいしての新宿での僕のサポートは、食事指導と不足栄養素の補充と代謝の改善です。
決して精神科教授が言うような、統合失調症の治療を門外漢の素人がやったわけではありません。
その一つの理由は、この患者さんのお住いが九州なので新宿での投薬の調整が困難であったからです。

糖質制限の食事を実行し、検査データからその時その時に必要な栄養素を補給する治療を1年5ヶ月にわたり実行した結果は次の通り。

<投薬内容>
 セロクエル 25mg 1錠 寝る前 
 アキネトン 1錠 寝る前のみ

・仕事にも毎日通い、最近では多少の残業もすることが出来る。
・意欲も保たれ、通勤のためにバイクを購入し乗っているが、春などはとても気持ちよいと感じながら通勤できた。
・たまに薬を飲み忘れて寝てしまうことがあるが、そのときには少し沈んだ気分がでることがある。
・副作用は全くない。


検査データの変化は次のようなものでした。

○ 総コレステロールの上昇 → これは総合的な栄養状態の改善を示します。
・コレステロールの低値は、うつ病やうつ症状との関係が多く指摘されている検査データの問題点です。
・コレステロールが低い統合失調症の患者さんは、自殺のリスクが高く衝動性が亢進します。

○ 一時的に上昇した尿素窒素の最低下
・この結果はおそらく仕事量の増大などによる、ビタミンB群の消費増によるものと考えられます。
・労働やストレスなどによって大量のビタミンB群を消費する体質なので、今後もビタミンB群の補充は状態がよいときでも継続することが望ましい。


カウンセリングの最後には、最低量のセロクエルは継続し無理に減薬や断薬を試みないこと、アキネトンは現在の投薬量であれば不要であることが予想できることなどを話し合いました。

1年5ヶ月の期間でスムーズに減薬され、しかも就労も問題無く出来るほど改善されました。
くりかえしますが、新宿で僕がサポートしたのは「食事指導」と「栄養素補給」のアドバイスです。
その結果が統合失調症の投薬を劇的に減量することを可能とし、陰性症状と言われていた無感情の患者さんが、バイクで気持ちよいと感じながら、残業まで出来るようになっているのです。
そしてその背景には、代謝の改善がありコレステロールについては多くのエビデンスが存在するのです。

このような視点が、現在の精神科医師育成トレーニングにはきっと欠けているのでしょうね。。。。

夕べのことは、自分がかなりしつこい性格であることを再確認させてくれました。
このような内科的な視点を、一人でも多くの精神科医が持つようにならなくては、莫大な患者さんたちがただただ投薬を継続されることになってしまうのです。
| 統合失調症 | 15:30 | comments(6) | trackbacks(0) |


権威ある精神科医と食事しました
JUGEMテーマ:健康

本日、某大学精神科教授と食事をする機会がありました。
腹立たしくも、驚くような言葉を聞くことになり、現在ある精神科医療の問題点とその解決の困難さを痛感することになりました。

うつは精神科医が診る病態だそうです。
そこには栄養、代謝、内分泌、内科系疾患などを除外作業もしない、診断が普通に行われています。
精神科のトレーニングを積んだ、医師が患者の訴えから主観的に評価しうつ病の診断が下されます。

そしてその教授は、うつ病の患者の全てにパキシルを処方されるそうです。
そして話されてたのは、『パキシルでうつ病は治らない』でした。

さらにおどろいたことは、精神科医が使う薬の全ては、なぜ効果があるのか、その正しい機序は一つも分かっていない・・・・のだそうです。
それでは、どのように薬を選択するのか?  
教授の話を聞くと、僕には医療ではなくアート(感性)の世界に聞こえました。

どれほど多くの甲状腺機能低下症の患者さんが、表面にでているうつ症状だけでうつ病の診断がくだされ抗うつ剤の処方をただただ続けられているのでしょう?

どれほど多くの鉄欠乏の女性が、疲れやすい、やる気が出ないという症状だけでうつ病の診断がくだされ、パキシルを飲まされているのでしょう?

どれほど多くの低血糖症の患者さんが、うつ病の診断をくだされ多剤併用処方され、薬の副作用で苦しまれていることでしょう?

本日、お話する貴重な機会をくれた大学教授には、これらの訴えはまったく届きませんでした。
聞く耳が全くない・・・・という印象でした。

そして一方では、今日の昼休みにはパキシルをはじめとする抗うつ剤を断薬するために2ヶ月間も入院し苦しまれた患者さんが貴重な時間をつかって新宿まで来てくれました。それは、うつ病の診断から多くの薬が処方され苦しまれている患者さんが多い事実にたいして問題意識をもっているマスコミの方からインタビューを受けるためでした。

今のいわゆる精神科が全てであると思われている精神科医が主流であるかぎり、この分野の将来を専門医へまかせることは到底できないという気持ちになってしまった夕食でした。
| ひとりごと | 23:59 | comments(2) | trackbacks(0) |


視線恐怖症状(社会不安障害)の改善経過
JUGEMテーマ:健康

社会不安障害は、日常生活のあらゆる場面で不安症状が生じ、毎日の生活を制限することが必要になってしまいます。
治療法は、投薬・カウンセリングをはじめ、自律神経訓練法や認知行動療法など多岐にわたるアプローチが行われています。ところがここでも教科書的には栄養アプローチは取り上げられていません。

前回からご紹介している患者さんは、他人の視線が気になり始めて20年以上経過しており、多くの薬が処方されていました。数ヶ月前の栄養アプローチ開始前には、強い疲労感でほぼ1日中ゴロゴロしていることが多く、視線に対する不安と、その不安を自覚したときに出てくる強いうつ感に苦しまれていました。

以下は、先日のカウンセリングでの途中経過の報告です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

栄養療法前と比較して、全体的に症状が改善していることを実感することができます。
ただ不安なときにはレキソタンを使っている
定期的に服用していた多くの薬については、主治医との相談によって減らしている。
そしてかなりお薬が減ったが症状が増悪せずに居られる。

まず眠気が無くなった
以前は昼間はずっと寝ている感じであった

そして日中など、いろいろな外で起こっていることに対して感覚が戻ってきている。
新鮮さをふとしたことで感じる
風の臭いを感じたり、光の加減をキレイだな・・・と感じたりしている。
それは薬を飲む前の感覚であったと思い出す。

脇見視線恐怖はまだあるのですが、それを気にしてヒトのことをチラチラ見てしまいます。
ところがそれによってひどく落ち込んだりすることが無くなりました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今後は、もともとの視線恐怖症状がどのように変化するのか、経過を診る必要があります。
ただ今回のカウンセリング時おいても、視線への不安があるものの徐々に外出をするようになり、これまでとは大きくことなる行動が可能となっています。
しかもそれが20年以上前に感じていた新鮮な感覚をともなっているところに投薬治療では、なかなか得ることが出来ない改善の質を感じるのです。

| 社会不安障害(SAD) | 15:44 | comments(2) | trackbacks(0) |


視線恐怖症への栄養アプローチの変化
JUGEMテーマ:健康

他人の視線が気になる・・・などの症状が強くなり社会生活が困難になってしまうことがあります。
視線恐怖症などと言われることがあり、社会不安障害の一つととらえられることもあります。

また患者さんの訴えから、その背景に統合失調症的要素を強く疑われると統合失調症と診断されている患者さんも多くいらっしゃいます。
視線恐怖症の患者さんの場合には、診断名がどのようについていても投薬の内容は多剤併用になることが多くなります。

不安症状を訴えるため、レキソタンやワイパックスなどなど・・・・いわゆる抗不安剤
他人が自分を見る。。ということを妄想と判断されるのか・・・・セレネースやコントミン、あるいはジプレキサやリスパダールなどの抗精神病薬
そして不眠がほとんどの場合に合併するので、睡眠薬・・・とくに強い睡眠薬が処方される傾向があります。

一般的な治療には、投薬治療の他にカウンセリングや自律神経訓練などが併用されることが多くあります。
新宿のクリニックでも、視線恐怖を訴える患者様が多く来院されます。

職場での同僚からの視線が気になり通常の仕事が出来ない・・・・あるいは外出時の他人の視線が恐ろしく外出ができない・・・などを訴えられます。

今日はそのような症状で20年以上も苦しんでこられた患者さんの栄養アプローチによる経過報告を聞く機会がありました。

長年の治療によって投薬内容も多剤併用となっていました。
ドグマチール、レキソタン、ウインタミン、セレネース、サイレース・・・どの薬も作用とするとしっかりとした作用を出すタイプのお薬です。
これらの服用でも症状の根本的な改善はなく、とても強い疲労感で一日のほとんどを寝て過ごす毎日でした。
そしてときに衝動的に甘い物を大量に食べてしまうことが繰り返されていました。

今日は、そのような患者さんが糖質制限を行いサプリメントを用いた栄養アプローチを行い数ヶ月経過した後のカウンセリングでした。
| 社会不安障害(SAD) | 18:04 | comments(1) | trackbacks(0) |


うつ病の改善
JUGEMテーマ:健康

今日の東京は真夏を思わせるような日差しで、とても熱い一日でした。
新宿のクリニックは西日を浴びる診察室なので温度調整がなかなか大変です。

さて外来をやっていますと、その日の傾向というか特徴みたいなことが良くあります。
今日の外来は、患者さんたちのうつ症状の改善がとても多かった一日でした。

遠方から約半年ぶりに来院してくれた女性の患者さんは、この半年でとても改善傾向を実感してくれていました。
患者さんの表現を借りると

「耳鳴りが起こっても、それが気分を沈めることにならない。あっ、また蝉が来た・・・って感じです。」

以前は耳鳴りが起こったり、身体の不調を感じたり、ストレスに直面したりすると、それが気分を沈めるきっかけになっていたのです。
ところが、今は・・・・・・耳鳴りは、耳鳴り。   動悸は、動悸。  それでお終い。
そんな感覚のようです。

そのため日常生活がとても楽になっていると話してくれました。

血糖調節障害である低血糖症が関係する患者さんたちには、必ず糖質制限による食事指導を行っています。
その時に多く聞かれる質問に、脂質は気にしなくてもよいのでしょうか?  ということがあります。
高脂肪食について、興味ある記事があったのでご紹介します。

Internaional Journal of Obesity 2010 オンライン版に発表されたマウスの実験です。
朝食に高炭水化物を多く摂取したマウスでは、体重増加・肥満・耐糖能障害が生じ、朝食に高脂肪食を与えたマウスには代謝の異常が生じなかったというものです。
低血糖症の原因の一つに、耐糖能障害によるインスリン過剰分泌とそれにともなう反応性の低血糖が関係していることを考えると、この食事指導の有用性が理解できます。

これまで朝ご飯というほど、朝食にはご飯やパンがつきものですが、どうもそうではなさそうです。
さらにこの実験では、朝に高炭水化物を摂取すると一日中炭水化物代謝のスイッチが入った状態になり、別の食材を摂取しても炭水化物代謝が有意に働いてしまうことを指摘しています。

またこの実験では、就寝前は低カロリーの食事がマウスの健康増進に役立ったことも確認しており、夜間の高カロリー食は避けることも勧めています。
常にマウスなどの動物実験と人間で比較できない分野が多くありますが、今回の実験結果を私たちの生活に応用することにはリスクや問題がなく、その日の血糖調節を安定化させることに役立つのであれば応用しない手はないのではと思います。

朝は高脂肪・高カロリー・糖質0 そうすると、昼食や夕食の糖質の影響が減らせるかもしれません。
| うつ病 | 18:08 | comments(2) | trackbacks(0) |


うつ病関連本の第2弾
JUGEMテーマ:健康
前著、”うつは食べ物が原因だった”につづく第2弾が7月2日に出版されました。

utsu.jpg
脳から「うつ」が消える食事
青春出版社 ・2010/7/2発売・860円(税込)



今回の本は、実践編となっているところもあり、後半にはレシピなどが記載されています。
このブログを頻繁にお読みいただいている方々には、少々物足りない内容になっているかもしれません。

また糖質制限ということでは、そのニュアンスが旨く伝えられたか、自分でも不安です。
”玄米だから大丈夫”とか、”砂糖が入っていないから甘いけど大丈夫”という解釈がされなければよいと思います。

今回の本で、もっとも読んでいただきたいところは、”あとがき”です。

以前にブログでも紹介しましたが、この治療に取り組まれている患者さんからのメールをほぼそのままの形で紹介しています。
ちょっとカルテを見直してみましたが、精神科から処方された薬は最高で1日40錠以上でした。
これほどの量は、さすがにあまり見ませんが、どの薬が効いているのか分からないほどの多剤併用は、今でも多く見られます。
40錠以上の薬からの減薬や断薬には、大きな困難を伴いましたが、今では投薬なしで元気に生活出来るほどに回復されています。

今朝の電車の中で、”うつは薬では治らない”上野玲著(文春新書)を読みました。
著者がうつ病の経験者であることから、他にない内容であったのですが、うつをはじめとする多くの精神症状と栄養不足については触れられておらず残念でした。
うつの改善にたいする、栄養や運動の効果などについて触れられていたら、薬の効果や弊害を提言する本として、さらに内容が充実した物になっていたと思います。
しかし本の後半にただ休んでいるだけではダメで、あるときから少しムチ打ちながらも活動することの重要性が触れられていた点が素晴らしいと思います。

今回の脳からうつが消える食事のあとがきには、一般的な投薬治療と栄養療法の二つを経験した患者さんの正直な感想(本人は愚痴と言っていましたが。。)が記されています。

心の病気あっても身体の病気であっても、トラブルが”治る”とはどのようなことなのか。。。その治る過程にどうして栄養が関係するのか、短い文章でストレートに表現されています。


また今回の著書では、腸のトラブルやアレルギーについても少し触れました。
ブログでもLGSというカテゴリーがあり、そのLGSをキーワードでクリニックを受診される患者さんもいらっしゃいますが、LGSはどちらかというと結果であり、根本的な原因ではありません。
腸のトラブルに関係しておこるアレルギーも結果であり根本的な原因ではありません。

ただLGSもアレルギーもいったん形成されてしまうと、病態を増悪させる原因になってしまうことが大きな問題なのです。
病気の悪循環を断ち切るとい点では、LGSやアレルギーを扱うことは重要になります。

食べ物を変えてみたり、栄養素を摂取してみたりすることが、うつ症状にたいして効果があるか、効果がないか・・・それを論ずるのではなく、そのアプローチが身体や脳に悪い影響がないのであれば、試さない手はない・・・・と、前回の著書の新聞書評にありました。

今回の本は、より実践的なものです。
投薬だけで良くならない方、すでに栄養療法にとりくまれていても、なかなか効果が得られない方、もう一度読み直して修正可能なところが見つかったら取り組んでみてください。

読んだご感想なども、多くの方の参考になると思いますので、ぜひ各レビュー欄などへご投稿頂ければと思います。
| うつ病 | 09:32 | comments(6) | trackbacks(0) |


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