うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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血糖値の変動 
JUGEMテーマ:健康

これまで千人以上の患者さんへ糖負荷検査を行いましたが、血糖値の変動はとてもバラエティーに富み、しかも自覚症状と深く関係します。

一般的に血糖の曲線は、糖質を負荷した3〜4時間後には空腹時の血糖値とインスリン値にもどり、その後は一定になります。
糖負荷検査のように12時間空腹時間を作って頂き糖質を負荷しても、通常であれば3〜4時間後には元の空腹時の状態に落ち着き血糖値は一定に保たれるのです。

そして新しい本で紹介したように、空腹時に血糖値が上昇しない肉や脂質に富んだ食材を摂取する場合には、血糖値の変動は少なく一定を保つためのホルモンの分泌も少なくて済みます。
12時間以上の空腹時間を作り、その後に糖質を摂取しなくても血糖値が下がりすぎることは通常でありません。

言い換えれば、通常の場合では日常の食事で血糖値を維持するために血糖値が上昇する食材・・糖質など・・を摂取する必要は無いことになります。
また通常の場合では、血糖値が上昇する糖質を摂取しても、その3〜4時間後には血糖値は安定し一定を保つようになります。またその一定を保つために、自律神経を働かさなくても良い状態になります。

そのような状態は、安定した空腹時間と表現できるかもしれません。
ゆったりとお腹が空いてきて、仕事もはかどり集中力も維持され、次の食事は何にしようかな〜〜と楽しみにになるような感覚です。

1日に3食でこのような安定した状態を維持することが出来るために大切なことがいくつかあります。
その代表が、肝臓に十分なグリコーゲンを蓄えることが出来るということと、筋肉由来のアミノ酸から糖を身体で作ることが出来るということです。

ピカピカの肝臓と、しっかりとした筋肉量があると、1日に3食で安定した血糖値が維持することが出来ると言うことが出来るかもしれません。

| 低血糖症 | 18:25 | comments(2) | trackbacks(0) |


6月16日の患者さんのその後・・糖質制限は危険ではない
JUGEMテーマ:健康


6月16日のブログで、患者さんの具合が悪くなり救急車で病院へ搬送したことを書きました。
その後の経過などをお伝えして糖質制限は、決して危険ではないことをお伝えしようと思います。

マイルド糖質制限で体調が改善し、スーパー糖質制限をされて体調の不良とともにもともと感じていた不安を感じられました。
血糖の低下が原因ではないかと感じ、急いで甘い物を急激に食べましたがなかなか症状が改善しません。さらに不安が高じ、大量に甘い物を食べました。

クリニックを訪れても不安感がとれず、徐々に手足のしびれや感覚の変化を感じます。
このときに僕が診察していますが、血糖値は正常であり何回かの検査でも血糖値の変動は無くなっています。
医学的にこのような状態は、周期性四肢麻痺を疑い通常経過を診ていると改善してくることがほとんどです。

この患者さまも、救急車で搬送している時間に症状が改善し搬送先の病院についたときには何も症状が無くなっていました。

6月16日のブログが、糖質制限には危険が伴う・・・と思われるような記載であったようで、多くの患者さんから診察中に訪ねられました。
この患者さんの急変を振り返ってみると次のような機序が考えられます。

・身体の不調と不安感を感じた
・それは、急激に糖質制限を厳しくしたことが原因かもしれない
・症状がどんどんひどくなり、不安も強くなってきた
・甘い物を食べた
・甘い物を食べても症状が全く改善しないばかりか、ひどくなる
・手足がしびれ、思うように動かない・・・・さらに不安
・呼吸で息が吸えないような感覚になり過呼吸となる

この経過では、低血糖による症状を疑って急激に糖質を摂取したことによって、インスリンが大量に分泌されます。
その結果として細胞内へブドウ糖の取り込みと同時に大量のカリウムも取り込まれます。

血中のカリウムが低くなり筋肉のこわばり感が急激に生じます。
また不安にともない呼吸数が増すことによって、呼吸性アルカローシスという状態になりさらに電解質のバランスがくずれます。

このような機序があり、強い症状を形成したものと考えられます。

糖質制限は、決して危険な食事方法ではありません。
ところが、糖質制限をすることによって症状の増悪や新たな症状を感じる方々いらしゃいます。
いずれも一時的なものなのですが、それをどのように克服するか・・・

また機会を改めてお知らせしようと思います。
| 低血糖症 | 17:16 | comments(7) | trackbacks(0) |


新宿での心理的なアプローチ 
JUGEMテーマ:健康


新宿溝口クリニックは、栄養療法が中心のクリニックであることには変わりませんが、実は心理的なアプローチにも力を入れています。
クリニックのスタッフには”アロマの会”というアロマセラピーを勉強し体験する勉強会があります。
それは、新宿の佐藤先生が講師となり和気あいあいとスタッフどおしで勉強しています。
実はクリニックでも特に採血や点滴をするスペースでは、ハーブのオイルがたかれていて、患者さんにリラックスしてもらえるように工夫しています。

新宿の佐藤先生は、精神科指定医という資格を持ちながら、アロマセラピー、心理カウンセリング、ヒプノセラピー・・・じつは、ちょっと占いまで深く探求しているドクターです。
新宿のクリニックを利用していただいている患者さまにも、多くの症状が栄養だけでないことは非常に多くあります。栄養の問題は、食事やサプリメントで対応することが可能ですが、心理的なメンタルな問題が主なる原因となっている場合には、どうしても上手くいかないことがあります。

そのため新宿溝口クリニックでは、佐藤先生を中心に心理カウンセリングやヒプノセラピーを治療の一つの手段として用いてきました。
そして医師がこのような心理カウンセリングやヒプノセラピーなどを全て担当することは現実的に困難名ことが多いので、段階的にシステムを作ってきました。

まずクリニック内で専門的な知識と経験がある心理カウンセラーに定期的なカウンセリングをお願いしました。
この心理カウンセリングを受けた患者さんは、皆さん新しい発見や症状の改善が得られました。
このカウンセラーさんは、現在新宿に定期的にいらしていませんが、現在は横浜と西鎌倉でカウンセリングを行われているので、適応となる患者さんにはお勧めしています。

次に既に横浜のメンタルクリニックとの提携で実績がある”カウンセリングルーム泉”に新宿のクリニックの隣に開業してもらいました。
このカウンセリングルームは、専門的な知識を持ったカウンセラーのカウンセリングを継続てきに受けることが出来るシステムを持っています。

またヒプノセラピーについては、人の心の深い層までアクセスする方法なので適した患者さんであるのかの判断が重要であり、行うセラピストの技量も重要な要因になります。
また心理カウンセリング同様に、ヒプノセラピーも佐藤先生が全て施行すると、一般の診療への影響や患者さんのコストの問題などもでてきました。
そこで、日本でも最も歴史と経験があるヒプノセラピストである矢澤先生からご紹介をうけた、酒井統子セラピストを新宿のクリニックに招きヒプノセラピーを行っています。

ヒプノセラピーを希望される患者さまは、すべて1度佐藤先生の外来を受診していただき、ヒプノセラピーを行って良い状態であるのか、またヒプノセラピーによって効果が期待できるのかを判断していただいています。

このところ酒井セラピストによるヒプノセラピーを受ける患者さまが増えてきており、素晴らしい発見をされ症状の改善に役立っているようです。

以前このブログでも書きましたが、自分もヒプノセラピーを受けたことがあります。
集団の中にいるときに感じる、妙な孤独感のようなものの源泉にふれることができ、とても貴重な経験になりました。

人がひとりひとり、生き生きと自分の人生を歩むことは、僕にとって大きな喜びです。
そのための栄養アプローチであり心理アプローチであることが大切だと思っています。
| ひとりごと | 17:03 | comments(1) | trackbacks(0) |


9月に出産予定
JUGEMテーマ:健康


今日ご紹介する患者さんは、昨年6月からオーソモレキュラー療法に取り組まれてきました。
当初の問題点は・・・

・とにかくだるい
・耐えられない強い眠気
・集中力がない

などでした。
幸いなことに、これらの症状にたいして投薬治療は行われておらず、ご自分でマルチビタミンなどを用いていらっしゃいました。
初診時のデータは、
・低コレステロール
・血糖調節障害
・貯蔵鉄の欠乏
・筋肉量の減少

などが問題点でした。
筋肉は、インスリンのターゲット臓器の代表で血糖調節に深く関係しています。
また筋肉は第2の心臓と言われるほどポンプ作用があり循環器系のサポートとしても重要な働きがあります。

この患者さんは、疲れやすいことが運動不足が原因と考えジムに通われていました。
栄養不足が原因の疲れなどが運動不足と思われ、ジムなどに通っている女性が多くいらっしゃいますが、日常生活+αの負荷を身体にかけるので、基本的には初診時にお勧めすることはありません。

糖質制限とたんぱく質代謝改善を中心としたアプローチを行い、症状が徐々に改善してきました。
そして何回目かの外来のときに、妊娠をしたと報告をいただきました。

その時に知ったのですが、この患者さんは辛い症状の改善を目的に来院されていたのですが、不妊治療も同時に行っており、すでに体外受精にも何度も挑戦されていたそうです。

振り返ってみると、血糖値が安定しコレステロールが上昇し、筋肉がついてきたころの時期に妊娠が成立しています。
そして予定日が9月末。
先日の外来では、さすがにお腹が目立っきました。
お顔の印象が、とても柔和になられてきていたのですが、やっぱりお腹の赤ちゃんは女の子だそうです。

直近のデータでは、HDLコレステロールが100を超え、総コレステロールも255まで上がりました。
妊娠中もつらいつわりなどなく、とても順調に経過しました。

あとは、出産後の母乳の質を改善するように、妊娠後期出産前の栄養素の特徴についてをお話しして外来が終わりました。
次回来て頂くときには、出産後になります。

とてもほのぼのとした気分になりました。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 18:14 | comments(1) | trackbacks(0) |


もう一度、違う伝え方で・・・
JUGEMテーマ:健康

新宿溝口クリニックでは、様々な辛い症状を改善することを目的に受診してくれた患者さまへ、栄養アプローチを提供しています。

その手段として、クリニックが提供するサプリメントを用いる方がいます。
その手段として、保険適応の栄養剤を用いる方がいます。
その手段として、患者さんがご自分で選んだサプリメントを用いる方がいます。

何年間も投薬され、仕事ができず生活保護を受けられている患者さんも大勢いらっしゃいます。
また様々な理由で、保険適応の栄養剤で治療されている方も本当に大勢いらっしゃいます。

保険適応の栄養剤を用いるためには、新宿のクリニックへ定期的に受診する必要があるので、静岡・長野・新潟・栃木・群馬・茨城などにお住まいの方々に限られてしまいます。
なかには、2ヶ月に一度夜行バスを使って大阪から受診される患者さんもいらっしゃいます。

院長がクリニックから提供するサプリメントしかダメとしているとしたら、このような治療をクリニックが行なうでしょうか?

どのような方法であっても、クリニックを利用いただく患者さまにはクリニックはスタッフ一同全力でサポートしています。
何度も、何度もお伝えしてきましたが、一般的に知られていない、認められていない、取り組むには苦労をともなう治療法を選択され、しかも新宿溝口クリニックを選択していただいたのです。僕を含め、スタッフは全員が同じ気持ちでサポートしています。
僕以外の医師も、従来の治療法では改善できない多くの患者さんの経過を実感し、新宿のクリニックでの勤務を希望され選択してくれています。

もういちどお伝えします。
クリニックのレポートでクリニックからのサプリを用いた場合の鉄の必要量が、10mgとなっている患者さまに、保険適応の鉄剤を処方するときには、50〜100mgになります。

もしクリニックが発行したレポートに記載されている量を参考に、ご自分で鉄を10mg飲んだとしても効果はとても小さなものになるでしょう。
その栄養素が病態改善にとってポイントとなる栄養素である場合には、自覚症状の改善は期待できません。

現在進めているレポートの変更は、重要な栄養素の種類についてはこれまでどおり・・・・できればこれまで以上に有益な情報に変更することを予定しています。
栄養素の量を削除するのは、用いる製剤によって必要量が上記した鉄のように5〜10倍もことなることが非常に多いことが理由です。栄養素によっては、この差がもっと大きくなるでしょう。
最近の海外のサプリメントには高含有のものが多くなっていますので、量だけで言えば十分量を補うことができるようになって来ました。
またファンケルやDHCなどの、国内の大手メーカーもクリニックでのみ使用可能なタイプのサプリメントを展開しはじめました。レポートを参考にご自分でサプリメントを選択されるのであれば、一定期間服用しその後の検査でねらった効果がでたかどうかを判断材料にされるのも方法かも知れません。

またクリニックのレポートで記載されている栄養素の種類を全て用いることが重要であると思われる患者さんがいらっしゃいます。
もちろん最適な種類と量を摂取することが理想ですが、病態を改善するためにポイントになる栄養素があります。
その2〜3種類の栄養素が補充されると、数ヵ月後の検査データで他の多くの栄養素の改善があることを経験します。そして自覚症状も大きく改善します。

たびたびコメント欄でも、クリニックを受診したことがなく、このブログに書かれている情報だけで食事を変更しサプリメントを用いて辛い症状が改善したと報告してくれる方がいらっしゃいます。
セルフ栄養療法が十分できる情報がこのブログには書かれているはずです。

このブログを書くようになってから、自分の栄養療法のスタイルも少しずつ変化しています。
きっとブログをお読みいただいている方にも、そのことを気がついている方もいらっしゃると思います。
クリニックを利用して一緒に取り組んでくれている皆さん、ブログを参考に取り組んでいらっしゃる皆さん、それぞれの立場で、自らの可能性を広げるためにこの方法に取り組んでいきましょう。
| ひとりごと | 22:27 | comments(15) | trackbacks(0) |


こどもの脳の発達
JUGEMテーマ:健康


あたらしいTVが従来の3原色から4原色になって、より画面がきれいになったとコマーシャルをしています。
私たちが見ているテレビやパソコンの画面は、RGBと言われる方法で色を表現しています。
赤:Red、緑:Green、青:Blueの3色でその頭文字をつかってRGBとなります。

どんなきれいな風景や景色をテレビやパソコンで見ても、それはこの赤、緑、青の3色が混ざって出来上がった色なのです。

子供の脳は、脳神経細胞のネットワークをどんどん構築することで記憶し学習し脳の能力を高めるのです。
そのネットワーク構築には、外界からの刺激が非常に重要であることが以前から知られています。

『今の子供たちの多くは、日の出の刻々と色が変化する実際の風景を見たことが無い・・・』
『幼少時から色の情報がRGBで構成されたものになっているので、自然の風景で感動できない・・・』

こんなことを話されている方の講演を聞いたことがあります。
つまり同じひまわりでも、テレビやパソコンの画面で見られる鮮やかなひまわりには、子供たちの脳が反応し感動しているのですが、実際の日の光を受けているひまわりには、こどもの脳が反応していないと言うのです。

このことが、従来理解できないような子供たちの行動や犯罪に関係しているのではないか・・・・ということも言われているそうです。

今年の7月は本当に暑くなりました。
その暑さも一息ついたとか・・?と感じることも出てきました。
自分は釣りに行くときには、夜明けまえの風の変化や手漕ぎボートから触る海水の温度で季節の変化を感じることができます。
夏と冬では、夜明けの風景が全く異なります。
あまりに美しく感動することもたびたびで、たまに携帯電話で撮影するのですが、やはり目で見た美しさには敵いません。ピンクと銀が微妙に混ざりブルーのポイントがちりばめられた真鯛の美しさも、どんな高級なデジタルカメラでも表現することはできないでしょう。

脳が急速に発達している子供には、その時に感動や喜びが無かったとしても、夜明けや夕日を経験させることは健全な脳の発達には、やはり関係しているのだろうな・・・と感じます。

技術が発達し、画面での色の表現が4原色になっても何原色になっても、複雑な自然の色とは別なものであることには変わりがないのです。
| ひとりごと | 08:39 | comments(7) | trackbacks(0) |


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