うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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ADHDの子供の半数に食物アレルギーが関与
JUGEMテーマ:健康


興味深い論文の情報がありましたので、少し考察を交えながらお知らせしたいと思います。

これはLancetという医学系ではとても権威ある雑誌に掲載された論文です。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)62227-1/abstract

ADHDの約半数に食物アレルギーの関与が疑われ、除去食をすることで症状が改善した・・・というものです。
論文では、IgE型アレルギーとIgG型アレルギーとADHDの関係についても比較していますがIgE型アレルギーとADHDとの関連性は見いだされず、IgG型アレルギーが生じていた食材を除去することによって高い確率で症状の改善が得られたとしています。

日本ではIgG型の食物アレルギー検査が保険で行われていないため、多くの医師はその存在すら知らないかもしれません。保険診療でできる医療こそがエビデンスのある治療と勘違いされている方が多くいらっしゃいますので。。。

ホッファー先生はご自分の食事でも多くの食材を避けていました。それはアレルギーのためであると話さされていました。ときに普段避けている食材が入ったものを食べると、その後数時間体調を崩されベッドで横になっていることもありました。
マイケル・レッサー先生は、多くの精神症状に脳アレルギーが関与していると、彼の講演の中で話されていました。最初のレッサー先生の話を聞いたときには、脳アレルギーとはどんな病態なのか・・・なかなか理解することが出来ませんでした。

その後、IgG型の食物アレルギー検査が可能となり治療に応用するようになり徐々にその病態を理解することが可能となりました。
我々医師が理解しているアレルギーという病態は、どうしてもIgE型のアレルギーを想像してしまいます。一般の方々もそばアレルギーやたまごアレルギーなどが知られているので、アレルギーといえばIgE型の症状を想像されるでしょう。

IgG型アレルギーには典型的な症状というものはありません。
今回の論文のように子どもの行動異常や注意欠落などの症状に関係したり,攻撃性に関係したりします。
大人の場合には、抑うつ症状や疲労感などとも関係することが多くなります。
またアレルギーによって幻聴や幻覚が起こっていると判断できる患者様もいらっしゃいました。

ところがこのような事例があっても、現在の比較対照試験によって証拠を証明するという方法論では、どうしても明確な結果がでてこないでしょう。
今回の報告は、ADHDという病態にIgG型食物アレルギーが関係していることを、医療界で認められている方法論で証明したというところに意義があります。
そのことは非常に大きなことなのですが、アレルギーはもっと多くの症状と深く関係しているのです。

| 発達障害 | 01:01 | comments(3) | trackbacks(0) |


うつ病と糖尿病と低血糖症
JUGEMテーマ:健康


糖尿病の患者さんは、うつ病の発症率が高いことは以前から知られていました。
先日目を通していた雑誌で、うつ病と糖尿病の関係についての新しい研究について紹介されていたので紹介したいと思います。

今回の研究(archives of internal medicine 2010;170:1884)の新しいところは、10年間の追跡調査期間中に

・うつ病を発症した患者群は、その後糖尿病になる確率がうつ病を発症しなかった患者群に比較して高かった。
・糖尿病を発症した患者群は、糖尿病を発症しなかった患者群に比較してうつ病の発症率が高かった

という結果から、うつ病と糖尿病には双方向で関係があるという事実を前向き研究で証明した・・・・というところがポイントになっています。

そして考察が以下のようになっています。

『糖尿病と診断されると、糖尿病やその治療が直接の引き金となって生化学的変化が起こったり、糖尿病によるストレスや過労、そんに伴う脆弱化などによりうつ症状を来すこと』

低血糖症における血糖調節障害がうつ症状やうつ病と診断される多くの症状の原因になることを、ブログ読者の皆さんはよくご存じであるとおもいます。

ですので今回のうつ病と糖尿病の双方向の関係についても、”何をいまさら・・”と感じられている方も多いのではないでしょうか?

さらに考察の・・・・なんというか・・・浅いこと・・・。
これでは、ストレスや過労がうつ病やうつ症状の原因であるという従来の定説と何ら変わりがありません。
糖尿病なとの糖代謝障害とうつ症状が関係していることを疫学的に証明してくれたことは、とても重要な研究ですが、その先に血糖調節障害とうつ症状の関係についてはなかなか掘り下げられることがないようです。

先日の勉強会の後に、多数の患者さんへ5時間糖負荷検査を行い多くのうつ病などの患者さんの治療をされているドクターと夕食を共にする機会がありました。

やはり低血糖症と糖尿病は、一つの連続した病態であることをしっかりと理解され患者さんへも説明されていました。
血糖が高いことが問題の糖尿病と、血糖が低いことが問題と思われてしまう低血糖症は、全く異なる病気と思われてしまいます。ところが境目はなく、一つの病態と理解することができます。

やはりここで問題になるのは、いわゆるゴールデンスタンダードになる診断基準です・・・。
糖尿病の世界的な標準となる診断基準によって、どれだけ多くの方の血糖調節障害の方が正常とされてしまっていることか。。。

血糖の調節については、
”どこまでが正常で、どこからが異常というのではなく、正常の調節曲線にできるだけ近づけることが重要である”

と米国の指導にも書かれているのです。
| 低血糖症 | 09:57 | comments(0) | trackbacks(0) |


一般向け講演会のお知らせ(新宿)
JUGEMテーマ:健康


今日は、講演会のお知らせです。

目黒にあるオルソ心療内科クリニックの院長であり、新宿溝口クリニックでも勤務されている藤森 理子 先生が講師を務めます。

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○タイトル: 栄養療法入門セミナー
○日 時 : 2月21日(月) 19:30〜20:30(受付19:00)
○場 所 : エクレ新宿504号室
      (新宿溝口クリニックが入っているビルの5階)
○参加費 : 1,000円(当日受付にて)
○問合せ : 03-5437-3035(オルソ心療内科クリニック)
       * 当日の飛込み参加も可能

 ⇒ ご案内チラシ(PDFファイル)

 ・栄養療法ってどんなことするの?
 ・本当に効果があるの?
  
と思っている方向けに藤森 理子 医師が解説します。
セミナー後は質疑応答の時間も設けておりますので、質問のある方もぜひご参加下さい。

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藤森先生は、これまで多くの臨床科を経験されています。
通常の投薬中心の心療内科クリニックでも勤務されていた経験もあります。さらに小児科医としての臨床歴も豊富でいらっしゃいます。

本来、心療内科や精神科の医師は、心も体も扱わなくてはならない…。なぜかというと、治療に薬を使うことがあるのですから、身体のメカニズムについては熟知しておかなくてはならないはずです。

持論としては、精神科や心療内科を専門とする医師こそ内科での臨床経験が必要であると思っています。
医学生時代の知識ではダメで、やはり臨床経験が必要なのです。

そのような目があったら、投薬をしたときに期待した効果がなかったときにしっかりとした考察ができます。
いたずらに薬ばかりが増えてしまう多剤併用の状態を避けることが出来るでしょう。

今回の藤森先生の講演がどのような内容になるのか…
とても楽しみです。

そして多くの臨床経験を経てから、心のトラブルに悩む患者さんを扱う心療内科医や精神科医になるドクターが増えてくることを期待しています。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 15:39 | comments(2) | trackbacks(0) |


脳脊髄液減少症の続き
JUGEMテーマ:健康


脳脊髄液減少症は、交通事故や不意な転倒などの外力が脊椎に加わったことがきっかけとなり、脳脊髄液が漏れだしてしまうことによって起こる様々な症状をまとめて表現した症候群です。
むち打ち症と言われ、長期間にわたり症状が継続している方の中には、脳脊髄液減少症が含まれていることが多くあるのですが、この病態についてが全ての医師にしられていのではないため、精神的なトラブルを含めた他の病気へ診断されてしまっていることが多くあります。

造影剤を用いた検査やMRIなどによって、脳脊髄液が漏れていることが疑われたり確認できたりしたときには、脳脊髄液の漏れをふさがなくてはなりません。
脳脊髄液減少症で特有な治療法に、患者さん自身の血液を硬膜外腔へ注入するブラッドパッチという治療法があります。

硬膜外腔は、脊髄を囲んでいる脳脊髄液がもれないように包んでいるくも膜を裏打ちしている硬膜の外側にある非常に狭い隙間のことです。狭い隙間に針先をとどめて、そこへ血液を入れるという手技です。
脳脊髄液が漏れているであろう穴をふさぐために血液を入れるので、新鮮な血液でなければ組織の損傷を修復することができません。そのため、針の先端を硬膜外腔にあることを確認して採血したばかりの血液を注入します。

このときの採血は、もし万が一細菌などが含まれてしまい、その感染した血液を硬膜外腔へ入れてしまうと大変危険なことになります。そして採血したての血液を注入しないと効果が得られにくくなってしまいます。
ブラッドパッチは、行なう医師としても緊張する手技の一つであります。

さて、そんな緊張する手技をもちいてブラッドパッチを行なっても、残念ながら脳脊髄液減少症の症状が改善しない患者さんが少なからずいらっしゃいます。
以前にもこのブログでお伝えしましたが、ブラッドパッチの効果が得られにくくなる原因の一つに栄養の問題が関係していると感じています。

通常では、傷ついている組織の断面には、血小板が集まりフィブリンを形成しとりあえずの傷の修復を行ないます。
その後は、コラーゲンの産生をはじめ多くの細胞の働きで元通りの組織へ修復していきます。
フィブリンを形成する前駆物質であるフィブリノゲンはとても半減期の短いタンパク質です。
栄養状態が少しでも悪くなると、半減期の短いタンパク質の機能が落ちてしまうことは、なんどもブログでお伝えしてきたことです。

『栄養状態がわるかったら、いくらブラッドパッチを行なっても無駄だ』

これは、北海道でブラッドパッチを行なっている脳外科医の話だそうです。
脳脊髄液減少症で苦しまれていた北海道の患者さんから伝え聞いた話しです。
ポイントを押さえた、簡潔な表現です。まさにそのとおりです。

そして最後に、なぜいまさら脳脊髄液減少症とカテゴリーの名称を変更したかというと。。。。。
つい先日、栄養アプローチのみで脳脊髄液減少症が治癒した患者さんが診察室で話してくれたのです。

自分は、検査で脳脊髄液の漏れが確認できた脳脊髄液減少症だった。
なにか良い治療法がないか、インターネットで検索していたけれどなかなか栄養療法にたどり着かなかった。
それは、先生のブログのキーワードが、脳脊髄液減少症という正式名称ではなく、低髄圧症候群となっているからだ・・・

この患者さんは、栄養アプローチだけでブラッドパッチを行なわずに能脊髄液の漏れがなくなり、当然症状もキレイに改善されていました。
ブラッドパッチは、病気の治療に薬を使う方法ではありません。
ところが入れる血液のパワーがないと傷がなおらないのです。
そして、栄養アプローチで血液のパワーアップが行なわれたら、ブラッドパッチが不要で改善したのでした。
じつは、このような患者さんがすでに数名いらっしゃいます。
| 脳脊髄液減少症 | 22:43 | comments(5) | trackbacks(1) |


脳脊髄液減少症へ変更しました
JUGEMテーマ:健康


脳や脊髄は、液体に浮いているような構造をしています。
その液体を脳脊髄液と言います。

この脳脊髄液がなんらかの原因によって減少してしまうことによって様々な症状を呈することがあり、それらの症状をまとめて『脳脊髄液減少症』といいます。

この病気については、以前からこのブログで”低髄圧症候群”というカテゴリーで紹介していたのですが、先日ある患者さんからアドバイスをいただき、カテゴリーの名称を脳脊髄液減少症と改めました。

事実、この病気の存在がしられるようになって最近までは、低脊髄圧症候群とか低髄圧症候群などと呼ばれていましたが、患者さんの中には髄液圧が低下していない方がいらっしゃることが理解されるようになり、より病態を反映する病名で統一されるようになってたのです。

脳脊髄液が減少する理由の一つに外傷性でくも膜に穴が開き、そこから脳脊髄液が漏れるようになる機序が知られています。その代表が、交通事故や不意の転倒などによって”むちうち”状態になってしまうことです。
脳脊髄液が漏れだすことが、画像診断で確認することが出来ます。

自分は麻酔科出身なので、実は脳脊髄液減少症の患者さんは少なからず経験して来ました。
盲腸などの下半身手術をおこなうときには、脊椎麻酔を行なうのですが、その麻酔の注射のときには必ずくも膜に穴を開け局所麻酔薬を注入しなくてはなりません。
そうすると、その麻酔がさめたあとに頭痛やめまい、吐き気などを訴えることがあるのです。それがまさに脳脊髄液減少症です。

そんなときには、輸液をしてしばらく横になっていてもらうだけで改善することが多いのですが、なかにはブラッドパッチという手技をして治療します。
そうするとほとんどの方が、脳脊髄液減少症の症状が消失します。

ところが・・・・交通事故や麻酔以外のことが原因で起こった脳脊髄液減少症の患者さんの中には、ブラッドパッチをしても症状が改善しない方が多くいらっしゃるのです。

話しがそれてしまいました。
次回は、どうして患者さんから名称を変更するように言われたかお伝えしましょう。
周期性四肢麻痺の続きもありましたね・・・・




| 脳脊髄液減少症 | 00:46 | comments(0) | trackbacks(0) |


一般の方向け講演会のお知らせ(盛岡市)
新宿溝口クリニックの開業当時から一緒に仕事をしてくれている、定(じょう)真理子さんによる一般の方向け講演会のお知らせです。

タイトル 『勝つための栄養学』

2011.02.11(金/祝)14:00−15:30(受付13:30)
岩手県民情報交流センターアイーナ(盛岡駅西口)
5階501
講師:定 真理子
申込・問い合わせ 健康と栄養を学ぶ会 担当/金谷 [詳細] akm_kanaya@yahoo.co.jp 電話: 090-4479-1755
参加費 1000円

定さんは、自分の不妊症の治療でオーソモレキュラー療法を取り入れました。
そして2人の子供を出産し、お子さんたちにも栄養療法をおこなってきたのです。

息子さんは、幼少の頃からレスリングに取り組み、それぞれの年代でトップクラスの成績を収めてきました。
アマチュアレスリングとして今後を期待されていたのですが、なんと一昨年現役高校生プロレスラーとしてデビューを果たしてしまったのです。

今回の講演会のタイトルが、『勝つための栄養学』ですので、高校生としてプロレス界へデビューした経緯などを話すことになると思います。

盛岡市での開催ですので、都内からの参加はなかなか難しいと思いますが、雪深い2月の盛岡での講演会にふるってご参加下さい。

JUGEMテーマ:健康


| ひとりごと | 00:17 | comments(0) | trackbacks(0) |


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