2011.03.30 Wednesday
ある女性うつ病患者さんの出来事
JUGEMテーマ:健康
今日の診療で、ある女性の患者さんが、とてもすっきりとした顔と表情・・・そしておしゃれして姿勢良く診察室へ入ってこられました。
前回の診療までは、受け答えも緩慢で表情がなく、突然襲ってくる死にたい感情のコントロールが出来ない状態でした。
僕のところへ来たときには、既に4年間他のドクターによって投薬治療をされていたので、その間の詳細な経過は不明ですが、処方の内容を見るとどの薬が主剤でるのか全く不明の多剤併用です。
ですので、前回の診療まで入院して薬の整理をしてもらうように本人と家族へ繰り返し伝えていたのです。
ところが中学1年、小学4年、小学2年、4歳の4人の子どもたちが居て、自分が入院することがどうしても決心出来ないで居ました。
この患者さんの本当の問題点をしるためには、適切な減薬が必要であったので、前回の診療のときに外来で慎重に減薬することに方針が決まっていました。
この患者さんの継続して服用していた薬の種類と量です。
全て一日服用量です
ジプレキサ 10mg 4錠
エビリファイ 6mg 4錠
リボトリール 1mg 4錠
セパゾン 2mg 4錠
レキソタン 2mg 4錠
メトリジン 2mg 2錠 以上全て 朝・夕 二回に分けて服用
最初の症状は、4年前です。
4歳になるお子さんを産んだ後にうつ症状が生じました。
近くの心療内科でうつ病の診断で抗うつ剤の処方がはじまりましたが、明らかな症状の改善がなくいろいろな薬を試し上記の組み合わせで数ヶ月が経過していました。
この内容をみると、ジプレキサやエビリファイなどの同系統の薬がかなりの量処方されています。リボトリール、セパゾン、レキソタンも同系統です。
そしてこれほどの多剤併用となり自律神経が狂い立ちくらみなどが生じるためメトリジンが処方されています。
何回も繰り返しお伝えしていることですが、処方した薬の効果判定が行われずに、追加処方がくりかえされることによってこのような処方になってしまいます。
生じた副作用を抑えるための薬も数種類になってしまうことも珍しくありません。
さて、この患者さんにある出来事が起こりました。
続きは後日