3月23日に、ある男性のうつ病と診断されていた患者さんの経過について紹介しました。
その後、ご本人からお手紙をいただきました。
その手紙には、ご本人しか伝えることができない迫力があり、現在の精神科治療の問題点がシンプルにそして説得力をもって記載されていました。
できるだけ原文に忠実にお伝えしたいと思います。
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溝口先生、クリニックのスタッフの皆様、お世話になっています。
平成21年12月より栄養療法に取り組み、現在は10年間の闘病生活で得られなかった安定した情熱にあふれた毎日をすごせています。
平成12年体調不良を覚え、その後10日間の不眠から内科医を受診し、うつ病の診断を下されデプロメールとマイスリーが処方されました。
その後、心療内科へ転院となりましたが、投薬変更にともない違った症状が現れ躁うつ病に診断が変わり、トフラニールを中心にリーマスなど最大13種類の薬が処方され、朝・昼・夕・寝る前と服薬することになりました。
当初68kgだった体重は97kgまで増え、身体がだるく家に居るときには、ほぼ寝たきりの状態でした。どうにか仕事へ行っていたときでも、仕事中に目を閉じると寝てしまうため起されることもしばしばでした。
それでもこの病気は薬で治すものと信じ通院を継続していました。ところが体調が回復しないことを主治医に伝えると・・・
『眠たければ、寝てればよい』
『家庭環境や夫婦仲がわるいことが原因だから、離婚しなさい』
『そんな状況でも給料がもらえるなんて給料どろぼうだ』
などと言われながら、6年以上も通院していました。
あまりの辛さに別の精神科病院へ転院し平成20年11月から減薬に挑戦し、ジェイゾロフト・エビリファイ・リーマス・ロヒプノールの4種類まで1年かかって減薬することができました。
そんな時に溝口先生の本の広告が新聞に載ったのを目にしました。
早速、本を購入しインターネットで情報を集めたのです。
実際にこの治療で回復された患者さんの声や血液検査で変化を調べる方法は、これまで自分が受けていた投薬だけの治療とは違うことを感じ新宿のクリニックへ連絡しました。
治療当初は体調が優れない状況だったので、プロテインをはじめ合計8種類のサプリメントを飲むのは大変で慣れるまで時間がかかりました。
栄養療法を始めて2ヵ月後頃より体調の改善を自覚することができ、1年以上を経過した今では体調を崩してからの10年間で一番元気です。
趣味だったランニングも再開することができ、仕事にも復帰し5月からはフルタイムの勤務予定です。
症状の改善やできることが増えることも喜びですが、同時に減薬することができるのもうれしいことです。
薬がなくても正常な自分として生きていくことができることが励みとよろこびになっています。
今の自分は、まだ減薬中ですがこの先にもっと良くなっていくという実感があり楽しみです。
栄養療法のすごさを知ってもらえるなら、ブログへの掲載など喜んで協力します。
この治療に行き着いた他の方々も最後の頼みであったりすると思うからです。
電話で話しきれないこと、いろいろと書かせていただきました。
これからもお世話になります。
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そして届いたファックスは、平成20年11月4日の処方薬の説明書でした。
薬の説明書だけで、5枚です。
以下は、その当時の投薬内容です。
薬剤名 (1錠のmg): 1日服用量 の順番で記載します。
顆粒のお薬は1日量を記載しています。
実際には、これよりさらに多く処方されていました。
デパケンR(200): 2錠
リーマス (200): 2錠
セレネース (1) : 3錠
ロドピン細粒 1日 500mg
テグレトール細粒 1日 400mg
ホリゾン細粒 1日 20mg
アキネトン細粒 1日 3mg
リボトリール細粒 1日 3mg
イソミタール原末 1日 150mg
プロパリン原末 1日 350mg
ヒルナミン 1日 20mg
ルーラン (8): 1錠
フゥ写すだけでも大変です。
こんな処方・・・信じられませんが現実には多く行なわれている治療なのです。
こんな量を飲んだら、どのような状態になるのか、想像するだけで恐ろしくなってしまいます・・・・。
正常な思考は無理でしょう、冷静さを保つことも困難でしょう・・・様々な身体症状を伴っていたことでしょう。
栄養療法のパイオニアの一人で数年前にお亡くなりになったRiordan 先生は、自分や家族に飲ませる事ができない薬は患者へ処方してはならないと繰り返し話されていました。
医師の処方権を維持することは非常に重要なことですが、多剤併用となっていることはレセプトをチェックすれば簡単に分かることです。行政が介入してもよい分野ではないのか・・・・と思います。