うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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6/26は、歯科向けセミナー
JUGEMテーマ:健康

6月26日は、歯科向けセミナーが福岡で開かれます。
http://www.mssco.jp/seminar/

歯科、口腔外科が専門の口腔内は、私たちが外界と接する最前線です。
目や鼻や気道の粘膜も最前線ですが、口腔内は外気だけではなく様々な食材と接触するため、抗原への暴露量が最も多い領域ということもできるかもしれません。

そして病気を防ぐための免疫機構も口腔周辺は発達していて、多くのリンパ組織が取り囲んでいます。
特に歯周病などは、全身疾患と深く関係していることが知られおり、糖尿病と歯周病の関係は古くから研究され病態も解明されつつあります。

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とここまで昼間に書いたのですが、今晩のためしてガッテンは、まさにこの話題だったんですね。
番組では、treponema denticola, porphyromonas gingivalis のことまで触れていたようですが、口腔内カンジダやそれにともなうピロリ菌のことまでは触れていなかったようです。

口腔内の歯周病と関係する菌のコントロールと全身疾患の関係は、従来指摘されていたインスリン抵抗性を主体とする疾患群だけでなく、多くの慢性感染症や慢性炎症との関係や、LGSや過敏性腸症候群との関係、またはカンジダ腸炎、胃のピロリ菌感染、そして副腎疲労症候群などの多くの疾患や概念と深く関係することが明らかになると思います。

さて、26日のセミナーでは、これらの歯周病と全身疾患との関係だけでなく、口腔内所見と栄養欠損との関係などについても扱われると思います。
これまで、講師を務めるイトウデンタルクリニックの院長先生や奥様の夕里亜さんとのディスカッションなどから、舌所見、口蓋所見、虫歯の所見などと、糖質摂取やその他の栄養障害との関係についてを教えてもらっています。

今後は、特にアレルギーを扱う場合には、腸管と口腔内のコントロールは必須のアプローチになると思います。

次の日曜日は、記念すべき第一回目の歯科領域のオーソモレキュラーセミナーとなるでしょう。




| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 16:40 | comments(0) | trackbacks(0) |


調べてみたら
JUGEMテーマ:健康

サプリメントは食品扱いであるため、商品に含まれているビタミンやミネラルなどの量が、実際の製品に正しくふくまれていることは必要ありません。
たとえば、1カプセルにビタミンCが1g含まれると表記されていても、0.1gしか入っていないこともあります。それでもとくに罰則はありません。作るときに計算上、1カプセルに1g含まれるであろう仕込み量であれば良いのです。
このことがラベルに書いてある量を摂取しても効果があるものとないものがある一つの理由になります。

医療機関で使うものや、不快な症状を改善することを目的にするサプリメントでは、さすがにこの状況はよくないであろうと、メーカーから自主的な規制を作ろうと言う動きがありますが、なかなか実現していません。

新宿のクリニックでは、自分たちが使うサプリメントについては、実際に使っている製品を成分分析にかけていることはお伝えしましたが、他のメーカーの製品もいくつかチェックしてきています。それは、表記上ありえないだろうと思う量が含有されているものがあったり、新宿のクリニックでお渡ししているレポートの量を参考に、患者さんが自分で購入して治療されても効果がなかったり、乏しかったりすることが多いからです。

サプリメントメーカーであるD社は、海外の医療機関で最も多く使われているということがセールストークのメーカーです。実際に日本でも多くの医療機関がこのメーカーの製品を使っているようです。
そのメーカーのヘム鉄製品のヘム鉄含有量の表記には、僕らがみると明らかにおかしいな。。。。と感じる量が記載されていました。技術的に見ても、コスト的に見ても、表記されているヘム鉄を1カプセルに含有させることは困難だと思ったのです。そして、多くの方がその製品を使われても効果がないと感じていました。

そこで成分分析を専門機関に依頼してみました。
結果には、驚きました。

ヘム鉄 : 検出せず

全く含まれていなかったのです。
コンビニで売られているような、驚くほど安いサプリメントでも調べてみると、本当にわずかなのですが含まれていました。(それでもヘム鉄という名前で売られているのですが・・・・)
しかし、今回は全く含まれていなかったのです。
しかもこのメーカーは、治療目的で医療機関が患者さんへ使うことが前提にされているものです。
この結果には、驚いたと同時に怒りに近い感情も感じました。

このようなことがまかり通っているのが現状なのです。
今年のカナダの学会でも、D社はブースを出していましたがほとんど人は集まっていませんでした。
日本ではなじみのない会社のブースには、いつも多くの人が集まり熱心にメーカーの担当者とディスカッションをしていました。

なんとなく、この構図は薬品でも同じです。
海外で、売れなくなった医薬品が数年遅れて日本に上陸し、製薬メーカーがスポンサーになって学会で取り上げられ薬が売られていく・・・・
情報に時間差があるのが問題なのでしょうか?
他に原因があるのでしょうか?

成分分析は、分析したい栄養素ごとにお金がかかります。
ビタミンBコンプレックスのサプリを調べるには、B1,B2,・・・・・多くのB群一つひとつを測定します。
そんなコストをかけて、調べているクリニックはそう多くないと思います。
しかし、ここまでやらないと分からないことがいっぱいサプリメントにはあるのです。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
コメントを頂いた後の追記 18時14分

成分分析をしたD社のサプリメントの現物のラベルには、下記のような記載があります。

原材料名: ミネラル含有酵母【動物性鉄(豚)】、・・・・・

栄養成分表示(1粒/0.6gあたり)・・・・・鉄(ヘム鉄)27mg、・・・・・

実は後日談がありました。
成分分析を分析会社へ提出した後に、時を同じくしこの鉄のメーカーからの流通がなくなったそうです。
そして現在では、D社の鉄製剤には、原材料の部分に動物性鉄(魚類由来)となっています。
ヘム鉄の扱いは、製品にするときに非常に難しいことは理解しているのですが、1粒中のヘム鉄27mgは知識がある人であれば、おかしいな。。。。と感じるレベルのものでした。
悪気はないと思いますが、検出しないものを成分表示するのはいかがなものかと思ったのです。
| ひとりごと | 08:03 | comments(9) | trackbacks(0) |


裏事情を少し
JUGEMテーマ:健康


今日は、少し裏事情を・・・

新宿のクリニックでは、治療に耐えうる・・・というか治療に使えるサプリメントがないか、いつもリサーチしています。
今回は、主に医療機関向けにサプリメントを販売しているH社さんのサプリメントを2種類購入し、同意をいただいた患者さんへ試用してみました。
H社は、日本人向けにGMP準拠工場で作った、国内生産のサプリメントであることを強調しています。

何回もこのブログでもお伝えしましたが、サプリメントはラベルの表示を見ても、それが効くものなのか効かないものなのか・・なかなか判断ができないのです。
そのため、良さそうなものはとりあえず使ってみて、患者さんに協力してもらい症状の改善と検査データの変化をみながらその後も治療用として採用するかどうかを判断しています。

今回のH社製サプリメント2種類も残念ながら、はっきりとした効果が確認できず新宿での本採用とはなりませんでした。実はこのようなサプリメントの試用は、頻繁に行なっています。そして採用されなかった場合には、それでお終いというのが普通なのですが、今回はちょっと後日談が付いてしまいました。

というのも、H社さんの社員が栄養療法を行なっているクリニックを訪れ、新宿溝口クリニックで採用されたサプリメントであると伝えながら営業をしていることを聞くことになってしまったのです。
それは、間違いというか”嘘・偽り”で、試用したが採用されなかったと伝えるべきものです。

実は、この世界では似たようなことを何度も経験しています。
栄養と健康について友人から講演して欲しいといわれ、会場に入ってみるとあるビジネス関係のサプリメントが山積みされていて、会員勧誘のための集まりであったこともありました。
また栄養療法で有名なある先生は、一緒に写真をとってくださいといわれて承諾したところ、その数ヵ月後にはもみじ饅頭のパッケージにそのときの写真が使われていたり・・・・

本当にいろいろなのです。

次回は、また別の業界裏話をお伝えする予定です。

| ひとりごと | 01:12 | comments(0) | trackbacks(0) |


本日の診察室より
JUGEMテーマ:健康


統合失調症の治療で、何度も入院治療を繰り返してきた50歳代の女性の患者さんです。
栄養アプローチに取り組み、約2年弱で薬が2種類でしかも少量で済むようになりとても調子が良くなっていました。

精神科の薬剤を処方している主治医との外来での会話です。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

精神科医:Sさん、調子はいかがですか?

Sさん : 友達と生まれて初めてカラオケに行くことができました。自分が歌う順番が近くなった時には緊張してしまいました。

精神科医:それでは、お薬追加しておきますね。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

この経過で、せっかくなくなっていたロドピンが復活してしまったそうです。
もちろん患者さんは飲んでいません。

Sさんは、2年前までは人と関係を作ることなどできず、妄想と薬の副作用と闘うだけの日々でした。
カラオケに誘ってくれる友達ができ、初めてカラオケに行けたことを主治医に報告したかっただけだそうです。
もうこうなると、診察室でなにを話したらよいのか困ってしまうと悩んでいました。

僕からのアドバイスは、
『おかげさまで、調子が良い状態が続いています。』

とだけ言いなさい。
そしてたまに・・
『最近、お薬を飲むと以前よりも良く効くのか、眠くなってしまい昼間に困るほどです。』

と付け足しなさいとアドバイスします。

今回の会話からの薬の増量には、二人で大笑いしてしまいました。
専門の先生はお忙ししぎるのでしょうか・・・・顔を見ながらSさんの報告を聞いていたら、間違っても薬の増量を考えることはなかったと思います。

上手に付き合わないと、とんでもないことになりますね。

今日は、これから追記します。

7月10日は、栄養療法の講演会です。
今回は、無料講演会です。

テーマは、がんとうつに対する栄養アプローチ。
大阪大学の大平哲也先生をゲストスピーカーでお招きしています。
大阪で500人を爆笑させた、楽しい講演です。

そのときまでにがんへの栄養アプローチの本ができあがるか・・・ちょっと無理だったのですが、出版社へ無理やりお願いしました。
当日、500冊 間に合うことになりました。

といっても、一度こちらの買い取りです。
出来立てホヤホヤの本をお分けすることができるようになったので、ご報告です。



| 統合失調症 | 14:28 | comments(0) | trackbacks(0) |


低血糖症の理解
JUGEMテーマ:健康

京都の学会が終わり、先週土曜日は名古屋でドクター向けの勉強会の講師として出張しました。
名古屋にある、高橋ファミリークリニックの高橋先生からの招待です。今回で2回目、栄養療法不毛の地である名古屋に少しでも理解していただく医師が増えれば嬉しいです。
たまたま開場のそばに、手羽先の山ちゃんの本店がありました。小さな店でしたが活気があって、今や名古屋が誇る世界の手羽先が始まったところでした。

さて、今回は勉強会に参加してくれている栃木の谷口医院の谷口先生から頂いたコピーについての紹介です。
それはある大学の学内新聞の記事でした。

農学部の教授が書かれています。
その内容から・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
入学以来、活発に行動していた学生がうつ病のため授業に出れず卒業も困難になってしまい退学したいと連絡してきた・・・その生徒の食事を振り返ってみると低血糖症に違いないと判断し、退学届けを撤回させ学生と二人で食事の準備をし一緒に食べるようになった・・

その学生は復学し、今では学生10人と食事を準備し共に食べるようになった・・・

我々の細胞の原料は水と食べ物であるという厳粛な事実を教えられたようだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この記事の一つの問題は、この大学には医学部がありおそらくこの学生さんも、自分の大学の精神科心療内科を受診しているはずです。
そこでは、うつ病の診断と休学のすすめ・・・投薬・・・・改善無く退学・・・という流れでした。
食事を見直し、低血糖症に間違いないと判断したのが、農学部の教授であったというところに、現代の精神医学の危険性を感じずには居られません。




| 低血糖症 | 09:54 | comments(1) | trackbacks(1) |


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