うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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引きこもり対策研修
JUGEMテーマ:健康


昨年の5月に3年間かけて厚生労働省が『引きこもりの評価・支援に関するガイドライン』を作成し公表しました。
そのガイドラインに沿って、引きこもりにたいする対策研修が行われているそうです。

今年の12月に2回目の研修会が開かれるそうですが、募集人数をはるかに超える希望があり開場を大きくしたりして多くの方が参加出来るようにしているとのことです。
その研修会のメニューを見ることが出来ました。

やはりとうか、当然というか栄養面での介入はありませんでした。
そして早期医療介入によって、背景にある精神疾患を早期に治療することの重要性が記されています。

正しい診断と治療が行われればよいのですが、前回のブログで紹介した患者さんのように安易な診断と治療によっては、その方の将来を奪うことににもつながります。

| ひとりごと | 17:46 | comments(0) | trackbacks(0) |


本日のカウンセリングより
JUGEMテーマ:健康


今日も大勢の患者さんがクリニックを利用してくれました。
その中で、この10月から大学へ復学することが出来た患者さんがいらっしゃいます。

うつ病とパニック障害の診断で投薬治療を受けていましたが、症状の改善がえられず学校を休学している状態で新宿のクリニックを利用してくれました。

栄養療法を始めて約半年、症状の改善傾向を認め10月から復学が可能になったそうです。
同級生は一つ上の学年に行ってしまいましたが、言葉の端々から再び学校へ戻れたことの喜びが伝わってきました。

そんな患者さんの言葉でとても印象的だったことがあります。

『今年の5月から甘い物を一切摂っていないのですが、その結果として辛かった症状が本当に少なくなっていて、大学も復学ができて良かったと思います。
今思えば、精神科でうつ病と言われあのまま抗うつ剤とかを飲んでいてはこのような改善はえら得れなかった思います。』

現在の精神科や心療内科の診断と治療では、
うつ病、パニック障害などの診断 → 投薬治療の開始 → 改善が不十分な場合 → 休学や休職

というのが治療の流れです。
そして、なんどか復学や復職を試みてもダメな場合には、投薬が増えていき・・・次のように提案されてしまいます。

”自立支援の手続きをおすすめします”

先日も、卒業間近の患者さんがこの書類を主治医から受け取り、ナンとかがんばって卒業して社会人になろうとしていたところに、自分が公的な援助をもらう必要がある障害者なんだ・・・・と言われたような感覚になり症状が急速に増悪してしまったことを経験しました。

通常行われている治療で満足改善が得られない場合、精神科・心療内科では、それでも仕方ない・・・・支援しましょう・・・という流れがあり、治療者側としてもある種の逃げ道が自然と準備されています。
もちろん、精神疾患の場合には自立支援や精神障害者としての支援が必要な方々がいらっしゃることは承知しています。
しかしそれらの制度を、治療効果が得られない方々の流れの一つにしてはならないと思っています。

今日の患者様も、まだまだ完全な状態ではないため学校へ補食や適度な休憩が必要であることを診断書に記載しました。
本来はこのようなサポートをしながら、患者さんが望む生活ができるようにすることが治療者の仕事ではないかと思うのです。

| うつ病 | 18:40 | comments(1) | trackbacks(1) |


こどものビタミン欠乏症
JUGEMテーマ:健康


先週の土曜日は、ビタミン学会の勉強会へ参加してきました。
講演のタイトルにこどもにおける現代のビタミン欠乏という内容を見つけたからです。

そこでは現代の食生活ではすでに無くなったと考えられている、ビタミンD欠乏によるくる病やビタミンB1欠乏による脚気などが実は多くあることが紹介されました。

1歳8ヶ月のお子さんの下肢の変形について検査してみたところクル病であったと言う患者さんが紹介されました。
この患者さんは、お母さんが日光過敏症で日中にほとんど外出することがない生活をしていました。
そのため出産後もお子さんが紫外線に当たることがほとんど無かったのです。
さらに、紫外線にあたっていなかったお母さんの母乳中のビタミンDは不足しており、母乳からの供給も足りていなかったために起こってしまったクル病による下肢の骨の変形でした。
適切な栄養指導と日光浴の重要性の説明などによる生活習慣の改善とビタミンD製剤の投与によってこの患者さんは改善されています。

次に紹介されたのは、1歳3ヶ月の男児でした。

8ヶ月で断乳
その後は、米中心の食事でした。
さらに飲み物は身体に良いと考え、飲むものは全てイオン飲料でした。いわゆるスポーツ飲料というものですね。
吸収が早く、身体似よい印象のコマーシャルが流れていますし、哺乳びんの吸い口がそのまま取り付けられるタイプの物も売っているので、赤ちゃんが飲んでいる光景を良く目にします。
このお子さんは、毎日平均して1.5リットルのイオン飲料を飲んでいました。

その結果、身体が浮腫元気がなくなり近く医療機関を受診したのです。
もうぐったりしていて、呼びかけにも答えないような状況なので大学病院へ紹介されます。そこでレントゲンをとると心臓が肥大しており、その他の検査所見から重篤なビタミンB1欠乏=脚気であることが判明しました。
十分な量のビタミンB1を補うことによって数週間で劇的に改善し元気に退院されたとのことです。

この患者さんの場合には、米中心の食事とイオン飲料という糖質摂取過剰による消費の増大と、そのような内容の食事なので摂取不足も関係したために起こった脚気でした。
その他、乳幼児で脚気となり治療されたお子さんたちの多くは、イオン飲料を多飲していました。
なかには、粉ミルクを溶くのもイオン飲料にしていたり、1日平均3リットルも飲んでいたお子さんも居ました。
なかには、5日間のイオン飲料を飲んだことによって脚気を発症したお子さんもいました。

風邪で熱がでたりすると、ついつい身体に良さそうと思いイオン飲料を与えてしまいますが、含まれている糖質の影響によってビタミンBが大量に消費されてしまうのです。

5日間で欠乏症を発症してしまうということは、すでに欠乏状態であったことは容易に想像できます。
毎日多くの患者さんの血液検査データを診ていますが、実は脚気に至らないビタミンB欠乏の方々はとても多くいらっしゃるのです。
低血糖症だけではなく,こんなところにも現代の糖質摂取過剰の弊害がでているのですね。
| ひとりごと | 17:08 | comments(0) | trackbacks(0) |


こまった学校給食
JUGEMテーマ:健康


こどもの困った・・・の本が出版されて、少しでも発達障害を含めたお子様のトラブルにたいしてこの治療の有効性を知っていただく機会が増えていれば嬉しく思います。

土曜日は、以前からの兄弟でこの治療に取り組まれているお子さんのお母さんが受診してくれました・・・・と、ここまで書きましたが、兄弟でこの治療に取り組まれているお子さんたちが、大勢いらっしゃることに気がつきました。
食事や運動、そしてサプリメントの摂取など、家族で取り組むことが必要になる分野ですし、一人が改善すると家族も取り組んでくれるようになるのが嬉しい変化です。。。そしてまた家族で取り組まれている患者さんが多いのは、新宿のクリニックの自慢です。

さてそのお子さんが通われている学校での給食のメニューを聞いて驚きました。

うどん+サーターアンダギー(沖縄風ドーナツ)

だけという日があるというのです。
サーターアンダギーが他の食材に変わるそうですが、糖質+脂っぽい糖質 というメニューが月に一回でるそうです。
糖質制限に取り組まれているお子さんの場合、何も食べるものがありません・・・泣く泣く残しながら食べると、その日はもうグッタリ・・・・低血糖症状がでるそうです。
午後の授業で起こる子供たちの問題行動を点数化し、その日の給食のメニューと比較してみると関係が見えるかもしれませんね。

そして一つ嬉しい報告もありました。
お兄ちゃんは、中学生ですが成績が急上昇だそうです。
以前は、担任の先生から成績が悪すぎるため、塾に行くことを勧められていたそうです。
ところが、この治療に取り組み始めてから、多くの症状が改善するだけでなく、友達との人間関係を結ぶことができるようになり、国語・数学・英語などの主要教科は平均点+20点をとるようになり評価も急上昇。

さらに本人が将来的には、IT産業で仕事をしたいという希望を話すようになったとのことです。
本当に嬉しい変化です。

お子さんの患者さんの多くは、初診時には人間関係を作ることが困難です。恥ずかしいなどの感情もあると思いますが、慣れない環境で初めての場面で緊張し、多くの情報処理が困難になっているのです。
治療を継続されることで、頭の回転が速くなり会話がスムーズに行えます。
検査をする看護師は、特にその変化をはっきりと知ることができます。

先日、保険医療についての役所から指導を受ける機会がありました。
そこで発達障害や自閉症の患者さんへ、血液検査をしていることに対して保険審査をしている方から疑問を投げかけられました。
このようなお子さんのトラブルにたいして血液検査を行い診断するということが全く行われていないという証拠であると感じたのです。



| 発達障害 | 20:55 | comments(2) | trackbacks(0) |


秋の勉強会
JUGEMテーマ:健康

ただいま品川で勉強会中です。
まいとし秋の連休を2回利用して開催しています。
今年は9月の連休と10月の連休を使いました。
第7期になるので、7年間続けているものです。ことしは60名以上の医師・歯科医師が熱心に合計4日間分子整合医学を勉強されています。

それぞれの日程の初日の夜には、懇親会をしています。
全国の栄養療法を実践されているドクターとの親交を深め情報交換の貴重な機会です。

新宿の場合には、遠方の患者さまも多いため患者さんの症状が変化したときなどに診療をお願いすることもあるため、ドクターの専門やお人柄などを知るためにも大切な機会になっています。

昨日も、統合失調症の症状が急性増悪したときにビタミンCの点滴治療をお願いしている関西地方のドクターと同じテーブルで話ができました。
また北陸地方でも同様にお願いできそうなドクターとも知り合うことができました。

自分の目標は、全国でこの治療が受けられるように信頼できるドクターや医療機関のネットワークを作ることがあります。できれば車をつかえば30〜60分の距離には医療機関があるようにしたいですね。

まだまだその目標には及びませんが、この2〜3年は確実な広がりを感じています。
秋のレジャーシーズンにもかかわらず、毎月連休を勉強会のためにつぶして泊まりがけで参加されている医師たちに頭がさがります。

この治療は、精神疾患やがんだけでなく基本的にはあらゆる診療科で応用が可能です。
昨晩は消化器を専門にしている医師2名と、皮膚科の医師1名から話をしていただきました。

いままで何の疑問をもたず胃酸を強力に抑える投薬を繰り返していたが、この治療を応用することでそれらの薬をほとんど使わなくなったという話を聞きました。
つまりその先生には、慣れ親しんだ常識となっている治療法から、まさにパラダイムシフトが起こったということです。そしてその方が、より質の高い治療をしている実感があるようでした。

また皮膚科の先生は、病院での勤務医を続けていてはこの治療を患者さんへ提供できないことから、開業を決意したのです。自分の人生が変わってしまったと話されていました。開業すると勤務医と比べて苦労が多くなると思いますが、仕事の質としては医師として患者さんへ提供したい治療ができるという喜びを感じていらっしゃるようでした。



| ひとりごと | 12:02 | comments(1) | trackbacks(0) |


嬉しいです
JUGEMテーマ:健康

このところの土曜日は、予約いただく患者さんがとても多く、1時間以上お待たせしてしまうことになってしまっています。
そんな状況でも、古くからクリニックを利用してくれている患者さんから、大変ですね。。。などと言葉をかけていただくこともあります。今日も、3年以上この治療を続けてくれている統合失調症の患者さんからも、
『忙しくなりましたね』
と声をかけてもらいました。
その患者さんも、今日は体重が落ちてすっきりした雰囲気。
体力的につらいので、仕事は午前中だけだけど毎日続けていることを聞きました。
顔つきや目の輝きが、初診時とは全然違います。

それから、若い女性のアトピ-性皮膚炎の患者さんからは・・・・

『一生のうちで、いまが一番調子が良いです』

顔や首などもとてもきれいになっていましたが、曲げるだけでもひび割れてしまいそうな手の指がとてもきれいになっていたことに驚きました。きっと検査データも良くなっていると思います。

そして社会不安障害などと診断されたいた40歳代の女性の患者さんは、

『10代のときは、こんな感覚だったと思い出しました!』

背中や首の痛みから強い頭痛が起こっていたり、自分の周りで繰り広げられる会話について行けなかった症状が無くなったそうです。
整体要らずになったそうです。
そして、自分の考えを皆が話している最中に伝えることが出来てても嬉しいと話されていました。

そのお子さんも、15点ぐらいだった漢字テストが、特に家での勉強が増えた訳ではないのに70〜80点を取るようになり、急に頭が良くなったようだと話されていました。

治療とは、対象となる患者さんに可能性を提供するものでなくてはならないと思います。

この治療を深く理解し実践されている姫野友美先生は、医者について次のように話されています。

最低の医者は、病気を作る
普通の医者は、病気を治す
良い医者は、病気にならないようにする

治療にも似たようなことが言えるでしょう

最低の治療は、新たな症状を作る
普通の治療は、とりあえず症状を抑える
良い治療は、将来の可能性を提供する

可能性は、我々医師が提供するものではなく、治療を実践している患者さんが自分で創作するものなのです。
その可能性を創作する場に共に居させてもらえることに喜びと感謝があるのです。

| ひとりごと | 16:16 | comments(2) | trackbacks(0) |


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