うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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春から幼稚園
JUGEMテーマ:健康


自閉症と診断されていた男の子。
この治療を始めて約1年が経過しています。

山あり谷ありですが、確実に改善傾向がありこれまでの保育園の先生も周りの親御さんも、そして両親も確実な成長を実感しています。

今日も診察室では、動物のイラストがかかれたシールを使いながら僕とも会話が成立。
この春から晴れて普通の幼稚園への入園が決まったそうです。

集団の中でもパニックもほとんどなくなり同年代の友達との関係もできてきています。
以前は、保育園から友達が自宅まで遊びに来ることはなかったのですが、最近は多いときには6〜7人の友達が遊びに来る。
ただ本人は、その友達と一緒になって遊んでいるというよりは、きてくれたその環境を楽しんでいるという雰囲気らしいのです。

人と関わりたいのに音や刺激に対して非常に敏感で、感情のコントロールがつかない状態だったのが、食事を変えてビタミンB群やラクトフェリンなどをしっかりと補給することで、穏やかさが全面にでてくるようになっています。
優しい笑顔で余計なことは話さないし、きっとそのことは同年代のお友達にも安心感を与えてるのではないかとおもいました。

今日の診察中もパパとママがいいよっていったところにシールを貼ってねとお願いしたら、しっかりとうなずいて診察室でははがしてもどこかに貼るようなことはありませんでした。

| 自閉症 | 12:48 | comments(5) | trackbacks(0) |


鉄の復習
JUGEMテーマ:健康


鉄は重要です・・・と先日のブログでも紹介しました。
そして、このところ鉄の代謝に関する教科書を読み直しています。
それは、来月にせまった医師向けの勉強会でつかうテキストを書き直しているからです。

2004年に鉄欠乏の評価法について医師向けの雑誌にレポートしたことがあります。
その中で従来貧血の診断でもちいられている赤血球数、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Hct)などの項目では、鉄欠乏については全く評価できないということについて書きました。

この内容は、通常の内科の教科書に書かれていることと、真っ向から異なる内容でした。一部の医師からは評価される声をいただきましたが、一般的には全く評価されることはありませんでした。

そんな中、今回あらたに読んだ鉄代謝に関する成書には、血清フェリチンの重要性がしっかりとかかれていることが印象的でした。
その中に面白い記載があったので御紹介します。

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高度の鉄欠乏患者には甚だしい偏食、我侭(わがまま)、一人暮らし、漢方薬や薬局や新興宗教や友人の話の方を信じる人がいる。婦人科の受診や医療を拒否したり、屁理屈をいうなど対応が困難なこともある。・・・・・・・・・・・・患者への自覚症の欠如が鉄欠乏の特徴であること、・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この短い記載には、鉄欠乏によっておこる様々な変化が簡潔に記載されていると思います。

貧血と診断されていない方でも、正しく鉄欠乏を評価し、欠乏状態にあるときは食事やヘム鉄の補給によって治療することによって時に人が変わったように良くなった・・・と感じることが多々あります。

今日もそんなことを感じました。
40歳代の女性の患者さんです。
初診時のフェリチンが4ng/dl
1年半の治療で、現在は70まで上昇。

痩せ型で初診時と比較して体重は増えていませんが、とても元気そうになり穏やかな顔つきになられています。
自分でも初診時に、あれほど強く自分の容姿にこだわっていたのか・・・まったく理解できないと話されていました。

鉄は脳内の神経伝達物質におけるドパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、メラトニンなどの合成に必要不可欠です。これらの神経伝達物質が足りなくなる可能性が高いのです。
これらの物質が減ってしまっては、いったいどんな症状が出てくる可能性があるか。。。。

満足がなく、ふんばりが効かず、うつ傾向になり、寝つきが悪くなる・・・従来鉄欠乏とは全く関係が指摘されないような症状と関係してくるのです。
| ひとりごと | 23:39 | comments(1) | trackbacks(0) |


座談会をやってみて
JUGEMテーマ:健康


先週の木曜日、クリニックにあるセミナールームではじめての患者さんとの座談会を開きました。
何を話すか決めていない、問答形式の座談会です。

平日の18時という時間でしたが、11名の治療中の患者さんが集まってくれました。
質問にお答えするという形式で進めました。
参加してくれた皆さんからの質問に、患者さんの体験も答えていただく場面もあり僕が一人で話をするよりも良かったのではないかと思います。

この座談会も、今年のひとつの宣言である『伝える』ということのひとつです。
参加された皆さんも自分の経験や疑問をシェアして伝えていただいてありがとうございました。

月に1回を目安に、自分が中心となった勉強会やセミナーを、おもにクリニックで治療中の患者さんを中心に継続していこうと考えています。
聞きたいテーマや勉強したい内容など、受診の際に直接でも良いですしクリニックのスタッフまででも良いのでお伝えください。

そして、もう一回4月に行なわれる講演会のお知らせです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 『子どもの困ったは食事でよくなる!』※PDFファイル
 2012年4月8日 日曜日
 13:00〜15:00 開場12:30
 上田市文化センター (上田市材木町1−2−3)

 参加費 1,000円
 連絡先 TEL/FAX 0268−37−1170(加賀瀬)
     TEL    0268−28−5611(おおの矯正歯科)

 ※ 託児あり(先着10名)
 主催: こころと栄養 研究会 うえだ
 講演: 上田市教育委員会

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

子供の困ったについて書いた本から、さらに進化した内容にしてお伝えするつもりです。
是非、参加してください。

今日も、神奈川は雪が降りました。
まだまだ寒い日が続いています。しっかりタンパク質を摂って免疫を下げないようにしましょう!!
| ひとりごと | 23:53 | comments(2) | trackbacks(0) |


鉄は重要です
JUGEMテーマ:健康

このところの講演会や勉強会では、鉄をテーマに扱いました。
なぜかというと、重要だからです。

しかし海外の文献を読んだり、さまざまな栄養アプローチの資料を見ても鉄の重要性については無視されていることが多く、どちらかというと危険な栄養素という扱いがほとんどです。
iron free と書かれているサプリメントも多くあることから、海外で鉄が危険視されていることが良くわかります。

今日も、うつ病・パニック障害と診断されていた女性がヘム鉄を中心とした2ヶ月間の栄養アプローチで改善し、
『ぜんぜん違います。身体が動くし、頭も働きます』
と症状の変化を報告してくれました。

この患者さんは、フェリチン5以下 あとは軽度のビタミンB群不足と糖質依存。

それで多くの症状が出ていただけです。
その多くの症状にそれぞれ効くはずのお薬が4種類

やる気がない → 抗うつ剤
眠れない → 睡眠薬
イライラする → 抗不安薬
めまい → めまい止め

これなら誰でも薬が選べますよね。
このような処方を繰り返す専門医もいます。これは怖いことです。

まだ4種類で済んでいただけ、良いほうかもしれません。さらに、それぞれの症状に2〜3種類処方されることも良くあります。
みなさん、ご自身でも気をつけてみてください。

初期のブログにも鉄のことよく書きましたが、これからも少し掘り下げて書こうと思います。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 10:38 | comments(0) | trackbacks(0) |


一般講演会のお知らせ 
JUGEMテーマ:健康


昨日のNHKスペシャルは、うつ病治療についてを取り上げていましたね。
薬物療法以外のものを取り上げていました。

何人かのNHKの記者さんが、この治療について話を聞きに来てくれているので、そのうちしっかりと取材して取り上げてくれればな…と思います。

さて今日は講演会のお知らせです。


 『子どもの困ったは食事でよくなる!』※PDFファイル
 2012年4月8日 日曜日
 13:00〜15:00 開場12:30
 上田市文化センター (上田市材木町1−2−3)

 参加費 1,000円
 連絡先 TEL/FAX 0268−37−1170(加賀瀬)
     TEL    0268−28−5611(おおの矯正歯科)

 ※ 託児あり(先着10名)
 主催: こころと栄養 研究会 うえだ
 講演: 上田市教育委員会


今回は、こどもの困った…いろいろへの栄養アプローチについての紹介です。

落ち着きがない、集中力がない、すぐにカッとする、イライラしやすい…
朝起きられない、寝つきが悪い、食事に偏りがある、甘いものを欲しがる…

これらの症状が強くなると、多動性障害、ADHDなどと診断されたり、不登校とひとくくりにされてしまったり…さらに抗うつ剤や睡眠薬などの投薬が始まってしまったり…これが現在の医療の現状だとおもいます。

ちょっと視点を変えてみると、いろいろなことが見えてきます。
いろいろな症状が食事をしてからの時間と関係していたり、もっと細かく見てみると食べものの内容によって起こったり…。

そしてこの講演会でも紹介するオーソモレキュラー療法では、脳の機能を積極的に改善しバランスをとるように栄養素を用います。
子供ひとりひとり、脳に必要な栄養素の量は異なるみたいです。
小さいときから、集中力がある子、絵が上手い子、音楽が得意な子…それぞれ脳に特徴があります。
その特徴を生かし、さらにストレスに強い脳にするためには、特徴を理解しその特徴に合った食事や栄養素が必要になります。

今回の講演会は、この治療法で御自分のお子さんが改善されたお母さん方が中心になって企画してくれました。
そして地域の教育委員会の後援までとってくれています。

ひとりでも多くの方に参加していただければと思っています。
| ひとりごと | 16:04 | comments(1) | trackbacks(0) |


ある統合失調症の患者さん
JUGEMテーマ:健康


2ヶ月に1回通院している30歳代の男性の患者さんが居ます。
予約表にその方の名前を見つけると、2ヶ月早いな〜〜ということと同時に、5年前に始めてクリニックを受診してくれた当時を思い出します。

統合失調症の診断で、多くの薬を飲んでいました。
以前紹介しましたが、いつ尿や便をもらしてしまうかわからないので、外出時にはいつも下着だけでなくズボンも持ち歩きながらお母さんがいつも一緒でした。

栄養療法を併用してからも不安定な時期がありましたが、減薬をすすめました。
いまではリスパダール1mgのみです。

自立支援の施設に入居し家を離れ、作業所で訓練を受けながらアルバイト代も入るようになりました。
24時間つきそっていたお母さんからしてみると、息子さんが家をでて寂しいやら、どうしてよいやら・・・そんな雰囲気でした。
その彼が、家を離れてもうすぐ3年です。
自立支援の施設も卒業しなくてはならないのです。

作業所からの収入では、生活することはできません。
この先かれは、生活保護を申請し一人暮らしする部屋をさがし一人で自立した生活を始めることになりました。

3年前に支援施設へ引越しすることを相談されたときには、まだ早いかな・・・という印象でしたが、大きなトラブルは一回もなく友人も増やしたくましく成長しました。

まだ少量の薬を使っています。そして生活保護の助けを借りることになります。
それでも、病院への入院を繰り返し、多剤併用で日常生活すらままならない状態であったことを考えると、生活の質には大きな差があります。

なによりも、彼の目には将来への期待や希望や、少しの不安が写っています。
いつも思い繰り返し書きますが、医療が人へ施されるものであるなら、それは受ける患者さんにとって可能性が提供されなくてはならないのです。
| 統合失調症 | 22:50 | comments(0) | trackbacks(0) |


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