うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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ビタミンB群欠乏と精神症状 続き
JUGEMテーマ:健康

”糖質制限=ローカーボダイエット”が知られてきたためでしょうか? 今年の講演会へのお申し込みを多くいただいています。会場が広いのでまだまだ余裕はありますが、一人でも多くの方へ正しい栄養の知識を持っていただく機会になればと思っています。

日 時: 2012年 9月 9日(日)10:30 〜 16:00 (10:00開場)
参加費: 無料
定 員: 600名
会 場: 有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11F)
講 師: 大柳 珠美先生、姫野 友美先生、溝口 徹
主 催: オーソモレキュラー.JP(事務局:新宿溝口クリニック内)

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前回のブログでは、ビタミンB1の欠乏が実は精神症状の原因として昔から知られていることをお伝えしています。
今回はナイアシン欠乏による精神症状についてです。

ナイアシンは御存知のように以前はビタミンB3と呼ばれていました。その欠乏症はペラグラと呼ばれるもので、皮膚炎と下痢、そして精神症状と特徴とするものです。皮膚炎をともなわないペラグラも知られており、それを以前はペラグラ精神病などと呼んでいました。

ナイアシンが欠乏することによる精神症状については良く知られています。

発症前期症状

・倦怠感、疲労感
・不眠
・食欲不振
・不安
・抑うつ気分 などの神経衰弱症候群


進行期症状

・心気念慮
・被害観念をともなう不安・苦悶状態・錯乱状態
・罪悪感からの自殺念慮


さらに進行したとき

・せん妄
・意識障害
・混迷
・緊張病状態
・錯乱状態


このように徐々に精神症状が移行します。
いかがですか?
多くの精神疾患と診断されてしまう症状が羅列されているのです。
特に進行期以降の症状は統合失調症と診断されるような症状がでてきます。
この治療の創設者であるホッファー先生は、統合失調の症状とペラグラ精神病の関係からナイアシン療法の基礎を作られました。

昔の精神科のドクターは、ペラグラ精神病と統合失調症の違いについて注意深い観察をしています。

ペラグラ精神病の場合には、統合失調症と比較して・・・・
・疎通性が保たれ
・現実感があり
・統合失調症特有の冷たさや固さを欠き
・対人接触が良好である

と記載されています。

現在の精神科診断は、患者が訴える症状から病名を決めているので、背景にある栄養不足などがまったく評価されていません。
そして何種類もの薬が処方されています。

症状にたいして栄養的な見方を加えることで、既にお飲みになっているお薬を減らせるきっかけになるとよいですね。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 22:37 | comments(1) | trackbacks(0) |


ビタミンB群欠乏と精神症状
JUGEMテーマ:健康


クリニックでは栄養解析の検査を行い、症状や検査データの問題点の改善のために必要な栄養素の提案をしています。
そのときには、必要な栄養素を優先順位をつけて患者さんへレポートしているのですが、ほとんどの患者さんにはビタミンB群のサプリメントが最優先として選択しています。

ビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素の代謝に必要不可欠なビタミンであることは知られています。そして各ビタミンB欠乏に特有の症状も知られています。これらの生化学的な基礎やビタミン欠乏症については、医学部の学生時代にさらりと勉強しているものです・・・・が、それらの知識が医者になってからの大切な知識であるという印象なく、内科や外科などの臨床的な勉強にはいってしまいます。

ビタミンB群だけでなく各種ビタミンの欠乏症は、食糧事情が改善している近代国家ではありえないと考えられていますが、隠れ脚気や隠れクル病などが増えていることはブログでも取り上げました。

今日から紹介するビタミンB群の欠乏と精神症状については典型的な症状がないことと、ビタミン欠乏などありえないという固定概念から見逃されている典型的な栄養障害になります。

ビタミン欠乏や栄養障害によって様々な精神症状がでることを御存知であるはずの一部の精神科専門のドクターからは、栄養療法は『うそ』であると書籍などを通じてかかれることが出てきましたが、この方法で症状が改善される患者さんも多くいらっしゃることも事実で、今日から何度かお伝えするビタミンB群の不足が精神症状の原因になることも教科書的な事実なのです。

まずは、ビタミンB1からです。
ビタミンB1が欠乏することによって生じる欠乏症で有名なものは脚気とウエルニッケ脳症です。
これら代表的な欠乏症にはそれぞれ精神症状が合併することが知られています。以下は、教科書などからの転載です。

脚気は、膝の腱反射の消失などで知られていますが、実は多彩な精神症状を合併します。

食欲不振
焦燥感
情動不安などの神経衰弱症候群

さらに進行すると・・

うつ状態
統合失調症様症状
健忘症候群

ウエルニッケ脳症は、ビタミンB1欠乏のなかでも多飲酒者に多い欠乏症状です。この脳症に起こる精神症状とは・・

無力感
心気的(小さな身体の症状と重度の病気ではないかと思うようなこと)
抑うつ状態

その後、進行すると

不機嫌
不穏
発熱〜意識障害

ビタミンB1欠乏だけでこれほど多彩な精神症状を呈する可能性があります。
とくに摂食障害やがんなどで不十分な食事の期間が続くと、ウエルニッケ脳症に近い病態になりやすくなります。

たかがビタミンなのですが、心と身体には大変重要な栄養素です。
次回は、ナイアシンの欠乏によって起こる症状についてお伝えしようと思います。
| オーソモレキュラー療法(栄養療法) | 01:11 | comments(0) | trackbacks(0) |


今年の講演会は、9月9日(日)有楽町です
JUGEMテーマ:健康

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
お伝えしたいことはいっぱいあるのですが、ちょっと頻度が落ちています。

さて、ほぼ毎年夏の季節に講演会を続けてきました。
最初は小会議室のような小さな会場だったのですが、少しずつ会場を広くしてきました。
今年は、有楽町のマリオンの11階だそうです。
交通の便が良くて便利ですね。

いままでは、近くに飲食店がない会場などではお弁当の準備をお願いしたりしたこともありました。
今年も午前10時半からの長いイベントですが、ランチタイムは近くの飲食店で糖質制限応用編で美味しいランチをお楽しみください。

先日、子供の頃からずっと通っている散髪屋さんに行き髪の毛を切りました。そこでお店のおばさんから言われたことがあります。

『最近、テレビをみてると溝口さんがずっと前から話してた、主食を抜く食事のことばかりやってるねぇ〜』
『最初にサラダをちゃんと食べると、本当に体調が良くてびっくりしてるのよ〜』

お店の奥さんには、ず〜〜っと以前から検査データの問題点や体調の不調は糖質が多いからですよ〜とくり返しくり返し説明してきました。
テレビの効果は絶大です。

何度言っても白いごはんたっぷりの食事が変わらなかったのに、今やプチ糖質制限派です。
それでも良いのです。
常識が変わるには多数の方の賛同が必須ですから。

今年の講演会は、糖質制限食のパイオニアのお一人である大柳珠美先生と、栄養療法のホープ姫野友美先生をお招きしています。

大柳先生は、糖質制限のレシピ本から理論と実践まで、今やメディアから引っ張りだこの管理栄養士さんです。季節毎に変わるコンビニメニューをチェックして、どのように糖質制限を実践していくのか、独自のデータと理論はきっと多くの方の参考になる、目からウロコのお話満載だと思います。

そして姫野友美先生は、主治医がみつかる診療所をはじめ多くのTV番組に出演している栄養療法ドクターです。ちまたでは、空腹=健康ばかりが目立つこの頃ですが、正しい栄養の知識を伝えてくれる数少ないドクターの一人です。
先頃発売された『成功する人は缶コーヒーを飲まない』は、大ベストセラーとなりました。飲料メーカーもきっとチェックしているはずですので、今後は糖質フリーのコーヒー飲料も増えるのではないかと思っています。

参加費は無料です。
参加者人数確認のため、事前のお申し込みをお願いしています。
ネット環境をお持ちの方は、下記お申込みフォームをご利用ください。

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こころとからだの栄養
 〜くすりのいらない食べ方〜


日 時: 2012年 9月 9日(日)10:30 〜 16:00 (10:00開場)
参加費: 無料
定 員: 600名
会 場: 有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11F)
講 師: 大柳 珠美先生、姫野 友美先生、溝口 徹
主 催: オーソモレキュラー.JP(事務局:新宿溝口クリニック内)

ご案内ページ

| ひとりごと | 09:38 | comments(2) | trackbacks(0) |


成長期とスポーツと栄養
JUGEMテーマ:健康


成長期は、普通考えられているよりもはるかに多くの栄養素が必要です。
いままでは、ご飯をおかわりしてパワーをつけさせる!!・・・のような考えでした。
タンパク質の必要量とすると、一般成人は体重1kgあたり1〜1.5gのタンパク質が毎日必要になります。(この量はお肉の量ではありませんので誤解の無いように)
成長期になると、それが約2倍以上になります。

つまり普通の食事ではタンパク質が高い確率で不足してしまうのです。

さらに中学、高校で運動部に所属していたらどうなるでしょう?

成長期に必要な栄養素+激しい運動による消費量・・・・想像よりもはるかに多い栄養素が必要です。
もちろんカロリーも必要になります。

タンパク質やビタミン、ミネラルが運動をしている成長期の必要量から不足するとどのような弊害が起こるか?
陸上競技や水泳などのタイムを競う競技の場合には、記録として現れます。
またサッカーやラグビー、その他のタイムを競う競技で無い場合には、怪我をしやすくなるなどで現れてきます。

先日、陸上競技をしている中学3年生の男の子のお母さんが途中経過を報告しに来てくれました。
もう1年以上栄養療法を併用しています。

短距離のスプリンターなのですが、スタートで失敗したのに200mで23秒の記録を出して県の選抜選手に選ばれたと言うのです。
100mを越えてからの加速がすばらしく、スタートの失敗を取り返しての記録だったそうです。この後半に追い込みができるというのも栄養療法の成果のような気がします。

そしてなんと言っても、元気になったと話していました。
以前は練習が終わって家にかえると、『疲れた』というのが口癖で、家でもゴロゴロしていることが多かった。ところが最近はかばんを置くと、すぐに友達と遊びに行ってしまう。疲れた。。。。ということも全く無くなった。

そして以前よく訴えていた、膝関節の痛みや筋肉の張りなどもなくなったそうです。
陸上部の仲間の多くは、膝関節が痛むオスグット病や下腿のスネが痛くなるシンスプリントなどの成長痛といわれる
痛みに悩んで充分な練習ができない状態になっているということでした。

200m23秒で走る彼は、ヘム鉄を1日9カプセル飲んでいてもなかなかフェリチンが上昇しません。
つまりそれだけ”成長期+運動”というストレスは鉄を消費しているということなのです。
このような栄養の現実を中学高校の運動部の指導者が理解してくれたら、怪我が減りもともとの才能を充分に発揮することができる身体を維持することが可能になります。

そして運動をしていなくても、成長期には栄養のトラブルが起こりやすく、朝おきれない・・・やる気がでない・・・集中力がたもてない・・・などの症状が生じ、これらの表面に出た症状から○○病などの診断となり、抗うつ剤や睡眠薬などが処方されてしまっているのです。

学校の先生やスクールカウンセラーから、早期に心療内科や精神科の受診をすすめられるケースが増えてきているように感じています。
教師やスクールカウンセラーへの栄養の情報を提供することも重要ですが、親が栄養の知識をもち安易な投薬を避けるようにすることも大切なのです。
| 不登校 | 11:10 | comments(0) | trackbacks(0) |


子供への抗精神病薬の処方
JUGEMテーマ:健康

昨日は、ある地方の市会議員さんと面会をしました。
その議員さんのツィッターに、栄養療法でうつ病を克服した方から投稿があったことを機会に、調べて僕の所へ連絡してくれたのです。

自分の著書『うつは食べものが原因だった』とその図解版、そして『子供の困ったは食事でよくなる』を差し上げました。
議員さんは、投薬だけの精神科医療に強い問題意識をお持ちで、僕の話もとても興味深く聞いてくれました。
うつ病への栄養療法についての面会だったのですが、自分は子供のトラブルへの投薬も大きな問題であることを伝え、『あさおきられないニワトリ』などの絵本を使い、子供達へ早期の精神科受診と投薬治療を啓蒙する活動があることなども伝えました。

そしてタイムリーに、子供への投薬の問題点についてのテレビ番組が放映されるという情報が飛び込んできました。
どのような流れで番組が組み立てられているか不安ですが、現在の問題点を指摘してくれているものと思います。

ブログをお読みいただいているみなさんにも、是非みていただきたいと思い紹介しました。

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NHK クローズアップ現代「増える、向精神薬を飲む子どもたち」

チャンネル:総合
放送日: 2012年6月13日(水)
放送時間:午後7:30〜午後7:58(28分)

内容:
発達障害の兆候があれば小学校低学年までの子供でも向精神薬を処方している医師は全国の7割にのぼる。向精神薬を飲む子供が増えた背景と副作用に苦しむ実態をリポート(NHKの番組案内より)
| 発達障害 | 17:18 | comments(0) | trackbacks(0) |


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