2012.12.31 Monday
大晦日ですね
JUGEMテーマ:健康
今日は、大晦日です。
趣味のつりに行こうと思って出かけたのですが、今日は波が高くてダメでした・・・・残念。
みなさまは、どんな年末をお過ごしでしょうか?
今年は、いろいろな意味でこの治療について変化があったと思います。
なんと言っても、糖質制限食が糖尿病やダイエットの分野でかなり知られマスコミで取り上げられることが増えたことでしょう。マスコミの場合には、つねに話題作りのために新しい食事や栄養についてを取り上げますが、糖質制限食は基本的に人の身体にとってやさしい良い食事方法なので、今後も地道に取り上げてもらいたいと思います。
このブログをお読みの方々には、『糖質制限+たん白質アップ』 が大切であると覚えておいて頂きたいと思います。その食事が、うつ・パニック障害・統合失調症などのいわゆる精神疾患だけでなく発達障害や子供のトラブル、さらにはアトピーなどのアレルギー関連疾患の改善にとって効果が期待できるものです。
身体の中で一瞬も止まることなく行われている代謝関連の生化学的な反応を知れば知るほど、この食事が本来の生物種としての人類に適した栄養であるとが理解されます。
そして人の身体は、最適な環境を提供することで多くの病態を改善させるすばらしい力を備えています。
今年は一般的な食事の分野だけでなく精神疾患の分野においても、栄養障害と精神疾患の関連が多く指摘されてきたことです。これまでもω3系の脂肪酸やナイアシンとの関係について多くの報告がされていますが、今年は日本国内からの注目すべき報告や変化がありました。
ひとつは先日も紹介したビタミンB6不足と糖化が促進した状態と統合失調症の関連の報告です。
この可能性は栄養療法で多くの患者さまの治療で糖質制限を行いサプリメントを用いて糖化を抑制することを治療の中心に指導し、ビタミンB6を含めたビタミンB群を補充することで改善が得られることから納得するものです。さらに報告では統合失調症とビタミンB6不足の関連だけですが、うつ症状やパニック障害などの精神症状と深く関係することが臨床からの印象です。
もう1つは血糖調節のトラブルつまり(機能性)低血糖症と精神症状との関係です。
ブログをお読みいただいている皆さんには常識なのですが、やっと権威ある精神科医や研究機関が注目し始めたということです。
国立精神・神経医療研究センターが、統合失調症、気分障害(うつ病、躁うつ病)の方と健常の方にたいして国の予算をつかって糖負荷検査をおこない研究をはじめることになりました。在る意味画期的なことです・・・・・。
しかし、すでに2000人以上の方々に糖負荷検査を行った経験からみると、健常と思われる方々も実は糖負荷検査の結果は多くの問題を含んでいることが予想されます。比較対照が理想的なのですが、その形にこだわると本質を見失う可能性があると思っています。
新宿では、多くの患者さまに糖負荷検査を行いながら検査方法や検査項目で改善を行ってきました。
たとえば糖負荷の15分後の測定の追加や、同時期の1,5-AG などのほかの項目との関係、さらに糖負荷検査と同時に数名の方で持続血糖測定も行ってみました。30〜60分毎の検査ではわからないことが多いこともわかりました。
新宿では、これまでの膨大なデータを使って統計処理を行うことを始めました。
それらのデータをもとに、発表も行っていこうと考えています。
上記の国立研究センターの責任者は、精神科医の方で臨床の経験も豊富な研究者です。
その先生が、2010年の精神医学という雑誌の中で書かれている文章を紹介したいと思います。
それは『メンタルヘルスと病態栄養〜基礎から臨床まで〜』とうタイトルのシンポジウムを終えた後に、栄養学の分野では栄養障害が多くの精神症状と関係していることが知られて居るにもかかわらず、本来の専門家である精神科医があまりにその分野について無知であったことからの表現になっています。
”精神医学が栄養学に対して鎖国を続けることはもはやできないことは確かである”
限られた心ある精神科医だけでなく、一般的な精神科医や心療内科医にこの考え方が受けいられるためには権威ある施設の権威ある医師からの報告が一番効きます。
今年はその一歩が踏み出されたと言えるでしょう。