うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

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認知症と糖代謝
JUGEMテーマ:健康


昨日の日曜日は、東京で薬剤師さんが集まる会で講演をしました。
130名以上の参加者で活気があり、とても熱心に聴いていただきました。医師が処方した内容に??というときには、薬剤師さんのチェックがとても大切になります。この治療法の基礎的な理論を薬剤師さんに知っていただくと、薬局での患者さんとの会話やアドバイスに違いが出るのではないかと思います。

今回は、低血糖症の理論や脳内神経伝達物質の合成経路と栄養の関係についてお伝えし、乱れたバランスを補正するための食事とサプリメント補充の重要性を話しました。

講演後の質疑応答の時間に、認知症についての質問がありました。
講演会に参加されていた薬剤師さんご本人が、このところ物忘れが多くなってきて気になっているので、なにか対策はありませんか?というものでした。その先生とのやりとりで、「最近、甘いものが食べたくて仕方がない」ということも話されていました。物忘れがひどくなる・・などの症状を自覚する以前から、甘いものを多く食べるようになることが多くあります。それまで甘いものを好まない方でも、急に甘いものを多く食べるようになり、その後しばらくして物忘れが増えるようになります。
認知症は高齢化が進むこれからの時代には、とても大きな問題になります。認知症の分野でも注目されているのが糖代謝との関係です。

糖尿病と診断されている方は、認知症の発症率が高いことは以前から知られています。
認知症には、大きく分けて脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症があります。糖尿病は、進行することによって微小な血管に障害が生じて網膜症・腎症などの合併症が生じます。糖尿病では正常と比較して脳血管性認知症が約2倍増加します。このことは糖尿病による血管障害がもたらす病態として理解されていました。
ところが最近になりアルツハイマー型の認知症も糖尿病の場合には、発症率が高いことが分かり従来の血管障害以外の原因が関係していることが疑われ研究が進みました。

また糖尿病の診断基準を満たす以前の、軽度の高血糖でも認知症のリスクが高まることも示されるようになり、糖代謝のトラブルと認知症には深い関係があることが多くの研究で理解されるようになっています。うつ病も糖尿病によって有病率が2倍以上になることもあり、脳の機能と糖代謝には深い関係があります。

先日の電話カウンセリングで嬉しい報告をいただきました。
半年前のカウンセリングで、お母様が脳梗塞になり麻痺が残ってしまったことや、何事にも意欲がなくなりリハビリが思うように進まないことを相談され、ビタミンB群とナイアシン、さらにできる範囲での糖質制限をお勧めしました。
今回のお電話で、お母さんの見違えるような改善経過をお話してくれました。
食事の変更とサプリメントの補充で、表情が元気になり、リハビリにも積極的に取り組むようになられたそうです。
その結果、いまでは車椅子は使わず、自宅でリハビリも兼ねながら食事の準備をしたりしてとても明るくなられたそうです。
電話で話をした患者さんも、2年以上この治療を継続され初診時とは比較にならないほど身体が動くようになり元気になられています。ご家族が不調になったときに、栄養療法でなにか対応することができないか??と思ってくれることがとても嬉しく思います。




| ひとりごと | 20:54 | - | - |


Web講座にいただいた感想から
JUGEMテーマ:健康


この治療に取り組まれている全国の患者さんたちに、栄養療法の基礎や理論などについてお伝えするためにWeb講座を継続しています。
その講座の中でビタミンDについてをお伝えしたところ、とてもうれしい報告をいただいたので皆さまにもお伝えします。
報告していただいたのは、ご家族でこの治療に取り組んでいただいているお母様からです。
社会人となりアパートで一人暮らしをしている息子さんへ、Web講座を見た後ににビタミンDのサプリメントを飲みはじめてからの変化を聞いてくれたのでした。
息子さんは、アレグラというアレルギーを抑える薬を通年性に服用し鼻水や皮膚のかゆみなどを抑えていました。

以下は息子さんからの返信の要約になります。

・アレグラはD3飲み始める少し前から全く飲んでない。
・効果はアレグラより高いと思われる
・くしゃみや鼻づまりはほぼない。鼻水由来の痰もだいぶ軽い。
・夏でも肌のかゆみや掻いて肌が荒れることもほとんどなかった。
・サプリの中で一番効果が実感できた部類。他はじわじわ系だが、これは即効性だった

さらにお母さんからの感想で、息子さんが時間外勤務や休日出勤などでとても過酷な状況なのに、風邪をひかずにがんばっているなと感心していた・・・・という内容のものがありました。

ビタミンDは従来骨を丈夫にするという働きのみが知られていた栄養素です。
2000年を過ぎてから骨代謝だけでなく免疫に深く関係していることが知られるようになりました。
免疫に関係することから、がんの治療への応用や、感染症への抵抗力、さらに最近では花粉症や蕁麻疹などのアレルギーにも高い効果があることが明らかになっています。
さらに脳内で直接ホルモン様の作用があることが知られるようになり、うつ病や発達障害などの治療への応用が広がっています。
先日の不妊症の勉強会でも、子宮腺筋症への関係が取り上げられており、PCOSや卵巣機能との関係についても多くの報告があります。

これからの季節、インフルエンザ、ノロウイルス感染、さらに花粉症などへの対策としての効果も期待できますので積極的に用いたい栄養素です。
脂溶性ビタミンであり過剰症について注意する必要はありますが、血中濃度を測定し正しく用いることで過剰症や副作用については心配なく使用することができます。
| ひとりごと | 20:50 | - | - |


世界堂のギャラリーに患者さんの作品があります
JUGEMテーマ:健康


新宿のクリニックの近くに世界堂という画材をあつかう大きなビルがあります。
その6階のギャラリーで2/18まで行われている展覧会に患者さんの絵が展示されています。

マリーさんという作家名です。

エキゾチックな大人の女性ですが、かわいらしく愛があふれる小さな絵でした。

マリーさんは、八重洲時代から栄養療法に取り組んでくれています。これまで症状は山あり谷あり・・・抗精神病薬がとても増えてしまった時期もありました。栄養療法ができない時期もありました。

それでもできる範囲で食事の注意を継続し、ナイアシンやビタミンB群なども可能なかぎり継続していました。
もともと絵やデザインが好きで、将来はその分野の勉強をもっとしたいという希望をもっていました。年賀状にはいつもかわいいイラストが書かれていました。

自分が思うように順調な改善経過ではなかったと思います。
それでも今回のようにギャラリーに自分の絵を出展できるまで改善されました。

減薬や断薬、あるいはアルバイトや就職、就学などをとてもあせってしまう患者さんが多くいらっしゃいます。
特にわかい患者さんには、この傾向が強い印象です。

たんぱく質の代謝がよいときには安定して薬の効果が得られます。
たんぱく質の代謝が良くないときには、薬の効果が不安定で副作用も強く出やすくなります。

通常では、血液検査を繰り返したんぱく質代謝の改善や身体が受けている酸化ストレスの軽減を確認してから減薬を始めます。
常に1種類の薬だけを選択して減薬します。

普通の精神科や心療内科の先生方は、減薬の方法などをご存知ではないので、減薬について相談するといきなり半分にされたり、ときにいきなり断薬など支持することがあるので十分に注意してください。本来は専門医からの指導で減薬を薦めるべきですが、なかなか理解されている先生が少ないことも今後解決しなければならないことですね。
| ひとりごと | 23:46 | - | - |


祝成人
JUGEMテーマ:健康

成人式を迎える皆さん、おめでとうございます。
みなさんのこれからの人生に幸多かれと心よりお祈り申し上げます。

去年の成人の日は大雪でした。
晴れ着のすそ
を気にされて歩く方々が多く、一緒に荷物を持って歩かれるご両親も多く見ました。
去年の成人の日は、トリガーポイント研究会というところで痛みと栄養の関係について講演をしていました。

今年は、昨日の日曜日はアレルギーについて東京で話をしたのちに栃木県のりんどう湖へ向かい、不妊症に関する最新情報の勉強会に参加したところです。

いま帰りの新幹線で大宮からとてもきれいな富士山が見えて、少し感動しているところです。
こんな遠くから・・・富士山ってなんかすごいですね。

さて昨年は3月に花粉症にたいする治療でテレビに出た影響で、その後栄養療法に取り組まれ始めての花粉症シーズンを迎える患者さんが多くいらっしゃいます。
早い方は今月末から症状を実感されるので、いままでのシーズンと比較してきっと多くの改善を実感いただけるものと思っています。

栄養療法での花粉症の治療は、粘膜をとにかく丈夫にすることが目的です。
そのため、花粉やカビ、ほこりなどの異物へのアレルギーが改善するだけでなく、ウイルスや細菌への抵抗力も亢進します。多くの患者さんが風邪を引かなくなったとなども報告してくれています。

これからはインフルエンザの季節にもなります。
きっとインフルエンザの予防や症状の軽減にも効果があるはずです。

その主役になるのがビタミンDです。
これからの季節、インフルエンザ対策や花粉症対策に少しビタミンDを増やしぎみにするのもとても効果があるでしょう。



| ひとりごと | 10:17 | - | - |


今年もよろしくお願いします
JUGEMテーマ:健康


ブログをご覧いただいている皆様。
新年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

自宅がある神奈川県藤沢市は、少し風が吹いていますが雲ひとつ無い青空が広がっています。
いつも晴天ばかりではないことは分かっていますが、やっぱり元旦によい天気だと心も晴れます。

昨年までこの治療にとりくまれ、思うような成果が得られていない皆様にも今年には改善が得られ、先に向かって希望を実感できるようになるよう強く思います。

昨年末の仕事納めは土曜日だったので、お子様のトラブルの治療のために受診される家族が多くいらっしゃいました。
なかには発達障害〜自閉症と診断されたお子様の治療を目的に初診された方も数名いらっしゃいました。そしてこの治療に取り組み数ヶ月が経過した方々もいらっしゃいました。

とても嬉しいご報告だったので、今年最初のブログで紹介させていただきます。

他人との関わりに興味がなく、幼稚園入園前に発達障害と診断されていた患者さんです。
栄養アプローチに取り組み、アレルギーの除去食と血糖の安定化の食事、さらにサプリメントの摂取を続けていらっしゃいます。

入園後も友達にまったく興味をしめさない日々が続いていました。
7月頃から、周囲で遊んでいる友達を観察するようになってきたと幼稚園の先生から報告を受けるようになりました。
11月頃から、ある一人の特定の友達と話をしたり遊んだりするようになったそうです。
今でも想定していないこと・・・たとえば別の友達に軽くでもぶたれるなど・・が起こると、それがきっかけになり、普通で居ることができなくなり泣いてしまったりしているそうです。

ただ幼稚園での出来事や、仲良くなれた友達とのことなどを、帰宅してから報告するようになったことなど、お母様にとって驚くほどの成長でした。経過を報告されながら涙ぐんでいらっしゃいました。
入園時に、年中さんになる前に友達を一人作るというのが目標だったそうです。その目標はすでに達成です。すこし遅れてしまった分野の成長を、今年はさらに加速度をもって取り戻していきましょう。

僕のパソコンには、お子様方の患者さんの経過について簡単なメモを集めています。
治療法にはいろいろな理論や考え方があります。一番大切なことは個々の患者さんの改善であることは、年齢に関係なくすべての患者さんにとって最も重要なことです。個々の患者さんの治療と改善経過を振り返ることは、実は多くの情報を教えてくれます。

今年もブログやネットでの動画、書籍、講演などを通して、この治療の基礎や理論だけでなくよい経過も、期待した結果が得られなかった経過もお伝えしていこうと思います。

皆さまにとって良い年になりますように。
今年もよろしくお願いいたします。
| ひとりごと | 14:19 | - | - |


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