2014.01.27 Monday
認知症と糖代謝
JUGEMテーマ:健康
昨日の日曜日は、東京で薬剤師さんが集まる会で講演をしました。
130名以上の参加者で活気があり、とても熱心に聴いていただきました。医師が処方した内容に??というときには、薬剤師さんのチェックがとても大切になります。この治療法の基礎的な理論を薬剤師さんに知っていただくと、薬局での患者さんとの会話やアドバイスに違いが出るのではないかと思います。
今回は、低血糖症の理論や脳内神経伝達物質の合成経路と栄養の関係についてお伝えし、乱れたバランスを補正するための食事とサプリメント補充の重要性を話しました。
講演後の質疑応答の時間に、認知症についての質問がありました。
講演会に参加されていた薬剤師さんご本人が、このところ物忘れが多くなってきて気になっているので、なにか対策はありませんか?というものでした。その先生とのやりとりで、「最近、甘いものが食べたくて仕方がない」ということも話されていました。物忘れがひどくなる・・などの症状を自覚する以前から、甘いものを多く食べるようになることが多くあります。それまで甘いものを好まない方でも、急に甘いものを多く食べるようになり、その後しばらくして物忘れが増えるようになります。
認知症は高齢化が進むこれからの時代には、とても大きな問題になります。認知症の分野でも注目されているのが糖代謝との関係です。
糖尿病と診断されている方は、認知症の発症率が高いことは以前から知られています。
認知症には、大きく分けて脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症があります。糖尿病は、進行することによって微小な血管に障害が生じて網膜症・腎症などの合併症が生じます。糖尿病では正常と比較して脳血管性認知症が約2倍増加します。このことは糖尿病による血管障害がもたらす病態として理解されていました。
ところが最近になりアルツハイマー型の認知症も糖尿病の場合には、発症率が高いことが分かり従来の血管障害以外の原因が関係していることが疑われ研究が進みました。
また糖尿病の診断基準を満たす以前の、軽度の高血糖でも認知症のリスクが高まることも示されるようになり、糖代謝のトラブルと認知症には深い関係があることが多くの研究で理解されるようになっています。うつ病も糖尿病によって有病率が2倍以上になることもあり、脳の機能と糖代謝には深い関係があります。
先日の電話カウンセリングで嬉しい報告をいただきました。
半年前のカウンセリングで、お母様が脳梗塞になり麻痺が残ってしまったことや、何事にも意欲がなくなりリハビリが思うように進まないことを相談され、ビタミンB群とナイアシン、さらにできる範囲での糖質制限をお勧めしました。
今回のお電話で、お母さんの見違えるような改善経過をお話してくれました。
食事の変更とサプリメントの補充で、表情が元気になり、リハビリにも積極的に取り組むようになられたそうです。
その結果、いまでは車椅子は使わず、自宅でリハビリも兼ねながら食事の準備をしたりしてとても明るくなられたそうです。
電話で話をした患者さんも、2年以上この治療を継続され初診時とは比較にならないほど身体が動くようになり元気になられています。ご家族が不調になったときに、栄養療法でなにか対応することができないか??と思ってくれることがとても嬉しく思います。