2014.12.08 Monday
IgGアレルギー(遅延型アレルギー)への小児科学会の勧告
JUGEMテーマ:健康
昨日は、雪の山形での一般向け講演会でした。
9時過ぎから日差しがさすようになり、雪も溶け始め多くの方々に参加いただきました。
主催された十日町ようこクリニックの深瀬洋子先生、そして裏方を一手に引き受けてくれた十日町ようこクリニックのスタッフの皆様、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
参加頂いたみなさまからのアンケート用紙に感想がびっしりと書かれていることを聞き、とても嬉しく思いました。
米どころの東北で、糖質制限の話をするのには少し抵抗があったのですがとても熱心に聞いいていただき、質問も多くいただき活発な講演会になったと思います。
さて本題です。
遅延型アレルギーと呼ばれているIgG型食物アレルギー検査が、TVを始めマスコミで取り上げられるようになりました。
ちなみに日本小児アレルギー学会からも注意喚起が公表されました。
『血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起』
IgG型アレルギー検査は、自分が知る限り国内の検査会社では検査を行うことができません。アメリカにある数社の検査会社でこの検査を行うことができます。
新宿でこの検査を採用したのは2009年でした。
この検査で隠れたアレルギーが患者さんの症状と関係することを知り、改善に有効な検査であることは明確です。
小麦や乳製品に陽性反応が出ているお子さんに除去をすることで、便が劇的に改善し、発達障害の症状に明らかな変化を認めることは多く経験します。
バナナに陽性反応が出ていたお子さんに、バナナを除去したところ興奮が収まり、再度食べてみたところ再び興奮状態になったこともありました。
また Lancet という医学雑誌ではADHDの子供へのIgGアレルギー陽性の食材の除去による効果も報告されています。これはIgEアレルギーも同時に測定して除去しているのですが、IgEよりもIgG陽性の除去のほうが効果的であるという内容であったことが興味深い論文です。
The Lancet, Volume 377, Issue 9764, Pages 494 - 503, 5 February 2011
しかし、この検査に疑問もでてきました。
評価に苦しむ結果があることや、別の検査会社で同じ患者さんの血液を検査すると、かなり異なる結果が戻ってくることなどもありました。
情報を集めてみると、本国アメリカでも同様の問題があることを知り、その結果として新宿では Alletess Medical Laboratory 社でIgGアレルギー検査を行うようになりました。
今年になりマスコミで遅延型IgGアレルギー検査が紹介され、多くの方々がこの検査を受けるようになり今回は、小児アレルギー学会が注意勧告することになったのでしょう。
また機会をあらためて、IgGアレルギーを実際の食事や症状の改善に役立てるのかについてお伝えしたいと思います。
| LGS腸管壁浸漏症候群 | 17:52 | - | - |