2006.12.21 Thursday
ステロイド依存を読み終えて・・
先日のアトピー性皮膚炎の講演会でご一緒した皮膚科の医師から2冊の本を頂きました。
ステロイド依存〜ステロイドを止めたいアトピー性皮膚炎患者のために(つげ書房新社)
アトピー性皮膚炎とステロイド離脱(医歯薬出版株式会社)
どちらも国立名古屋病院皮膚科の深谷元継先生の著書です。
上は一般の方向けにかかれたもので、下はどちらかというと医学書です。というか医歯薬出版からですので、医学書ですね。
今回は、一般の方や患者さま向けに書かれた『ステロイド依存』を読んでということです。
ステロイド剤は、炎症性疾患の病態を劇的に改善させます。
それは、本当に劇的です。自分もアトピーでしたので、子供の頃は皮膚科に行くのも面倒だったので、薬局で”フルコート軟膏”を購入して、肘・膝・首・顔に塗りまくっていました。2〜3日べっとり塗ると良くなってしまうので驚いていたものです。
今、こうして医師になり、しかも分子整合医学を勉強すると、ステロイドの作用と言うものを栄養と絡めて理解することが出来るようになり、炎症性病変を根本的に治癒させるものではないことが明白になりました。
しかし、皮膚科の医師の多くはアトピー性皮膚炎はステロイドを使わないと治らない!!と主張する方が大多数です。皮膚科学会も治療のガイドラインを作って、一般向けの書物を作成し、ステロイド治療を推し進めています。
この2冊の著者である深谷先生は、国立病院の皮膚科医師でありながら勇気ある方だと思いました。著書の中でアトピー性皮膚炎に関して
『皮膚科医は裸の王様になってしまった。』
と書かれているのです。(多剤併用を繰り返す精神科医も同様ですが・・・)
著書は、22名の患者さまのステロイド離脱を、写真と経過を併せて淡々と記しているものです。写真が主なので、深谷先生の主観や評価などが入るものではなく、とてもフェアな書物でした。
その書のあとがき部分で、次のような記載がありました。ちょっと長くなりますが、栄養アプローチでも共通するところがありますので・・・
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
あなたの、かけがいのない、大切な身体に関することを、たとえ自分一人では判断に苦しむ場合があっても、他人に決めさせてはならない。たとえ親でも良くない。(医師であっても良くない。←溝口 注)
一つ一つを、自分自身で決断しなさい。そのための情報は包み隠さず教えてあげる。その中から自分に適したものを、最後には直感でいいから選びなさい。 〜略〜 情報提供が医師の義務であるように、自己決定は患者の権利であると同時に義務なんです。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この季節、僕の外来では必ず繰り返される質問があります。
『クリスマスケーキは食べて良いですか?』
この質問には、答えたくありません。
患者さまへデータを元に情報の全てを提供しています。そしてこのブログでもくり返しくり返し、何が大切で何が増悪因子なのかを・・・・
自分の身体と心を大切に思うとき、自分の行動は責任をもって選択していただくことをお願いいたします。
大切に思えば、食べないという選択も可能でしょう。
あるいは、年に1回だけ、がんばったごほうびに少量を食べるという選択もあるかも しれません。
それがきっかけで多少症状が増悪しても、私たちは治療のためのお手伝いはいたします。
今年もあとわずかです。
この1年、本当に厳しい治療にお付き合いしていただいた多くの患者さまとご家族に深く感謝します。
ステロイド依存〜ステロイドを止めたいアトピー性皮膚炎患者のために(つげ書房新社)
アトピー性皮膚炎とステロイド離脱(医歯薬出版株式会社)
どちらも国立名古屋病院皮膚科の深谷元継先生の著書です。
上は一般の方向けにかかれたもので、下はどちらかというと医学書です。というか医歯薬出版からですので、医学書ですね。
今回は、一般の方や患者さま向けに書かれた『ステロイド依存』を読んでということです。
ステロイド剤は、炎症性疾患の病態を劇的に改善させます。
それは、本当に劇的です。自分もアトピーでしたので、子供の頃は皮膚科に行くのも面倒だったので、薬局で”フルコート軟膏”を購入して、肘・膝・首・顔に塗りまくっていました。2〜3日べっとり塗ると良くなってしまうので驚いていたものです。
今、こうして医師になり、しかも分子整合医学を勉強すると、ステロイドの作用と言うものを栄養と絡めて理解することが出来るようになり、炎症性病変を根本的に治癒させるものではないことが明白になりました。
しかし、皮膚科の医師の多くはアトピー性皮膚炎はステロイドを使わないと治らない!!と主張する方が大多数です。皮膚科学会も治療のガイドラインを作って、一般向けの書物を作成し、ステロイド治療を推し進めています。
この2冊の著者である深谷先生は、国立病院の皮膚科医師でありながら勇気ある方だと思いました。著書の中でアトピー性皮膚炎に関して
『皮膚科医は裸の王様になってしまった。』
と書かれているのです。(多剤併用を繰り返す精神科医も同様ですが・・・)
著書は、22名の患者さまのステロイド離脱を、写真と経過を併せて淡々と記しているものです。写真が主なので、深谷先生の主観や評価などが入るものではなく、とてもフェアな書物でした。
その書のあとがき部分で、次のような記載がありました。ちょっと長くなりますが、栄養アプローチでも共通するところがありますので・・・
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
あなたの、かけがいのない、大切な身体に関することを、たとえ自分一人では判断に苦しむ場合があっても、他人に決めさせてはならない。たとえ親でも良くない。(医師であっても良くない。←溝口 注)
一つ一つを、自分自身で決断しなさい。そのための情報は包み隠さず教えてあげる。その中から自分に適したものを、最後には直感でいいから選びなさい。 〜略〜 情報提供が医師の義務であるように、自己決定は患者の権利であると同時に義務なんです。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
この季節、僕の外来では必ず繰り返される質問があります。
『クリスマスケーキは食べて良いですか?』
この質問には、答えたくありません。
患者さまへデータを元に情報の全てを提供しています。そしてこのブログでもくり返しくり返し、何が大切で何が増悪因子なのかを・・・・
自分の身体と心を大切に思うとき、自分の行動は責任をもって選択していただくことをお願いいたします。
大切に思えば、食べないという選択も可能でしょう。
あるいは、年に1回だけ、がんばったごほうびに少量を食べるという選択もあるかも しれません。
それがきっかけで多少症状が増悪しても、私たちは治療のためのお手伝いはいたします。
今年もあとわずかです。
この1年、本当に厳しい治療にお付き合いしていただいた多くの患者さまとご家族に深く感謝します。