うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際
うつ病、パニック障害、発達障害からがんの治療まで海外で広く実践されている「薬だけに頼らない」オーソモレキュラー療法を紹介します。投薬治療が中心のうつ病や統合失調症などに多くの実績があり発達障害にも応用されています。高濃度ビタミンC点滴療法は、がんの治療に新しい可能性を提供します。

ご挨拶
溝口 徹

溝口 徹(みぞぐち・とおる)
自分にとって必要な栄養素を知ること。そして、その栄養素を十分に摂取すること。正しく、十分な栄養素が、自分の心と身体を、より良い状態に改善させます。
精神疾患の診断を受け、多くの薬を用いて対症療法の治療をされている方が多すぎます。最適な代謝が、脳内の神経伝達物質の分泌を適正化します。その結果、薬が必要であった症状の多くが改善することを、分子栄養学的なアプローチでは多く経験します。
このブログでは、日々の診療で経験する多くの患者さんの経過や、その背景にある学術的な作用を、できるだけわかりやすく伝えてゆきます。本来の自分らしさ取り戻すために、少しでも役立てていただければ嬉しく思います。

詳しいプロフィール

新宿溝口クリニック

オーソモレキュラー栄養療法<br>導入医療機関一覧

医師・歯科医師向けセミナーのご案内

関連ブログ紹介

がん治療 栄養療法で毎日を元気に、穏やかに生きる。

「がん治療」のブログは本ブログ「うつ病からがんの治療までオーソモレキュラー療法(栄養療法)の実際」に統合しました。2012年末までの投稿は「がん治療」ブログでご覧いただけます。

おすすめ書籍
スーパードクターズ!  いま、糖質制限がすごい!  ケトン体生活のススメ (ぴあMOOK)
スーパードクターズ! いま、糖質制限がすごい! ケトン体生活のススメ (ぴあMOOK) (JUGEMレビュー »)
宗田哲男 藤澤重樹 新井圭輔 今西康次 溝口徹 水野雅登 門脇晋 小幡宏一 長尾周格 三島学
携帯からアクセス
qrcode
ステロイド依存を読み終えて・・
先日のアトピー性皮膚炎の講演会でご一緒した皮膚科の医師から2冊の本を頂きました。

ステロイド依存〜ステロイドを止めたいアトピー性皮膚炎患者のために(つげ書房新社)
アトピー性皮膚炎とステロイド離脱(医歯薬出版株式会社)
どちらも国立名古屋病院皮膚科の深谷元継先生の著書です。

上は一般の方向けにかかれたもので、下はどちらかというと医学書です。というか医歯薬出版からですので、医学書ですね。
今回は、一般の方や患者さま向けに書かれた『ステロイド依存』を読んでということです。

ステロイド剤は、炎症性疾患の病態を劇的に改善させます。
それは、本当に劇的です。自分もアトピーでしたので、子供の頃は皮膚科に行くのも面倒だったので、薬局で”フルコート軟膏”を購入して、肘・膝・首・顔に塗りまくっていました。2〜3日べっとり塗ると良くなってしまうので驚いていたものです。

今、こうして医師になり、しかも分子整合医学を勉強すると、ステロイドの作用と言うものを栄養と絡めて理解することが出来るようになり、炎症性病変を根本的に治癒させるものではないことが明白になりました。
しかし、皮膚科の医師の多くはアトピー性皮膚炎はステロイドを使わないと治らない!!と主張する方が大多数です。皮膚科学会も治療のガイドラインを作って、一般向けの書物を作成し、ステロイド治療を推し進めています。

この2冊の著者である深谷先生は、国立病院の皮膚科医師でありながら勇気ある方だと思いました。著書の中でアトピー性皮膚炎に関して
      『皮膚科医は裸の王様になってしまった。』
と書かれているのです。(多剤併用を繰り返す精神科医も同様ですが・・・)

著書は、22名の患者さまのステロイド離脱を、写真と経過を併せて淡々と記しているものです。写真が主なので、深谷先生の主観や評価などが入るものではなく、とてもフェアな書物でした。

その書のあとがき部分で、次のような記載がありました。ちょっと長くなりますが、栄養アプローチでも共通するところがありますので・・・
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

あなたの、かけがいのない、大切な身体に関することを、たとえ自分一人では判断に苦しむ場合があっても、他人に決めさせてはならない。たとえ親でも良くない。(医師であっても良くない。←溝口 注)
一つ一つを、自分自身で決断しなさい。そのための情報は包み隠さず教えてあげる。その中から自分に適したものを、最後には直感でいいから選びなさい。 〜略〜 情報提供が医師の義務であるように、自己決定は患者の権利であると同時に義務なんです。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

この季節、僕の外来では必ず繰り返される質問があります。

『クリスマスケーキは食べて良いですか?』

この質問には、答えたくありません。
患者さまへデータを元に情報の全てを提供しています。そしてこのブログでもくり返しくり返し、何が大切で何が増悪因子なのかを・・・・

自分の身体と心を大切に思うとき、自分の行動は責任をもって選択していただくことをお願いいたします。
  
  大切に思えば、食べないという選択も可能でしょう。
  あるいは、年に1回だけ、がんばったごほうびに少量を食べるという選択もあるかも しれません。

それがきっかけで多少症状が増悪しても、私たちは治療のためのお手伝いはいたします。
今年もあとわずかです。
この1年、本当に厳しい治療にお付き合いしていただいた多くの患者さまとご家族に深く感謝します。

  
| アトピー性皮膚炎 | 19:09 | comments(2) | trackbacks(0) |


アトピーのステロイド離脱
本日はアトピー性皮膚炎の治療の講演会へ参加してきました。

アトピーの治療でステロイドやプロトピックを使用しない治療をしている医師の講演会です。この医師は、もともとはアレルギーの専門家で皮膚科が専門ではありません。
しかし講演の話の内容から、とにかく困っている患者さんたちを何とかしたいと言う熱い思いが伝わってきました。とても共感できる講演会の内容だったので少しご紹介させていただきますね。

この医師は、アメリカの大学へ留学中にアレルギーの研究をしているときに、ステロイドを使用するとIgE抗体が上昇することを発見し発表されました。今では免疫の専門科間では常識となっていることですが、まだまだ一般の医師にも知られていません。
アトピーの治療中には、IgE抗体の数値がアトピーの活動性を知る指標にしています。
ステロイドを使用すると、炎症が治まるためにアトピーの皮膚症状が一時的に治まったり、かゆみが治まります。しかし肝心なIgE抗体が上昇するということです。

この事実だけでも、ステロイドがアトピーの症状を軽減することは事実ですが、アトピーを決して治しているものではないことを示すものです。
またステロイド離脱や顔へのステロイドを避けるためのプロトピック軟膏がもつ問題点についても科学的な根拠に基づいて話をされていました。

今日の講演を聴いてきて、あらためて確信したことは
『アトピーはステロイドでは治らない!』
ということでした。

新宿ではアトピーの治療を目的に来院される患者さまも多くいらっしゃいます。
ステロイドの使用は、できるだけ少なくするように指導しますが、基本的には短期間に離脱へ持っていくことが結局のところ治療期間を短くすると思いました。

分子栄養学の勉強会へ積極的に参加されている皮膚科の先生も今日の講演会へ参加されていたのですが、ステロイドの離脱に伴う激しいリバウンド症状の軽減のために、大量のビタミンCやビタミンBを併用することの可能性についてディスカッションしたのでした。

| アトピー性皮膚炎 | 17:03 | comments(3) | trackbacks(0) |


<< | 2/2PAGES |